最近、昨年の「髄液漏れ」に限局した診断基準が広まったせいか、
「脳脊髄液漏出症」という病名にこだわる医師がいるようですが、
私はあくまで、「脳脊髄液減少症」という言葉が、
自分の症状に一番ピッタリくると思って、当分こちらの病名を使い続ることにする。
自分の体感からも、髄液が減るために起こる症状で、たとえ髄液漏れが止まっても、
髄液圧が低い状態といった、髄液が減少していると思われる状態が続くと、
症状も続くことから、
やはりこの疾患は、「髄液漏れ」をも含む病名として、
「脳脊髄液減少症」が一番ふさわしいと感じている。
ところで、
昨日の、
新、総合診療医ドクターGを見て思ったのだが、
脳脊髄液減少症は、パーキンソン症候群に含まれるのだ
と思った。
パーキンソン症候群とは
『他の病が原因となって、パーキンソン病に似た症状が出るものをいう』
とのことだ。
だとしたら、
私が体験した髄液漏れの症状は
間違いなく「パーキンソン症候群」にあてはまる。
若年性アルツハイマー病や
慢性硬膜下血腫
正常圧水頭症も
パーキンソン症候群に含まれるという。
髄液が増えすぎて起こる
正常圧水頭症が
「パーキンソン症候群」に含まれるならば、
その反対の髄液が減ることによって、水頭症のような
認知機能の低下や、歩行障害や尿失禁といった
パーキンソン病に似た症状が起こる、
脳脊髄液減少症だって、
パーキンソン症候群に含まれるではないか!
髄液漏れの場合、報道される患者さんはあまりにも最近の事故の方が多く、
「起立性頭痛」やめまいが強調されて報道されているために、
他のパーキンソン病に似た症状はあまり知られていないと感じる。
もしかしたら、これらのパーキンソン病に似た症状は、
髄液漏れたまま、長く放置された私のような患者にしか体験しない症状なのかもしれない。
さらに、
脳脊髄液減少症で人体に起こる症状の詳細を知らない神経内科の医師たちは、
脳脊髄液減少症のパーキンソン病と非常によく似た症状の存在すらよく知らず、
パーキンソン症候群としての、
脳脊髄液減少症の存在に、
気づいていないのではないか?
逆にいえば、
パーキンソン病は原因不明で脳の最深部に異常が起き、
神経伝達物質が異常になって症状が出るそうだが、
もしかしたら、
髄液漏れにより、脳が正常な量の髄液に浮かべないことにより、脳が重力で下にさがって、
脳がひしゃげて、それで、脳の最深部が圧迫されて細胞に異常をきたし、
神経伝達物質に異常が出る可能性だって
ゼロじゃないんじゃないか?
とか、素人ながら、いろいろと想像する。
だって、髄液が減るという病態に関して、
研究されはじめたのは、ごく最近なんだから。
まだまだ髄液が関する未解明の病が
潜んでいる可能性があったって
なんら不思議ではない。
いろんな症状の影に
髄液漏れが原因となって潜んでいる可能性だって
あるんじゃないかとも思う。
実際、
私が髄液漏れで経験した症状は、
パーキンソン症候群と重なる症状が多い。
たとえば、以下の症状や特徴は脳脊髄液減少症でも経験しました。
●歩行失調
・足の動作がうまくいかない。
・小刻み歩行、(大きく歩幅がとれない。)
・足のすくみというか、足を出しているつもりが出せていない、太ももが上がらないのと、足首の先が上がらず、足が前に出ていないのに、出ているつもりで転ぶ、ささいな地面の起伏につまづきやすく、転びやすい、)
・突進歩行(とまでは言えないかもしれないが、歩きだすと、前につんのめっていく感じ、一歩一歩がしっかり踏みしめられない感じ)
●尿漏れ(切迫性尿失禁)(ひどい頻尿や多尿によるものと、足がもつれること、手が動きにくいことがあいまって)
●認知機能の低下
●平衡障害
●平衡障害と足の異常で坂道が怖い、手すり、杖がないと、怖い。
●抑うつ症状 なにもかもがおっくうで人に会いたくもなくなる。やる気がでない。
●便秘(直腸が蠕動運動を起こさなくなった感じで自然に出なくなる感じ)
●仮面のような無表情の表情
●顔が動かないし、舌が動きにくいから、しゃべりにくくもなる。
●字が書きにくいし、しゃべりにくいし、気力が低下するから、自分の苦しさを医師や周囲に訴えることさえ
つらくてできなくなる。
●体が思うように動かない感じ
●化粧や料理、洗濯、入浴、掃除、ドライヤーで髪を乾かすなど、なにもかもがおっくうでいろいろなことが苦手になった感じ。
●手を使うことが苦手、
字を書きにくい、
手の細かい動きがしにくい、
はしが使いにくい、
着替えが苦手、ボタンがかけにくい、
料理での細かな手の動きがうまくいかない。
加えて、頭も働かず手順も混乱し、すべてが疲れて疲れて苦痛。疲れて最後までやりとおすことができず、途中で中断せざるを得なくなる。
●動作が緩慢になる。てきぱき動けないため、同じ仕事量でも多量に感じてこなせなくなる。
これらの症状が出たり消えたりする。
私の場合、これ以外にも、さまざまな症状もあるし、
番組に出てきたパーキンソン病の患者とは違う症状もありました。
違うところは、やせる時期もあったけれど、
甲状腺機能低下症のようなそっくりの症状とともに体重増加の時期もあったところ。
多発性硬化症のように、症状がよくなったり悪くなったり、その症状が消えたり出たりと
症状に波があるところ。
今回の長崎大学大学院教授の
池田正行先生は問診の鬼だという。
その先生の言葉が心に残った。
「問診とは、患者の症状を聞くだけではない。
検査ではわからない病気が世の中にはたくさんある。
問診ではじめて患者さんがどこが困っているかという、核心を知ってはじめて、
診断できる、
そういう病気がいっぱいある。」
「初期のパーキンソン病の場合、MRIを撮っても診断できない。
あの高い機械を使ってもパーキンソン病と診断できない。
だけども問診でこうやって診断できたわけですよ。」
脳脊髄液減少症についても、
多くの患者に接した医師が症状を聞きだし、それをまとめ、
多くの医師に広め、
すべての科の医師たちは、
今後はしっかりとした問診だけで、その症状の根本原因である
脳脊髄液減少症が見抜けるまになってほしい。
そういう問診だけで、髄液漏れの可能性に早期に気づき、
より詳しい検査へ導けるような医師ががこれからどんどん増えていってほしいと思う。
昨夜のドクターG「体が思うように動かない」は
来週の木曜の午後4時5分から再放送されます。
見逃した方はどうぞ。
なお、幻冬社から
ドクターGの本が出ています。
普段出会う医師は、患者の症状ひとつだけに関心を示し、(特に自分の専門科の症状のみに関心)
他の症状は無関心でどうでもいいといった感じで、
症状から病を総合的に推理する能力、探偵能力が欠けている医師が大半ですね。
もっとも、
普通のクリニックで一人の患者にたっぷり時間をかけて問診なんてやってたら、
クリニックつぶれちゃうから、
無理なんでしょうけど。
患者の主訴に対して、どんどん診察して診断して薬を出して患者の数をさばかないと
終わらないし、
経営的にやってられないのはわかりますけど。