おにぎり2個の里みち歩き 農山漁村の今昔物語

おにぎりを2個持って農村・山村・漁村を歩き、撮り、聞き、調べて紹介。身辺事象もとりあげます。写真・文章等の無断転載禁止

農産物直売所1 高齢者が集える「周世(すせ)ふれあい市場」

2010年12月19日 18時45分55秒 | 農村
写真1


写真2

写真3


人気ブログランキングへ ←ブログランキングに登録しています。よろしければ、左のバナーをクリックしてください。

 「周世ふれあい市場」は、そんじょそこらの農産物直売所と違う
 約80戸の周世集落の高齢者が毎日のように手押し四輪車で集い、心おきなく喋れる「ふれあい喫茶」を備える(メニューは写真1・写真2)
 そこには炬燵の「あじさい席」もある
 直売部開店の木曜日や日曜日とて、直売野菜などの買い物客や喫茶客といっしょにくつろぐ
 スーパーマーケットの野菜部門のような農産物直売所とは違う

 木曜日や日曜日は、朝、出荷に来た60歳代・70歳代の高齢者が「ふれあい喫茶」で飲食し、喋る
 出荷した高齢者が帰ると、入れ替わりに80歳代・90歳代の高齢者たちが集い、14時頃までお茶を飲み、食事し、喋る
 ときには、漬物を持参し、買い物客にすすめる高齢者がいる
 赤穂市の100円コミュニティーバスに乗って来る高齢者もいる

 当市場は1枚100円の11枚綴りの回数券を販売
 高齢者が現金を持たず集え、買い物できるように

 「ふれあい喫茶はものすごく盛り上がる」とスタッフが教える(写真3)
 また、「ここがなければ、お茶飲みは10km先の赤穂まで行かねばならない」と教える
 上記のような高齢者に優しい直売所ゆえ、2002(平成14)年度から、赤穂市の「いきいきサロン」に認定されている

 当市場は女性だけで運営されている
 29人の女性が農産物直売部、喫茶部、弁当仕出し部を運営
 60歳代と70歳代前半の28人、50歳代前半1人が担う

 さて、「ふれあい喫茶」の盛況要因について筆者は次の二つを考える
 一つは運営スタッフの理念・歓待心・行動、いわゆる「おもてなし」
 二つはモーニング喫茶文化

 モーニング喫茶文化は当地を含む近畿地方や愛知県、岐阜県など中部地方の農村に多い朝の生活行動パターン
 具体的には、男性農業者が朝めし前の農作業を終えると喫茶店に入り、飲食しながら世間話と情報交換
 このモーニング喫茶文化が孤老を防ぎ社会性を維持
 具体的には、高齢出荷者を「ふれあい喫茶」で一休みさせ、80歳代、90歳代の高齢者を「あじさい席」に誘い集わせる

 執筆・撮影者:有馬洋太郎 撮影年月日:2010年12月13日 撮影地:兵庫県赤穂市周世
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする