白夜の炎

原発の問題・世界の出来事・本・映画

イラン・リビア問題の背景に欧米と新興国の覇権争い

2012-01-25 14:08:52 | EU
 「ロシアの声」(http://japanese.ruvr.ru/2012/01/24/64543800.html)が以下のインタビュー記事を掲載。

 イランとEUの対立。英仏によるリビア攻撃などの背景には、欧米が支配する世界の現状を維持したい欧米と、それを変えなければ将来の発展がない新興国―特に中国やインドなど-との間の対立があると分析している。


イタリアの政治学者ジュリエット・キエザ氏は、モスクワで24日に開かれた記者会見で、西側諸国は中国との対立により、イランとの戦争の瀬戸際に立っていると述べた。

キエザ氏は、「西側諸国の現在の行動は、世界の様々な動きに対する彼らの影響を逃さないための試みだ」との考えを表した。

 キエザ氏によると、欧州と米国は現在、あらゆる方法で現状を維持しようと試みているが、世界での影響力の強さはすでにずいぶん前からアジアに移動しており、「すでに時遅し」だという。

 インド、ブラジル、そして特に中国といった国々は、急進的に発展しており、これらの国々では資源の需要が高まっている。問題は、資源は限られており、全ての国を満たすことはできないことにある。キエザ氏は、「この状況では、大きな戦争は避けられない」との結論を導いた。


 キエザ氏は、現在のイラン政府は今後も中国への原油輸入を続けると思われるため、「イランでの政権交代は、中国にとって打撃となる」との確信を表している。

 キエザ氏によると、リビアでのカダフィ政権打倒も、同様の理由によって起こった。キエザ氏は、「リビアでの政変により、中国の「アフリカ征服」に対抗するための基盤が築かれた」と述べた。」

センター入試を廃止して高卒資格・大学受験資格試験に

2012-01-25 13:32:23 | 教育
 センター試験の不手際があれこれ指摘されている。

 例えば→http://www.lemonde.fr/cinema/article/2012/01/24/la-television-grecque-annonce-la-mort-du-realisateur-theo-angelopoulos_1634003_3476.html といったものもある。

 センター試験が当面継続する以上、関係者がしっかり対応しなければならないのは当然であるが―センター理事長の月給は約92万円―、センター試験そのものが有効かどうか不明である。

 (なおヒアリング試験は本当に必要かよく検討すべきである。ヒアリングをやることで高校の教育がどの程度良くなったかきちんと評価すべきである。またヒアリング機器がどこの製造で、どのような条件で調達されているのか、きちんと公表されているのだろうか。大学入試センター本部の調達情報の頁を見ても不明である→http://www.dnc.ac.jp/modules/dnc/content0044.html)

 結局各大学の独自の試験がなくなったわけではない。

 国費を投じた大規模試験は、大学入試にどう寄与しているのか、高校教育の質の向上に役立ったのか、全く不明である。

 この際センター試験という大学入学試験制度を廃止して、イギリスのように高校卒業時点で、全高卒者を対象に一斉学力試験をやった方がよいと思う。内容は今のセンター試験をもう少し幅広くしたものでいいのではないかと思う。

 そして試験結果を各人に通知し、それぞれの科目でどの程度の高卒者としての学力があるかの証明にする。

 そして大学受験には、例えば高校の卒業要件科目全体を通じて、最低C+が必要だとか、あるいは高卒の資格はC-以上が必要だとかにしてみたらどうだろう。
(例えば A+ A A- B+ B B- C+ C C- D という評価区分にした場合、Dは不合格)

 こうすると底辺学生を集めている大学が潰れたり、高校間の格差が明確になるが、どちらもやむを得ない。

 大学教育とはほど遠い内容の大学は廃止すべきだし、学力が水準に達していないにもかかわらず、とりあえず卒業させてしまうという高校も減るだろう。

 是非とも試験の全面的な見直しが必要である。

洪水後のタイ

2012-01-25 13:10:27 | アジア
 洪水後のタイの様子を時事通信が伝えています。

 日本は最近自分のところの「風評被害」には敏感ですが、震災・原発事故の時助けてくれたタイの人たちの苦労には鈍感なような気がします。

 是非ともこのサイトをご覧ください。

 →http://www.jiji.com/jc/v4?id=thai_flood0001&t=v

貿易赤字―31年ぶり

2012-01-25 12:56:14 | 経済
 「石油危機以来31年ぶり貿易赤字 昨年、震災や歴史的円高で 

 財務省が25日発表した2011年の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は2兆4927億円のマイナスとなり、第2次石油危機で輸入原油が高騰した1980年以来、31年ぶりに赤字となった。東日本大震災や歴史的な円高で輸出が落ち込む一方、火力発電の燃料となる液化天然ガス(LNG)の輸入が膨らんだ。

 赤字額は80年の2兆6129億円に次いで過去2番目の水準。リーマン・ショックにより年度ベースで赤字となった08年度の赤字額7648億円を大きく上回り、輸出に大きく依存してきた日本経済の先行きに不透明感が増してきた」


 今回の赤字は1980年当時の赤字と異なり、日本経済没落のシグナルになりかねない。

 代わって中国がさらなる飛躍を遂げるだろう。

 中国は国外でも必要な資源や土地を次々と獲得し、権益を拡大し続けている。

 しかもかつての欧米と異なり、軍事的進出を伴わないため、また欧米への対抗勢力としての価値があるため、アフリカや中東、そして中南米でも歓迎されている。

 日本はアメリカを通じて資源を確保することにあまりにも慣れ切ってしまったため、独自の獲得能力がない。

 しかしアメリカは冷戦に勝利するため「反共の防波堤」として日本を支援したのであって、その価値が失せて久しい中、今後改めて日本をバックアップすることはないだろう。

 今後日本は中国経済圏に飲み込まれるのか、自力で道を見出すのか、いずれにせよ容易ではなさそうだ。

 なおBBCもこの件を報道している→http://www.bbc.co.uk/news/business-16712816

 
 またウォール・ストリート・ジャーナルも以下のように伝えている。

 「米有力紙“輸出立国日本の終わり”

1月25日 13時9分

 アメリカの有力紙「ウォールストリート・ジャーナル」は、「輸出立国、日本の時代の終わり」というタイトルの記事を1面に掲載し、歴史的な円高が続くなか、企業の海外移転が加速し貿易赤字を抱える状態が続けば、日本は、巨額の債務の返済に苦しむ事態に直面するおそれがあると指摘しています。

 この記事は、24日付けの「ウォールストリート・ジャーナル」に掲載され、歴史的な円高によって輸出の採算が悪化し、生産拠点の海外移転が進んでいる日本の製造業を取り巻く構造的な変化を取り上げています。この中では「日本は、製造業の力と輸出を中心にした貿易政策で、世界の市場に自動車や家電などの製品を次々と投入してきたが、もはやそうした時代は終わった」としたうえで、円高がこのまま続けば、日本は今後数年間貿易赤字を抱えることになるという専門家の見方を紹介しています。

 そのうえで、少子高齢化が進み、景気の低迷が続くなか、貿易赤字を長期的に抱えることになれば、日本が債務国に転落する可能性があるという見方を示し、「財政危機に陥っているイタリアよりも大きな債務の負担を抱える日本が、将来、債務の返済に苦しむおそれがある」と指摘しています。

 記事では、戦後、輸出が主導する形で「日本の奇跡」と呼ばれる成長を成し遂げた日本が、巨額の貿易黒字を抱え、国際社会で摩擦を生んだ歴史を紹介し、貿易赤字を抱えるに至った日本の姿を「驚くべき変化だ」と結論づけています。」


テオ・アンゲロブロス監督追悼

2012-01-25 12:36:06 | EU
 アンゲロブロス監督のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

 学生時代、岩波ホールで見た『旅芸人の記録』の強い印象は忘れられません。

 ギリシャの近現代史を旅芸人一座に重ね合わせたこの作品で、ギリシャ内戦の悲惨さや、複雑な民族問題について知りました。

 最近財政難に関連して、日本国内でギリシャを揶揄するような報道が多くなっていますが、そのような報道をする人たちはどの程度ギリシャの近現代について理解しているのでしょうか。

 ほんとうに素晴らしい作品をありがとうございました。

 なお監督の死は世界中が悼んでいます。気がついた記事をいかに紹介します。


 ル・モンド http://www.lemonde.fr/cinema/article/2012/01/24/la-television-grecque-annonce-la-mort-du-realisateur-theo-angelopoulos_1634003_3476.html
 

「テオ・アンゲロプロス監督死去 世界的巨匠、交通事故で


 テオ・アンゲロプロス監督=2009年2月、ベルリン(AP=共同)

 【アテネ共同】

 映画界の世界的な巨匠でカンヌ国際映画祭パルムドール(最高賞)受賞の「永遠と一日」などで知られるギリシャのテオ・アンゲロプロス監督が24日、アテネ近郊で新作映画の撮影中、道路を渡ろうとしてバイクにはねられ、搬送先の病院で死去した。76歳だった。ギリシャ紙カティメリニ(電子版)などが伝えた。

 35年アテネ生まれ。フランスで映画を学び、ギリシャに戻って映画評論家となった後、映画制作を始めた。「旅芸人の記録」(75年)で名声を確立。独特の長回し撮影による映像で知られた。

 他の代表作として、ベネチア国際映画祭金獅子賞(最高賞)受賞の「アレクサンダー大王」(80年)などがある。」