脳脊髄液減少症患者のつぶやき、「とりあえず、生きてみよか・・・。」

過去から現在へ、脳脊髄液減少症、体験克服記。

見た目に苦しさが出ない。 1

2007年12月01日 | 症状の説明
今日から12月、ことしもあと1ヶ月で終わりです。

11月も症状の波がありましたが、ここ数日楽になっています。

先日、苦しい最中に
「鏡の中の自分」を観察して、
感じたことを書きたいと思います。

11月の20日の数日前のことです。

もう、呼吸は苦しく息もたえだえ、
心臓は止まりそうな苦しさ、

圧死しそうな体の締め付け感、
絞殺されそうな首の締め付け感の時

何気なくドレッサーの大きな鏡の前に立ち、
鏡の中の自分を見てみたのです。

すると、

鏡の中には、
顔色も良く、
どうみても「元気そう、健康そう」にしか見えない女性が微笑んでいました。

苦しい最中の自分の姿を、
自分で見て、
「元気そう。健康そう」に見えてしまうのですから、

「こりゃ~ダメだ。」と思いました。

第3者が、
見た目で脳脊髄液減少症の苦しみなんて、理解できるわけがないのです。

まして、医師が特殊な検査もなしで、
数分間の診察で、見た目で
患者の訴えが本当かどうかなんて見抜くなんて不可能です。

さらに、この病気の深刻な症状を
見た目で理解することなんて、
絶対無理です。


MRIも、RIも今ほど普及していなかった時代、

どれだけ多くの交通事故後の不定愁訴患者が
保険金めあての仮病と疑われ、

怠け者扱いされ、
不登校扱いされ、

高次脳機能障害の異常行動
その人の人格のせいと判断され、
誤解されてきたことでしょう。

医師にいくら感じる異常を訴えても、信じてもらえず、

正しい診断や治療もしてもらえず、
病名もつけてもらえず、

どれだけ多くの方患者や被害者が、
「気のせい」「精神的なもの」と放置されてきたことでしょう。
(私もそのひとりです。)

中には、あまりの苦しさと医師や周囲の無理解と
経済的困難に追い込まれ、
自殺してしまった方もいたことでしょう。

放置されたことによって、
脳脊髄液減少症によるしわざとも気づかず、
自分に起こっていることがわからないまま、

高次脳機能障害による、不慮の事故によって
事故死してしまった方もいたことでしょう。

(あやうく私も事故死しそうにもなりました。)

しかし、
この命をも脅かす深刻な症状とは裏腹に
詐病扱いされるのも無理もないぐらいに、

ほとんどの方がたが
あまりに「健康そうな見た目」です。

なぜ、この病は苦しさが、表に出ないのか?
私は不思議でなりません。

普通、人は具合が悪いと、
自分で痛みや苦しみの、信号を感じとると同時に、

顔色が悪いとか、熱があるとか、
顔が赤いとか、
冷や汗をかくとか、

外見的に他人にも「具合が悪そう」とわかる何かのサインが出て、
他人に「苦しい状態」が何らかの形で伝わるものです。

人間は無言のうちに、人間仲間にSOS を発し、
仲間からの救助を、求められるようにできていると
私は思うのです。

子の体が発する外見的なサインで、
子供の異常に母親が気づくのも、

そういった生物の持つ
危機を知らせあう仕組みのおかげなのではないかと
私は思っています。

そうやって、自分からも、他人からも、
「異常を知らせる信号」が発信されて、

幾重にも固体の命が守られるように
人間の中にプログラムされていると私は思うのです。

しかし、
どうしたことか脳脊髄液減少症は、
痛みや苦しみの信号を感じる本人ですらも、

症状に波があり、出たり消えたりする症状のためか、
なかなか異常に気づくことができません。

たとえ、異常に気づいても、
患者本人だけの力では
その根本原因になかなかたどりつけません。

医師に訴えても、訴えても
どこを検査しても「異常なし」といわれます。

あるいは、なんらかの異常が少しでも発見されたり、
医師の判断によって、
別の病名がついたりします。

でも、それは本当の病名ではなく、脳脊髄液減少症の
症状の一部についた病名でしかなかったりします。

しかも、苦しいのに、
その健康そうな外見で周囲の人間にも心配されません。

病気じゃないか?と指摘してくれる人もいません。

医師にも「心配ない」と追い返されるほど、健康そうな見た目です。

通常の怪我や病気と違って、

病んでいる場所や原因を、
「本人や周囲に気づかせる」という、
生物が命を守るためのシステムが

脳脊髄液減少症だけは、
まるで破壊されているかのようです。

見た目に苦しみが出ない。
異常を感じているのは患者本人だけという症状が多い。

一般的な検査には異常がでない。
患者本人も、医師も、周囲も
真の病名にも、その深刻な病態にもなかなか気づけない。

誰にでも、明日にでも、なる可能性のある病態なのに、
その危機になかなか気づけない。

この恐るべき特徴が
「脳脊髄液減少症は悪魔の病だ」と
私が思った理由です。

(つづくかも?・・・)











コメント (13)
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