AN現代針灸治療

ANとは「にただあつし(似田敦)」のイニシャルです。現代医学的知見に基づいた私流の針灸治療の方法を解説しています。

三重県鍼灸会館での三県合同鍼灸研修会での感想

2022-11-02 | 講習会・勉強会・懇親会

令和4年10月30日(日曜)、三重県鍼灸会館において、第55回「愛知・岐阜・三重三県合同鍼灸研修会」があり、私も演者の一人に招かれ、<根拠のある変形性膝関節症の鍼治療をめざして>といテーマで、前半50分は座学、後半50分は実技デモというスタイルで実施した。もうおひと方の演者は、砂川正隆先生(昭和大学医学部 生理学講座整体制御学部門 教授)で、<鍼灸のエビデンス>というテーマで90分の講演を行った。私とは全く異なる正当派基礎研究で、鍼灸臨床に応用できそうなネタを数多く紹介してくださった。三重県鍼灸師会の委員は、細かいところまで配慮が行き届く方が多く、かつ平均年齢も若い印象を受けた。とくに松山真理子先生は私との連絡の窓口となりお世話していただいた。この研修会のため、zoomで打ち合わせ会も行い、準備万端だった。

この3年近く、zoomによる研修をしてきており、今回が久々のリアルな研修会となったとのこと。zoomによるお手軽な参加に慣れたことと、他の研修会の日程と重なったこともあり、集まったのは21名ということだった。

津市に行ったのは初めてのことで、三重県鍼灸会館に行ったのも当然初めてだった。この会館は津駅から徒歩10分ほどで交通の便がよい。2階建てのビルで一階は事務室、二階は研修室で、定員は40名だという。横一列は、3人用長机が2台おけるので、結構ゆったりした設計になっている。

上写真は大通り沿いになり、下写真は裏通り沿いになる。普段の出入りは、裏通り側から行う。

 

 

2.似田発表「根拠のある変形性膝関節症の鍼治療をめざして」の序文

初めは「根拠のある変形性膝関節症の鍼灸治療」とのタイトルだったが、あまりに図々しいので「・・をめざして」を付け加えた次第。
スポーツ外傷のように突然生じた膝関節痛や、化膿性膝関節炎のように膝関節部に強い熱感・腫脹・自発痛がある場合は針灸不適応である。しかし慢性的な膝関節痛であれば針灸禁忌の例はまずない。慢性膝痛に対し、医師は変形性膝関節症という診断名をつけ、理学療法を行うことが多いが、理学療法は即効性に難がある。

変形性膝関節症に対する針灸治療は昔から行われてきているが、今日になっても治療理論に中身がなく、せいぜい膝周りの圧痛点に針灸をしているかのようだ。
私も鍼灸臨床を続けること四十年を越え、これまでの知識・技術を多くの先生方へ広めるべき段階となった。この機会に、変形性膝関節症の針灸治療において、①どこが悪いのか、②なぜ症状が出ているのか、③どのように施術すると症状が緩和されるのか、という一連の疑問点に、自分なりの解を提示したい。実技を交えて解説する。

3.懇親会

懇親会は津駅近くの小料理屋で開かれた。懇親会には14名が参加した。驚いたのは、鍼灸業界の重鎮である仲野弥和先生にお会いできたことで、以前お目にかかったのは私が医道の日本社新宿支店にいた頃なので、実に45年も前のこと。仲野先生は、当時の医道の日本社専務の戸部雄一郎氏(私の上司)と仲がよく、新宿支店には時々遊びにいらしていた。お二人は花田学園の同窓生であった。昔はひょうきんな感じだったが、現在では迫力が増し精力的でお元気だった。話し方も情熱で、いかにも他の先生方に影響を与えそうな印象をもった。この三重鍼灸会館建設の際も尽力されたそうだ。また名古屋でご活躍中の坂口綠先生は、私主催の<鍼灸奮起の会>の常連だが、今回の研修会にも参加されたので、旧友に再会した思いだった。

下段、左から岡田賢先生(三重県鍼灸師会会長)、私、砂川正隆先生(昭和大学医学部教授)、仲野弥和先生(日本鍼灸師連盟委員長)

 


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4 コメント

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Unknown (たかたか)
2022-09-21 14:24:51
オンラインセミナーも検討していただると幸いです。
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Unknown (たかたか様)
2022-09-22 22:52:23
現状ではオンラインセミナーするだけのマンパワーがありません。良き協力者が欲しいところです。
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ありがとうございました (松山まり子)
2022-11-10 09:42:31
先生の講義を受けれて、本当に勉強になりました。実技が臨床に役立っているのはもちろんなのですが、先生の鍼灸施術は病態把握から。がとても印象に残り、本当にそうだなと思いながら、臨床させていただいております。
ありがとうございました
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松山真理子先生へ (似田敦)
2022-11-10 17:52:45
<根拠のある変形性膝関節の鍼灸治療をめざして>について、お褒めいただきありがとうございました。四頭筋を伸張させての刺針、
収縮させての刺針ともに効果あるのは、ゴルジ腱受容器にとっては、ともに伸張刺激になるということです。ともにⅠb抑制。
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