水俣病研究の、
第一人者の
原田正純先生が、お亡くなりになりました。
以下NHKニュースより。
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水俣病研究 原田正純医師が死去
公害の原点と言われる「水俣病」研究の第一人者で、
半世紀にわたって患者の診察を続けてきた医師の原田正純さんが、
11日夜、
急性骨髄性白血病のため、熊本市内の自宅で亡くなりました。
77歳でした。
原田さんは、昭和9年、鹿児島県に生まれ、
昭和34年に熊本大学医学部を卒業して医師となり、
翌年から水俣病の研究に携わりました。
患者の家を一軒一軒訪ねて診察し、
昭和37年には、
母親の胎内で有機水銀の影響を受けた
胎児性の水俣病患者の存在を発表。
水銀が母親の胎盤を通ることはないとされていた
当時の世界の医学界の定説を覆しました。
水俣に通うなかで目の当たりにした患者への差別や、
補償が進まない現実から
「水俣病は単なる病気ではない。企業と行政による犯罪行為であり、事件だ」
と発言していました。
平成11年に熊本大学を助教授で退官後、
熊本学園大学の教授に就任し、負の遺産としての公害を将来に生かすことを目的に「水俣学」を開講しました。
去年から闘病生活をしていましたが、最近まで水俣に通い、
胎児性患者の診察を続けるなど半世紀にわたって医師として水俣病に関わり続けました。』
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以上 NHKニュースより。
このブログでも、原田先生のことは、
何度か取り上げさせていただきました。
それは、患者救済より利益優先の企業と、その企業側に立った医師の思惑が、
水俣病の診断基準を非常に厳しくし、
それにより患者の救済が遅れ、
罪もない人たちを長く苦しめ続けた構図と、
脳脊髄液減少症患者を苦しめ続ける構図が非常に似ていたからです。
過去記事はこちら。
原田先生の言葉をお借りして、私も言わせてください。
「交通事故で起こる外傷性の脳脊髄液減少症の存在に一人の医師が気づいてから、
少なくともこの10年間の、
損害保険会社の脳脊髄液減少症の撲滅運動と思われるような動きや
見て見ぬふりしてきた医師たちの態度や
患者の見逃しや患者をとりまく過酷で悲惨な状況は、
単なる病の見逃しや病人の放置ではない!。
企業と、企業側に立つ医師と国と行政の怠慢による、
犯罪であり、事件だ。」と。
原田先生のように、
どんなに当時の医学の常識とは合わない考えで、バッシングされようとも、
現場の患者を見続け、患者の生の声を聞き続け、
早くに真実を見抜く目を持ち、
企業や、医学界の圧力にも負けず、医師として信じた道を貫きとおし、
患者を救おうとし続ける人間こそが、本当の医師だと思います。
先生のご遺志は、きっと若い医師たちの中に引き継がれていくことでしょう。
先生の生きざまは、
今の医師たちに、
「医学の常識は、
過去の事実が掲載されている教科書にのみあるわけではない。!
現在の患者の生の声の中にこそある。
だから、患者の声を真摯に聞け!」
と教えてくれているような気がします。
原田先生、最後まで、患者側の医師でいてくださり、
本当にありがとうございました。
「正純」というその先生のお名前のように、
「人として、医師として、患者に寄り添い、向き合い、
正しく、純粋に生きた」その先生のお姿を、
私たちはけっして忘れません。
必ず、次の世代に伝え続けてまいりますから。
どうか安らかにお眠りください。
ただでさえ病の症状に苦しむ患者たちを、
さらに、医師や企業や行政が苦しめ続けるような同じような過ちは
絶対にやめさせてみせますから。
「水俣病の事件の中から、学問のあり方や生き様を学ぼうと、
先生が水俣学を開講したなら、
私たちは、『脳脊髄液減少症学』として、
医学のあり方とか、人としての生きざまを
学んでいかなければなりません。
この10年の闘いの記録は、必ず後世にいかさなければなりません。
水俣病を通して、原田先生の自らの生きざまが
私たちに教えてくださったことは、
必ず今後に生かさなければなりません。
話は変わりますが、
青森県 東奥日報 6月10日記事
(↑の東奥日報社の記事に、気になる点があります。
せっかくマスコミに出て訴えてくださった患者さんに、こんなことを申し上げるのも気がひけますが、
支援を本気で訴えるなら、仮名でなく実名でお願いします。
自分も、実名でここで書けていないので、偉そうなことは言えませんが、
私も含め、患者は何も悪いことしていないんだから、
逃げ隠れする必要はないんだから、お互い勇気を出しましょうよ。
まあ、体調悪いと、精神的にも不安症状も強いからそんな勇気も気力も出ないのは十分理解できますが、
実名出せるほど気力が出てきたら、出しましょうよ。
実名と仮名じゃ、読者に訴える力が全然違うんだから。
髄液漏れでの性機能の低下などの症状を話す場合は相手のあることだし、仮名の方が言いやすい場合もあるから仕方ないとは思うけど、
それ以外の頭痛や倦怠感などの一般的な症状を話すくらい、
世界中に実名出すぐらいの勇気と根性は、患者一人一人に持っていただきたいと思います。
それぐらいの勇気ださなきゃ、この世の中は変わらないと思う。
あと、記事にある、「県によると、ブラッドパッチ対応可能としている県内医療機関が1か所あるが、医療機関の取り決めにより、公表されていない」って何よ。
公表されないんじゃ意味ないじゃない。
なんで青森はできないのよ。
医療機関の取り決めって何よ。えっ?
そんな意味ない取り決め撤廃しなさいよ。
何やってんの?この県は。
それでいいとでも思ってんの?
いくじがない県だね。
こういうのが患者を苦しめる行政の怠慢というのよ。
こんなことを繰り返していたら、亡くなった原田先生が泣くよ。
しっかりしてよ、担当の佐々木さん。
水俣病の教訓を行政もしっかり今後に生かしてほしい。
担当者は全く気づいていないんだろうなぁ・・・・・悪気はないのよね、
気づいていないだけで。
水俣病と、脳脊髄液減少症の共通点に。