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西武裏金問題

2007年03月13日 20時31分36秒 | スポーツ
今まで語ってきたことの繰り返しになるので、改めて語ることもないかと思いつつ、ドラフト制度についてちょっと調べていたら、「スポーツビジネス from NY」さんというブログを発見した。言いたいことが全て書かれているので、正直書く気がなくなったのだが、他に思いつくネタがなかったので仕方なく書くとしよう(苦笑)。

本当なら、西武はドラフト停止くらいじゃなく、リーグ追放くらいの処分でもおかしくないと思う。そこまでいかないのは、西武以外が潔白なのかどうかかなり怪しいせいとも勘ぐれるし。一場問題のときも最終的には3球団が関与していたことが明らかになったように、西武だけなの?という思いは決して少数派じゃないだろう。
受け取った側の二人の選手、社会人に進んだ方は名前が出て、大学に進学した方は名前が出ていないがこの差にも疑問が湧く。社会人でないせいか、未成年なのかはよく分からないが、高校卒業したら責任ある大人として扱うのが筋のように思えるが(この辺りは国民投票をきっかけとした18歳成人の議論に繋がっていくが)。大学生の方は自分は知らなかったという発言をしているようだが、この二人に対する処分があるのかどうかも気になるところだ。フェアな野球界を目指すのであれば、一場の時のような救済ではなく、厳しい措置が取られるべきだとは思う。

プロ野球人気の低迷とはよく言われるが、ジャイアンツ戦の視聴率の低下を除けばあまり数字には表れていない。観客動員も悪くないし、メディアの露出でもライバルとされるJリーグを圧倒している。ただ球団経営が順調かというとそうではない。
先に挙げたブログでは、閉鎖型、開放型という名付け方をしているが、アメリカスタイルのリーグ構成とヨーロッパスタイルのリーグ構成では経営思想が大きく異なる。各国のサッカーリーグの多くが行っている開放型リーグ構成は、チーム間の戦力差が大きく異なるものの、入れ替え戦の存在によって下位チームにも真剣な勝負の場が用意されている。そのため、各クラブは身の丈にあった経営を行い、それぞれのクラブがそれぞれの目標をもって挑むことが許されている。Jリーグは規模ではプロ野球に及ばないものの、自身の理念に沿ったリーグを構成し、日本各地にクラブを生み出すなど一定の成果を上げている。
アメリカ型の閉鎖的リーグは、こうした入れ替え戦がないため、力の格差が生じるとリーグ全体としての損失に繋がりやすい。ドアマットチーム(下位低迷しているチーム)との対戦では視聴率の低下や観客動員の減少に繋がるからだ。歴史ある一部のチームは対戦相手に左右されないかもしれないが、チーム主体で考えるか、リーグ主体で考えるかで違ってくるだろう。
MLBは歴史が古くチームの発言力が強いため、リーグ全体の利益という観点からするとかなり不都合なシステムのまま運営されている。しかし、海外(とくにアジア)戦略に成功し、大きな市場を開拓したことで現在の繁栄にたどり着いた。
逆に、同じように歴史が古くチームの発言力が非常に強い日本プロ野球機構は、MLB以上に閉鎖型リーグの運営には不都合なシステムを取り続け、更に選手のMLB流出という厳しい状況も抱え込んでいる。

完全ウェーバー制ドラフトなんて、閉鎖型リーグでは前提条件のようなものだが、それさえなしでここまでやってきたその潜在力にむしろ注目すべきなのかもしれない。プロ野球の最大の強みはライバル不在ということだ。Jリーグ開幕当初の危機はイチローフィーバーなどの幸運に助けられた。Jリーグは百年構想じゃないが、じっくりと地方や子供への取り組みを優先しているため、その成果が実を結ぶにはまだしばらく時間が掛かるだろう。それまではプロ野球は腐っても鯛であり続けるだろう。
この猶予期間のうちにどのような方向に進むのかを決断できるかどうかが問われている。閉鎖型リーグとして確立するには、相当の合理主義的な改革が必要で日本人にそれができるかは疑問の余地が大いにある。いっそ、開放型リーグ化した方が向いているのではと思うが、野球というスポーツがそれに適しているかどうかは未知数だ。ただずるずると場当たり的に小手先の改革を繰り返す中でいつしか人気を失い衰退していく可能性が最も高いが、その予想を覆すような何かが起こりえるのか……。



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