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この記事は7月2日の毎日新聞が伝える「ストックホルム最大の都市再生プロジェクト」の最新の状況です。記事のリードの部分に次のように書いてあります。
●地球温暖化、ごみ、汚水-現代社会が直面する環境問題に正面から挑む再開発が、スウェーデンの首都ストックホルム中心部で進んでいる。水辺の街を意味する「シェースタッド地区」。ごみ・汚水を再利用する循環型社会の理念「エコサイクル」モデルの実現を目指し、市当局は「環境問題の最善の解決策がここにある」とアッピールする。面積約2平方キロノシェースタッド地区は、15年までに住居1万戸を整備し、人口2万5000人が住む「エコロジーと共生する街」に様変わりする(ストックホルムで中尾卓司、写真も)
また、本文には次のようなことも書かれています。
●ストックホルムが04年夏季五輪の候補地に名乗りを上げた95年ごろ、同地区を五輪会場とする計画が持ち上がる。開催地争いはアテネに敗れたが、再開発は大きく前進した。
この記事の中には、 「循環型社会」という言葉が「タイトル」として1回、本文で2回、計3回出てきますが、この言葉には注意する必要があります。スウェーデンの「エコサイクルの概念」は「日本の循環型社会の概念」とはまったく似て非なるものだからです。
「循環型社会」を将来のめざす方向として掲げている日本の「都市再生(都市再開発)」は、汐留地区や六本木地区、さらには東京駅周辺の再開発を見れば明らかなように、巨大構造物が中心で、再開発の結果、必然的に、当該地区の大量のエネルギー(特に電力)、大量の水の消費、大量の廃棄物の排出を加速しています。つまり、ますます「現行の持続不可能な社会」を加速します。
ストックホルムのプロジェクトの目標は、日本の考えとは正反対で、施設の建設時及び建設後の使用期間中の環境負荷お89年から93年に建てられた建築物と比較して半減させることで、エネルギー利用、水利用、交通、建材など各分野の具体的な目標が設定されています。銅ぶきの屋根や銅管使用、塩ビ製品の使用、日本でいう「シックハウス症候群原因物質などの使用」は禁止されています。つまり、「現行の持続不可能な社会」を「持続可能な社会」へ転換する行動計画を加速させます。
このプロジェクトを貫く基本的な考え方は、市民に持続可能な街づくりに必要な環境情報を提供し、市民の選択の条件を整えることなのです。
この記事の関連情報として、私の2つのブログをご参照ください。
●2007年3月23日のブログ「2004年 五輪招致をめざしたストックホルム」
●2007年5月29日のブログ「緑の福祉国家59 都市再生(都市再開発)④ ストックホルム最大の再開発プロジェクト」
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