酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

村木判決 メディアに注目

2010-09-10 06:03:08 | Weblog
 ようやく朝晩が涼しくなってきて、pcに向かえるようになった。

 さて、今日は障害者向け割引郵便偽装事件に絡む公文書偽造罪などに問われている厚労省元局長・村木厚子の判決が言い渡される日である。

 大阪地裁でのこれまでの審理では、検察が描いた事件の構図が崩れ、村木に無罪が言い渡される可能性が高くなっている。メディアは判決に先立って、村木の単独インタビューを掲載し、冤罪をアピールしている。

 《郵便割引制度をめぐる偽の証明書発行事件で起訴され、無罪を主張している厚生労働省元局長の村木厚子被告(54)が10日の大阪地裁での判決公判を前に、朝日新聞の単独取材に応じた。164日間の逮捕・勾留(こうりゅう)中に検事とのやり取りを記したノートなどを手にしながら、「(公判では)やれることをすべてやった。真実は強いと思っています」と今の心境を語った。

 元局長は昨年6月、自称障害者団体が同制度を利用するための偽の証明書を発行するよう部下に指示したとして、虚偽有印公文書作成・同行使容疑で大阪地検特捜部に逮捕された。元局長と弘中惇一郎・主任弁護人から判決前の記事化について承諾を得た上で、2日に埼玉県内の元局長の自宅で取材。元局長は容疑者自身が取り調べ状況などを記す「被疑者ノート」などの記録をもとに振り返った。

 ■大阪地検特捜部の捜査について

 取調室は私、検事、事務官の3人。そこで、検事は特捜部が作った私が知らない事件の「ストーリー」を繰り返しました。途中で「そうかもしれない」と思い、自信を持って否定できなくなる。「魔術」にかけられそうな怖さがありました。

 取り調べが始まって10日目、検事があらかじめ作った供述調書を持ってきました。それには、これまで言ったことがない元上司や部下の悪口が書かれていました。「こんなものにサインできない」と断ると、検事は「私の作文でした」と認めました。

 逮捕から6日後の昨年6月20日の取り調べでは、検事に「容疑を認める気持ちはないか」と説得され、さらに「執行猶予付き(の有罪判決)なら大したことはない」と言われた時は、怒りで涙が出ました。「一般市民には犯罪者にされるかされないか、公務員としてやってきた30年間を失うかどうかの問題だ」と訴えたことも覚えています》=朝日com=。


 では、一体メディアは村木逮捕のときどう報じていたのか。

 「女性キャリアのエースつまずく」「忠誠心どこで歪んだ」などと書いていたのではなかったか。

 小沢一郎や鈴木宗男の肩を持つわけではないが、検察の独善は今に始まったことではない。ターゲットを決めたら挙げるまで逃がさない。これが検察の鉄則だろう。大阪高検の元公安部長事件はその典型だ。

 特捜部が動けばなおさらだ。係長クラスで事件が終わってしまえば、特捜の鼎の軽重が問われる。政治家絡みなら、最低でも国会議員の一匹ぐらいは捕まえなければいけない。大物なら大物ほどいい。

 メディアは鈴木や小沢の事件と村木事件の検察は別物だと考えているのだろうか。

 刑事裁判は検察と弁護人が描く事件の構図のどちらにより合理性があるかを判定する場だ。必ずしも真実が勝つわけではない。

 メディアもこのへんは十分承知しているはずなのに、権力や裁判の本質には触れたがらない。

 検察は「国策」で動くとは限らない。むしろ世論を強く意識し「正義の体現者」を装うケースの方が多いのではないか。村木事件はこれに該当する。

 で、今日の判決。各紙は何と書くのだろう。逮捕時の村木叩きなどには目をつぶって「杜撰な捜査」などというのだろう。明日の新聞が楽しみだ。
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