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杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

アイシテル-絆-

2016年12月02日 | ドラマ

2011年9月21日放送 日テレ

 さつき(稲森いずみ)の息子・智也(嘉数一星)が小学2年生の清貴を殺害した事件から、20年以上の歳月が流れた。事件後に生まれた智也の弟・直人(岡田将生)は、兄を憎み、さつきとも距離を置いて暮らしていた。
かつて智也と直人は仲の良い兄弟で、幼い直人は優しい兄の智也を慕っていた。しかし、直人が12歳のとき、24歳になっていた智也(向井理)は、直人に何も言わずに突然家を去り、何も知らない直人はただ悲しむ。

直人が高校2年生の時、インターネットから智也の起こした事件を知る。自分が家族にだまされていたのだと大きなショックを受けた直人は、なぜ事件について黙っていたのかとさつきを責め、怒りをぶつける。さつきは、いかに家族みんなで直人を愛してきたかを語るが、直人は受け入れられず、自分が生まれてきたことを後悔する。

それ以来、他人と距離を置き孤独な日々を送ってきた直人。そんなある日、直人は偶然入った工房で、そこに飾られたある絵を見て涙を流す。その絵を描いたのは、工房の主・須磨(伊東四朗)の孫・加奈(水川あさみ)だった。須磨は、そんな直人に何かを感じ、工房で働いてほしいと頼む。工房で働き始めた直人は、須磨や加奈の明るさに救われ、安らぎを覚える。そして、加奈と少しずつ心を通わせていく。

やがて直人と加奈は結ばれ結婚するが、直人は子供を持ちたくないと加奈に告げる。子供にまで十字架を背負わせたくないという直人の強い思いからだったが、加奈は妊娠してしまう。生みたいと訴える加奈、生まれてこない方がいいと言う直人。
直人は、このままでは加奈を傷つけ苦しめてしまうと思い、全てを断ち切るために兄の智也に会う決心をする。(公式HPより)

 

伊藤実の漫画を原作としたTVドラマで2009年放送の「アイシテル~海容~」の続編です。放送時はリアルタイムで観たけど、加害少年は悪意から罪を犯したわけでなく、被害者・加害者家族双方の苦しみが切なかった記憶があります。続編である本作は前作で生まれた加害者の弟が大人になった設定で、彼の目線で描かれます。

直人を守るために姿を消した智也ですが、その真意を知らず兄を恨む直人。事件を知った友人の裏切りもあって心は傷つき、愛する人との間に子供を作らないという決意は、自分のように辛い思いをさせないためです。この心無い友人役が窪田君なのね~~彼は直人に打ち明けられた時には「そんなの君自身とは無関係」と受け入れるのですが、直人の就職の際に兄の事件のことを就職希望先に知らせて邪魔します。自分の行為が直人をどれだけ傷つけたかに気付かない鈍感な無邪気さを持つキャラとして描かれていますが、それは世間の認識(反応)を体現化したものとも言えます。(嫌なヤツなんだけど窪田君が演じるとついつい庇ってしまう

登場人物の殆どは誠実で、だからこそ過去から逃げることができずに苦しんでいます。それでも、前を向いて歩いていかなければならないし、未来を自ら閉じてはいけないんじゃないかな。

大好きな兄が突然いなくなった悲しみを裏切りと捉え、その兄の罪を知って自分の不幸を彼のせいにすることで直人は逃げていたのかも。須磨や加奈と出会い、認められること、愛することを学んで成長していく直人と、彼を愛する周囲の人々の気持ちの温かさが伝わるドラマでした。


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