おにぎり2個の里みち歩き 農山漁村の今昔物語

おにぎりを2個持って農村・山村・漁村を歩き、撮り、聞き、調べて紹介。身辺事象もとりあげます。写真・文章等の無断転載禁止

兵どもの夢の跡 今は遊水地

2012年09月14日 01時49分46秒 | 景観

写真1 高館から望む北上川、同左岸小堤、束稲山々裾へ広がる水田(第2遊水地)、束稲山


写真2 写真の下から順に、湾曲する北上川の周囲堤(本堤)、北上川本流、同左岸の小堤、遊水地


写真3 湾曲するのは北上川の周囲堤(本堤)、左は国道4号バイパス、その左に衣川の周囲堤と東北本線の跨川橋


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 2012年9月2日、妻と2人、世界遺産中尊寺を拝観した後、高館(たかだち・標高67mの小丘陵)に上がる。眼下に北上川、衣川、ならびに両川の堤防、国道バイパス等。
 当丘陵は源義経主従の最期の地。文治5年閏4月30日(1189年6月15日)、奥州藤原氏4代泰衡の軍勢に襲撃されて散った。
 500年後の元禄2年5月13日(1689年6月29日)、俳聖芭蕉は門人曽良と当丘陵に上がり、次の名句を詠む。
   夏草や兵共が夢の跡
 俳聖芭蕉の作句から323年後の2012年、高館眼下の夏草の地、夢の跡は北上川や衣川の水害を防ぐ堤防の内や外あるいは遊水地の一部となっている。
 そもそも当地域は古来たびたび水害に襲われた。そのため、昭和47年度(1972)から国の「北上川上流直轄河川改修事業〔一関遊水地」が実施され、堤防等を整備中。
 写真1にみる北上川左岸から束稲山(たばしねやま)の山裾に広がる水田は第2遊水地(470ha)の一部。この遊水地は、大規模洪水時に貯水する田畑であり、中小洪水時には北上川左岸に整備された小堤で守られる。
 写真2及び写真3にみる北上川右岸及び衣川両岸の堤は、大規模洪水の際、遊水地に貯水するとともに市街地を洪水から守る周囲堤(本堤)。
 義経自害から820年余の歴史に想いを馳せた高館からの眺望でした。

 執筆・撮影者:有馬洋太郎 撮影年月日:2012年09月02日 撮影地:岩手県平泉町高館
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