雲は完璧な姿だと思う。。

いつの日か、愛する誰かが「アイツはこんな事考えて生きていたのか、、」と見つけてもらえたら。そんな思いで書き記してます。

曜変天目

2022-11-20 00:04:50 | 凄い
「国宝」とは「重要文化財」の中から
特に価値の高い建築物や美術工芸品などが相当する......
ということのようです。
重要文化財というだけでも凄いモノであるわけですから、
国宝なんてことになると、もう、
それわそれわスゲー過ぎるモノではないかと。ええ。



国宝
「曜変天目(ようへんてんもく)」
上の写真は数年前に出た雑誌
ブルータス(BRUTUS)
さんの特集号の中にあるページですが、
お気に入りの号だったので大切に保存してあります。



曜変天目とは、
むかsむかし中国に南宋(なんそう)という国があった時に
「建窯(けんよう)」
という窯(かま)で焼かれた茶碗のことで。
ある時期にわずかな数だけ焼かれ、
それから二度と焼かれることがなくなったというもの。
現在「完全体」として残っているものは世界に3つだけ!
とのことで、しかも、
その3つの全てが日本にある!
なんていうことにもなっています。
日本の宝どころか、
世界の宝と言っても良いようなものでしょうか。







「曜変(ようへん)」とは
光の当たり方によって様々な色を発し、
瑠璃色(るりいろ)に輝くさまを表現している言葉とのことで。
夜空に輝く星の輝きを意味する言葉でもあるそうです。
「容変」と書かれていたこともあるようで、
多くの茶碗を焼く中で突然変異的に偶然出来る貴重なもの......
という意味も含まれているようです。

「天目(てんもく)」とは、
中国から持ち込まれた陶器のことで、
唐物(からもの)とも呼ばれます。

よって、
「曜変天目(ようへんてんもく)」とは

「千変万化の虹色に輝く古代中国製陶器茶碗」

と言ったところでしょうか。
そして、そんな「曜変」を持つ器に焼きあげることは
現在でもとても難しいらしく。
その製造のメカニズムは今もってわかっていないそうです。
今も様々な研究者や陶芸家の方々が
研究に研究を重ねてもいるようなのですが、
それでも100個に1個出来るか?どうか?
という確率となっているようです。
そんな努力を重ねた末にできた貴重なものでも、
「曜変天目」と言えるような発色や、
漆黒の闇のような黒を同時に出すところまでは
たどり着けていないとのこと。

ちなみに、この一つ下の評価ランク?ともいえる
「油滴天目(ゆてきてんもく)」の名品が
ニューヨークのオークションにかけられた時の値段は15億円。
黒田家伝来の由緒も歴史もあるものでしたが、
となると、この曜変天目さんともなれば......



ひとつ僕さんにもらえないでしょうか?
ね?(。・ω・。)



つい最近、
そんな曜変天目の内の一つが久々に期間限定で公開される!
という話を聞きつけまして。
ちょいとお出かけをしてきました。
東京、丸の内に新しく移転オープンした
「静嘉堂文庫美術館(せいかどうぶんこびじゅつかん)」さん。





建物自体も歴史ある「明治生命館」。
重要文化財。
地下には、たまに伺う「ウルフギャング」さんがありまする。
ええ。ええ。
過去記事にも記してまちゅけど、
美味しいお店なんす。(●´ω`●)





展覧会のタイトルは
「響きあう名宝 ―曜変・琳派のかがやき―」
こちらで所蔵されている曜変天目は、
三つの中でも最高という評価を受けることが多い
「稲葉天目(いなばてんもく)」
と呼ばれるもの。

興味深いのは、
この茶碗が辿った持ち主の系譜や歴史。

記録を辿れる最初の所有者は江戸幕府を創始した徳川家。
その徳川家では、
三代将軍の「家光」さんから奥様の
「春日局(かすがのつぼね)」さんに渡ることになりました。
春日局さんはアノ!「大奥」の基礎を作った人。
そんな春日局さんからは子孫である
淀藩主「稲葉家」に受け継がれます。
稲葉家では家宝として幾代にも渡って守り通され。
ここで「稲葉天目」と呼ばれるようにもなりました。
しかし、江戸時代が終わり、
明治維新による武士の凋落が始まると、やむをえず、
稲葉家は三井財閥の「小野哲郎」さんに天目を売却。
その後、三菱財閥の4代目
「岩崎小彌太(いわさきこやた)」さんが購入。
三菱財閥の私設美術館である
「静嘉堂文庫美術館(せいかどうぶんこびじゅつかん)」
に収蔵されて現在に至る......
という道のりを持つ天下の名碗。
小彌太さんは

「天下の名器を私に用うべからず」

と言って、
この茶碗は一度も使用しなかったのだそうです。
こんな日本の歴史が刻まれている部分も
「国宝」となっている理由でしょうか。

実際に見てみると、
何度見ても僕には宇宙に見えてしまいます。
宇宙が始まった瞬間の時のような、
ビッグバン(BIG BANG)のような。

「手のひらに宇宙!」

とでも言いましょうか。
とにかく目も心も釘付け。
以前「青き炎 番外編」という記事に載せた
陶彩画(とうさいが)と呼ばれる有田焼の絵における
「神話」という作品に通じるものを感じてしまったり......

それは......

スサノさんのブルーとでも言いましょうか......

スサノオさんの茶碗とでも言いましょうか......

感激。

そして、

そんな感激とともに表に出ると......





いつもの日輪さんが。
巨大。
皇居の上。
なんだかお茶碗みたひ。。(*゚o゚*)
そのうち、
2柱の神様が!?
やって来て!?的な。ええ。





ピカッ!と曜変!?
的な。
ええ。ええ。



素晴らしいものを見れた、
とても良き日でした。(^^)

最後に、
三菱財閥のゴッドマザーである岩崎美和さんが残した
岩崎家の家訓などを。

=======================
一、天の道にそむかない
二、子に苦労をかけない
三、他人の中傷で心を動かさない
四、一家を大切に守る
五、無病の時に油断しない
六、貧しい時のことを忘れない
七、忍耐の心を失わない
=======================


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4 コメント

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Unknown (こもりく)
2022-11-20 08:50:58
amenouzmetさんへ

曜変天目の実物!
まさに宇宙ですよねぇ。

テレビでしか、みたことは
ありませんが
光の輝きに深く感動したのを
覚えています。

一度も使用されてないんですね
使用するなら
扱いに手が震えます。きっと^_^

最近は
美味しい和菓子に(お団子も、もなかなどもあり)
お抹茶で一服。

喫茶去です^_^
返信する
こもりくさんへ。 (amenouzmet)
2022-11-20 11:34:40
個人的には展示の仕方にもう一つ工夫がないように感じて。
僕なら光源を動かすようにするか、
物自体を動かすようにして彩色の変化を見せれるようしたかなぁ、とか。
内側は勿論、本来は外側の色の浮き出しなどもあるのですけどね。
最近は動物園も見せ方を細やかに工夫している中で、美術館としたら、、、
的なストレスはありましたかねー。。
返信する
Unknown (Unknown)
2022-11-20 20:50:32
曜変天目は、とても心惹かれると思ったら、
スサノオブルーだったんですね。
なるほど〜。さすがです。
今回の雲の写真がすごすぎて、
まさに雲は完璧な姿!そのまんまでしたね。
そして、最後の岩崎家の家訓、
なぜか胸がキューとなりました。
いつもブログの更新ありがとうございます。
体調も良くなられたようで、よかったですね!
返信する
Unknownさんへ。 (amenouzmet)
2022-11-21 00:07:49
ありがとうございます。
まだ完璧といえるまでではないのですが、
この展覧会の後からまた変化を感じています。
曜変天目と九十九髪茄子茶入れはちょっと違いますね。。
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