粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

翁長雄志と朴槿恵

2015-06-06 15:21:10 | 沖縄の虚像と実像

翁長雄志沖縄県知事は安倍首相と基地問題で堂々と直接交渉せず、本来関係のない米国に行ってまるで告げ口でもするかのように日本政府を批判していた。しかし、その結果は裏目に出て、米政府の強い安倍政権支持というカウンターパンチを浴びてしまった。

「告げ口」といえば、日本の隣に「先輩格」がいた。言わずとしれた朴槿恵韓国大統領である。就任以来、対日外交で「歴史認識」なる不可解な問題をで持ち出して絶えず日本叩きを繰り返してきた。これには同盟国の米国もさすが呆れて、最近では国務長官がわざわざ訪韓して「いいかげんにしろ」と韓国政府をたしなめたようだ。

翁長雄志と朴槿恵、確かに両者の政治姿勢は酷似している。反日で親中であることが特徴だ。日本政府に対しては高飛車に出て、声高に糾弾する。一方中国に対しては、その侵略性や人権蹂躙に対して目をつぶって、やたら中国政府に媚びる。特に、翁長知事は自分の県内の領空、領海が絶えず中国の侵犯を受けているのに政府要人に批判めいたことを全く口にしない。不可解という他ない。

歴史認識でも両者は被害者意識を全面に出す。しかし、慰安婦問題にしろ、基地問題にしろ、問題の核心は決して一方が善で被害者、相手は悪で加害者というふうに単純に判別できない。しかも慰安婦の強制連行や性奴隷が歴史的に誤りであるとともに、沖縄の米軍基地も「銃剣とブルドーザー」で強権的に配備されたというのは必ずしも正しいとはいえない。後者では、たとえば辺野古のキャンシュワブは住民との合意の上で配備された。今回の辺野古の埋立ても米軍の管轄内での作業であり、これについては地元漁民は容認しているのである。

翁長知事も朴大統領も歴史の虚偽をあたかも真実であるかのごとく吹聴して、沖縄県民や韓国国民の支持をとりつけようと煽動する。そして日本のメディアは両者をまるで正義の告発者のごとく囃し立てる。残念ながら、今の日本でそのプロパガンダがある程度これまで成功している。共に、就任してしばらく県民や韓国民の支持を得てきている。

しかし、それもいずれボロが出る。特に韓国では、反日親中政策も中国経済の失速とともに国内経済はがたがたに向かいつつある。その間もセウォル号事故そして今度のMERS騒動で政府の対応には厳しい批判が晒されている。最近の韓国の世論調査では朴大統領の支持率は34%に急落している。韓国にとってなんのプラスにならない反日政策に現を抜かしている間にこの惨状である。

一方、沖縄の告げ口の達人も今回の訪米で全く成果を挙げられず、却って米国政府並びに米国民の反発を食っている。あの反安倍で名高い左翼系高級紙ニューヨークタイムズもさすがに翁長知事の言動に反応せず沈黙している。辺野古移設反対というシングルイシューで就任した翁長知事だが、もともと基地問題は国の専権事項であるのにわざわざ首をつっこんでいるといえる。結果的に本来の県政を疎かにすれば、県民からしっぺ返しを食らってしまうだろう。「ちゃんと仕事をしろよ!」と。ちょうどお隣の大統領が反日にばかり精をだして山積する難題に対処できず、国民の支持を失ったように。