AN現代針灸治療

ANとは「にただあつし(似田敦)」のイニシャルです。現代医学的知見に基づいた私流の針灸治療の方法を解説しています。

天柱症候群とは

2006-03-16 | 経穴の意味
 後頸部の諸穴(天柱、風池、上天柱など)からの刺針が、眼症状や鼻症状に有効であることは、古くから経験的に知られている。このことは鍼灸師なら誰でも知っていることなのだが、なぜ効果あるか説明がつかなかった。

 最近になり、上部後頸部で三叉神経の走行が、三叉神経脊髄路を下って、第2第3大頸髄の高さまでいったん下ってから再び上行する過程で、近くを走行する大後頭神経との間で影響を与えることが知られるようになった。大後頭神経の代表刺激点は天柱なので、天柱刺針により三叉神経症状が改善される機序に説明がついたのである。

 それから一歩発展させて、天柱刺針により効果がみられる顔面部症状を、天柱症候群とよぶようになった。常見の天柱症候群症状には、前頭部痛、眼精疲労、鼻汁などである。

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1 コメント

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ご質問 (城北)
2006-03-20 22:35:27
>最近になって、~知られるようになった。

とありますが、最近とはいつのことで、どのような文献ですか。

天柱付近で、三叉神経と、交通枝を成しているという捉え方は、30年前から有りますが。
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