おにぎり2個の里みち歩き 農山漁村の今昔物語

おにぎりを2個持って農村・山村・漁村を歩き、撮り、聞き、調べて紹介。身辺事象もとりあげます。写真・文章等の無断転載禁止

農村の水2 谷池と小出し池(コダシイケ):東播磨・明石市大久保町中之番

2010年12月25日 12時32分15秒 | 農村の水
 写真1

 写真2

 写真3


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 明石市大久保町大窪・中之番には7つの溜池がある
 溜池は中之番水利組合に管理され、30㌶の水田を潤す
 水利組合は農家70戸が加入
 中之番自治会は520世帯で構成
 都市化、混住化が進行中

 7つの溜池は谷池(タニイケ)と小出し池(コダシイケ)に大別される
 谷池は、字のごとく逆V字型あるいは逆U字型の谷の下方を堤防で仕切り、水を溜める池
 一方、小出し池は谷を出た平坦部の窪地に堤防を築き水を溜める池。皿池(サライケ)とも呼ばれる

 平坦部にある池の呼称の違いについて、筆者は次のように考える
   平坦部にあり、周りと高低差の少ない形状に着目して呼ぶのが皿池、機能に着目して呼ぶのが小出し池
   当地のコダシイケは、谷池の水をあらかじめ小出しに溜めておく
   タニイケから遠い水田も、近い水田と同じように短時間で水が田圃入るように

 タニイケは、稲刈後から田圃の代掻き・田植までの半年間に雨水を溜め、滲み出る水や湧き出る水を溜める。
 当地のタニイケは、最上部の岩蛇池(イワジャイケ・写真2)から下方へ棚状に中笠池(ナカガサイケ)→稲葉池(イナバイケ)→釜谷池(カマタニイケ)が連続する「重ね池」

 その重なりを、最上部の、水を溜めるイワジャイケの天端(堤体の上部)から撮ったのが写真1
 堤体が切られ、工事中のナカガサイケと、その切れ目からイナバイケの水面と堤体が見える
 最下部のカマタニイケは、イナバイケの右にある白色ガードレールの先に堤体と水面が僅かに見える

 さらに前方に、大久保の街と溜池王国・淡路島(兵庫県内の溜池の約半数がある。)の山並みが見える
 イナバイケの堤体天端からカマタニイケを望むのが写真3
 カマタニイケは、7つの溜池の中で満水面積が最も広く、明石市上水道の水源の一つである
 コダシイケは、皿池、喧嘩池(ケンカイケ)、戸松池(トマツイケ)の3つ
 カマタニイケから最も遠いのがトマツイケ

 謝辞:今回、中之番水利組合長のF氏及び兵庫県加古川流域土地改良事務所の担当者に、ご協力、ご教示を賜りました。あらためて感謝申し上げます。
 執筆・撮影者:有馬洋太郎 撮影年月日:2010年12月15日 撮影地:兵庫県明石市大久保町大窪
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