酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

イチロー4000本

2013-08-23 09:12:48 | 野球
 米大リーグ、ヤンキースのイチローが日米通算安打4000本の偉業を達成した。すごいとしか言いようがない。

 同時にこれが「日米通算」であることにも留意したい。張本勲がよく口にする「日本で3000本打ったのは私だけ」と同じ趣旨だ。日本のプロ野球とメジャーリーグでは、試合数もパワーも球場の広さや形状も違う。生まれた記録はそれぞれ別物と考えるべきだろう。そのうえで4000本を評価したい。カッブやローズに並んだり、抜いたりすることに意味があるわけではない。

 記録は塗り替えられるものである。競泳では東京五輪の優勝タイムはいまや全中の記録にも及ばない。アンツーカーで走ったボブ・ヘイズとウレタントラックのウサイン・ボルトは同列には論じられないだろう。

 野球はどうか。こちらは技術の進歩が記録の伸びを遅らせているのではないか。投手は分業制が確立し、日米とも20勝が難しくなっている。打者はますます多様になる変化球に対応するのに汲々としているように見える。本塁打数は減り、安打数も少なくなっている。そんな中での4000本である。日米とも少なくとも今世紀中は4000本を打つ打者は現れないのではないか。

 イチローは率より安打数にこだわった。安打の積み重ねは、決して減ることがない―そう考えてのことだろう。日ごろの鍛錬は裏切らないというトレーニング観と通じているようだ。

 イチローにはメジャー3000本の期待がかかるが、これはおそらく到達するだろう。だが、あえて数より率を望みたい。悪球打ちをやめて四球を増やせば、3割は十分打てる。狙い球をもっと絞れば本塁打は20本以上打てるだろう。40歳にしてトリプル3-イチローなら決して不可能ではないはずだ。
 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする