白夜の炎

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セシウム降下―武田邦彦ブログより・福島東電4号機

2012-01-06 20:26:23 | 放射能
「12月29日、30日と高かった福島市のセシウム降下量は、いったん12月31日、1月1日と下がったものの、1月2日には「4月なみ(4月は福島からのデータはないので、茨城県北部のデータを参照した)」セシウムが降っている。


この量が続けば3月、4月と同じだから一時避難しなければならない。ただ、今の段階で間違ってはいけないことがある。それは「原因を追及するのではなく、本当に3月4月なみのセシウムが降っているのか、なぜそれを政府が警告し、マスコミが報道しないのか?である。


データは文科省の正式報告であり、値は1日で252メガベクレル(1平方キロメートルあたり)だから、十分に警告を出して良いレベルだ。「2,3日、様子を見る」ということかも知れないが、危険な兆候は知らせてくれないと困る。


被曝は足し算だから、直ちに逃げなくても良いが、マスク、外出抑制はまずして、学校の開校は時期をずらした方が良いだろう。また、本当ならまもなく水道も汚れてくるはずであるし、半月後には葉物野菜が汚染されるだろう。


第二に重要なのは原因の追及より、セシウム降下の事実を調べることだ。たとえば、このように考えたら良い。火事が起きて家族のいる居間に火が移ろうとしている。その時に逃げる準備や火がどこまで迫っているかは大切だが、火元が台所か風呂場かは当面はあまり深く追究しても意味が無い。だいたいの方向が判れば良い。


実は、私も「4号機が危ない」という情報があったので、それを調べていたら、どうも「セシウムが降ったのは4号機ではないか」と類推し、4号機の問題にすり替わったらしい。4号機かどうかなどは2,3日後でも間に合う。


セシウムが降っているなら、それだけに注目し、逃げる準備が先である。4号機でも1号機でも、福島周辺からの2次汚染でも、同じことが起こる。でも、原因追及より、事実確認をすることが第二だ。もちろん、事実確認をしている内に被曝してはいけないから、ともかく危険なデータがでたら、即、準備をするべきだ。


(平成24年1月6日 午後6時)」

「内部被ばくを減らす食事を」

2012-01-06 19:27:09 | 放射能
 以下は http://blog.goo.ne.jp/chiba20110507/e/5e96916a4e660dcb49ff56d164f1284e からの転載です。


「東日本大震災:暮らしどうなる? チェルノブイリの経験から 内部被ばく減らす食事を


「甲状腺がんは宿命だと決して思わないでほしい。できることはたくさんある」と強調するエフゲーニャ・ステパノワさん(右)=福島市のコラッセふくしまで2011年12月11日、中村美奈子撮影
 チェルノブイリ原発事故が起きたウクライナで、内部被ばくの一番の原因は、放射性物質で汚染された食品の摂取だった。ウクライナで事故以来25年間、子どもの健康調査を続ける医学博士、エフゲーニャ・ステパノワさんに、被害の実態と大人ができることを聞いた。【中村美奈子】

 ◇野菜は洗い、皮をむく/肉、魚は塩水に漬ける/干しぶどう、チーズ有効
 事故前はロシアの小児科医だったステパノワさんは現在、ウクライナ放射線医学研究センター放射線・小児・先天・遺伝研究室長。NGO「グリーンピース・ジャパン」主催の福島市での講演会で今月、子どもたちの健康被害について語った。

 ウクライナは、放射性セシウムの汚染度によって、被災地を(1)立ち入り禁止区域(原発から30キロ圏内)(2)強制移住区域(年間被ばく線量5ミリシーベルト超)(3)自主移住区域(同1ミリシーベルト超)(4)放射線環境強化管理区域(同0・5ミリシーベルト超)の四つに分けた。汚染地域の住民の被ばく量は年間1ミリシーベルト以内、生涯で70ミリシーベルト以内と法律で決められた。福島市と郡山市のそれぞれ一部は、ウクライナでいえば強制移住区域にあたる。

 ステパノワさんによると、事故で被災したウクライナの子は90万人で、そのうち86年から08年までに甲状腺がんになった子は6049人。事故前は発症者10~20人の珍しい病気だったという。

 「汚染された食品が最大の内部被ばく源で、牛乳がその8割を占めた」とステパノワさん。子どもの主要な栄養源だったからで、今も汚染されていない乳製品の入手は困難な地域があるという。

 がん以外の異変もある。汚染地域に住む子どもは複数の慢性疾患にかかることが多い。「病が長く続き、再発する傾向がある。治療の効果は薄い」とステパノワさんは話した。汚染地域では消化器系の病気の子が増えた。年間線量が5ミリシーベルト超の強制移住区域では汚染が少ない地域と比べ、気管支炎などの呼吸器疾患、肝臓組織の筋腫化、血液系障害、免疫障害になる子が約2倍になった。がん以外の病気や障害は、事故との関連を含め研究が始まったばかりという。

 ステパノワさんが強く訴えたのは「毎年必ず子どもの健康診断をすること」だ。ウクライナでは、被災地に設置した国の健康保護センターで健康診断を行う。小児科▽内分泌▽血液▽神経▽眼▽咽喉(いんこう)(のど)▽外科の7分野で各専門医が超音波や血液検査を毎年実施し、国へデータを送る。被災者への医療や健康診断はすべて無料だ。

 「早期発見が最も大事。ウクライナで甲状腺がんで死んだ子は、早期発見できなかった2人だけ。できることはたくさんある」。その一つが、毎年子どもを汚染地域外に送り健康増進プログラムを行う国の事業だ。4週間以上保養地で過ごし、被ばく量を減らすのに大変効果があるという。

    ◇  ◇

 食品による内部被ばくはどうしたら減らせるのか。ステパノワさんによると下ごしらえが重要で、▽よく洗う▽ゆでる▽肉や魚を塩水に漬ける--ことを住民に指導している。

 野菜はまず洗い、5ミリの厚さで皮をむき、さらに洗い、ゆでる。こうした処理でセシウムは30~50%減らせるという。ゆで汁は捨て、使わない。

 肉や魚は2~3時間塩水に漬け、この間数回塩水を替える。塩水の濃度はしょっぱければよい。

 桃やにんじん、りんご、ぶどうなど植物由来の抗酸化物質が入った食品には、放射性物質を排出させる働きがある。ウクライナの強制移住区域の小学校や幼稚園ではこれらの生ジュースや食物繊維のペクチンを含む補助食品が与えられ、無料で給食が出る。

 「カリウムはセシウム、カルシウムはストロンチウムと体内での動きが似ている。事前にカリウムをたくさん取れば、放射性セシウムが体内に入る余地がなくなる。同様に、カルシウムをたくさん取れば、ストロンチウムも入ってこられない」とステパノワさんは言う。

 積極的に食べたいのは、カリウムをたくさん含む、汚染されていない干しぶどうや干しアンズ。生より干した物の方がカリウム濃度が高い。カルシウムはチーズで取るのがおすすめ。牛乳が汚染されていても、チーズの製造過程で液体部分の乳清に放射性物質が出ていくからだという。「農家には、汚染された牛乳はチーズにしなさいと助言している。穀物や野菜、海藻を豊富に取るのも効果があると思う」と話す。

    ◇  ◇

 ウクライナの北隣、ベラルーシに90年に設立された民間研究所「ベルラド放射能安全研究所」の放射能対策をまとめた「自分と子どもを放射能から守るには」(世界文化社刊)は、食事対策を詳しく解説している。

 同書によると、放射性セシウムは水に溶けやすく、油脂類とは結合しない。セシウムがたまりやすいレバーなどの内臓や、ストロンチウムがたまりやすい骨付き肉は放射能検査済みの物を買い、魚は内臓、頭部、えら、皮、骨を取り除く。肉も魚も2%の塩水に12時間さらし、その間数回塩水を替える。骨を煮出したスープは飲まない。

 訳者の辰巳雅子さんによると、野菜は洗って皮をむいた後に、再度よく洗うことを徹底する。キノコと肉・魚は、塩水に漬けると浸透圧で食材の水分がしみ出してくるため、除去効果が上がる。また塩水に酢を少し入れると、肉や魚のたんぱく質流出を防ぐという。

毎日新聞 2011年12月30日 東京朝刊」

原子力情報資料室の訴え

2012-01-06 18:17:46 | 放射能
 原子力情報資料室の主張を転載します。

「原子力資料情報室はこう考えます

【原発は早急に廃止されるべきです】

放射能災害の危険性、放射性廃棄物のあと始末のやっかいさ、核兵器への転用のおそれ……。多くの問題を抱えた原発の廃止は、できるだけ早く実施される必要があります。原発のある地域や原子力産業の労働者の暮らしなども視野に入れ、脱原発の具体策を考えます。


【再処理・プルトニウム利用は即刻廃止】

原発の使用済み燃料を再処理し、プルトニウムを取り出して使用する計画は問題をより複雑にし、危険性を大きくするだけです。核開発への危惧をなくし、国際的な摩擦を回避するためにも、まず再処理のストップを!東海再処理工場(茨城県)の運転停止、六ヶ所再処理工場(青森県)の中止を訴えます。


【放射性廃棄物の管理は発生者の責任で】

放射性廃棄物の発生者が最後まで責任を持ち、管理していくことを求めます。安易に地下に埋め捨てて、責任を逃れようという「地層処分」は無謀です。後の世代への「負の遺産」を少しでも小さくするにはどうしたらいいか真剣に考える必要があります。


【エネルギーの使いすぎの危険から脱却を】

エネルギーの浪費が地球環境に深刻な影響を与えています。エネルギーの生産のしかた、利用のしかたを効率のよいものとし、分散化をすすめ、無駄を省いていくことは十分に可能です。自然エネルギーの利用は、消費の削減につながるエネルギー生産技術として、大きな意味を持ちます。地球温暖化防止のために二酸化炭素の削減が求められていますが、原発の推進ではこの削減はできません。エネルギーの浪費を減らすことこそがCO2 削減の途です。


【原発輸出は許されません】

国内で原発が作りにくくなったメーカーは、輸出をねらっています。海外への危険の押し付けに反対します。


【あなたの支えが大きな力に育ちます】

1999年9月に特定非営利活動法人(NPO)の認定を得たことで、新しい一歩を踏み出しました。これを機会に脱原発をめざす市民のための市民の機関としての役割を、いっそう確実に果たしていきたいと考えています。


あなたも私たちと一緒に、原子力のない世界への取り組みの輪に加わってくださいませんか?

【参加・支援・購読をお願いいたします】
毎年の総会で議決に加わっていただく正会員の方々や、活動の支援をしてくださる賛助会員の方々の会費などに支えられて私たちは活動しています。

どちらの方にも、原子力資料情報室通信(月刊)とパンフレット(一年あたり数冊)を発行のつどお届けしています。他にも年会費オプションがあります。(くわしくはこちら)

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少人数のグループ向けでも、全国各地に原子力資料情報室のスタッフが出張いたします。
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内容や日程など、まずは下記までお問い合わせください


■特定非営利活動法人 原子力資料情報室(CNIC)
Citizens' Nuclear Information Center
住所:〒162-0065 東京都新宿区住吉町8-5曙橋コーポ2階B
TEL:03-3357-3800 FAX:03-3357-3801
*07年5月21日より移転いたしました*
郵便振替(番号00140-3-63145、加入者名「原子力資料情報室」)」

タイ南部の洪水・続報

2012-01-06 17:09:21 | アジア
「【社会】 01/05  タイ南部3県に大雨警報

 タイ南部では過去数日間の大雨で洪水エリアが拡大しているが、気象局は1月4日、チュムポン、スラタニ、ナコンシタマラト3県に大雨警報を出した。

 これらの県では被害がさらに拡大する恐れがあるという。

 また、南部を管轄する陸軍第4管区では、洪水被災者救援のため、9県に兵士約1万人を動員しているが、プラユット陸軍司令官によれば、「状況がさらに悪化した場合、南部に派遣する兵士を増員する」とのことだ。」

 →「バンコク週報」http://www.bangkokshuho.com/news.aspx?articleid=13438

中国の台頭と日本の未来

2012-01-06 16:06:59 | アジア
エコノミストが中国の台頭をデータで検証し、同時にその台頭を阻止することは誤りだとの主張を展開している(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/34255)。

 タイトルをクリックしていただくと、中国とアメリカ経済の比較の表が出てくるが、今の中国はもはや日本など問題にせず、21世紀の超大国に向かいつつあるという姿が浮かぶ。

 日本の経済停滞の原因の一部は、このような中国の、あるいは他のアジア諸国の台頭にキャッチアップできていないためではないだろうか。

 ゴードン・ブラウン(イギリス前首相)が、ヨーロッパの経済危機にあたり、「日本のように閉じこもってはいけない」と発言したと記憶しているが、確かに日本は―3.11以前よりずっと以前から―国際的にアジアの発展、特に中国の発展にうまく自国を適応させることができず、この地域の成長から「落ちこぼれてきた」ように見える。

 特に小泉政権の時期(2001-2006年)、中国・韓国という新たなアジアの牽引車と無用な対立を引き起こしたことによって、それは決定的になったのではないだろうか。

 あの時期日本の新幹線の対中・韓国輸出の機会が失われたが、それだけでない。今日見られるように、中国は日本を見切った姿勢を持つようになった。また日本側では右翼的見解が跋扈し、それが論壇の主流にのし上がってきた(今日の橋下ブームはその後を継いだものだと言えよう)。

 そしてあの時期こそ、大国中国がくっきりとその姿を現した時期だった。当時日本駐在の王毅大使が、日中韓は力を合わせて全く新たな繁栄を形作る可能性があるが、日本はそれを逸するかもしれない、と『人民中国』にのせた文章に書いていたのが思い出される。

 中国の将来に関しては様々な意見があるが、一部日本国内にある中国経済崩壊論は、全く根拠のない議論である。このての議論はここ数十年一貫して存在するが、一度として当たったためしがない。

 また国際社会―この言葉が何を意味するかはそり自体問題ではあるが―の信頼ということについて考えても、少なくとも欧米諸国が、日本より中国の方を政治的対話の相手として信頼できる存在だと考えていることは確実である。

 アメリカはかつての敵国日本より中国の方を信頼している。周恩来とキッシンジャーの対話にもそれはよく表れている(『周恩来キッシンジャー機密会談録』岩波書店 2004年)。イギリスでは今でも戦時中の捕虜虐待問題等に関連して、特にエリート層の対日不信が深刻である(『戦争と和解の日英関係史 』法政大学出版局 2011年)。

 個人的体験であるが、8月にオーストラリアに滞在していたとき-今から15年ほど前のこと―現地のテレビで日本軍によるポート・ダーウィン空襲の体験者へのリポートが流されていた。またイギリスのテレビ局―BBCだったかITVだったかは覚えていないが―作成のビルマルート建設に関するドキュメンタリーが流されていたが、その中では中国側で建設にあたったかつての地域住民-取材時は老人たちである―へのインタビューを行っていた。番組の全体的なトーンは中国の友人たちを訪ねる、といったものだった。彼らはかつてともに敵国日本と戦った「同志」なのである。

 エズラ・ボーゲルは「日本が国連の常任理事国になることはない」と日本の新聞のインタビューで答えていた(記憶だけで申し訳ないが)。

 同時に中国は1996年以降上海協力機構を成立させ育ててきた。当初ソ連崩壊後の国境画定作業から始まったこの組織は、今では正式加盟 6ヶ国、オブザーバー 4ヶ国、対話パートナー 2ヶ国、客員参加 3ヶ国におよび、その中には対立厳しいインドとパキスタンもふくまれている(オブザーバー)。

 歴史的な対立をこえ-その対立は例えば印中間の国境問題も、印パ対立ももとはイギリスのインド支配に起因しているのだが―、ユーラシア大陸の中央部から、中東、欧州、アジアにまたがる、西側とは異なる世界的政治機構が成長してきている。

 中国の人々は、自国が外国の侵略にさらされている時にはそれと戦って独立を実現し、国内の政治的対立には革命で決着をつけた。革命後の動乱に周囲の国を巻き込むことはなく、混乱をおさめたのちは経済建設に邁進して今日を築いた。

 これからの10年で中国は間違いなく世界の超大国になる。欧米が作ってきたのとは異なる国際秩序を作る。なおかつそれを欧米との決定的対立を避けながら実現するだろう。もし日本人がいつまでも「中国は貧しい」「中国はコピー大国」などといった、中国を「下に見る」姿勢を変えなければ、間違いなく日本は中国が築き上げる新世界秩序から排除され、貧しい周辺国に転落していくことになるだろう。