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昨日のブログで私は、6月11日に行われた菅直人・首相の「所信表明演説」から首相が追求する第3の道とは「スウェーデン型ではないか」と書きました。とは言っても、それは「1990年代のスウェーデンの社会および経済的側面」ということです。所信表明演説には「スウェーデン」という言葉はまったく出てきませんけれども・・・・・
この推測が正しいかどうかは別にして、2010年の現時点で両国の現状には大きな落差があります。
橘木俊詔さんの『家計からみる日本経済』(岩波新書873 2004年1月20日 第1刷発行)によれば、先進工業国のなかで公的部門の社会保障制度が小規模なのは、日本と米国で、日米両国は「非福祉国家」の典型国だそうです。この対極にあるのがスウェーデンで、ドイツ、フランス、英国などEUの主要国はその中間に位置します。
ここで注意を要するのは、スウェーデンの福祉は日本や米国、EU諸国の福祉とは概念を異にし、 「全ての国民を対象とし、国民の最低生活を保障するものではなく、一定の生活水準を保証する」というものです。日本や米国、EU諸国に比べて、スウェーデンが高水準の「育児サービスや高齢者福祉サービス」などを提供しているのはその具体例です。
スウェーデンと日本は、一見対極にあるように見えますが、それは20世紀後半の現実社会への対応の相違によるものです。60年代に表面化した「高齢化の急激な波」がスウェーデンの「高齢者福祉」を進展させ、世界が注目する「新公的年金制度」を生みだし、80年代に表面化した地球規模の環境問題が「福祉国家」から「持続可能な社会」)への転換を模索し始めたのです。そして、90年中頃には「緑の福祉国家」(エコロジカルに持続可能な社会)への転換を決めたのです。
菅首相の「第3の道」が私が推測する「スウェーデン型」であるならば、日本のこれからを考えるときに役立ちそうな図を8点(いずれも10年以上前に作成したもの)と「過去60年間のGDPの推移」を示す図を提供しましょう。明確な政治的ビジョンとそれを行動に移す社会システム(社会制度)が既に構築されていることを知っていただきたいと思います。皆さんの参考になれば幸いです。
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