
今朝、めざましテレビを見ていたら「愛子のあいたいYOU」というコーナーに怒髪天というロックバンドが出ていました。
結成は1984年、北海道出身の男性4人組で、ジャパニーズリズム&演歌という音楽を目指すグループということです。
ボーカルの増子直純さん、どこかで見たことあるなと思ったら、桃屋の『辛そうで辛くない少し辛いラー油』のTV CMに出演されていたあの人だというじゃありませんか。
「やっぱ桃屋だな」の名ゼリフ、素敵です。
さて、その怒髪天、当初は「大人を信じるな」という意味で「Don't trust over 30」を標榜していたそうです。
ここまではありがちなお話です。
しかし、皆藤愛子さんのインタビューに答える形で、増子さんが語った内容が実に深くて面白かったのです。
1996-1999の間に活動休止をしていたそうなのですが、その活動休止期間中に、増子さんは工事現場の仕事やプロレスのリングアナウンサー、穴あき包丁の実演販売などをしていたそうです。
そして、包丁の実演販売の難しさについて話が進みます。
だいたいこんな感じのことを言っていました。
包丁の実演販売の難しさは、既に客が持っているものを買ってもらわないといけないところにある。
客が持っていなければ買ってもらうのは簡単だが、既に持っていて満足しているものを、どうやって売ればいいか。
しかし、がんばって主婦のおばちゃんに穴あき包丁を買ってもらうと、次の日にまた来て
「あんちゃん、よかったわよあの包丁、よく切れるわ」
「だから今日は○○(?忘れた)も買うことにするわ」
と言ってもらった。
なぜ子供から見て大人の社会はクソくらえに見えるのか。
子供から見て、大人社会は穴あき包丁の実演販売のようなものなのかもしれない。
大人は既にその用事を済ますものを持っている。
子供が何かを売り出そうとしても、既に持っているから興味関心を引かない。
だから大人から見て、子供は必要ない。
大人が子供を求めるのは、いつだって大人が持っていないものを手にしたいと思っている時で
自分達の都合で子供を駆り立てる。
この大人の利己的な振る舞いが、子供からすればクソくらえなのだ。
しかし、大人社会は穴あき包丁の実演販売と同じで、
穴あき包丁のよさがわかると、他の皮むき器とかスライサーまで売れるというのだ。
大人は信じるに値しないとかそういうことではなく、
大人は既に持っているから、
いやもっと言えば、大人は大切にするべきものを既に持っているから
より大切にすべきものについて気づけない。
クソくらえな大人社会を変えるのは、
必要とされない穴あき包丁の実演販売のように、
その大切さを伝えていくということ以外にはないのかもしれない。
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