酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

高校歴史教科書の大騒ぎ

2017-12-13 17:13:57 | 話題
 高校の歴史教科書から坂本竜馬や吉田松陰、上杉謙信、武田信玄ら〝郷土の英雄〟が姿を消しそうだということで大騒ぎになっている。固有名詞の削減を声高に言い立てるグループ、これに異を唱える方々、それにこのニュースを報じるメディア、いずれもピントが狂っているのではないか。

 ≪大学入試で問われる歴史用語が多すぎる影響で高校の歴史教育が暗記に偏っているとして、大学、高校教員有志でつくる研究グループが、教科書本文で扱うべき重要用語を精選した案をこのほど公表した。「歴史の変遷に関する説明に必須か」などの観点から選び、用語を現状の半分程度にとどめており、日本史では坂本龍馬や吉田松陰、武田信玄、上杉謙信ら著名な人物でも案に入らなかった。

 案をまとめたのは、高校や大学教員ら約400人でつくる「高大連携歴史教育研究会」(会長・油井大三郎東大名誉教授)。用語を絞って授業時間を確保し、歴史の流れなどの考察力育成を促すのが狙いで、日本史と世界史でそれぞれ1600語程度を習得すべき重要用語とした。来春までに用語の整理を終え、教科書会社や大学入試担当者向けに提言する。

 研究会運営委員長の桃木至朗・大阪大教授(歴史教育)は「案はあくまで入試で用語を出題するかどうかの基準で、まだ変更はあり得る。案以外の用語を教科書で扱っても良く、郷土の偉人などを重点的に教えることは、むしろ推奨すべきだ」と語った。

 文部科学省も入試での歴史用語が膨大になっていることは課題とみているが、林芳正文科相は12日の記者会見で「案に文科省は関与しておらず、学習指導要領や教科書検定に影響するものではない」と述べた。

 研究会は重要用語の基準を(1)ほぼ全ての教科書に掲載(2)現代的課題を考える上で必要(3)歴史の大きな転換や時代の特徴の説明に必要―とし、細かすぎたり、図表や地図で学べば十分だったりするものは含めなかった。

 この結果、坂本龍馬などのほか、「ガリレオ・ガリレイ」「クレオパトラ」「蘇我馬子」「新選組」「桶狭間の戦い」といった一般になじみがある用語も外れた。一方、「厩戸王(うまやどのおう)(聖徳太子)」「関ケ原の戦い」などは重要用語として残り、現代的課題につながる「気候変動」や「難民」などが追加された≫=共同=

 
 提言した高大連携歴史教育研究会の言わんとするところは「大学入試で問われる歴史用語が多すぎる」ということに尽きる。用語が多い→暗記中心→減らすという流れである。これが一人歩きし「教科書から郷土の偉人が消える」の騒ぎになっているのだ。

 共同の記事も触れている通り「案は入試で用語を出すかどうかの基準」で教科書で取り上げるかどうか、授業で扱うかどうかはまた別の問題だ。ところが地方紙などは「謙信公が消えてしまうとは」「竜馬を削るなんて許せない」などという声を大々的に取り上げ、地域の一大事と煽り立てている。まったくもって困ったものだ。

 研究会の提起の仕方にも問題がある。運営委員長の談話通りとすれば、「メディアの取り上げ方は当研究会の目指すところとは異なる」と10月か11月の段階で釘を刺しておくべきだった。もっと言えば、教科書の用語を減らすではなく、入試での用語出題は限定的に―と述べるべきであった。

 文科省はいまのところ「関与せず」らしいが、地方からの突き上げで「減らすべきではない」と言い出しそうだ。安倍君も「松陰先生は外せない」なんて言いそうだし…。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ゾンビ化する宮崎駿!

2017-05-20 08:53:37 | 話題
 2013年に何度目かの引退を宣言、今度こそ引っ込むかと思われていたアニメ監督の宮崎駿がまたまた現場復帰するという。これまで何度となく「やりたいことはやった」「もうアニメはおしまい」などと引退をにおわせ、舌の根も乾かないうちに復帰するということを繰り返していた宮崎。いかにも、という話ではあるが、そもそも芸術家?が「引退」などと口走ること自体がおかしい。逆に言うと宮崎は芸術家ではなく職人、手が利かなくなったら退くというぐらいの意味で「引退」「引退」と言っていたのではないか。

 宮崎が初めて引退を口にしたのは「天空の城ラピュタ」が公開された1986年。「人生で最高に引退したい気分」だったらしい。1992年に「紅の豚」を制作した時にも「もうアニメはやめ」などとのたまい、その後も一作創る度に「これが最後」を繰り返してきた。本当に懲りないお方、狼老人ですね。
 映画監督で「引退」などと公言する人は少ない。創れなくなれば消えていくのみであり、意欲がある限り新たな作品作りと格闘する。100歳近くになって新作に挑んだ新藤兼人をはじめ高齢監督は数知れない。宮崎の思考法は彼らとは違う。アニメと実写の違いなのだろうか。スタジオジブリは今回の「復活宣言」について「作るに値する題材を見出したから」と述べている。宮崎が作るに値する題材を探していたということである。つまり「引退」は見せかけなのだ。

 《長編制作からの引退を表明していたアニメーション映画監督の宮崎駿はやおさん(76)が、「引退撤回」を決断したことが19日明らかになった。スタジオジブリの公式ホームページは同日、新作長編の制作スタッフの募集告知を掲載。「ここに至り、宮崎監督は『引退撤回』を決断し、長編アニメーション映画の制作を決めました。作るに値する題材を見出みいだしたからにほかなりません。年齢的には、今度こそ、本当に最後の監督作品になるでしょう」などと記した。同スタジオによれば、今年秋からの制作を目指している。公開時期などは未定だという。

 宮崎監督は2013年9月、体力の衰えなどを理由に「風立ちぬ」を最後に長編制作からの引退を発表したが、今年2月、同スタジオの鈴木敏夫プロデューサー(68)が米アカデミー賞関連イベントで新作長編の準備を進めていると明らかにしていた。また、短編については、新作「毛虫のボロ」を既に完成させたという》=読売online=。

 宮崎の頭には「現役監督なら次々と作品を生み出さねば」という強迫観念がある。だから数年に一度「引退」を口に出すことで作品の構想作りから逃れる必要があるのだ。悲しい性というほかない。鈴木敏夫ら制作側にとっても引退―復帰は最高の話題づくりになる。ファンは宮崎作品にお目にかかれて大喜び―三方得のお芝居でした!!

 宮崎はまだ76歳、あと何度引退、復活を繰り返してくれるか。ゾンビ宮崎頑張れ~。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「プレミアム」読売!!??

2017-02-25 09:36:05 | 話題
 安倍内閣が鳴り物入りで始めた「プレミアム フライデー」。大半の国民は俺には関係ねえ―とそっぽを向いたが、「政府広報紙」読売新聞だけは一人大はしゃぎ、プレミアムな一日になったようです。

 昨日、24日の読売新聞を見て、ぶったまげた。金色に彩られた「プレ金」の全面広告がなんと7ページにわたって大展開されているではないか。加えて25面(甲信越版?)には「プレミアムフライデーの知恵」とっ銘打った記事体広告も掲載されている。世界一の発行部数を誇る読売にこれだけの広告を載せると、一体いくらかかるのか。スポンサーは誰??

 政府広報かと思ったがそれらしきものはない。隅っこに「METI」の文字と青いロゴ、へー、経済産業省の仕業だったのか。なぜ経済産業省と明記できなかったのか、不思議である。

 読売新聞のはしゃぎっぷりは広告だけではない。本日、25日は1面、2面、4面、34面を使って「プレ金」の普及にこれ努めている。1面の見出しはこうだ「『プレ金』夕日に乾杯」。2面はずばり「プレ金 広がりを期待」、4面は「アフター3も総活躍」―岸田外相、加藤一億総活躍相らが早帰りを満喫したとある。さすが政府広報紙の面目躍如ですな。そして社会面には「3時退社 さあ遊ぼう」 いい気なものですね。こんな新聞を作っていて恥ずかしくないのだろうか。

 日本経済新聞の社説でさえこう述べる「月末の金曜日は仕事を早めに切り上げようという「プレミアムフライデー」が、きのう始まった。消費の喚起と働き方改革の一石二鳥をねらって、政府と経済界が主導した企画だ。

 毎月1回、数時間だけの早帰りに、どれだけの経済効果があるのか、冷ややかな見方はあろう。導入する企業が一部にとどまっているのも、事実だ。

 「金曜日の消費が増えても土日分の先食いに終わるのでは」「前日の残業につながらないか」といった疑問の声もある。時給制で働く人は収入減になりかねないという懸念も聞かれる」。

 次回は年度末の3月31日、またやってくれますか?読売さん!!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「死ぬまで働け」の勧め?

2017-01-06 09:30:25 | 話題
 世の中には暇な方々がおられるようで…。学者などというのもその範疇に入っているらしく、高齢者の定義見直しなどというお節介に乗り出した。

《日本老年学会などは5日、医療や介護などで「65歳以上」とされている高齢者の定義を「75歳以上」に見直すべきだとする提言を発表した。健康に関するデータの分析から、医療の進歩や生活環境、栄養状態の改善などで、65歳以上の体の状態や知的機能は10~20年前と比べ5~10歳ほど若返っていると考えられるという。

「高齢者」の厳密な定義はないが、国連は1956年の報告書で65歳以上を高齢人口と定義し、日本も準じている。国民年金や介護など社会保障関係の国内法令も、現役世代との区分を65歳としている。

 同学会は、65~74歳を健康で活力がある人が多い「准高齢者」と定義し、仕事やボランティアなどの社会活動への参加を促すよう求めた。75~89歳は「高齢者」、90歳以上は「超高齢者」と位置づけた。

 65歳以上の心身に関する各データを同学会が解析したところ、要介護認定率や脳卒中死亡率などは年々低下し、身体の動きや知的機能は上昇が見られた。2014年度の内閣府意識調査で、高齢者を男性が70歳以上、女性は75歳以上とする回答が最多だった点も勘案した。

 一方で、提言を社会保障制度に直接結びつける議論は慎重にするよう訴えた。

 提言をまとめた同学会の大内尉義(やすよし)・虎の門病院長は「65~74歳は元気な人も多く、今の高齢者の定義に合わなくなっている。自主的な社会参加を促せば、社会の支え手を増やせる」と説明した》=mainichi.jp=。


 本気でこんなことを考えているとしたら、それはもう学問や科学ではない。年齢と体力の関係について文科省のレポートは次のように述べている。

 《新体力テストの合計点からみた6歳から 11 歳の体力水準は,男女とも加齢に伴い急激で著しい向上傾向を示している。12 歳から 19 歳では,男子は 17 歳までは著しい向上傾向を示し,その後緩やかな低下傾向を示す。女子は 14 歳までは緩やかに向上し,19 歳まではその水準が維持される。20 歳以降は,男女ともに体力水準は加齢に伴い低下する傾向を示しているが,その
傾向は,ほぼ 40 歳代ごろまでは女子の方が男子よりも比較的緩やかである。40 歳代後半からは,男女ともに著しく体力水準が低下する傾向を示し,65 歳から79 歳でも,男女とも加齢に伴いほぼ直線的に低下する傾向を示している》

 男女とも体力的なピークは20歳前後、40歳代後半からは「著しく体力水準が低下」し、65歳からはさらに急激に低下するというのだ。元気そう、若く見えるといっても、加齢による衰えは確実にあるのだ。

 一方、当の高齢者たちからも「65歳を過ぎたからといって高齢者扱いされたくない」という声があがっている。年齢不詳の「美魔女」などという人種もおられる。これはこれ、それはそれ、である。若者は子供扱いされたくないし、年配者は年寄り扱いされたくないのが人情だ。こういうことは学会が四角四面に定義するような問題ではないだろう。

 ただ、医療や福祉分野では高齢者の定義は必要だ。65歳を過ぎると一見健康そうでも、あちこちガタが来る。当然医者にかかるケースも増えてくる。厚労省のデータは次のように言う。

 《年齢階級別にみると、0~14歳は2兆2326億円 (6.4%)、15~44歳は4兆8362億円(13.9%)、45~64歳は8兆7397億円 (25.1%)、65歳以上は18兆9999億円(54.6%)となっている。
人口一人当たり国民医療費をみると、65歳未満は15万8900円、65歳以上は67万3400円となっている。そのうち一般診療医療費では65歳未満が11万4200円、65歳以上が51万7400円となっている。歯科診療医療費では、65歳未満が1万7400円、65歳以上が2万9900円となっている。薬局調剤医療費では、65歳未満が2万4600円、65歳以上が10万4500円となっている》。

 65歳が一つの曲がり角であるのは疑いようがない。

 なぜこんな提言が出てくるのか。《提言を社会保障制度に直接結びつける議論は慎重にするよう訴えた》とはいうものの、狙いは明らかだ。医療費や社会保障費の抑制と労働力の確保である。年金支給は75歳から、死ぬまで働け-の掛け声が聞こえてくる。

 生涯現役などという言葉が流行っているようだが、意味不明だ。人間は生きている限り「現役」である。どのような生き方をするかは個人が決めることだ。働いていないものは「現役」ではないような言い方はピンボケもいいところである。「飲んで 食って 歌え」-「べっぴんさん」の先々代が残した言葉を噛み締めたい。

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

鳥越俊太郎の「晩節」

2016-07-13 15:20:05 | 話題
 「ジャーナリスト」の鳥越俊太郎が東京都知事選に野党統一候補として出馬するという。

 《東京都知事選(14日告示-31日投開票)を巡り、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏(76)が12日、都内で記者会見し、立候補を正式に表明した。鳥越氏は「憲法改正が射程に入ってきた。そうした流れを元に戻すため、首都東京から発信できればすばらしい」と述べた。民進と共産、社民、生活の野党四党は同日、鳥越氏を統一候補として支援することで一致した》=東京新聞。

 鳥越氏は12日の記者会見で「残りの人生はそんなにない。その何分の一かを使って、チャンスを与えていただいたら、東京都のために全力をささげたい」、「外側からウォッチし続けるアウトサイダーであり続けたいと思ってきたが、最後に一回ぐらい責任を果たして見る気はないのかという内なる声に導かれて手を挙げた」などと述べた。いい年をした大人が、出たいというのだから外野がとやかく言うこともないが、どうもこの御仁は胡散臭い。

 鳥越はそのソフトな風貌と語り口でそれなりに人気があった。筑紫哲也のフェイクと言えないこともないが、一応反権力のポーズは取り続けている。がしかし、である。鳥越はテレビのCMや新聞広告にも頻繁に顔を出しているのである。アフラック、損害保険協会、トゥルースリーパー、サントリー…。企業や製品の宣伝を一切するなと言っているわけではない。説得力に満ちた基準、確固たる信念に基づいてその商品なりを薦めるのであればまだ理解できる。だが、鳥越からそれぞれの企業・商品について「能書き」以上の説明は聞いたことがない。タレントは別として学者やジャーナリストは個別のCMなどにかかわるべきではない。もっとも彼は「ジャーナリストではなくニュース職人」と称しているようだが…。

 76歳という年齢やガンの予後のこともある。何よりも問題なのは、いきなり都政にかかわりたいと考えた動機である。「憲法改正の流れを元に戻すため」-ポーズは決まっているが、中身はゼロだ。かつて京都府の蜷川虎三知事は「憲法を府政に活かす」をスローガンに掲げた。蜷川府政の功罪については置くとして、福祉や教育では独自色を発揮していた。鳥越が憲法を叫ぶなら、現行の都政を憲法の視点できっちり点検し、問題点を都民に提示すべきだ。それ抜きに憲法、憲法と言い募っても政治的プロパガンダに過ぎない。

 表題には「鳥越の晩節」と掲げた。だがこのお方に節などはないのだ。それにしても民進党はじめ野党はだらしない。お茶の間に名前が知られた候補でなければ勝てない-と判断した時点で終わっている。それは自民党にも言えることだが…。

 「2020年五輪返上」-泡沫以外で真面目に訴える強者はいないのかねえ。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

黄ばんだスクラップから②

2015-01-16 14:58:58 | 話題
 大学付属校といえばどの地域に限らず「名門」である。難関大付属や国立大付属ならなおのことだ。しかし、こんな学校にも不心得の教員がいるらしい。というか、「名門」であることを逆手に取ったえげつない慣行が横行していた学校もある。

 《あきれた〝たかり〟先生 内申書タテにつけ回し 筑波大附属小 16人を処分
  東京都文京区の筑波大学附属小学校で、教員が児童の父母から金を借りたり、飲食のもてなしを受けていたことが分かり、同大は11日までに、教員4人を懲戒処分としたほか、○○校長ら二人を訓告、同小教員と同大関係者10人を厳重注意処分とした。

 同大の調べでは、A教員は昭和62年5月から63年2月までの間、父母数人に「研究発表会の費用を貸してほしい」などと持ち掛け、6回にわたり計126万円を借り、私用に使っていた。このほかにもB教員とともに、都内のレストランやスナックで飲食、代金2万9千円を同席していた父母に払わせていた。C教員は山梨県の同小キャンプ場に行った際、酒に良い教師として誤解を招く行為があったというのが処分理由。

 同小では附属中学への進学が、小学校の内申書だけで決まっていたことなどから、一部教員と父母の不明朗な交際のうわさが表面化。同小が内部調査を進めていた》=1989年4月12日付け某地方紙。


 今でもありそうな話である。

 お次は高校中退の話題。不況が深刻になると私立高校を中心に「高校中退が増加」などの記事が目立つが、かつての中退者数は半端ではなかった。

 《高校やめた 11万4834人も 100人に2人 過去最高

 60年度に全国の公、私立高校を中退した生徒は前年度より5674人増え、過去最高の11万4834人となったことが文部省の調査で分かった。第2次ベビーブームの影響で高校在籍者が前年度より28万人増えたためで、高校在籍者に占める中退者の割合は前年度並みの2・2%だった》=1987年1月14日付け某地方紙。

 高校生が増えれば中退者も増える。当たり前の理屈ではあるが、11万人超はさすがに多い。その後も中退者は増え続け、1990年に12万3529人のピークを打つ。では近年はどうか。2年前、2013年は5万1781人、20年ほど前から半減している。「よかったね」と言いたいところだが、分母である高校在籍者数を見ると愕然とする。1987年に522万人だったのが2013年には345万人に激減しているのだ。減少数177万人は一学年そっくりがいなくなった勘定だ。こういう数字を突きつけられると少子化のすさまじさが分かる。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

黄ばんだスクラップから①

2015-01-12 10:14:44 | 話題
 折に触れて切り抜いていたスクラップが貯まりにたまり、書棚からあふれ出した。「終活」というわけでもないが、整理をしないと新しい本の置き場所もない。この際、古いスクラップ帳を捨ててしまおうと手に取ったら、これが面白い。その昔、大掃除の折、畳の下から現れた古い新聞に見入ってしまった-そんな趣である。紙面が黄ばんだ古スクラップ帳から目についた記事を紹介してみよう。

 「日本人の知能指数 欧米人よりも高い」-。1982年5月20日 共同ヨーロッパ総局発の記事である。

 《日本人の知能指数はメリカ人やヨーロッパ人よりも高く、特に戦後はその傾向が一層強くなっている-経済大国として得意の日本人の鼻を一層高くさせそうな論文が、20日発売の科学雑誌「ネイチャー」に発表された。論文は、英アルスター大心理学部のリチャード・リン博士が、日本と欧米の知能指数のデータを比較検討したもの》。

 いまでこそネイチャーの論文といっても眉唾もある-は世間の常識だが、当時はそうではあるまい。「鼻を高くさせそう」という表現から、記者自身が鼻をヒクヒクさせながらこの記事を書いていることが伺える。

 記事の要点は日本人の知能指数の平均はアメリカ人より11ポイントも高い。1944年以前生まれの日本人では2~5ポイント高いだけだが、その後1969年生まれまででは6~15ポイントも高くなっている。とりわけ空間認識能力が高い-などである。

 リン博士は「知能指数が130を超える人は欧米では2%未満だが、日本では10%にも達する。日本人の77%はアメリカ人の平均知能指数より高い-などと指摘している。

 「おめでたい」話ではある。

 当時は校内暴力の「全盛期」。荒れる中学生は社会問題となった。教師も標的とされ、殴られたり蹴られたりと散々。でも、負けている弱虫先生ばかりではない。

 「生徒の喫煙タネにゆする 親呼んで5万円 △△商業教師逮捕」 83年1月19日付け朝日新聞の記事である。

 《札幌南署は18日、担任のクラスの生徒がタバコを吸っていたことをたねに、5万円をゆすり取った札幌市×× △△高校教諭某(46)を恐喝の疑いで逮捕した。調べによると某は○君が喫煙していたことを同僚から聞きつけ、翌日父親をススキノの喫茶店に呼び出して「停学にならないようにするには指導部の先生に一席設けなければだめだ」と暗に金を渡すよう求めた。さらにこの生徒に「現金を入れてこい」と言って、同校名の印刷され茶封筒を渡し、翌日、5万円の入った封筒を受け取った疑い》。

 この教師は商業経済などを教えていたといいうが、「裏経済」はもっと得意だったようだ。

 強者といえばこんな教師もいた。

 「車に閉じこもり2年間 授業放棄で分限免職」-85年5月11日付けの朝日。

 《香川県教育委員会は10日、まる二年間にわたって授業を放棄してマイカーに閉じこもるなどしていた県立×校の男性教諭(39)を「教員としての適格性を欠く」などとして分限免職処分にした。この教諭は前任の高校時代から「学校の妨害で授業ができない」として教壇に立たなくなった。●ごろからは毎朝8時に学校に現れて、出勤簿に判を押したあと、校内に駐車したマイカーに閉じこもったり、職員室で新聞を読んで過ごし、平日は午後5時、土曜日は正午過ぎに帰宅していた。この間、つき約26万円の給与と年3回の期末・勤勉手当をほぼ通常通り受け取っていた》。

 にわかには信じ難い話だ。教諭も教諭だが、校長や教頭、周囲の連中は何をしていた? 恐るべし教員の世界!!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする