おにぎり2個の里みち歩き 農山漁村の今昔物語

おにぎりを2個持って農村・山村・漁村を歩き、撮り、聞き、調べて紹介。身辺事象もとりあげます。写真・文章等の無断転載禁止

渡良瀬遊水地 柳 ・ セイダカアワダチソウ 除去 大作戦

2011年05月13日 04時35分19秒 | 諸活動

写真1 実生柳の幼木とセイダカアワダチソウの幼草を伐り、抜くボランティア

写真2 実生柳の幼木(写真の右、長靴の前。写真の左下隅)。セイダカアワダチソウの幼草(写真中央の長靴の前)


人気ブログランキングへ ←ブログランキングに登録しています。もし、よろしければ、左のバナーをクリックしてください。

 年間100万人が訪れる湿地、渡良瀬遊水地。面積約33平方キロメートルは、釧路湿原に次いで第2位。しかし、昭和30年代から乾燥化が進み湿地がなくなりつつある。
 そのため、大小の沼や池が点在した昭和30年代までの遊水地を目指し、国土交通省関東地方整備局利根川上流河川事務所は、平成14年度に「渡良瀬遊水地湿地保全・再生検討委員会」を立ち上げ、湿地保全・再生計画を推進中。平成19年度からは湿地試験を実施している。
 試験の一つとして、第2調整池の環境学習フィールドに、自然に悪影響を及ぼさない湿地再生をめざして湿地試験フィールド・試験掘削池を、平成21年度から造成中。常時冠水池(水位:Y.P.11.5m)、ヒタヒタの水面湿地(水位:Y.P.11.8m)、地下水位をおさえる湿地(水位:Y.P.12.1m)、自由広場(水位:Y.P.12.5m)の順に水位を変えて棚田状に造り、動植物の再生を確認中。
 すでに、次のような植物や魚、昆虫、両生類、鳥が確認されている。
 植物:カンエンガヤツリ・マルバナサワトウガラシ(ともに環境省レッドデータブックでは絶滅危惧Ⅱ類(絶滅の危惧が増大している種))、タコノアシ(環境省レッドデータブックでは準絶滅危惧種(現時点では絶滅危惧度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種))、ミズワラビ(栃木・群馬・茨城県レッドリスト種)
 魚:ギンブナ、ツチフキ、メダカ 昆虫:ハンミョウ 両生類:アカガエル、鳥:シギ
 さて、筆者は、上記の湿地保全・再生計画の一環として5月連休の最終日、2011年5月8日13:00から実施された実生柳とセイダカアワダチソウの除去大作戦に参加。わたらせ未来基金、渡良瀬遊水地アクリメーション振興財団などが共催する活動で、大学生から人生ベテランまで約50人が参加(写真1)。
 具体的には、造成中の試験掘削池の干上がった底で実生柳とセイダカアワダチソウ(写真2)を伐り、植生に悪影響を及ぼさない範囲で根から抜き取った。夥しい実生柳。水深が浅いのは柳の実生に好都合なのだろう、風で飛んで来た実が芽吹き、大きいのは40㎝ほどに生長している(写真2)。タコノアシの芽も多く目に入る。
 嫌われもの、セイダカアワダチソウは、湿気を嫌がるのか、干上がった池底には少なく、ヨシ原に続く水際で生長している。
 伐り取り中、柳とセイダカアワダチソウが蔓延らないことを願わずにはおれなかった。
 注 Y.P.(江戸川工事基準面。Yedogawa Peil):千葉県浦安市堀江にある江戸川河口水位(特殊基準面)が量水標0m。したがって、11.5mは江戸川河口水位から11.5m高い水位。
 謝辞:集合場所から作業地まで、また作業地からJR野木駅まで、それぞれ便乗させてくださったA様と中村様に、あらためて御礼申し上げます。
 執筆・撮影者:有馬洋太郎 撮影年月日:2011年5月8日 撮影地:栃木市・渡良瀬遊水地
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする