酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

「日馬富士事件」の不可思議

2017-11-16 08:52:33 | 社会
 大相撲の横綱日馬富士が同じモンゴル出身の力士・貴ノ岩をビール瓶などで殴ってけがを負わせていた「事件」が世間を騒がせている。

 ≪大相撲の東横綱日馬富士関(33)=本名ダワーニャム・ビャンバドルジ、モンゴル出身、伊勢ケ浜部屋=が10月の秋巡業中に幕内貴ノ岩関(27)=本名アディヤ・バーサンドルジ、モンゴル出身、貴乃花部屋=をビール瓶などで殴打して大けがを負わせていたことが14日、分かった。

 日馬富士関は同日午前に福岡県太宰府市の朝稽古後、報道陣の取材に応じ「このような貴ノ岩のけがについて、貴乃花親方、貴乃花部屋の後援会の皆様、相撲協会、部屋の親方に大変迷惑をかけたことを深くおわび申し上げます」と謝罪。暴行を事実上認めた。日馬富士関は同日の九州場所3日目から休場する≫=14日・産経com=。

 日馬富士が鳥取での巡業中に開かれたモンゴル人力士の懇親会の席上、貴ノ岩をビール瓶などで激しく殴打、かなりなけがを負わせていたのは事実らしい。スポーツ紙などでは日馬富士の酒癖の悪さは有名―などと報じている。貴ノ岩の態度や言動にも問題はあったのだろうが、日馬富士の逆上ぶりは常軌を逸しており許されるものではない。刑事事件として立件され、解雇→角界からの永久追放処分が相当と思われる。

 隠ぺい体質、後手後手の処理など相撲協会の前近代ぶりも糾弾されて当然だ。だが、この「事件」は不可解なことが多い。

 その多くは貴ノ岩の師匠である貴乃花親方に絡む。 

 ≪大相撲の東横綱の日馬富士関(33)=本名ダワーニャム・ビャンバドルジ、モンゴル出身、伊勢ケ浜部屋=が10月の秋巡業中に平幕の貴ノ岩関(27)=本名アディヤ・バーサンドルジ、モンゴル出身、貴乃花部屋=を殴るなどの暴行を加えて大けがを負わせた問題で、貴乃花親方が14日までに、鳥取県警に被害届を提出していたことが分かった≫=14日・産経com=。

 ここでは「14日までに」被害届を出したとなっているが、NHKなどによると被害届の提出は10月29日。NHKの伝えるとおりだとすれば、貴乃花親方の行動や説明は不可解極まる。

 ≪貴ノ岩の師匠の貴乃花親方は、先月29日に警察に被害届を提出し、警察は傷害の疑いで捜査を始めました。しかし相撲協会によりますと、巡業の責任者の巡業部長でもある貴乃花親方から危機管理を担当する理事にこの問題の報告はなく、相撲協会が把握したのは暴行からおよそ1週間後の今月2日、警察の連絡によるものだったということです。相撲協会は、翌日には貴乃花親方に電話で事情を聞きましたが、貴乃花親方は被害届を出したあとにもかかわらず「暴行を受けていたことは知らなかった。『階段から落ちてけがをした』と聞いていた」などと説明したということです≫=15日・NHKnewsweb=。

 被害届を出していながら「階段から落ちた」と説明するとはいったいどうなっているのだろう。事件発覚後、伊勢ヶ浜親方と日馬富士が謝罪に訪れた時の対応も変だ。二人が出向いてきたのに気付いていながら? 無視して車で走り去ったという。怒り心頭だったから会わなかった、とでもいうのだろうか。

 伊勢が浜は協会理事の中で数少ない貴乃花派とみられ、昨年の理事長選では現理事長の八角ではなく貴乃花1票を投じている。二人の気脈は通じ合っているはずなのに、この擦れ違いぶりも理解できない。

 いずれにせよ協会がまた大揺れするのは必至である。協会と貴乃花の動きから目が離せない。
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