酔眼独語 

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英語の授業は英語でだって?

2008-12-23 10:16:25 | Weblog
 2013年度から適用する高校の学習指導要領改定案が公表された。「ゆとり教育」見直しを強調した小中学校バージョンとは趣を異にした中途半端なものだったようだ。


 《文部科学省は22日、13年度の新入生から実施する高校の学習指導要領の改訂案を発表した。「英語の授業は英語で行うのが基本」と明記し、教える英単語数も4割増とする。理数でも前回抜いた項目を復活。卒業必要単位数を74のままとしつつ、全体で学力向上を目指す内容だ。義務教育の学習が不十分であれば、改めて高校で学び直すことも初めて盛り込んだ。

 高校の指導要領改訂は03年度以来10年ぶり。理数は前倒しで12年度から実施する。

 高校の改訂案では英語で教える標準的な単語数が1300語から1800語に増加。同様に増える中学とあわせて3千語となる。中高で2400語だった前回改訂の前をさらに上回り、「中国や韓国の教育基準並みになる」という 》=朝日web=


 改定案のミソが「英語で授業」というのだから笑ってしまう。英語で授業できる教師は一体どれほどいるのだろう。これから3年間で促成養成でもするんだろうか。小学校から英語教育をやるといっている手前、高校ではこれぐらいやらなければ、という気分は分かるが、教師が不安がり生徒はついていけない事態になりそうだ。

 もっとおかしいのは、「小中学校の学習が足りていない生徒に対して義務教育の補修を行っていい」といいながら、履修内容を高度化している点だ。これではできない子どもはますます大変になる。


 義務教育、高校、大学を貫く教育観がないからこうなるのだろう。これまでの指導要領は「生きる力を付ける」ことを柱に据えていた。今度は「世界に通用する学力」ということか。国際学力テストの結果に一喜一憂しているようでは、骨太の教育方針は出てこない。


 頭でっかちの子どもをつくるより、新型インフルエンザにも、突然の解雇にも負けないタフな子を育てる方が時代にマッチしているのではないか。それより何より、教育も金次第になっていることが問題だ。ここを解決しないと、出席率が50%程度のアメリカ並になってしまう。
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