Rain or Shine~メイおばさんの宝箱

雨が降れば虹が出る、晴れた空には光が躍る。
雨でも晴れでも歩きましょう!
世界のどこかから、あなたへ贈るメッセージ

ヨーロッパで一番高いピラ砂丘で

2016-03-25 20:23:08 | フランス
「砂漠」と言う言葉から思い浮かべるのはどんなこと?
メイおばさんなら

ナミビア、サハラ、ゴビ、タクラマカン。

フランク・ハーバードが書いた長い長い6部作「Dune」(砂の惑星)。

「砂漠が美しいのはどこかに井戸をかくしているからだよ。」
という星の王子様のことば。

そして、、、、、

「月の砂漠をはるばると 旅のラクダが行きました。」
というあの哀調に満ちたメロディーとロマンチックな歌詞。

いずれにしてもどこか神秘的で、どこかロマンチック。
もちろん実際にはそれどころではないことは百も承知ですが。

登って来ました、砂漠に。
いえ、ゴビでもサハラでもナミビアでも
まさかのタクラマカンでもなく
フランスの大西洋に面した海辺の町「アルカション(Arcachon)」です。


ここは牡蠣の産地として知られる小さな町。
夏はバカンス客で大盛況だそうですけれど
この時期は嬉しいぐらいにひっそりとしています。

この町のはずれに
ヨーロッパで一番高い砂丘、「Dune de Pilat」(ピラ砂丘)があります。
たとえ「一番高い」などという予備知識がなくたって
えっ!と思うような砂の斜面がそそり立っています。


ここを登ります。
靴が砂に埋もれます。

足を上げるのにも力が必要です。
油断をすると上げた拍子にずるっと下に滑ります。

これをひたすら繰り返して行くと
息が切れてきます。
そして右手の急斜面越しに防風林の林と海が見えてきます。


ここらへんで歩くのはもう無理になります。
ならばと四足歩行、つまり四つん這いになります。

靴を履いた足とちがって
手は滑りませんが、ついた両手が深く砂の中に埋まっていきます。
それを引き抜くのにまた力が要ります。

バランスよく座って靴を脱ぎ
中にたまった大量の砂を振り落します。
靴がかなり変形しています。


連れ合いはふもとでとうにリタイアしました。

「メイ、気を付けて登っておいで。
 僕はあそこの店でアイスクリームを食べているから 
 時間のことは気にしなくていいよ。」

たしかに、この観光地化した砂漠のふもとには
お土産屋さんがずらりと並んでいるのです。
かなり興ざめですけれど(笑)。


メイおばさんは頑張りました。
頂上はもうすぐのように見えます。


でももう駄目です。
「這ってでも行きなさい!」と天の声が聞こえてきそうですけれど
もうすでに這っているのですから(笑)。

疲ればかりではありません。
恐れもあります。

シアトルでは丘の上の30階に住んで
床まで届く大きな窓に寄りかかって本など読んでいるぐらいですから
高所恐怖症などあるわけもないのですが
それでも滑り落ちるかもしれない砂の上で
頂上に立つことを考えると足もすくみます。

あげく、、、、、、

四つん這いから立ち上がって
大西洋を、林を、遠くの小さな村をぐるりと見回して
空に向かって両手を大きく広げて言いました。

「ありがとう、みんな!」

そしてあとは半分壊れた滑り台のような感じで
何とかふもとまで帰り着きました。


けっこうスリリングな体験でしたけれど
そびえる砂漠(砂丘)を仰ぎ見ながら
ゆっくりとアイスクリームを食べるよりはずっとよかったと思っています(笑)。

それにしてもこの砂丘の砂の
なんと細やかで、なんとサラサラで、なんと美しかったことでしょう。
「宝箱」に入れる思い出がまたひとつ増えました。
 
どうぞ良い一日をお過ごしくださいね。
ランキングの方もどうぞよろしくお願い致します。       ↓
       ↓
ライフスタイル ブログランキングへ

海外旅行 ブログランキングへ
―――――――――――――――――――
「メイおばさんの料理帖」はこちらです。
よろしかったらどうぞ覗いてみてくださいね。
3月24日:ずらりとお土産並べてみたら
3月22日:時には背筋を伸ばして@ボルドーのグランドホテル
http://blog.goo.ne.jp/mayobasan


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
うれしいです! (貴秋)
2016-03-26 10:39:43
ふもとでアイスクリームも楽しそうですが、メイさん がんばって行けるところまで登られて、素晴らしい体験をなさいましたね。
そしてシェアしてくださった眺め、空大好きで ちょっと味わいある表情とみると カメラを向けずにいられない私には、もう幸せそのもの、吸い付いたように目が離せなくなるお写真です。
この四角い枠をはるかに超えて この景色が視界いっぱいに広がっているのか、そんなふうに想像するだけで 心が踊ります。
私はまだ日本から一度も出たことがないのですが、世界には 珍しいもの・美しいものがなんてたくさんあるのだろうと、メイさんのブログを読ませていただくたびに うれしい氣持ちになります。
この先のお話も楽しみにしておりますね。
返信する
Unknown (貴秋さまへ)
2016-03-27 07:23:56
貴秋さんのお言葉に、なんだかとても心を揺り動かされてしまって、涙ぐんでしまいました。私のつたない写真と文章に心を躍らせてくれる誰かがいるなんて、そしてそれをこうして素直に伝えてくださるなんて本当に嬉しくて、、、、、ああ、言葉ってこういう力があるんだな、と思いながら、「きちんと書いていきたい!」と素直に思いました。貴秋さん、ありがとうございます。そしてこれからもどうぞよろしくお願いいたします。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。