酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

パラリンピック考

2016-09-21 09:23:04 | スポーツ
 リオパラリンピックが閉幕しました。NHKが頑張って中継してくれたおかげで、様々な種目を堪能できました。目の見えないスイマーの豪快な飛び込み、浮遊感がすごい走り幅跳び…。オリンピックとはまた違った魅力がたっぷりでした。

 今大会、金メダル10個を目指した日本は、メダル総数こそ前回を上回ったものの金はゼロ。各メディアは「強化に遅れ」「指導者不足が顕著」などと警鐘を鳴らしています。

 《18日に閉幕したリオデジャネイロ・パラリンピックで日本勢は金メダルがゼロに終わった。前回ロンドン大会を上回る24個のメダルを獲得したが、「金ゼロ」は夏季大会では初めて。障害者スポーツ界で何が起きているのか。
 競泳男子の木村敬一(26)が目に涙をにじませた。金メダルが期待されていた14日の100メートルバタフライ(視覚障害)決勝。0秒19差で2位になり、「負けた以上、悔いが残らないことはない。死ぬまでモヤモヤする」と絞り出した。17日にあった陸上男子走り幅跳び(切断など)では、山本篤(34)が8センチ差の2位に終わった。
 日本は、24個のメダルを獲得した。前回のロンドン大会の金5を含む計16個を上回ったが、今大会の金メダルはゼロ。1964年東京大会に参加して以来、夏季パラリンピック史上初めての事態となった》=9月20日朝日Web。

 パラ五輪もスポーツである以上、成績を重視するのはある意味当然でしょう。しかし、メダル獲得競争が加熱するのは感心しません。某大国のように国を挙げての強化、強化の行き着く先を考えると少し寂しくなります。

 障害の程度によるクラス分けも細分化しすぎていて、分かりにくい。両足義足の人と機能マヒの人が同じクラスで走るのは何か変です。腕を失った人のレースを見ていると、両手がない人、肘から下がない人、肩からない人などいろんな人が競っていました。どう考えてもハンディは違う。車椅子でトラックを走るもの制約が多過ぎる感じです。

 パラ五輪の参加者は、装具などの習熟に時間がかかるせいか、ベテランが多い。4度目、5度目という人も珍しくない。もともと競技層が薄いのですから、これは仕方ないことかもしれません。とはいえ、「これまで獲得した金メダル10数個」などというのは正常とは思えません。

 用具が勝負を決めてしまうような側面もあるといいます。これでは途上国の選手は太刀打ちできません。

 パラ競技の用具の研究、装着した場合の有利不利をさらに徹底的に追求し、トップの選手は五輪で競うのがベストでしょう。陸上100mなどを見ていると、両足義足の選手の終盤の加速力は目を見張ります。直線200mのレースがあれば、ボルトを負かしてしまうかもしれません。

 パラリンピックは障害者でもスポーツで輝ける-と訴えています。輝くのは勝者だけではありません。幾多の困難を克服して競技に打ち込む、その姿が輝いているのです。メダル争いだけに固執するのではなく、「参加することに意義がある」大会にしてほしいと思います。

 

 
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