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杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

ワンダー 君は太陽

2018年06月22日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)

2018年6月15日公開 アメリカ 113分 

10歳のオギー・プルマン(ジェイコブ・トレンブレイ)は、普通の子には見えない。遺伝子の疾患で、人とは違う顔で生まれてきたのだ。27回もの手術を受けたせいで、一度も学校へ通わずに自宅学習を続けてきたオギーだが、母親のイザベル(ジュリア・ロバーツ)は夫のネート(オーウェン・ウィルソン)の「まだ早い」という反対を押し切って、オギーを5年生の初日から学校に行かせようと決意する。夏休みの間に、オギーはイザベルに連れられて、校長先生に会いに行く。先生の名前はトゥシュマン(マンディ・パティンキン)、「おケツ校長だ」と自己紹介されて、少し緊張がほぐれるオギー。だが、「生徒が学校を案内するよ」と言われたオギーは動揺する。 紹介されたのは、ジャック・ウィル(ノア・ジュプ)、ジュリアン(ブライス・カイザー)、シャーロット(エル・マッキノン)の3人。いかにもお金持ちの子のジュリアンはオギーに、「その顔は?」と聞いてきた。オギーは毅然とした態度をとるが、帰宅してからは元気がなかった。だが、イヤならやめてもいいと言いかけるイザベルに、「大丈夫、僕は行きたい」と答えるのだった。初登校の日、両親と姉のヴィア(イザベラ・ヴィドヴィッチ)に校門まで送られるオギー。ネートは息子の頭から宇宙飛行士のヘルメットを外すと、「孤立してもお前は一人じゃない」と励ます。だが、生徒たちはオギーを遠巻きにしながらジロジロと眺め、ランチタイムでは誰もオギーのテーブルに座らない。それどころか、ジュリアンに食べ方がおかしいと指摘され、『スター・ウォーズ』のパダワンを真似た三つ編みを「ダサいぜ」とバカにされる。帰宅するなり三つ編みをはさみで切り、夕食の席でヘルメットをかぶったまま黙りこくるオギー。たしなめるイザベルにオギーは、「なぜ僕は醜いの?」と涙ながら訴える。イザベルは「顔は人の過去を示す地図」だから、「あなたは絶対に醜くないわ」とキッパリと答えるのだった。その日は、ヴィアの高校の初日でもあった。数週間前から、幼なじみで大親友のミランダ(ダニエル・ローズ・ラッセル)からの連絡が途絶え、ようやく学校で顔を合わせたら、髪を派手に染めて変身し、新しい友達を作っていた。ショックで涙ぐんでいると、演劇クラスのジャスティン(ナジ・ジーター)という魅力的な男の子から声をかけられる。だが、両親から“世界一手のかからない子”と呼ばれているヴィアは、心配をかけるようなことは何一つ話さない。本当は自分にも注目してほしいけれど、絵本のイラストレーターと美術の先生になる夢を封印している母に、甘えることなどできなかった。そんなヴィアの心の支えは、最大の理解者のおばあちゃん(ソニア・ブラガ)だった。でも、「お前は私の宝物なの」と言ってくれたおばあちゃんも、今では天国の住人だ。一方、オギーは触れたらペストがうつると噂されて増々孤立していくが、得意な理科の授業で目覚ましい才能を発揮する。ある日、ジャックに理科の小テストの答えをこっそり教えてあげたことをきっかけに、二人は意気投合する。オギーの自宅に招かれたジャックは、息子の初めての友達を大歓迎する家族とも仲よくなっていく。そして、オギーが心待ちにしていたハロウィンがやって来る。ジャックに約束していた『スター・ウォーズ』のボバ・フェットの衣装を愛犬のデイジーに汚されたオギーは、『スクリーム』のゴースト・フェイスで登校したので誰もオギーと気付かない。ウキウキしながら教室へ行くと、ジャックがジュリアンに耳を疑う“本音”を打ち明けていた。でも、オギーはもう一人じゃない。頭がよくて面白くて、前向きで優しいオギーの魅力に気付く生徒たちが現れ始めたのだ。オギーの存在の大きさに気付いたジャックとも劇的な仲直りを果たすが、理科研究大会に野外学習、ヴィアの演劇発表会とイベントの度に騒動が巻き起こる。 オギーと彼に関わるすべての人にとって、忘れ難い1年が終わろうとしていた。そして修了式の日、一生忘れられない出来事が彼らを待っていた─。(公式HPより)

 

R・J・パラシオの小説「ワンダー」を映画化したヒューマンドラマです。

ジュリア・ロバーツとオーエン・ウィルソンが両親役と知ってから、ぜひ観たいと思った映画でした。

オギー役を含めて子役たちはとても可愛くて、特にジャック役のノア君は「ピーター・パン」の時のジェレミー君にちょっと似ていて

オギーは外見は確かに特異ですが、中身は心優しい男の子。両親は彼が世間の荒波に押しつぶされることを恐れて自宅で勉強を教えていましたが、イザベルは夫の反対を押し切って中等部に進級する頃を見計らって学校に通わせる決意をします。もちろん、彼女の中にも息子が虐められるのではないかとの不安や傷つくのではないかという恐れはありましたが、いつまでも「温室」で育ててはいけないと十分わかっていたのですね。

家族は皆仲良しで、オギーの登校にも全員が付き添って励まして送り出します。でも、やはり学校では奇異の目に晒され、心無い接し方をされてしまいます。子供というのは時にこのうえなく残酷な振る舞いをそれが悪いことだと思わずにしてしまう生き物。だけど、彼らには柔軟な心があります。一度は親友になったジャックの思わぬ本音を耳にして傷ついたオギーですが、サマーと友達になったことで状況が好転していきます。自分がオギーを深く傷つけたことに気付いたジャックは、ネットゲームを通じて(いかにも現代的なエピ)オギーに謝り彼らの間に再び友情が戻ってからは、オギーの周りにどんどん友達が出来ていくんですね。

 優等生タイプのジュリアンは実は人を外見で判断し差別する嫌な子として登場します。オギーが人気者になってくると彼への嫌がらせがエスカレートしていきます。これがきっかけでジャックはジュリアンと決別しオギーと仲直りのきっかけにもなるんですけどね 遂には校長に両親と呼ばれて停学を言い渡されるのですが、この時の両親の態度がもう最悪!こういう親に育てられたから偏見を持つようになったんだろうなぁ 最後に校長に謝るジュリアンは根は悪い子じゃないんだとわかるエピソードでした。(同じようにオギーをペスト菌扱いする女の子はアジア系で、逆にオギーを受け入れる担任やヴィアのBFは黒人です。これも言ってみれば逆差別?と思うのは深読みし過ぎかな

手がかからない姉のヴィアには親友のミランダが急に離れていった悩みがあったり、そのミランダにも家庭に深刻な悩みを抱えていたりとそれぞれの内面も丁寧に描かれているのも好感が持てます。登場人物はその殆どが結局は善人だったりするので、「こいつは裏切るんじゃないか?」とか「ここで陥れるんじゃないか?」と疑って観ていた自分が恥ずかしくなるほど 

オギーの家庭は経済的にも豊かなようだし、校長や担任も人格者で、彼を見守る温かい大人が大勢います。容姿以外は羨ましい環境ですが、それゆえに悩みはその一点に集中してしまうんですね。それでも、持ち前の優しさや賢さや勇気でオギー自身が周囲の人々を惹きつけていく姿は十分に素敵です。

その容姿さえ、物語が進んでいくと全く気にならなくなっていくから不思議。観終わると何だか清々しい気持ちになる映画でした。

オギーの想像の中のこととして登場するSWネタ(チューバッカとか)が楽しくて、けっこうツボだったりします。



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