酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

「飛ぶボール」

2013-06-14 08:49:34 | 外交
 日本スポーツ界の不透明さをあらためて示した「事件」といえよう。プロ野球で使っている公認球が、今季から「飛ぶボール」に変わっていたというのだ。


 ≪日本野球機構(NPB)は11日、プロ野球で使用されている統一球が、規則に適合させるため、昨季より反発力の大きいボールになっていることを明らかにした。

 仙台市で行われた労組・日本プロ野球選手会との事務折衝で経緯を説明した。

 2011年から導入された統一球は、規則で定められている平均反発係数の下限に合わせるよう製造されたはずだったが、NPBが昨季前半に実施した検査では、下限を下回る反発係数を示したボールが多かった。そのため、NPBはボールを製造するミズノ社に下限に合わせるように微調整を要請した。この結果、今月のNPBの検査では、反発係数の適合域内で下限を上回るボールが多くなった。

 セ、パ両リーグの本塁打数は、昨年6月10日の時点では、325試合で296本(1試合平均約0・91本)だったが、今年は10日現在、341試合で512本(同1・50本)と急増している。統一球導入前の10年は、1試合平均約1・86本だった≫=6月12日・読売新聞=。

 問題はボールが飛ぶようになったことではない。昨年までの2シーズン、反発力が基準以下のボールが堂々と使用されていたことこそ大問題だ。事前の検査でなぜ不合格としなかったのか。

 ここからは勘ぐりである。製造元のミズノが大量に造ったボールのうち、多くが反発力の下限を下回る結果となり、これを不合格とすればボール不足に陥る懸念が生じたのではないか。あるいはミズノ側が「何とかしてくださいよ」と泣きついたか。NPBとミズノの間に不明朗なやり取りがあったのは間違いないだろう。

 プロ野球のボールは2010S-ズンまではミズノ、ゼットなど4社製を公認していたが、2011S-ズンからミズノに統一された。もともとミズノ製のボールは「よく飛ぶ」の評価があり、多くの球団が使っていた。ミズノに統一されたのは自然な流れともいえる。

 この問題はスポーツ界全体に波紋を広げる可能性がある。「ミズノ」が絡んでいるからだ。いうまでもなくミズノは日本最大のスポーツ用品メーカーであり、アマスポーツにも大きな影響力を持つ。会長の水野正人はJOC副会長にして、東京五輪招致委事務総長―専務理事を務める。そのミズノがNPBと組んで公認球を操作してきたのだ。影響は甚大と見た方がいい。

 スポーツとアイテムの問題は難しい。王が引退した後、彼が使っていた圧縮バットが禁止されたことなどはどう考えればいいのだろう。

 
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