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BSプレミアム『密着!秋元康2160時間』を観てAKB48の組織能力の高さに感じ入る ~ジャスト・イン・タイム~

2013-02-12 00:57:05 | AKB48_経営戦略・組織論系




BSプレミアム『密着!秋元康2160時間 ~エンターテイメントは眠らない~』を観た。

AKB48の「表の競争力」は、「裏の競争力」に裏付けられているのだと改めて感じ入った。

「表の競争力」とは、顧客の評価に基づくもので、価格・知覚された品質・ブランドなどであり、

「裏の競争力」は、顧客に(見えないゆえに)直接評価されない「生産性」「リードタイム」「歩留まり」「不良率」といったものである。

※藤本隆宏氏による「競争力」に関する洞察に基づく



「裏の競争力」の中でも最大のキーワードであったのが「ジャスト・イン・タイム」である。

「ジャスト・イン・タイム」と言えば「TPS(トヨタ生産方式)」が有名ではあるが、今ではTPSを基にMITで作られた「リーン生産方式」として様々な分野に応用されている。



「ジャスト・イン・タイム」のポイントは「From Concept To Cache」「時間」である。

コンセプトからキャッシュに変換されるまでの価値の流れに注目し、ここから一切の「ムダ」を排し、かかる時間を短縮化する。

ここでいう「ムダ」とは、付加価値(顧客価値)を生まない作業全てのことである。

(逆に言うと、付加価値に繋がる無駄ならそれはムダではない。適度な「遊び」とかね。)

そのためには余計なバッファ(在庫)を持たず、あらゆることをリアルタイムに処理する能力が必要だ。

組織の能力を磨き上げなければならない。



誤解されがちなのだが「時間の短縮化(ムダを省く)」は、狭義の意味での「生産性の向上」が目的ではない。

コンセプトからキャッシュまでの道のりが短縮化されることで「結果がすぐわかる」ことが重要だ。

早期に顧客価値の高低に気づくことができれば、商品やサービスの修正や戦略転換などが可能になるからだ。

コンセプトを創造してからフィードバックを得るまでの時間が長ければ長いほど、軌道修正をするのに手遅れになる可能性が高くなる。

(それゆえ『リーンスタートアップ』では、「小さく生み大きく育てる」式の開発の有効性が主張されているわけだ。)



フィードバックを得るのに時間がかからなければ「仮説検証式」の開発がやりやすくなる。

様々な顧客価値に関する仮説を立てては、それを試すことができるのだ。

「PDCA(Plan-Do-Check-Action)」サイクルも回しやすい。

(『リーンスタートアップ』では、より学習に重点を置いて「BML(Build-Measure-Learn)」の「構築・測定・学習」が提起されている。)



まとめると、まずクリエイターの頭の中でコンセプトが創造されてから、商品なりサービスが最終形になるまでの時間が短くなれば、1単位当たりの生産性が向上するし、打ち手を増やすことができるので、その意味でも生産性は向上する。

そして、その間にどれだけ修正サイクルを回すことができるかによって、その分だけ完成度は高くなる。

また、フィードバックを早い段階で得られることで軌道修正がしやすくなり、大量の工数をつぎ込んだ挙句に失敗するリスクを軽減することができるというメリットもある。



今回の『密着!秋元康2160時間 ~エンターテイメントは眠らない~』を見て、スタッフやプロセスの問題点を指摘するのは容易ではあるが、上記の視点をもって、組織がどういう能力を持っていて、どういうことを学習しようとしているかを考えると、ちょっと違うものが見えてくるかもしれない。

少なくても、ウォーターフォール型のプロセスをかっちり決めてやるのでは、AKB48のようなエンターテイメントグループは成り立たないであろうなという気がしてならない。



ただ、これをチームに展開するのは容易ではないな~。

リソースが足りなそうだよなぁ。


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5 コメント

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Unknown (tune)
2013-02-13 22:28:34
ドキュメンタリーまだ見れてないんですけど、総選挙やじゃんけん大会の性質上、製作プロセスの短縮化は不可欠でしょうね。顧客価値のフィードバックと製作の短縮化のコンボという意味ではあん誰も同じでしょうか。状況の変化に敏感なシステム、ってとってもAKBっぽいですね。
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意思決定と修正のスピード (advanced_future)
2013-02-14 10:21:28
>tuneさん
コメントありがとうございます。

>顧客価値のフィードバックと製作の短縮化のコンボという意味ではあん誰も同じでしょうか

あ~、確かにそうですね!
あそこのスタッフは毎日楽しそうですよね。
飲みニケーション(笑)

>状況の変化に敏感なシステム、ってとってもAKBっぽいですね。

↑これが大事だと思います。
変化のスピードはどんどん速くなっていくので、組織が巨大化して動きが遅くなったら置いていかれてしまいますからね。

ただ、一つ心配なのは、やすす先生が権限委譲しはじめているようなので意思決定が遅れる可能性があるのではないかと。
権限委譲によるズレやブレよりも、決定できなくて遅れるんじゃないかという気がしなくもないです。
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Unknown (tune)
2013-02-14 23:27:37
BLOGOSにあん誰のことを話題にした記事が出てたんですよ~

http://blogos.com/article/55917/

やすす先生の権限委譲、握手会のイベント内容見ててもなんとなく感じますね。支配人の信任投票もその流れのような気がします。

いつかは委譲しないといけませんもんね・・・
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読みましたー (advanced_future)
2013-02-15 16:27:51
>tuneさん
コメントありがとうございます。


>BLOGOSにあん誰のことを話題にした記事

読みましたー。
メディアの特性と適正規模の話ですね。
個人的にはあん誰をNOTTVに限定しておくにはもったいないと思うのですが、
NOTTVというメディアでなければ番組が成立しないということもあり、
ビジネスを回す仕組みが必要なんですよねぇ・・


>やすす先生の権限委譲、握手会のイベント内容見ててもなんとなく感じますね。

イマイチ感が漂ってますけど、何事も学習ですからね!(笑)
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Unknown (tune)
2013-02-16 19:31:01
あと、AKBはボトムアップの組織と定義した記事です。正直内容はイマイチなんですけど、視点がちょっと面白いと思ってご紹介です。
ボトムアップとトップダウン、日本型経営とカリスマリーダー経営って何度となくテーマになるところだと思うんですけど、AKBはどっちタイプになっていくんだろう?と考えるきっかけになるかもしれない記事です。
いや、ホントに内容はイマイチなんですけど笑
http://bizmakoto.jp/makoto/spv/1212/05/news014.html
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