想像していたとはいえ、まるで絵に描いたような空振りであった。翁長沖縄県知事が辺野古移設反対を訴えるために訪米して、米国の要人たちと面談した。しかし、相手側皆は「日米両政府で合意した辺野古移設が唯一の解決策」と判を押したような回答だった。つまり、日本政府側の立場を全面支持しているわけで、翁長知事の主張に耳を傾ける米国要人はいなかったということだ。
イゲハワイ州知事、マケイン米上院軍事委員会委員長、ヤング国務省日本部長、アバクロンビー国防総省副次官補補代行、彼ら米国要人は日本政府の政策支持を表明しながらも、翁長知事に最低限のリップサービスを忘れなかった。「基地のある沖縄の立場を理解する」ということだった。しかし、これは単なる外交辞令、早い話が「義理立て」でしかないだろう。こんな一首長のわがままを聞きたくはないが、無下にあしらう訳にもいかない。
そんな中、米戦略国際問題研究所のマイケル・グリーンという人物とも翁長知事は面談しているが、ブッシュ政権時代で政府官僚であった彼は会談後に、翁長知事のことを「知事は反対ばかりしている」と酷評している。本当はこれが米国の本音であると思うが、この発言を後で聞かされた翁長知事が「(日米政府は)つくることしか考えていない認識。お互い様で、それを非難される筋合いではない」と反論した。
その様子をテレビのニュースで見たが、これはどう見ても翁長知事の「逆切れ」にしかみえない。この人物、自分の痛いところを突かれるとすぐ逆切れして感情に訴える。上から目線、銃剣とブルドーザー、政府の堕落、高飛車…。これを日本の多くのメディアがまるで「沖縄の良心」のごとく祭り上げるのはどうしたものだろう。
今回の米国訪問でも「対話継続で一致」(朝日新聞)「(翁長知事の訪米で)一筋の光見えてきた」(NHK)など、翁長知事の好き勝手な自己評価をそのまま垂れ流している。日本のメディアは翁長知事を甘やかしているというか、つるんでいるというかその擁護ぶりは異常というほかない。しかし、翁長訪米は「主張は平行線」であり、「米国は日本政府支持」であり、完全に翁長知事の大空振りで成果ゼロだった。
もしかして、翁長知事は最初からこうした結果は予測していたかもしれない。それを承知の上で訪米を敢行したのは「アリバイ工作」のためだったのではないか。県民の皆さん、与党の共産党、社民党さん、私は辺野古反対でアメリカまでいってこんなに頑張っています。だから、私のこと、これからも支持してください…。
しかし、この訪米に与党議員や名護市長、さらには沖縄選出参議院議員らを引き連れて1週間も大名旅行を敢行する。それに県の大事な税金が使われる。しかし、これが「アリバイ工作」のための活動費だったら…。これでは空出張の元兵庫県議を笑えない。いずれ、県民の怒りが爆発する!?