酔眼独語 

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稀勢の里に休場を勧める

2017-05-10 15:27:48 | スポーツ
 14日初日を迎える大相撲夏場所が空前の人気だという。前売り券は全て完売、当日券も手に入れるのは難しそうだ。それもこれも稀勢の里人気である。19年ぶりとなる日本人横綱、加えて春場所でげがを抱えながら奇跡の逆転優勝。初めて東の正横綱に座る夏場所が盛り上がらないわけがない。だが、肝心の稀勢の里、果たして相撲を取れる状態なのだろうか。本人は「まあ、しっかりやるだけ」と出場か休場かについてはぼかしているが、とても「休みます」と言い出せる雰囲気ではない。

 土俵に降りて稽古を始めたのは今月に入ってから。関取衆と胸を合わせたのは初日1週間前でしかない。9日には役力士とも申し合いをしたようだが、映像を見る限り負傷した左の使い方はぎこちない。強く左をおっつけられると力を抜いてしまうシーンも見受けられた。「場所には間に合う」(二所ノ関親方)の見方もあるが、北の富士勝昭さんは「左が使えてない。万全には程遠い」と不安視している。

 いうまでもなく大相撲は世界でも最も激しい格闘技の一つだ。しかも今日の相撲はガチンコ、手抜きがない。だから怪我も多い。照ノ富士、遠藤らが低迷しているのも怪我を押して本場所に出続けているせいだろう。稀勢の里の故障部位は幸いにして?上腕部である。これが下半身ならとても相撲は取れない。

 力士として本場所で取りたいのは当たり前だ。しかも全力士のトップに君臨する横綱、意地でも出るという気持ちかもしれない。だが、稀勢の里は角界の至宝、無理をさせてはいけない。左腕は稀勢の里の生命線、万一怪我を悪化させれば力士生命に関わる。左をかばって変な相撲を取れば、別の箇所を故障する恐れもある。

 稽古場と本場所が違うくらい親方も横綱も熟知しているはずだ。周りの熱気に煽られて強行出場するのは考えものだ。白鵬に衰えが見え、日馬富士、鶴竜は「10勝横綱」である。これからしばらく大相撲を背負っていくのは稀勢の里を置いてない。だからこそ、ここは自重すべきだ。
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