脳脊髄液減少症患者のつぶやき、「とりあえず、生きてみよか・・・。」

過去から現在へ、脳脊髄液減少症、体験克服記。

見た目に苦しさが出ない 2。

2007年12月04日 | 症状の説明
私の場合、
たまに身近でいつも私を見ている家族には、
目で見て不調がわかる時もあるようです。

背中を丸め、目が泳ぎ、
どよんとした表情になったり、

真っ白の顔色になったり、
ロボットのようなカクカクした歩き方になったり、
半身をひきずったり、

同じことを繰り返し話したり、
物忘れがあったり、同じミスを繰り返したり、

箸を持つ手がぎこりなかったり、と
視覚的に私の異常が伝わる時もあるのですが、

それはほんとうに
たまに、という程度です。

ほとんどの場合
見た目では私の苦痛は、周囲には伝わらないのです。

見た目には本当に通常の人間やむしろ「健康そう」に見えます。

「味覚、痛覚、触覚、平衡感覚、聴覚、視覚」などの微妙な感覚異常で
「本人だけが感じる症状」が多く、

その苦しさは、なかなか理解されません。

言葉で異常を伝えようとしても、
その健康そうな外見のため、
はじめから真剣に聞いてもらえません。

先日の私のように、
絞殺されそうに、圧死されそうに苦しい時でも、

自分の姿を鏡で見ても、
自分でも、
症状と反比例するかのように、「元気そう」にしか見えないのです。

だから、苦しくてじっとしていたり、横になっていても
怠け者にしか見えないのです。

これは脳脊髄液減少症とわかる前の話ですが、
不調で病院受診しても、
めったに会わない医師の3分診療で、
見た目に元気そうな患者の、深刻な訴えを
真剣に聞いて、信じてもらえるわけがありません。

たとえ訴えを真剣に聞いてもらえても、
「病院に行けるぐらい、体調がいい時」であるためか、
検査しても検査になにも異常は出ないから、なおさら、信じてもらえません。

しかも、短い診察時間で
あの数々の複雑で多彩な症状のすべてを、
話そうと思っても、いざという時、言葉が出てこないし、

言ったそばから忘れてしまう頭で、
あの複雑な症状を言葉で表現できるはずがありません。

私がやっとの思いで言葉で症状を表現して、
一年かけてもブログに書ききれないような複雑な数々の症状を

混乱する思考の頭で、たまにあう医師に理解されるように
言葉でうまく、とっさに3分以内に的確に医師に伝えられるはずがありません。

必死に言葉で訴えようとしても、
高次脳機能障害の脳では、とりとめないことを話してしまい、
そんな患者にうんざりした表情を浮かべる医師も多いのです。

もたもたしていると、言葉には出さずとも、
医師は「で、なにしに来たの?」
「で、あなたはどうしたいの?」というような気まずい雰囲気になってしまいます。

たとえ、患者の言葉に真剣に耳を傾けてくれる医師であっても、
一般的な検査をして異常がなければ、その態度は豹変します。

ますます冷ややかな疑念の目を向けられます。

脳脊髄液減少症という病態は、
何重にも、隠れみのに守られ、その姿をなかなか表に現さず、
患者本人も医師をもあざむく、ずるがしこい犯罪者のような病態です。

なかなかその真犯人の姿に気がつくことも、
捕らえることもできないのです。

そして最後は
「ストレスのせい」「精神的なもの」と言われ、
精神科の薬を山ほど処方されたりします。

患者はワラにもすがる思いで、
その薬を飲み続けます。

処方されれば処方されただけ、
治りたい一心で飲みつづけます。

原因が違っているのに、処方された薬の影響の怖さを
私は知っています。

診断が間違っていれば、その処方の効果は
一時的なものか、
何の効果もないか、

かえってまた違った苦しさを増したり、
よけい心身のバランスを崩したりします。

中には精神に強い影響を及ぼす薬もあり、
ただでさえ、脳脊髄液漏れでいろいろな精神症状も出て、
安定を欠いていた精神状態が
よけい不安定におかしくなったりもします。

線維筋痛症で自殺した、とされているあの方は、

私が体験したこの流れに
もしかしたら、流されてしまったのかもしれないと、
残念でなりません。

全身の激痛に苦しみ、赤ちゃんも抱けず、
「一日に40個ぐらい20数種類の薬を飲むほどの日々が、
永遠に続くことになる。彼女の心の中に、絶望が広がっていったのか。」
と女性週刊誌に書いてありました。(女性セブン2006年2月22日号 P30)

当時テレビに何度も出てきた何人かの線維筋痛症の専門医や
第一人者とされる先生方の言い回しが、

私が今まで言われ続けてきた
「性格的なもの」「精神的なもの」「ストレス」という
言葉が出てきたのを聞き、どうも気になりました。

脳脊髄液減少症患者の多くも体験しているはずですが、

医師が自分にわからない症状や原因は
皆、患者自身のせいであるかのような言い方は
許せません。

あの方の自殺報道を週刊誌やテレビで見て、
あまりに似ている症状、経過、流れに、

線維筋痛症とは、脳脊髄液減少症と同じ病態につけられた
「違う病名」なのではないのか?と改めて思いました。

私は
「あのような痛み、苦しみが、育児ストレスやうつや性格のせいで
出るわけがない。

もし、脳脊髄液減少症を知る医師や
専門医にたどりついて相談していたり、
ブラッドパッチを受けていたら、
彼女は死なずにすんだかもしれない
一生一日40個もの薬を飲む必要など、なかったのかもしれない。」と
の思いが消えませんでした。

(私と同じ思いを、漫画家のまつもと泉さんもご自身のブログで書かれています。
松本さんの記事は私のブックマークにはってありますので、手順に従って、お読みください。)


ところで、この線維筋痛症という病名は、
いつ?どこのどなたが名づけたのでしょうか?
どなたかご存知でしたら、教えてください。

(つづく)

コメント (19)
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