きままな雑記帳

ごく普通のあんちゃんのきままに記す日常日誌

おっちゃん達が教えてくれたこと~タクシー運転手のおっちゃんが言った一言~

2017-04-09 08:29:28 | 人間関係
相模原で暮らしていた頃のお話です。

以前の仕事は22時に終わってから帰るのですが、体が疲れやすくなっていた当時の私はよく新宿からロマンスカーを利用して帰ってました。
相模大野に到着したら、気分が良ければ歩いて帰宅(徒歩20分程度の距離)なんですが、どうしようもなく体が重かったりしているとタクシーを利用してました。

お値段はほぼワンメーター。

何度か利用していると、同じ運転手と重なることがあります。



そのタクシー運転手さんもその一人でした。

たしか個人タクシーの運転手さん。
10分もかからない距離の駅から私の家まで、ずっと喋りっ放し。
とにかくラジオ番組かってくらいよく喋る運転手さんなんですよ。
笑顔で何が楽しいのか、よにかく陽気に喋り語り掛けてくる。

私はべつに喋らなくてもわずか10分程度であれば問題ないのですが、語り掛けられては応えなくてはいけません。
徐々に心を開いていく私。

そんなことが繰り返されてたある夜・・・。

その夜もタクシーを利用しました。
駅前のコンビニでビールを購入して、軽く飲み干した後に乗車。

運転手さん:「お疲れですね、お客さん。」
私:「えっ、わかります?」
運転手さん:「わかりますよ。かなり顔色が良くないですから」
顔色が良くないか・・・。
私:「最近、睡眠も浅いし疲れも全然取れないんですよね。食も細くなった気がするし。」
運転手さん:「ストレスもあるんでしょうね。」

こんな会話をしていると我が家の前。
私が「じゃ、いつもの支払いを・・・」
と言いかけると
運転手さん、お金を受け取りながら「お話、聞きますよ」と。

しばらくタクシーを停めて、運転手さんとのカウンセリングが開始しました。

私:「色々と行き詰まりを感じてはいるんですよね。仕事もそうだし生活環境も。そしてこの原因不明のだるさ。なんとかお酒など呑んでごまかしてるけど、もうそろそろごまかしきれない状態になってる気もするんですよ。あちこち体調不良も起こしてきてるし」
「一度、病院で検査をしてもらおうかとも考えてるんです。あと、仕事も家もリセットしようかなと」
運転手さん:「お客さん、たしか独身だったよね。ならまだいくらでもやり直しが効くからさ。」
「自分も前の仕事でストレスから体を壊してしまってね、今の仕事に就いたんだよ」

こんなやり取りの後、運転手さんからこんな言葉をいただきました。
運転手さん:「でもお客さんは精神的な病気ではないよ。なぜなら自分を客観的に分析できてるから。精神的に病気になってしまうとそんな判断もできなくなるらしいから。某大学病院の先生(精神科医)が言ってたけど『いったん心が壊れてしまうと治らないんだよ』って。お客さんはまだまだ大丈夫。少なくとも心はね。自分で今考えてることをやってみるといいよ。それが今、あなたが必要としてることだろうから」

かれこれ10分程度でしょうか、話し込んでしまいました。
でも、話ができて良かったと思います。
どうしても知ってる人とかには心の中で考えてることを素直に吐き出すってこと、できませんから。
それと、運転手さんの率直な「心の病気ではないね」はストンと腑に落ちた感じでした。
ちゃんと理由も伝えてくれたから。

帰り際、運転手さんは飴玉を私に渡して「今日はどうもありがとね。ゆっくり休んでね」とねぎらってくれました。

部屋に帰った私は買ってきたビールを呑みながら、運転手さんの言葉をかみしめていました。
頬を伝う涙・・・。

なんか、とても温かい贈り物をもらいました。
ありがとう、運転手のおっちゃん。












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