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●青木理さん《関口宏さんが番組で言っていましたが、『われわれはこの番組の姿勢を淡々と貫いていかないといけない』ということに尽きる》

2023年03月29日 00時00分16秒 | Weblog

[『学校が教えないほんとうの政治の話』(斎藤美奈子著、ちくまプリマ―新書257)↑]


(2023年03月10日[金])
青木理さん「そうした出演者を含め、おかしなことにはおかしいと、政権にとってみれば耳の痛いことも果敢に物申してきた。逆に言えば今回の文書は番組にとって名誉かもしれません。『一強』を謳歌(おうか)した長期政権にそれほど嫌悪され、敵視されていたということは、時の政権を監視するというメディア本来の使命を果たしてきた証左とも言えるわけですから」。
 アベ様直伝の息吐くようなウソ吐き…「礒崎さんという名前は今年3月になって初めて聞いた」!? 「202333日は高市早苗元総務相のタンカ記念日」。「報道の自由」「知る権利」「権力の監視」を委縮させた問題についての高市早苗元総務相のタンカ…。(琉球新報)《しかも高市氏に対する質疑内容について官邸は「こちらの方で質問立てしたい」との意向を総務省に伝えていた。まさに自作自演》だった。青木理さん《礒崎氏が自身のコントロール可能な議員に“ヤラセ質問”をさせ、官邸の意向に沿う答弁を総務大臣にさせることで、放送法の解釈を変えてしまおうという構図であり、論外です》。この問題、有耶無耶でいいのか?

   『●「電波」な「凶器」高市総務相の暴走と
     「報道現場の声」: 「自粛」「忖度」「委縮」…が「内部から」
   『●「2017年2月17日はアベ様のタンカ記念日」…さて、高市早苗氏の
     「タンカ」も、アベ様同様、有耶無耶になってしまうのだろうか、それとも…
   『●「2023年3月3日は高市早苗元総務相のタンカ記念日」…《「捏造文書
     でなければ大臣も議員も辞職するか」と問われて「結構ですよ」と答弁》
   『●《あのね、政治を考えるのに「中立」はないの。メディアの役目は「中立
     公正、不偏不党な報道」ではなく「権力の監視」なんです。それ、常識。》

 東京新聞の【<コラム 筆洗>テレビ司会者の関口宏さんに『テレビ屋独白』という著書がある…】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/235670?rct=hissen)によると、《▼一つの番組ではなく局の番組全体をみて判断するという従来の政府解釈だけでは納得せぬらしい補佐官。「とにかくサンデーモーニング」「けしからん番組は取り締まるスタンスを示す」と言ったらしい▼首相の同意を経て、一般論として一つの番組でも極端な場合は政治的公平を確保しているとは認められない高市早苗総務相が国会で答弁すると補佐官はその旨ツイッターで発信した。成果を誇ったのか▼関口さんは恐怖心を「横に置くしかない」と記す。それを自覚しつつ囚(とら)われずに番組をつくろうという趣旨らしい。不特定多数の目がもたらすこの恐怖以外にテレビマンに強いていいものなどなかろう》。

 斎藤美奈子さん《メディアの役目は「中立公正、不偏不党な報道」ではなく権力の監視なんです。それ、常識。》 (日刊ゲンダイ)《第2次安倍政権以降、権力は公然と大手メディアに圧力をかけ、萎縮したメディアによる忖度は常態化し、「権力の監視は骨抜きにされた。大きな転換点となったのが、2015年5月に示された放送法政治的公平性をめぐる「新たな解釈」の追加だ。政権に批判的なメディアに対する圧力を強めるため、…》。
 dot.のインタビュー記事【総務省文書で名指しされた『サンモニ』出演の青木理氏 政権からの敵視は「番組にとって名誉」なこと】(https://dot.asahi.com/dot/2023030900006.html)によると、《3月2日、立憲民主党の小西洋之参院議員が国会内での記者会見で公表した総務省の「内部文書」は、当時総務相だった高市早苗経済安全保障担当相の進退問題にまで発展している。文書の中身について、小西氏が「超一級の行政文書」と言えば、高市氏は「悪意を持って捏造されたもの」と反論。「この文書が捏造でなければ大臣も議員も辞めるか」と小西氏に追及されると、高市氏は「結構ですよ」と答えるなど激しい応酬が続いている。同文書には、具体的な番組名としてTBS系の報道番組『サンデーモーニング』などが挙げられているが、当の出演者は何を思うのか。同番組にレギュラー出演しているジャーナリストの青木理氏に問題の本質を聞いた》。

 以下、Arc Timesの録画映像もご覧ください。


【Arc Times The News ● 総務省文書の衝撃 安倍政権から続くメディア攻撃 / 今後の日韓 / 少子化と首相の迷走【青木理望月衣塑子尾形聡彦】】
 (https://www.youtube.com/watch?v=SnOmjz8kDOg

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/235670?rct=hissen

<コラム 筆洗>テレビ司会者の関口宏さんに『テレビ屋独白』という著書がある…
2023年3月10日 07時05分

 テレビ司会者の関口宏さんに『テレビ屋独白』という著書がある▼自身も含む「テレビ屋」の敵は視聴率や裏番組ではなく自身に巣くう「恐怖心」だという。人が恐れるのは人の目。多数の視聴者の目を意識するゆえ恐怖心は生まれる。「これじゃ視聴者が逃げてしまうのではないか」とあざとい策に走り空回りすることも。おびえては一人前になれぬが、恐怖心はなくならないという▼関口さん司会で、出演者が政権批判を厭(いと)わぬTBSの番組『サンデーモーニング』。偏向しているとみる安倍政権の礒崎陽輔首相補佐官が約八年前、放送法の政治的公平の解釈をめぐり担当官僚らに働き掛けたことを官僚が記録していた▼一つの番組ではなく局の番組全体をみて判断するという従来の政府解釈だけでは納得せぬらしい補佐官。「とにかくサンデーモーニング」「けしからん番組は取り締まるスタンスを示す」と言ったらしい▼首相の同意を経て、一般論として一つの番組でも極端な場合は政治的公平を確保しているとは認められない高市早苗総務相が国会で答弁すると補佐官はその旨ツイッターで発信した。成果を誇ったのか▼関口さんは恐怖心を「横に置くしかない」と記す。それを自覚しつつ囚(とら)われずに番組をつくろうという趣旨らしい。不特定多数の目がもたらすこの恐怖以外にテレビマンに強いていいものなどなかろう
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https://dot.asahi.com/dot/2023030900006.html

総務省文書で名指しされた『サンモニ』出演の青木理氏 政権からの敵視は「番組にとって名誉」なこと
サンデーモーニング 023/03/09 09:33
上田耕司

     (ジャーナリストの青木理氏)

 3月2日、立憲民主党の小西洋之参院議員が国会内での記者会見で公表した総務省の「内部文書」は、当時総務相だった高市早苗経済安全保障担当相の進退問題にまで発展している。文書の中身について、小西氏が「超一級の行政文書」と言えば、高市氏は「悪意を持って捏造されたもの」と反論。「この文書が捏造でなければ大臣も議員も辞めるか」と小西氏に追及されると、高市氏は「結構ですよ」と答えるなど激しい応酬が続いている。同文書には、具体的な番組名としてTBS系の報道番組『サンデーモーニング』などが挙げられているが、当の出演者は何を思うのか。同番組にレギュラー出演しているジャーナリストの青木理氏に問題の本質を聞いた。

【写真】文書にはかつてメディアで話題になった「女性総務官僚」の名前も
     (※引用者注: アノ山田真貴子元内閣広報官のこと)

*  *  *

 青木氏はまず、この文書を読んだ感想をこう話す。

極めて異常なことが、当時の安倍晋三政権の内部、総務省の内部で起きていた事実が見事に浮かび上がる文書です。ある意味で、安倍政権の体質が凝縮されていると思いました」

 文書の信ぴょう性については、7日午前に松本剛明総務相が「すべて総務省の行政文書であることが確認できた」と認めた。ただ、記載されている内容には正確性が確認できない部分があるとして、引き続き精査が必要だとも付け加えた。

 一方、高市氏も同じく7日午前の会見で自身が登場する4枚の文書について「内容が不正確であるということに確信を持っている。ありもしないことをあったかのようにつくるというのは捏造だ」と一歩も引かない構えだ。

 文書の内容は、当時、安倍氏の首相補佐官だった礒崎陽輔氏が放送法の「政治的公平性」についての解釈を変えようと総務省に働きかけたというもの。これにより、従来は『放送事業者の番組全体を見て判断する』とされてきたテレビ局の政治的公平性に、『一つ一つの番組を見て全体を判断するという新たな解釈が加わった

 礒崎氏は3日、ツイッターで「総務省と意見交換をしたのは事実」と、総務省に働きかけたことを認めたが、青木氏はこう問題視する。

「時の政権の一員である首相補佐官の礒崎氏が総務省に迫り、文書にもあるような“ヤクザまがいの恫喝も交え民主社会の根本たる言論・表現や報道の自由に関する法令解釈変更を裏で迫るのは大問題です」

 2015年1月29日付の文書の中で、礒崎氏は官邸でこう言ったと記載されている。

「総理がどう仰るかにもよるが、いつ誰が質問するかは慎重に決めたい。(補佐官は質問に立てないので)質問は補佐官がきちんとコントロールできる議員にさせる」

 それに対して、情報流通行政局長は「実際に国会で質問いただく場合、総務省としては、今回整理した『極端な事例』の適否について質問者から例示いただく形(中略)にしていただきたい」などと答えている。

礒崎氏が自身のコントロール可能な議員に“ヤラセ質問”をさせ、官邸の意向に沿う答弁を総務大臣にさせることで、放送法の解釈を変えてしまおうという構図であり、論外です。そもそも放送法が定める政治的公平性とは、時の政治権力の介入などで放送をゆがめてはならないという趣旨であり、むしろテレビ局の自主性、独立性を担保するもの。一方、総務省の従来の解釈は『放送事業者の番組全体』で判断すると一定程度は自制的なものでしたが、今後は『極端な場合』は『一つの番組』でもダメだと踏み込んだ。しかも礒崎氏は文書の中で『けしからん番組は取り締まるスタンスを示す必要がある』とまで言い放っている。あまりに露骨な言論、報道の自由への政治介入、直接的なメディア攻撃です」(青木氏)

 そして、礒崎氏が主張する「政治的公平性」の解釈について、こう批判する。

「文書の中で礒崎氏らが盛んに言っているのは、国民的に議論が二分されるテーマは公平にせよということです。たとえば特定秘密保護法にしても安保法制にしても、政権は何が何でも押し通したいが、反対する声は大きかった。実際、それぞれの政策には重大な問題もあった。それが政権側から見れば『国論を二分』という理屈になるのでしょうが、それでメディアに『政治的公平性』を保てということは、『政権批判をやめろという意味に等しい。批判をするなら同じ分量で政権の立場も伝えろ、ということになれば、物事はすべて相対化され、時の政権や各種権力を監視するメディアとジャーナリズムの使命は死にます。結局のところ、政権に批判的なメディア、番組をつぶしたいのが本音なのでしょう」

 当時、文書の中で問題のある報道として名指しされていた番組は『サンデーモーニング』『NEWS23』(ともにTBS系)、『モーニングバード』『報道ステーション』(ともにテレビ朝日系)などがあった。

 15年3月5日付の文書には「サンデーモーニングはコメンテーター全員が同じことを述べている等、明らかにおかしい」という礒崎氏の発言が記録されている。青木氏は『サンデーモーニング』にレギュラー出演しているが、政権からの圧力を感じたことはあるのだろうか。

「私はいち出演者ですから、直接的圧力はありません。ただ、こうした政権の態度はテレビ局、あるいは制作陣に直接、間接的に影響を及ぼすでしょう。また、18年に亡くなられた『NEWS23』のキャスターだった岸井成格さんは、安倍晋三氏と相当な遺恨があったのではないでしょうか。岸井さんは毎日新聞の政治部時代、安倍氏の父親である晋太郎氏の番記者であり、晋三氏の素顔もよく知っている。今回の文書が記す放送法問題と同時期、安倍氏の応援団は岸井さんを攻撃する新聞広告を出しています。政権が『サンデーモーニング』などに異様な敵意を示したのは、長く番組に出演した岸井さんへの遺恨ゆえかもしれません」

 実際、『サンデーモーニング』はどういうスタンスで報道していると青木氏は感じているのか。

「5日、司会の関口宏さんが番組で言っていましたが、『われわれはこの番組の姿勢を淡々と貫いていかないといけないということに尽きるのではないですか。実際、『サンデーモーニング』が偏っているわけではなく、番組のコメンテーターには元自民党議員や外務省の元事務次官も出演してきましたし、保守系の外交評論家だった故・岡本行夫さんも長く出演されていました。ただ、そうした出演者を含め、おかしなことにはおかしいと、政権にとってみれば耳の痛いことも果敢に物申してきた。逆に言えば今回の文書は番組にとって名誉かもしれません。『一強』を謳歌(おうか)した長期政権にそれほど嫌悪され、敵視されていたということは、時の政権を監視するというメディア本来の使命を果たしてきた証左とも言えるわけですから」

 一方、高市氏は前述のように、文書の一部を「捏造だ」と主張している。高市氏が「私が出てくる4枚」と言ったものの一つにあたると思われる15年2月13日付の文書には、当時、総務相だった高市氏が大臣室でこう発言したとある。

「そもそもテレビ朝日に公平な番組なんてある? どの番組も『極端』な印象。関西の朝日放送は維新一色。維新一色なのは新聞も一緒だが、大阪都構想のとりあげ方も関東と関西では大きく違う」

 この発言に対して、青木氏はこう批判する。

「現実にさまざまなテレビ番組があり、中には劣悪な番組があるのも事実でしょうが、時の政権や閣僚が自らの尺度で『公平性』を押しつけるのは、まさに政治権力の横暴であり、メディアへの政治介入です。まして放送行政をつかさどる総務大臣が『これは極端』などと断ずるのは放送メディアに対する介入であり、許されないことです」

 15年3月9日付の文書は「高市大臣と総理の電話会談の結果」とあり、「政治的公平に関する件で高市大臣から総理に電話(日時不明)」と記載されている。高市氏はこれについて「日時不明で私が安倍首相と会話したと書いてあるが、私の電話を誰かが盗聴でもしているのか」と反論したと報じられた。青木氏は言う。

「本当にそういう電話があったのかは知りませんが、一般的に官僚は政治家に忖度するものです。まして官僚は時の大臣の意向に沿って仕事をするわけですから、大臣が誰と会って何を話したか、どういう意向を持っているか、日常的に目と耳をそばだてて情報収集する。それを公文書として保存するか否かはともかく、メモとして残しておくのは生来の習性でしょう」

 そして、こう続ける。

「そんな官僚たちが、大臣の発言や行動に関する文書を捏造するとは考えられず、そんなことをしても何の得もない。むしろ、できるだけ正確に記録するでしょう。実際、礒崎氏は放送法解釈に関する働きかけを総務省にしていたことを認め、現実にそれが高市大臣の国会答弁に反映されているわけですから、文書が記す細かい日付や発言のニュアンス等は精査が必要でも、文書のほとんどは真実だと考えるのが自然でしょう」

 だが、青木氏は政局的な動きに矮小化すべきではない、と語る。

「高市氏は『捏造でなかったら辞める』と断言してしまったので一種の政局になっていますが、問題の本質は放送法の不当な解釈変更であり、そのやり口であり、『けしからん番組』は『取り締まる必要がある』とまで言い放って報道の自由に露骨な介入を企てた安倍政権の姿勢です。もちろん高市氏は当時の総務大臣であり、当事者でもありますから、私は辞任が当然だと考えますが、高市氏の進退問題だけに目を奪われるべきではない。政治とメディアの関係、そもそもメディアはどうあるべきか、そして放送法とは何か、さらには安倍政権の本音や体質は岸田政権にも色濃く受け継がれているのではないか、これを機に考察すべき論点はたくさんあります」
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●「2023年3月3日は高市早苗元総務相のタンカ記念日」…《「捏造文書でなければ大臣も議員も辞職するか」と問われて「結構ですよ」と答弁》

2023年03月23日 00時00分25秒 | Weblog

[※ 2017年2月17日はアベ様のタンカ記念日というトリガー(『報道特集』、2021年06月26日)↑]


(2023年03月06日[月])
2017年2月17日はアベ様のタンカ記念日」…さて、高市早苗氏の「タンカ」も、アベ様同様、有耶無耶になってしまうのだろうか…、それとも、きっちりと大臣も議員も辞職するのか? (リテラ)《国民の「知る権利」を侵害するかたちでこのまま「真偽不明」で闇に葬られる可能性は高い》。

   『●「電波」な「凶器」高市総務相の暴走と
     「報道現場の声」: 「自粛」「忖度」「委縮」…が「内部から」
   『●「2017年2月17日はアベ様のタンカ記念日」…さて、高市早苗氏の
     「タンカ」も、アベ様同様、有耶無耶になってしまうのだろうか、それとも…

 東京新聞の【本音のコラム「勇気ある内部告発者前川喜平】によると、《当時の高市早苗総務相と安倍首相の電話会談の記録について、高市氏は「捏造文書だ」と主張。「捏造文書でなければ大臣も議員も辞職するか」と問われて「結構ですよ」と答弁した》。
 「2023年3月3日は高市早苗元総務相のタンカ記念日」。アベ様や当時の最低の官房長官による《メディアコントロール》の威を借り、《当時、高市早苗総務相が国会で「電波停止もありうる」と発言》していた訳で、何十頁にもわたる今回の文書が捏造であるとまでタンカを切ったのだが、墓穴を掘ったのではないか。自分が長を務めていた総務官僚が「捏造文書」を作成していたなどと言える大臣って、一体?

 リテラの記事【安倍政権の言論弾圧「放送法解釈変更」をめぐる総務省内部文書のリアルすぎる中身! 高市早苗はこれでも「捏造」と言い張るのか】(https://lite-ra.com/2023/03/post-6265.html)によると、《しかし、なぜ高市総務相が唐突に解釈変更を明言したのか、その背景に何があったのかはこれまで謎に包まれていた。ところが今回、公開された総務省の内部文書では、当時、安倍晋三首相の首相補佐官を務めていた礒崎陽輔氏が、おもに『サンデーモーニング』(TBS)をやり玉に挙げるかたちで、しつこく総務省に事実上の解釈変更を要求していたことが判明。さらに、安倍首相の“鶴の一声”によって、高市答弁に至っていたことがわかったのだ》。

   『●アベ様は「報道がそれで抑圧される、
     そんな例があったら私は辞める」と明言・・・ETV番組改編問題は?
    《文書は「選挙時期における報道の公平中立ならびに公正の
     確保についてのお願い」というタイトルで、20日付で在京の
     テレビキー局に送付された。差出人は筆頭副幹事長の
     萩生田光一と報道局長の福井照の連名。
     その中身がむちゃくちゃなのだ》

   『●「政権にとって「白紙委任状」ほど好都合なものはありません」:  
                       2014年12月衆院選に是非行こう!
    《その2日後、自民党はNHKや在京テレビ局に要望書を出しました
     萩生田光一・自民党筆頭副幹事長、福井照・報道局長の
     両衆院議員の連名で、出演者の発言回数や時間▽ゲスト出演者の選定
     ▽テーマ選び▽街頭インタビューや資料映像の使い方――の4項目
     ついて「公平中立、公正」を要望する内容になっています》

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https://lite-ra.com/2023/03/post-6265.html

安倍政権の言論弾圧「放送法解釈変更」をめぐる総務省内部文書のリアルすぎる中身! 高市早苗はこれでも「捏造」と言い張るのか
2023.03.05 07:00

     (首相官邸HPより)

 安倍政権下でおこなわれた報道圧力の実態がつまびらかとなる内部文書が公開され、大きな問題となっている。2日に立憲民主党の小西洋之・参院議員が公開した、約80ページにもおよぶ総務省の内部文書だ。

 放送法における「政治的公平性」について、政府はそれまで「一つの番組ではなく、放送事業者の番組全体を見て判断する」という見解をとってきた。だが、安倍政権下の2015年5月12日、当時の高市早苗総務相が参院総務委員会で「一つの番組のみでも極端な場合は一般論として政治的に公平であることを確保していると認められない」と答弁し、突然の解釈の追加、事実上の解釈変更をおこなったのだ。

 この解釈変更がテレビの番組づくりにもたらした影響は計り知れない。ご存知の通り、安倍政権下では批判的だったキャスターやコメンテーターが次々と番組から消えていった一方、政権を擁護するコメンテーターが跋扈するようになった。さらに、情報番組やワイドショーでは政権批判や不正の追及をすること自体がどんどん減っていった。こうしたいまにつづく状況をつくり出したのは、高市総務相が明言した解釈変更によって、ひとつの番組内で中立を保たなければならなくなったことが大きく影響しているのだ。

 しかし、なぜ高市総務相が唐突に解釈変更を明言したのか、その背景に何があったのかはこれまで謎に包まれていた。ところが今回、公開された総務省の内部文書では、当時、安倍晋三首相の首相補佐官を務めていた礒崎陽輔氏が、おもに『サンデーモーニング』(TBS)をやり玉に挙げるかたちで、しつこく総務省に事実上の解釈変更を要求していたことが判明。さらに、安倍首相の“鶴の一声”によって、高市答弁に至っていたことがわかったのだ。

 当の高市氏は、この内部文書を「捏造文書だ」「非常に悪意をもってつくられた文書」と主張し、「捏造文書でなかった場合には議員辞職するか」という質問にも「結構ですよ」と応答。森友公文書改ざん問題のきっかけとなった安倍首相の「私や妻が関係していたということになれば総理大臣も国会議員もやめる」を想起させる展開となってきている。

 いかに高市氏の主張が苦しいものなのかについては後述するが、そもそもこの内部文書を総務省が「捏造」する理由がない上、礒崎氏本人も「総理補佐官在任中に放送法で定める政治的公平性の解釈について総務省と意見交換をしたのは事実」だと認めている。そして、実際に解釈変更がおこなわれたのも事実なのだ。

 それでは、政権への忖度と擁護に溢れかえるいまのテレビ番組の状況を生み出すことになった放送法の解釈変更は、いったい、どのようなやりとりのなかで実行されるにいたったのか。公開された約80ページにもおよぶ内部文書から、紐解いていきたい。


■『サンモニ』批判を繰り返していた磯崎 そして“安倍首相『NEWS23』で逆ギレ事件”の直後…

 はじまりは2014年11月26日、元総務官僚である当時の礒崎首相補佐官が総務省放送政策課に電話をかけたことからはじまる。「厳重取扱注意」と記された「「政治的公平」に関する放送法の解釈について(礒崎補佐官関連)」という文書によると、この日、礒崎首相補佐官は「コメンテーター全員が同じ主張の番組(TBSサンデーモーニング)は偏っているのではないか」という問題意識を総務省側に伝え、「政治的公平」の解釈や運用、違反事例を説明してほしいと迫った

 じつは礒崎首相補佐官は、自身のTwitter上で以前から『サンデーモーニング』への批判を繰り返しおこなっていたのだが、直前の11月23日・24日にも同番組に対して猛批判を展開していた。

〈日曜日恒例の不公平番組が、今日も、放送されています。仲間内だけで勝手なことを言い、反論を許さない報道番組には、法律上も疑問があります。特定秘密保護法でも、集団的自衛権でも、番組に呼んでいただければ、いつでもきちんと御説明します。〉
〈偏向した報道番組はたくさんありますが、相手側ゲストを呼ばず、一切の反論権を認めない番組は、最悪です。仲良しグループだけが集まって政治的に好き放題言うような番組が、放送法上許されるはずがありません。今の立場では余り動けませんが、黙って見過ごすわけにはいきません。〉
〈女性のO・Eさん(編集部注:大宅映子氏を指していると思われる)がレギュラーで出演している頃には、それほど違和感がなかったのですが、最近傾きが大きくなってきました。間違ったことを本当のように言われるのが、一番困ります。〉

 また、ここで注意したいのは、礒崎首相補佐官が動き出したタイミングについてだ。礒崎首相補佐官が総務省側に電話をかける約1週間前にあたる11月18日、安倍首相は『NEWS23』(TBS)に生出演したのだが、このとき安倍首相は放送された街頭インタビューのVTR内にアベノミクス批判をする声が入っていたことに対し、厳しい意見を意図的に選んでいると逆ギレ。さらにその2日後の11月20日に自民党は、在京テレビキー局の編成局長、報道局長宛てに「選挙時期における報道の公平中立ならびに公正の確保についてのお願い」と題した“報道圧力文書”を送りつけている。この文書の差出人は、当時、自民党筆頭副幹事長だった萩生田光一・現政調会長と報道局長だった福井照氏(2021年衆院選で落選)だ。

 つまり、礒崎氏による総務省への働きかけは、安倍首相が『NEWS23』に逆ギレを起こしたことをきっかけに安倍首相の子飼い議員である萩生田氏が自民党としてテレビ局に圧力をかけたタイミングと同時期におこなわれたのだ。これらの客観的事実からも、内部文書に記された礒崎首相補佐官の言動に齟齬はなく、信憑性が高いと考えられるだろう。


■磯崎首相補佐官のゴリ押し要求に高市早苗総務相は「この答弁は苦しいのではないか?」と疑問

 話を内部文書に戻そう。2014年11月26日に礒崎首相補佐官から放送法が規定する「政治的公平」についての説明を求められた総務省側は、2日後の11月28日に官邸の礒崎総理補佐官室を訪問。そこで礒崎氏は「一つの番組でも明らかにおかしい場合があるのではないか」「絶対おかしい番組、極端な事例というのがあるのではないか。これについても考えて欲しい」と述べ、事実上の解釈の変更に向けて検討するよう迫っている

 首相補佐官が官僚を呼び出し、当たり前の政権批判をおこなう特定の番組をやり玉に挙げて法の解釈変更を要求する──。政権にとって目障りな番組を潰すために法を捻じ曲げさせようとは言語道断の行為であり、安倍官邸の報道圧力体質が浮き彫りになっていると言えるだろう。

 一方、礒崎氏に無理難題をふっかけられた総務省側は、あきらかに困惑。しかし、磯崎首相補佐官の要求は再三にわたっておこなわれ、2015年1月15日には総務省側が提出した説明資料に「激高」したことも記述されている。こうしたやりとりの結果、2015年1月29日には、高市総務相と安倍首相に了解を得た上で、国会で「(磯崎氏が)きちんとコントロールできる議員」が質疑をおこなう方向性が確認されている。

 そして、礒崎首相補佐官が押し進めてきた事実上の解釈変更をめぐる国会答弁について、2015年2月13日、総務省の担当局長らが高市総務相にレクをおこなう。この場で高市総務相は、総務省が作成した整理ペーパーに記された答弁案に対し「この答弁は苦しいのではないか?」と疑問を呈しつつ、このように発言している。

「そもそもテレビ朝日に公平な番組なんてある?どの番組も「極端」な印象。関西の朝日放送維新一色
「苦しくない答弁の形にするか、それとも民放相手に徹底抗戦するか。TBSとテレビ朝日よね」
官邸には「総務大臣は準備をしておきます」と伝えてください
総理も思いがあるでしょうから、ゴーサインが出るのではないかと思う」

 つまり、高市総務相は「答弁としては苦しい」部分があると認識しながらも、安倍首相の判断の上で話を前進させることを了承したのである。

 ところが、ここで思わぬ人物からの横やりが入る。その人物とは、2013年から2015年まで安倍官邸で広報担当の首相秘書官を務めていた山田真貴子氏だ。


■NHKに言論弾圧電話をかけたあの側近の意外な反応 磯崎首相補佐官を「変なヤクザ」と

 山田首相秘書官は礒崎氏と同じ総務省出身で、菅義偉政権の発足で菅氏が官邸に呼び戻し、内閣広報官に据えた人物。菅首相の息子が絡んだ東北新社の接待問題で辞職に追い込まれたことは記憶に新しいが、2020年には菅首相が生出演したNHK『ニュースウオッチ9』において、有馬嘉男キャスターが日本学術会議問題の追及をおこなったことに対し、「総理、怒っていますよ」「あんなに突っ込むなんて、事前の打ち合わせと違う。どうかと思います」とNHKの政治部長に怒りの電話をかけたと報じられ、その後、有馬キャスターが降板するきっかけにもなったと見られている。

 ようするに、山田氏自身も、菅首相の子飼いらしい報道圧力体質を持った人物なのだが、しかし、このときは逆の動きを見せていた。

 2015年2月18日、総務省側が放送法の解釈変更について安倍首相の首相秘書官である山田氏にお伺いを立てたところ、山田氏はこう難色を示したのだ。

「今回の整理は法制局に相談しているのか? 今まで「番組全体で」としてきたものに「個別の番組」の(政治的公平の)整理を行うのであれば、放送法の根幹に関わる話ではないか。本来であれば審議会等をきちんと回した上で行うか、そうでなければ(放送)法改正となる話ではないのか」

 意外にもまっとうな指摘だが、ここから山田首相秘書官による礒崎首相補佐官の批判がつづく。

「礒崎補佐官は官邸内で影響力はない(長谷川補佐官は影響力あるとの言)。総務省としてここまで丁寧にお付き合いする必要があるのか疑問」
「今回の話は変なヤクザに絡まれたって話ではないか」
「礒崎補佐官からすれば、前回衆院選の時の萩生田(議員名の要請)文書と同じ考えで、よかれと思って安保法制の議論をする前に民放にジャブを入れる趣旨なんだろうが、(山田秘書官からすれば)視野の狭い話。党がやっているうちはいいだろうし、それなりの効果もあったのだろうが、政府がこんなことしてどうするつもりなのか。礒崎補佐官はそれを狙っているんだろうが、どこのメディアも萎縮するだろう言論弾圧ではないか

 まさかの礒崎氏を「変なヤクザ」呼ばわり……。この物言いからも官邸内のパワーバランスが透けて見えるようだが、重要なのは、礒崎首相補佐官が進めようとしている放送法の解釈変更に対し、首相秘書官からしっかりと「言論弾圧」だという認識が示されていたことだ。

 さらに山田首相秘書官は、こうもつづけている。

「総理はよくテレビに取り上げてもらっており、せっかく上手くいっているものを民主党の岡田代表の時間が足りない等言い出したら困る」
「だいたい問題になるのは「サンデーモーニング」「ニュース23」「報道ステーション」だろうが、国民だってそこまで馬鹿ではない。今回の件は民放を攻める形になっているが、結果的に官邸に「ブーメラン」として返ってくる話であり、官邸にとってはマイナスな話」

 ようするに山田氏は、「一つの番組」で政治的公平を言い出せば、逆に「安倍首相だけ取り上げられているのはおかしい!」と野党からつけ込まれること、さらには政権に批判的な番組を露骨に狙い撃ちすれば国民から反発が巻き起こることを懸念したのだ。ある意味、冷静な判断だとも言えるだろう。


■磯崎首相補佐官「俺と総理が二人で決める話」「ただじゃあ済まないぞ」「首が飛ぶぞ」と総務官僚を恫喝

 このように、言論弾圧をしたい首相補佐官vsそれを阻止しようとする首相秘書官の対立構図となった放送法の解釈変更問題だったが、困り果てたのが、両者の板挟みとなってしまった総務省だった。山田首相秘書官のレクから約1週間後の2015年2月24日、総務省側は礒崎首相補佐官と面談し、「総理にお話される前に官房長官にお話し頂くことも考えられるかと思いますが」と提案。つまり、礒崎・山田両氏の頭が上がらない菅官房長官にジャッジしてもらおうと考えたらしい。

 だが、この提案に礒崎首相補佐官は怒り心頭。総務省の官僚たちをこう恫喝しはじめるのだ。

「何を言っているのか分かっているのか。これは高度に政治的な話。官房長官に話すかどうかは俺が決める話。局長ごときが言う話では無い。総理が(官房長官に相談しろと)仰るなら勿論話をする。この件は俺と総理が二人で決める話
「俺の顔をつぶすようなことになれば、ただじゃあ済まないぞ首が飛ぶぞ。もうここにも来ることができないからな」
「俺を信頼しろ。役所のOBなんだし、ちゃんとやってくれれば、役所の悪いようにはしない。そちらも、官邸の構造論を分かっておくように」

 「俺と総理が二人で決める話」「ただじゃあ済まないぞ」「首が飛ぶぞ」……。事態が一筋縄ではいかなくなったなか、ついに2015年3月5日、礒崎首相補佐官と山田首相秘書官、さらには今井尚哉首相秘書官が同席するもとで、安倍首相に意向を確認することとなったのだ。

 このとき、山田氏のみならず今井首相秘書官も「総理単独の報道が萎縮する」「メディアとの関係で官邸にプラスになる話ではない」などと説明。

 ところが、マイナス面を説明したというのに、ここで安倍首相が「前向きな反応」を示すのだ。

 山田首相秘書官が総務省側に伝えた安倍首相の反応をまとめた「総理レクの結果について(放送番組の政治的公平について)」という文書には、安倍首相の発言がこのようにまとめられている。

「政治的公平という観点からみて、現在の放送番組にはおかしいものもあり、こうした現状は正すべき」
「(放送番組全体で見ることについて)「JAPANデビュー」は明らかにおかしい、どこでバランスを取っているのか」

 安倍首相が具体名を挙げた『JAPANデビュー』とは、2009年に放送された全4回のNHKスペシャルのシリーズだ。このシリーズ第1回目で日本の台湾統治を取り上げた「アジアの“一等国”」をめぐっては、当時、安倍氏は「番組はひどすぎる」「『反日』で貫かれています」「イメージ操作を行い、これでもかと日本を貶めています」と猛批判。安倍氏や中川昭一氏らを含む自民党国会議員有志で「公共放送の公平性を考える議員の会」を発足させたほどだった。つまり、こうした「反日」番組を取り締まるためにも、放送法の解釈変更はありではないか、と安倍首相は前のめりになったのだ。

 さらに、ここで礒崎首相補佐官が追い打ちをかける。礒崎氏が「サンデーモーニングはコメンテーター全員が同じことを述べている」「明らかにおかしい」と発言すると、安倍首相はこう呼応したというのである。

「放送番組全体で見る」とするこれまでの解釈は了解(一応OKと)するが、極端な例をダメだと言うのは良いのではないか」

 再度、山田首相秘書官がマイナス点を説明しても、もはや暖簾に腕押し。安倍首相は「有利不利ではない」「全部が全部とは言わないが、正すべきは正す」と引かなくなってしまったのである。


■“安倍首相もサンデーモーニングを問題視”と磯崎首相補佐官 一方高市総務相は「本当にやるの?」

 上記は山田首相秘書官が総務省側に伝えた安倍首相の反応についての報告だが、一方の礒崎首相補佐官が総務省側に伝えた安倍首相の反応をまとめた「礒崎総理補佐官からの連絡(総理レクの結果について)」という文書には、礒崎氏の発言として、こうも書かれている。

「総理がいちばん問題意識を持っているのはNHKの「JAPANデビュ―」だが、これはもう過去の話。今はサンデーモーニングには問題意識を持っている。(報道ステーションの)古舘も気に入らないが、古舘はゲストを呼ぶ。ゲストが弱くて負けるのはしょうがないが、この違いは大きい。サンデーモーニングは番組の路線と合わないゲストを呼ばない。あんなのが(番組として)成り立つのはおかしい」
とにかくサンデーモーニング。番記者にもいろいろ言っているが、総務省もウォッチしておかなきゃだめだろう」
「古舘は番組には出演させる。総理が呼ばれれば総理はけんかするだろう。その意味でもサンデーモーニングは構造的におかしいのではないかということ。皆さんもこうした意識は頭に入れておいていただきたい。(笑いながら)あんまり無駄な抵抗はするなよ」

 つまり、礒崎氏の弁によれば、安倍首相自身も『サンデーモーニング』が問題だという認識を持っていた、というのである。

 このように、ついに安倍首相が乗り気となってしまったことで、法解釈の変更を国会質疑でおこなうという方向がいよいよ現実化する。

 「大臣レクの結果についての安藤局長(編集部注:安藤友裕・総務省情報流通行政局長)からのデブリ模様」と題された文書によると、総務省は礒崎首相補佐官から受けた安倍首相の反応などを高市総務相に報告するが、高市氏は〈あまり記憶がなかった様子〉だったらしく、第一声は「本当にやるの?」。その後、この問題の内容を思い出してくると、「これから安保法制とかやるのに大丈夫か」「民放と全面戦争になるのではないか」「(前回衆院選の)要請文書のように、背後で動いている人間がいるのだろう」と懸念などを口にし、最終的には「一度総理に直接話をしたい」と発言。高市氏は〈平川参事官(編集部注:平川薫・総務省大臣官房参事官のこと)に今井総理秘書官経由で総理とお話できる時間を確保するようその場で指示〉したという。

 この結果、高市総務相は安倍首相と電話会談を実施。その内容を2015年3月9日に平川参事官が安藤局長に報告した内容をまとめた「高市大臣と総理の電話会談の結果」という文書によると、高市氏が安倍首相に電話をしたとあり(日時不明)、こう綴られている。

〈総理からは、「今までの放送法の解釈がおかしい」旨の発言。実際に問題意識を持っている番組を複数例示?(サンデーモーニング他)〉
〈国会答弁の時期については、総理から、「一連のものが終わってから」とのご発言があったとのこと。〉

 こうした流れを経て、礒崎首相補佐官が放送法の解釈変更について、国会における「質問」を総務省側に送付。〈NHK予算が終わった後のタイミングで、参・総務委員会の一般質疑で質問する〉方向性が示され、実際、2015年5月12日の同委員会で、自民党・藤川政人・参院議員の質問に答えるかたちで、高市総務相が一つの番組のみでも極端な場合は一般論として政治的に公平であることを確保していると認められないという解釈変更を明言するにいたったのである。


■「捏造文書でなければ議員辞職する」と啖呵を切った高市早苗大臣だが…

 ──以上、今回公表された総務省の内部文書約80ページをざっくりと追ってみた。ここからは、少なくともこの放送法の解釈変更が「言論弾圧」(山田首相秘書官)という大きな危険を孕んだものであり、審議会に諮ることや法改正が必要であるという認識が示されながらも、『サンデーモーニング』を異常なまでに目の敵にしている礒崎首相補佐官の執念と恫喝、さらには礒崎氏に同調した、安倍首相による絶対的な「天の声」があって実行に移されたことがよくわかる。

 また、総務省も結果的に政治に振り回されるだけで、問題があることを理解しながら唯々諾々と従ってしまっているまさに安倍政権の官邸支配の構図が浮かび上がる内容だと言えるが、こうした文書を総務省が「捏造」する理由など、どこにもないだろう

 しかも、現在、「捏造文書だ」と主張している高市大臣は、法解釈の変更を答弁した張本人であるわけだが、その答弁にいたった経緯について問われると「質問通告があったからじゃないか。答弁書の案を私が見たのは前日。その経緯は知らない」などと発言。しかし、とてもじゃないが従来の政府解釈を変更するという重大な答弁書を、経緯も知ろうとせずにそのまま読み上げたというのはおかしい。むしろ、内部文書にあるように「本当にやるの?」「一度総理に直接話をしたい」という反応こそリアリティがあるだろう。

 さらに高市大臣といえば、いま刑事告発されている政治資金規正法違反問題で、疑惑隠蔽のために「虚偽の領収書」を発行したという“証拠の捏造”疑惑が浮上。高市大臣は「捏造文書だ」と決めつける前に、自身の事務所の“証拠の捏造”疑惑について説明すべきではないのか。

 その上、高市大臣が「捏造文書でなければ議員辞職すると啖呵を切ったばかりに、今後、総務省が事実の隠蔽に走り、万が一、関係官僚が命の危険にさらされるような事態へと発展しないか、不安は大きい。いや、高市大臣のみならず、3日の参院予算委員会で岸田文雄首相は「(内部文書について)正確性が定かでない」と答弁し、松本剛明総務相も「発言者に内容の確認を取っておらず、文書の記載について、かなりの方々が認識が異なると言っていることが判明した」などと発言しているように、すでに逃げの一手に出ている国民の「知る権利」を侵害するかたちでこのまま「真偽不明」で闇に葬られる可能性は高い

 だが、それでいいはずがあるまい。繰り返すが、この解釈変更は、政権批判が封じられ、かたや擁護で溢れかえるといういまのテレビ番組の状況をつくり出した元凶ともいえるものだ。そして、政権批判を厭わずおこなう『サンデーモーニング』のような番組を狙い撃ちにし、時の権力が恣意的に解釈を変更させていたのである。解釈変更の見直しの議論は当然のこと、テレビ番組における報道のあり方を問い直すためにも、この内部文書をなかったものにするわけにはいかないのだ。

(編集部)
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●適菜収さん《ある種の人間が「はだしのゲン」に反発するのは、グロテスクな自分の顔を描かれたような気分になるからではないか。》

2023年03月18日 00時00分03秒 | Weblog

(20230305[])
記憶の継承を断絶。核廃絶どころか、広島で《消える「はだしのゲン」》、なんという情けなさ。

   『●《おばあさんが川へ洗濯に行くなんて、時代に合わない。もう「桃太郎」
        を子どもたちに教えるのはやめよう。…警察に届けるべき…》……

 沖縄タイムスのコラム【[大弦小弦]桃太郎とゲン】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1106553)によると、《おばあさんが川へ洗濯に行くなんて、時代に合わない。もう「桃太郎」を子どもたちに教えるのはやめよう。だいたい、流れてきた桃は警察に届けるべきなのに、持ち帰る描写はまずいのではないか- ▼もちろん桃太郎はこういう批判を受けない。はだしのゲン」は批判される》。

 日刊ゲンダイのコラム【適菜収「それでもバカとは戦え」/「はだしのゲン」平和教材から削除…日本をむしばみ続ける属国根性無責任体質】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/319207)によると、《アホにも限度がある。戦争前後を描いた漫画と現在の小学生の生活実態が合わないのは当たり前であり、これを読んで「コイを盗んでもいい」という教訓を引き出したとしたら、それはまた別の問題だ。》⦅「はだしのゲン」に批判的な意見の多くは、「アメリカ様に逆らうなという属国根性と「戦争の責任を追及するなという無責任体質に基づいている。⦆

 『はだしのゲン』を書いた中沢啓治さんの想いは、
   
   「「きれいな戦争というのはないんだ戦争の残酷な実態
    知らせなければ、子どもに戦争というものが伝わらない」。
    戦争の恐ろしさに小さな頃から触れ、大人になって戦争を
    防ぐ方法をじっくり考えてほしいというのは、
    死ぬまで変わらぬ思い」
   
だったそうです。

   『●「原子力」と「核」、言葉は違えど「原発=原爆」である
   『●「はだしのゲン」中沢啓治さん、亡くなる
    《1963年のデビュー当初は原爆体験を秘していたが、66年の
     母の死への憤りをきっかけに、初めて原爆を題材にした作品
     「黒い雨にうたれて」を発表した》
    《福島第一事故でも訴え 人間、制御できない
    《昨年八月、広島市の平和記念式典に初めて出席した。その直前には、
     福島第一原発事故の放射性物質流出を恐れる被災者を、放射能を含む
     黒い雨にぬれて「いつ病気になるのか」と不安を抱えた自身と
     重ねながら、「黒い雨は今も世界に降り続けているんです」と、
     核利用がなくならない状況を嘆いていた

   『●『はだしのゲン』中沢啓治さんの新たな遺稿が見つかる
   『●「国家と教育」『週刊金曜日』
     (2013年3月22日、936号)についてのつぶやき
    「岩本太郎氏【ヘイトデモの次段階 個人や各自治体が攻撃の新たな
     矛先に】、「そこでさっそく表面化したのが、松江市の…
     『はだしのゲン』閲覧制限問題。背景には、高知市の在特会関係者
     による松江市教委への抗議活動があった・・」」

   『●情けないオトナ達: コドモへの『はだしのゲン』閲覧制限事件
    「下村文科相、閲覧制限を容認 はだしのゲン「配慮必要」

   『●コドモに見せないようコッソリ画策する
       情けないオトナ達: 中沢啓治さんの想い
   『●「世紀の大悪法 特定秘密保護法案」
     『週刊金曜日』(11月15日、968号)についてのつぶやき
    「編集部【練馬区民が閲覧制限請求に抗議の署名提出 
     『はだしのゲン』を隠すな】、神田香織さんと佐高信さん、
     「…を隠して、どんな子どもを育てたいのか、
     どんな社会にしたいのか」?」

   『●『DAYS JAPAN』(2013,DEC,
      Vol.10,No.12)の最新号についてのつぶやき
    「斎藤美奈子さん…【OUTLOOK 安倍自民党が陰で糸引く
     学校現場への政治介入】、「「はだしのゲン」排除問題」
     「実教出版締め出し問題」「育鵬社採択問題」「東京都副読本問題」」

   『●肥田舜太郎さん「せめて未来の子どもたちのために、
      放射能の心配のない日本を残していけるよう…努力」を
   『●アベ様の「政」の下、「護憲派に集会の会場を
      貸さない自治体が増え…。自治体こそ市民への忖度を怠るな」
    《過去には図書館で漫画「はだしのゲン閲覧をさせないように
     する動きがあったり、同年には「東京都美術館で展示中の造形作品が
     政治的だとして、美術館側が作家に作品の撤去や手直しを求めていた
     ことが発覚」したこともあった。こんな出来事が全国で続いた》

   『●沖縄戦《証言者の萎縮、戦争の教訓継承の妨げ》…「戦争屋」が政権を
      持っている社会では愚者がヘイトをまき散らし、暴力で歴史を歪める
    《<金口木舌>沖縄戦体験者への冒涜 …小学生のころ、原子爆弾の
     悲惨さを描いた漫画「はだしのゲン」(中沢啓治作)を読み、
     戦争の脅威を具体的に想像するようになった。絵の力は大きい。
     戦争に反対する主人公一家を非国民と迫害した軍国主義の恐ろしさ
     伝える》
    《▼「はだしのゲン」を巡っては2013年、「史実の誤り」との陳情を
     きっかけに島根県松江市内の学校図書館から排除しようとする動き
     があった。のちに反発を受けて撤回された。次世代の目や耳も標的
     となっている》

   『●長崎を含めたすべての人々の《幅広く速やかな救済を願う。まず考える
      べきは新たな線引きではなく、雨にぬれた人へのいたわりであろう》

 どう戦争の記憶を残し、戦争を回避するのか。戦争の記憶の継承、《語り継ぐ》。
 「火事場ドロボー」どもが、台湾有事を煽り、先制攻撃・核保有までも口にする。戦争法を盾に、子や孫を戦場に送り出したくて仕方ないらしい。《戦争絶滅受合法案》の制定を切に願う。

   『●「戦争の愚かさを身に染みて知っているはず…
     9条の「戦争放棄」「戦力不保持」の理念はその教訓の結晶」
   『●《戦争の記憶を継承…なぜ継承するのか。端的に言えば、過ちを繰り
     返さないためである…過ちを繰り返さないために過去の過ちから学ぶ》
   『●《「真実を後世に伝えることが生き残った自分の義務」と心の傷を
     押して語り部を続け大きな足跡を残した》安里要江さんがお亡くなりに…
    「平和な社会への《語り部》の皆さんの重要な貢献。特に、
     《沖縄戦の語り部》の皆さんは高齢化している。そんな中、
     戦争の記憶をどのように継承していくのか。
     《「真実を後世に伝えることが生き残った自分の義務」と心の傷を
     押して語り部を続け大きな足跡を残した》安里要江さんがお亡くなりに
     なったそうです」

   『●琉球新報《かつての戦争「前夜」の状況を繰り返さないことを誓いたい》
       《沖縄のメディアとして改めて誓う。戦争のためにペンは取らない》
   『●《沖縄戦をどう継承するか。…国のために死を強いた沖縄戦の実相を
      美談にしてはならない。紡いできた住民目線の継承を大切にしたい》

 「皇軍兵士として戦場で地獄を見た水木しげるさん、「一番いけないのが戦争です」。そして、《戦争に向かうハードルが低く…戦争の怖さが(若者の)耳に届きづらい》恐ろしい世になってしまった。腐敗した自公お維コミによる政治では、決して良い世の中には向かわない。戦争法を廃止し、核廃絶に向かうこともない…。
 「総員玉砕せよ!」には、《「人間の生き死にははかないものである(中略)殺りくの記録は、ここの石と木だけが知っている。いまここに書きとどめなければ誰も知らない間に葬り去られるであろう」との記述が、戦争の惨禍を伝えようとする強い決意》があった。

   『●やはりアベ様「の頭は普通じゃな」かった: 
     誰一人止めない、止めようともしない自公議員…決して忘れない
   『●そもそも、子どもたちのためにこそ 
       「ドブガネしている」税金を使ったらどうなのか?
   『●水木しげるさんと堀江邦夫さん:
       原発ジプシーと云う地獄と戦場と云う地獄
   『●「皇軍兵士として戦場で地獄を見た」水木しげるさん、
                    「一番いけないのが戦争です」
    《あれだけ国民をいじめた歴史はないんじゃないでしょうかね》。
    「「皇軍兵士として戦場で地獄を見た水木しげるさん。
     《自由を国家が制限するんですからね。一番いけないのが戦争です
     戦争で死ぬんだと思うと希望もわきませんでした》という水木さんの
     言葉は、戦争したい人々、「死の商人」たち、「戦争屋」たち、自公議員や
     その支持者達には聞こえないらしい。
     自公議員に投票できる親御さんや祖父母ら……、ブログ主には彼ら、
     彼女らの神経が知れない」

   『●桂歌丸さん…《戦争なんて本当に愚の骨頂》
       《あんな思いなんか二度としたくないし、させたくない》
    《高畑勲野坂昭如大橋巨泉永六輔かこさとし水木しげる
     愛川欽也金子兜太など、戦争を知り、自身の体験をもとに平和を
     希求するメッセージを発してきた戦中世代の著名人が続々と鬼籍に
     入り始めている

   『●水木しげるさんの言葉を…《戦争に向かうハードルが低く…
       戦争の怖さが(若者の)耳に届きづらい》恐ろしい世に
   『●《ビンタばかり食らい、敵軍に片腕をふっとばされた一兵卒、それが
    軍隊のなかの水木だった》…《戦争の惨禍を伝えようとする強い決意》へ

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/319207

適菜収 作家
近著に「ニッポンを蝕む全体主義」「日本人は豚になる」「思想の免疫力」(評論家・中野剛志氏との対談)など、著書45冊以上。「適菜収のメールマガジン」も始動。詳細は適菜収のメールマガジンへ。本紙連載が書籍化「それでもバカとは戦え」好評発売中

適菜収「それでもバカとは戦え」
「はだしのゲン」平和教材から削除…日本をむしばみ続ける属国根性と無責任体質
公開日:2023/02/25 06:00 更新日:2023/02/25 06:00

     (現在の小学生の生活実態と合わないのは当たり前
      (中沢啓治さんの漫画「はだしのゲン」)
      /(C)共同通信社)

 広島市教育委員会は高1と小3の平和教育の教材として使っていた漫画「はだしのゲン」を別の絵本などに差し替えることを決めた。

 「はだしのゲン」は、広島に投下された原爆で父や姉、弟を殺された少年がたくましく生き抜く姿を描いている。

 市教委が設置した大学教授や学校長による会議では、ゲンたちが浪曲を披露して日銭を稼ぐシーンに対し「浪曲は現代の児童の生活実態に合わない」、栄養不足で体調を崩した母親のためにコイを盗むシーンには「コイを盗んでもいいという誤解を与える」といった指摘が出たという。

 アホにも限度がある

 戦争前後を描いた漫画と現在の小学生の生活実態が合わないのは当たり前であり、これを読んで「コイを盗んでもいい」という教訓を引き出したとしたら、それはまた別の問題だ。

 私は小学6年生のときに「はだしのゲン」を読んだ。今回の市教委の決定を受け、SNS上に漫画の断片が次々とアップされたが、記憶に残っているものが多かったそれだけ印象深かったということであり、平和教育としては成功している

 脊髄反射のように、左翼のイデオロギーがどうこうと言いだす連中は昔からいるが、国土を破壊され、同胞を大量虐殺されたことに怒りを表明するのは当然の感覚だろう。残酷なシーンを描いていることを批判するのも筋違い。それを見て子供は原爆の恐怖を学ぶのだ

 「はだしのゲン」に批判的な意見の多くは、「アメリカ様に逆らうなという属国根性と「戦争の責任を追及するなという無責任体質に基づいている。

 敗戦後、雨後のタケノコのように出現した精神の奴隷たちは、現在までわが国をむしばみ続けている

 しまいには原爆を落とされて長崎は本当に無数の人が悲惨な目に遭ったが、あれで戦争が終わったんだという頭の整理で今、しょうがないなと思っていると発言する防衛大臣やポツダム宣言と原爆投下の時系列すら理解していない総理大臣まで出現した。

 「はだしのゲン」は戦中と戦後で発言をコロコロ変え、責任を持たない卑劣な人間を描いた。

 ある種の人間が「はだしのゲン」に反発するのは、グロテスクな自分の顔を描かれたような気分になるからではないか。
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●《おばあさんが川へ洗濯に行くなんて、時代に合わない。もう「桃太郎」を子どもたちに教えるのはやめよう。…警察に届けるべき…》……

2023年03月17日 00時00分19秒 | Weblog

[※ 石川文洋さん 【NNN ドキュメント'19/平成ニッポンを歩く 報道カメラマン80歳 日本縦断】(http://www.ntv.co.jp/document/backnumber/user_images/oa_190818.jpg)↑]


(2023年03月04日[土])
沖縄タイムスのコラム【[大弦小弦]桃太郎とゲン】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1106553)によると、《おばあさんが川へ洗濯に行くなんて、時代に合わない。もう「桃太郎」を子どもたちに教えるのはやめよう。だいたい、流れてきた桃は警察に届けるべきなのに、持ち帰る描写はまずいのではないか- ▼もちろん桃太郎はこういう批判を受けない。はだしのゲン」は批判される被爆地の広島市教育委員会が平和教育の教材からゲンの漫画を外すことを決めた ▼浪曲を歌うこまは「児童の実態に合わない」、池のコイを盗むこまは「誤解を与える」と外部識者が疑問視したのだという。どちらも家族を助けるためにゲンたちがやった。一家は戦争の愚かさを批判し、「非国民」扱いされて窮乏していた…》。
 (大弦小弦)《もう「桃太郎」を子どもたちに教えるのはやめ》るべきなのか? 広島市教育委員会は正気なのかね? 《外部識者が疑問視》? 《教員や大学教授、平和記念資料館の職員ら“有識者”が決めたという》…一体誰??

 『はだしのゲン』を書いた中沢啓治さんの想いは、
   
   「「きれいな戦争というのはないんだ戦争の残酷な実態
    知らせなければ、子どもに戦争というものが伝わらない」。
    戦争の恐ろしさに小さな頃から触れ、大人になって戦争を
    防ぐ方法をじっくり考えてほしいというのは、
    死ぬまで変わらぬ思い」
   
だったそうです。

   『●「原子力」と「核」、言葉は違えど「原発=原爆」である
   『●「はだしのゲン」中沢啓治さん、亡くなる
    《1963年のデビュー当初は原爆体験を秘していたが、66年の
     母の死への憤りをきっかけに、初めて原爆を題材にした作品
     「黒い雨にうたれて」を発表した》
    《福島第一事故でも訴え 人間、制御できない
    《昨年八月、広島市の平和記念式典に初めて出席した。その直前には、
     福島第一原発事故の放射性物質流出を恐れる被災者を、放射能を含む
     黒い雨にぬれて「いつ病気になるのか」と不安を抱えた自身と
     重ねながら、「黒い雨は今も世界に降り続けているんです」と、
     核利用がなくならない状況を嘆いていた

   『●『はだしのゲン』中沢啓治さんの新たな遺稿が見つかる
   『●「国家と教育」『週刊金曜日』
     (2013年3月22日、936号)についてのつぶやき
    「岩本太郎氏【ヘイトデモの次段階 個人や各自治体が攻撃の新たな
     矛先に】、「そこでさっそく表面化したのが、松江市の…
     『はだしのゲン』閲覧制限問題。背景には、高知市の在特会関係者
     による松江市教委への抗議活動があった・・」」

   『●情けないオトナ達: コドモへの『はだしのゲン』閲覧制限事件
    「下村文科相、閲覧制限を容認 はだしのゲン「配慮必要」

   『●コドモに見せないようコッソリ画策する
       情けないオトナ達: 中沢啓治さんの想い
   『●「世紀の大悪法 特定秘密保護法案」
     『週刊金曜日』(11月15日、968号)についてのつぶやき
    「編集部【練馬区民が閲覧制限請求に抗議の署名提出 
     『はだしのゲン』を隠すな】、神田香織さんと佐高信さん、
     「…を隠して、どんな子どもを育てたいのか、
     どんな社会にしたいのか」?」

   『●『DAYS JAPAN』(2013,DEC,
      Vol.10,No.12)の最新号についてのつぶやき
    「斎藤美奈子さん…【OUTLOOK 安倍自民党が陰で糸引く
     学校現場への政治介入】、「「はだしのゲン」排除問題」
     「実教出版締め出し問題」「育鵬社採択問題」「東京都副読本問題」」

   『●肥田舜太郎さん「せめて未来の子どもたちのために、
      放射能の心配のない日本を残していけるよう…努力」を
   『●アベ様の「政」の下、「護憲派に集会の会場を
      貸さない自治体が増え…。自治体こそ市民への忖度を怠るな」
    《過去には図書館で漫画「はだしのゲン閲覧をさせないように
     する動きがあったり、同年には「東京都美術館で展示中の造形作品が
     政治的だとして、美術館側が作家に作品の撤去や手直しを求めていた
     ことが発覚」したこともあった。こんな出来事が全国で続いた》

   『●沖縄戦《証言者の萎縮、戦争の教訓継承の妨げ》…「戦争屋」が政権を
      持っている社会では愚者がヘイトをまき散らし、暴力で歴史を歪める
    《<金口木舌>沖縄戦体験者への冒涜 …小学生のころ、原子爆弾の
     悲惨さを描いた漫画「はだしのゲン」(中沢啓治作)を読み、
     戦争の脅威を具体的に想像するようになった。絵の力は大きい。
     戦争に反対する主人公一家を非国民と迫害した軍国主義の恐ろしさ
     伝える》
    《▼「はだしのゲン」を巡っては2013年、「史実の誤り」との陳情を
     きっかけに島根県松江市内の学校図書館から排除しようとする動き
     があった。のちに反発を受けて撤回された。次世代の目や耳も標的
     となっている》

   『●長崎を含めたすべての人々の《幅広く速やかな救済を願う。まず考える
      べきは新たな線引きではなく、雨にぬれた人へのいたわりであろう》

 核廃絶どころか、広島で《消える「はだしのゲン」》。
 日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/広島の学校教材から消える「はだしのゲン」】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202302180000053.html)によると、《その間、米国、スペイン、最近ではロシアなど世界24カ国で翻訳され出版されている。「はだしのゲン」は子供ながらにきつい模写や怖いシーンを見て平和や戦争の悲惨さ、原爆の怖さを学ぶものだ。浪曲やコイを盗むことが理解できないからと読むのをやめることなどない。子供も世界の読者もこの漫画の本質が分かっているからで、それならば世界で翻訳されるわけがない。広島の判断は残念でならない》。
 東京新聞の記事【こちら特報部/「はだしのゲン」の何が問題視されたのか 広島市教委の平和学習教材から外された理由】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/231806?rct=tokuhou)によると、《広島市教育委員会は、市立小学校3年生向けの平和学習教材に引用掲載してきた漫画「はだしのゲン」を、2023年度から削除し、別の被爆者体験談に差し替えることを決めた。理由は「被爆の実相に迫りにくい」からだという。原爆の恐ろしさを伝える世界的な名作「ゲン」への評価としては首をかしげたくなるが一体、何が問題なのか。(宮畑譲)》。

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https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202302180000053.html

コラム
政界地獄耳
2023年2月18日7時30分
広島の学校教材から消える「はだしのゲン」

★首相・岸田文雄が政治生命をかけ、5月19日から開催される広島サミット。超党派の「LGBTに関する課題を考える議員連盟」はサミットまでに「LGBTの人たちへの理解を増進するための議員立法」を成立させる努力をすると15日に開いた議連で確認した。またウクライナのゼレンスキー大統領もサミットの参加に意欲的と報道され、岸田の考える被爆地・広島で世界の首脳たちが集い、平和や非核が語られるという思惑は世界の注目となった。

★ところが、その広島の教育委員会は広島市立の小中高校で教材として10年前から掲載されてきた漫画「はだしのゲン」が「被爆の実相に迫りにくいと判断した」としてこの4月から別の教材に差し替わる。教員や大学教授、平和記念資料館の職員ら“有識者”が決めたという。漫画の中に出てくる「街角で浪曲のまね事をして小銭を稼ぐ場面。栄養不足で倒れた身重の母親に食べさせようと、池のコイを盗むシーン」が「なぜコイを盗むのか。浪曲とは何か。子どもたちに説明しなければいけない。それで本質に近づくための説明が増える」からやめるという。

★「はだしのゲン」は13年ごろ、反戦色が濃く戦争や被爆の模写がきついなど「間違った歴史認識を植え付ける」という声が上がり、全国の図書館から撤去する動きが高まった。児童が読めないように閉架扱いにしろとか、貸し出し禁止にせよ、有害図書に指定せよといったものだこれらは結果、多くの自治体の議会で否決されたり、図書館が図書の自由を守るために戦い、大筋で事なきを得た。その間、米国、スペイン、最近ではロシアなど世界24カ国で翻訳され出版されている。「はだしのゲン」は子供ながらにきつい模写や怖いシーンを見て平和や戦争の悲惨さ、原爆の怖さを学ぶものだ。浪曲やコイを盗むことが理解できないからと読むのをやめることなどない。子供も世界の読者もこの漫画の本質が分かっているからで、それならば世界で翻訳されるわけがない。広島の判断は残念でならない。(K)※敬称略
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/231806?rct=tokuhou

こちら特報部
「はだしのゲン」の何が問題視されたのか 広島市教委の平和学習教材から外された理由
2023年2月18日 12時00分

     (世界中で親しまれている「はだしのゲン」。
      すでに23言語に翻訳されている)

 広島市教育委員会は、市立小学校3年生向けの平和学習教材に引用掲載してきた漫画「はだしのゲン」を、2023年度から削除し、別の被爆者体験談に差し替えることを決めた。理由は「被爆の実相に迫りにくい」からだという。原爆の恐ろしさを伝える世界的な名作「ゲン」への評価としては首をかしげたくなるが一体、何が問題なのか。(宮畑譲

【関連記事】「戦争は女の顔をしていない」漫画でヒット 「ゲン」「火垂る」に続く定番に


◆「浪曲は現代の児童の生活実態に合わない」

 同市の全小中学校、高校では、2013年度から平和教育プログラムが始まり、市教委が学齢に応じて作った教材「ひろしま平和ノート」が使われている。

 「はだしのゲン」は小学校3年生向けの教材に掲載。家計を助けようと浪曲を歌って小銭を稼いだり、栄養不足で体調を崩した母親に食べさせようと池のコイを盗んだりするシーンが引用されている。家屋の下敷きになった父親がゲンに逃げるよう迫る場面も使われてきた。

 だが、13年度のプログラム開始後、市教委が設置した大学教授や学校長による会議が教材の改定を検討する中で、引用された漫画の場面が「浪曲は現代の児童の生活実態に合わない」「コイ盗みは誤解を与える恐れがある」などの指摘が出ていたという。

 市教委の高田尚志指導第1課長は「ゲンは市民に広く読まれており、市にとって大切な作品という認識は変わらない」としつつも、「漫画の一部を切り取ったものでは、主人公が置かれた状況などを補助的に説明する必要が生じ、時間内に学ばせたい内容が伝わらないという声があった」と説明。23年度版からはゲンの掲載をやめ、被爆者の体験を親族に聞き取って再構成した教材を使うという。


◆総発行部数1000万部、アニメやミュージカルにも

 「はだしのゲン」は、広島に投下された原爆で父や姉、弟を亡くした少年・中岡元が、たくましく生き抜く姿を描く長編漫画。1973(昭和48)年から87年にかけ、「週刊少年ジャンプ」などで連載された。故中沢啓治さんが、自らの被爆体験を基に描いた。

 愛蔵版などを含めた総発行部数は1000万部を超える。エンターテインメントとしても評価され、アニメやミュージカルにもなった。多数の言語に翻訳されていて、2007年には、核拡散防止条約NPT)の委員会で日本政府が英訳版を配布する一幕もあった。

 それだけに今回、作品が平和教材から消えることのショックは小さくない。

 中沢さんの妻ミサヨさん(80)は「市教委が決めたことだから仕方がない」としつつ、残念さをにじませた。中沢さんは、原爆の悲惨さをどう描けば子どもたちに伝わるか、面白く読んでもらえるか、必死に掘り下げて考えながら一コマ一コマ描いていたといい、教材に採用されることを知った時は喜んでいたという。

 ミサヨさんは「これまで子どもに親しまれていて、理解してくれていると思っていた。物語で描いているから、全部読んでもらえば、戦争の悲惨さやなぜ戦争が起きたかも分かってもらえると思う」と話す。


◆子どもの世界を広げるのが教育なのに…

 「はだしのゲンは多くの人に読まれてきた社会的価値のある作品」と評価する名古屋大の中嶋哲彦名誉教授(教育行政学)は「授業で使うことで作品を読むきっかけになり、学習が広がる子どもの世界を広げていくのが教育。切り出した場面が分かりにくければ、違う場面を使う方法もあったのでは」と指摘する。

 ゲンを巡っては12年、松江市教委が「描写が過激」として、学校図書館の倉庫に移して閲覧を制限するよう市内の小中学校に要請し、後に撤回する騒動もあった。この件も踏まえ、中嶋氏は「今回のことをきっかけにして、学校からゲンがなくなることにつながってはいけない。これまで以上に学校図書館に置いてあるといったことをアピールしていくべきだ」と話す。
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●そんなに殺し合いをしたいものかね? 《一体何のために防衛費の増額が必要なのか。…冷静にその意味を問い直さなければならない…》

2022年12月14日 00時00分15秒 | Weblog

[↑ 命どぅ宝沖縄を再び戦場にするな! (2022年05月15日、朝日新聞)]


 (2022年12月01日[木])
この政府、正気なのかね? そんなに殺し合いをしたいものかね? そんなに戦争して、人殺ししたいものかね? 《一体何のために防衛費の増額が必要なのか。私たちは立ち止まって、冷静にその意味を問い直さなければならないのではないか》(琉球新報)。

   『●N値がゼロ、工期と費用は「∞」…今日もドブガネし、
       ジャブジャブと大量の土砂を美ら海にぶちまけている

 琉球新報の【<社説>「殺傷武器」輸出検討 「平和国家」の国是守れ】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1619302.html)によると、《政府は防衛装備品の輸出ルールを定めた「防衛装備移転三原則」を見直し、殺傷能力を持つ武器を輸出する検討に入った。自衛隊が保有する武器・弾薬の提供に向け、自衛隊法の改正も視野に入れる》。

   『●「君はドアホノミクスを信奉するのか」、キシダメ君? 軍事費倍増=
       《赤字国債の乱発、社会保障のさらなる削減、消費税の大増税…》
   『●斎藤貴男さん《政府と自民党は何がなんでも消費税率を引き上げたい…
     増税を甘受しなければ財政を破綻させるゾと国民を恐喝する目的で…》
   『●《消費税などの値上げを防衛費に転嫁する》気満々…軍事費倍増の
     ために《赤字国債の乱発、社会保障のさらなる削減、消費税の大増税…》

 マトモな国のやることか? 軍事費倍増のために《赤字国債の乱発、社会保障のさらなる削減、消費税の大増税…》。
 沖縄タイムスの【社説[安保 大変容 防衛力強化報告書]国民議論は置き去りか】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1062327)によると、《敵基地攻撃能力反撃能力)を保有し、防衛費捻出へ増税を検討する。公共インフラの自衛隊利用を進め、産官学一体で防衛産業の育成に取り組む-どれをとっても戦後日本の安全保障の大きな転換となる政策だ。「有識者会議」というごく限られた人が短期間で決めるべきことではなく、国民的な議論が必要だ》。

 「有識者会議」の答申からは「法人税増税」はこっそり消され…。軍事費倍増が既定路線になり、《赤字国債の乱発、社会保障のさらなる削減、消費税の大増税…》。ブログ主は、軍事費倍増など認めた覚えはない。それなのに、当然のような顔をして、なぜ財源の議論に移行しているのか?
 琉球新報の【<社説>防衛強化「増税で」 議論を尽くしていない】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1620894.html)/《防衛力強化に関する政府の有識者会議は、防衛費の安定財源確保に向けて「国民全体の負担が必要だとして増税を提起する報告書を岸田文雄首相に提出した。国民的議論が尽くされたとは到底言えないだろう。政府が有識者会議の報告書のみをよりどころにして、憲法に抵触しかねない敵基地攻撃能力の保有を前提に、国民に負担を強いる増税に踏み込もうとする姿勢は極めて拙速と言うしかない》。

   『●台湾有事を煽り《ロシアのウクライナ侵攻のような軍事衝突にまで
     エスカレートさせてはならない…外交による対話を強めなければならない》

 沖縄だけの《標的の島》問題だと思ってますか? 〝本土〟の自分たちも《標的》である自覚は無いの?
 琉球新報の【<社説>敵基地攻撃能力60%賛成 危険性を冷静に考えよう】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1623469.html)によると、《共同通信の世論調査で、日本が敵基地攻撃能力(反撃能力)を持つことに賛成が60.8%に達し、反対は35.0%にとどまった。2月の同調査や7月の日本世論調査会の調査では拮抗(きっこう)していたが、一気に賛成が増え始めた。北朝鮮の相次ぐミサイル発射や「台湾有事」が取り沙汰される中で、周辺国に対する脅威感が高まっているのだろう》。
 調査の仕方が恣意的なんでしょうが、憂うべき事態です…《日本が敵基地攻撃能力(反撃能力)を持つことに賛成が60.8%に達し…一気に賛成が増え始めた》。

   『●城山三郎さん《平和の有難さは失ってみないとわからない》、
     菅原文太さん《政治の役割は二つあります…絶対に戦争をしないこと!》

 城山三郎さん《平和憲法こそ生き残る者の夢であり、守ることが使命だ》、《戦争待望論を唱える若い文士がいると聞いて、鳥肌の立つ思いがする。平和の有難さは失ってみないとわからない》、《日本は先の戦争で、ほとんどすべてを失ってしまった唯一、得られたのは、憲法九条だけだ》。
 (古賀茂明さん)《…菅原文太さんのことを思い出している。もうすぐ命日だ。菅原さんは死の直前の11月1日、沖縄で演説を行った。文字通り、命を削りながらの訴えだ。「政治の役割は二つあります一つは、国民を飢えさせないこと、安全な食べ物を食べさせることもう一つは、これが最も大事です絶対に戦争をしないこと!」》。
 《政治の役割》を全く果たせない、果たそうとしない自公政権。<ぎろんの森>《軍事ではなく外交力を駆使する「別の道」を探るのが、政治の責任》を全く果たせない、果たそうとしない自公政権。お維にすり寄り、政権を批判することを放棄した〝論憲〟民主党。お先真っ暗なニッポン。

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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1619302.html

<社説>「殺傷武器」輸出検討 「平和国家」の国是守れ
2022年11月21日 05:00

 政府は防衛装備品の輸出ルールを定めた「防衛装備移転三原則」を見直し、殺傷能力を持つ武器を輸出する検討に入った。自衛隊が保有する武器・弾薬の提供に向け、自衛隊法の改正も視野に入れる。

 不戦を誓った憲法9条に基づき、戦後の日本は紛争解決の手段として武力の行使を認めていない。しかし殺傷能力のある武器を日本が輸出するとなれば、他国の武力行使を助長する恐れすらある。

 9条は「正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求」するとして平和主義に基づく積極的行動を促す武器輸出は憲法の理念に反する。紛争・対立の解決は平和的手法を追求すべきだ。平和国家の国是を曲げてはならない。

 武器や関連技術輸出方針の見直しは、2014年の安倍政権下に始まる。全面的な禁輸方針を掲げた従来の「武器輸出三原則」を「防衛装備移転」と言い換え、条件付きながら武器輸出に道を開いた。

 今年4月には自民党安全保障調査会で、改めて三原則見直し論が浮上し、政府は党の提言を受ける形で武器輸出を緩和する方針を決めた。

 既にロシアのウクライナ侵攻に当たり、政府は三原則の運用指針を改定、ウクライナに防弾チョッキを提供した。

 防弾チョッキは攻撃能力を持つものでないが「紛争当事国には認めない」などの原則がなし崩し的に運用されている。将来、小銃や戦闘機など殺傷能力のある武器を輸出した場合、紛争当事国に渡らない保障はない。日本製武器が紛争で使われれば、戦後築き上げた「平和国家」の看板は失われる国際的な信用はなくなるであろう。

 そもそもなぜ国是を曲げてまで武器を輸出しなければならないのか。自民党の提言は防衛産業の維持を挙げる。自衛隊以外に顧客のいない国内の防衛産業は利益率が低く、撤退が相次ぐ。その技術力、競争力維持が理由だ。ただ武器輸出を可能にするため海外12カ国と協定を結んだものの、日本企業への発注はほとんどないのが実情だ。

 防衛産業を維持するために国是を曲げる本末転倒の議論は即やめてもらいたい

 日本の針路を転換する政府方針だが、その意思決定の在り方も疑問だ。安倍政権での三原則見直しは閣議決定により決まった。今回も同様の手法を取る可能性がある。

 閣議決定の乱用ともいえる状況は安倍政権下で始まり、現政権も踏襲している。防衛装備移転だけでなく「集団的自衛権の行使容認」「特定秘密保護法の運用基準」、今年も「土地規制法基本方針」「国葬儀実施」が挙げられる。

 本来なら国会での議論を経て決めるべき国の重要事項が一内閣の判断で定められる

 「一強」と称される国会での数を頼り、本来なら重視される与野党の議論を抜きにして民主主義は成り立たない。

 民主主義に対する政権の姿勢も問われている。
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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1062327

社説[安保 大変容 防衛力強化報告書]国民議論は置き去りか
2022年11月24日 8:09

 敵基地攻撃能力反撃能力)を保有し、防衛費捻出へ増税を検討する。公共インフラの自衛隊利用を進め、産官学一体で防衛産業の育成に取り組む-

 どれをとっても戦後日本の安全保障の大きな転換となる政策だ。「有識者会議」というごく限られた人が短期間で決めるべきことではなく、国民的な議論が必要だ。

 防衛力の抜本的な強化に向け政府が設置した「国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議」が、岸田文雄首相に報告書を提出した。

 報告書は、日本を取り巻く安全保障環境の変化を挙げ、首相が表明している5年以内の防衛力強化が欠かせないと強調した。

 反撃能力の保有とともに戦闘継続能力(継戦能力)の向上も指摘。経済・産業、研究開発、公共インフラなどあらゆる分野での防衛態勢の強化を提言した。

 憲法9条の下、抑制的に防衛力を整備してきた「専守防衛」との整合性が問われる。

 財源に関しては、「幅広い税目による負担が必要増税の検討を提起した。

 しかし、消費税は3年前に上がった。賃金は上がらない中、物価は高騰し、介護保険や医療など社会保険料の負担も増えている。

 国民生活に直結する増税を提起するなら、衆院を解散して選挙で有権者の判断を仰ぐべきだ

■    ■

 公共インフラの利活用を巡っては、自衛隊と海上保安庁のニーズに併せて空港や港湾などを利用できるよう法整備を求めた。対象として南西地域を挙げ「特に先島諸島」と名指しする。

 空港の自衛隊利用に関しては、すでに浜田靖一防衛相が下地島空港について言及している。なし崩し的な軍事利用は地元の負担につながり、あってはならない。

 日米共同統合演習「キーン・ソード」は、今月19日に終わったばかりだ。さらに日米両政府は、26日から来月18日まで、陸上自衛隊那覇駐屯地と与那国駐屯地の一部を使って共同訓練することを合意した。

 米軍基地の過重負担はそのままに、自衛隊基地を使用した訓練が拡大し安保の負担はますます沖縄に偏っている。

 防衛力強化の議論は沖縄の基地負担軽減とセットでなければならず、本来、地元の声抜きで進めるべきではない。

■    ■

 報告書は宇宙、サイバー、AIなど軍事転用への懸念がある研究開発に関しても官民一体で推進するよう求めた。

 防衛装備品の積極的な輸出など、これまでの抑制的な姿勢から大きく転換している。

 首相は報告書を踏まえ「国家安全保障戦略」など三つの文書を年内に改定する。改定は、安保政策の根幹に関わる問題でもあり、国会での議論が不可欠だ。
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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1620894.html

<社説>防衛強化「増税で」 議論を尽くしていない
2022年11月24日 05:00

 防衛力強化に関する政府の有識者会議は、防衛費の安定財源確保に向けて「国民全体の負担が必要だとして増税を提起する報告書を岸田文雄首相に提出した。

 国民的議論が尽くされたとは到底言えないだろう。政府が有識者会議の報告書のみをよりどころにして、憲法に抵触しかねない敵基地攻撃能力の保有を前提に、国民に負担を強いる増税に踏み込もうとする姿勢は極めて拙速と言うしかない。

 沖縄を含む南西地域に関しては、現時点で民間利用に限定されている空港や港湾を自衛隊・海上保安庁も使えるように整備することが報告書に盛り込まれた。有事となった場合、自衛隊や海保が利用できる条件が整っている空港や港湾は相手の攻撃対象となり得ることを意味する。

 太平洋戦争末期の1944年10月10日、米軍は那覇港を空爆した。狙いは沖縄上陸作戦に向けた航空写真の撮影、レイテ島侵攻に備えて、後方支援基地と位置付けられる沖縄の飛行場と港湾の破壊などであった。米艦載機延べ1400機が奄美大島以南の南西諸島の主要な島々を爆撃した。少なくとも軍人・軍属、住民ら668人が死亡、768人が負傷した。那覇は9割の家屋が焼失した。

 港湾の軍事利用を可能にするということは、住民にとって危険と隣り合わせであることを意味する。

 その後、大本営は45年1月「帝国陸海軍作戦計画大綱」の中で沖縄を「皇土防衛の前縁」とし、現地の軍に「出血持久戦」を求めた。米軍の本土上陸を一日でも先延ばしするため、沖縄を「捨て石」とした。沖縄の住民は「防衛」の対象ではなく、「本土」を守るために犠牲に供するものと位置付けたのである。

 政府が想定する台湾有事の際に、かつての「帝国防衛の前衛」のように沖縄が米中紛争の矢面に立たされるとしたら論外だ。

 自衛隊と米軍による日米共同統合演習「キーン・ソード」では最新鋭の16式機動戦闘車(MCV)を与那国町の公道で使用した。防衛省関係者は「有事になった時に通ったことがない道を通る『ぶっつけ本番』では戦いにならない」と公道訓練の目的を指摘し、沖縄本島でも走行の必要性があるとの見方を示している。つまり与那国を含めて沖縄が戦場になることを想定しているのだろう。

 増税を含め国民に負担を強いる「有事」について、果たして国民の理解が得られているのだろうか。戦前の日本は増加する軍事支出を重税でも賄えず、国債発行を膨らませた増税と借金やむなしの巨額な防衛費に躊躇(ちゅうちょ)しない岸田政権は、もと来た道を戻っていないかと危惧する。

 一体何のために防衛費の増額が必要なのか。私たちは立ち止まって、冷静にその意味を問い直さなければならないのではないか。
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●【<土曜訪問>表現の幅、狭めない 冤罪事件から着想 ドラマ「エルピス」で脚本 渡辺あやさん(脚本家)】(東京新聞・石原真樹記者)

2022年11月10日 00時00分33秒 | Weblog

(20221109[])
昨日のブログに引き続き。長澤まさみさん主演のフジテレビ系ドラマ『エルピス─希望、あるいは災い─』(制作・関西テレビ)の脚本家・渡辺あやさん。プロデューサーは佐野亜裕美さん。

   『●《権力の横暴とそれに従属するマスコミの報道姿勢への問題意識を燃料に
       書いてきた──。脚本家がそう明言するドラマが、地上波で放送…》

 色々と凄いドラマ。関連した、石原真樹記者による東京新聞の記事を二つ。
 【<土曜訪問>表現の幅、狭めない 冤罪事件から着想 ドラマ「エルピス」で脚本 渡辺あやさん(脚本家)】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/210870)によると、《「冤罪(えんざい)を暴くってことは、国家権力を敵に回すってこと。わかる?」。フジテレビ系の連続ドラマ「エルピス−希望、あるいは災い−」(月曜午後十時)で、冤罪疑惑を報道しようと意気込む若手ディレクターは上司にこうどやされる。渡辺あやさん(52)が、複数の冤罪事件から着想したドラマを佐野亜裕美プロデューサーと考え始めたのは二〇一六年。事件のルポルタージュを読んで「こんなことが日本で起きるなんて」と憤り、筆を執った。しかし企画はストップ。「何とかする」という佐野さんを信じて出す当てがないまま書き上げたが、リスクの高いテーマに、各局から断られ続けた》。

 再度 ―――――― ツイッターでつぶやくと、少なからぬ罵声を頂く飯塚事件も想起しました。『エルピス』では、警察による〝酷い〟取り調べで、自白が強要されています。死刑執行されてしまった久間三千年さんは自白さえなく、一貫して、無実を主張されていました。マスコミの報道も酷ければ、検察や裁判所も酷い。久間さんの死刑執行は、足利事件の再鑑定決定直後です。足利事件で誤鑑定であることが分かった時には、既に、久間さんの死刑が執行されていました。久間さんが死刑執行に値すると主張されても結構ですが、足利事件の再鑑定決定直後の2008年10月28日に執行するのはあまりに酷すぎないか。証拠の保全もデタラメ。せめて、2009年4月20日まで執行を猶予して、一体何の問題があったのだろうか?

   『●贖罪:足利事件再鑑定から12日後の2008年10月28日朝、
                飯塚事件久間三千年元死刑囚の死刑が執行

    「2008年10月16日 足利事件 再鑑定へ
     2008年10月28日 飯塚事件 死刑執行
     2009年 4月20日 足利事件 再鑑定で一致せず
     ……そう、足利事件で誤鑑定であることが分かった時には、既に、
     久間さんの死刑が執行されていた。2008年10月16日
     DNA型鑑定に疑問が生じた時点で、死刑執行は停止されておくべき
     だったのに…。なぜ、急いで死刑執行したのか?、大変に大きな疑問である」

   『●NNNドキュメント’13: 
      『死刑執行は正しかったのか 飯塚事件 “切りとられた証拠”』
   『●(FBS)【シリーズ『飯塚事件』検証】…《死刑執行は正しかった
     のか》? 罪なき人・久間三千年さんに対しての《国家による殺人》!
   『●NNNドキュメント【死刑執行は正しかったのかⅢ ~飯塚事件・真犯人
      の影~】…《死刑冤罪の闇を12年間追跡し続けたドキュメンタリー》

 もう一つのインタビュー記事【「エルピス」脚本家・渡辺あやさん 6年越しの脚本に込めた危機感と覚悟、東京では書けないこと】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/211651)によると、《心をえぐるせりふの数々、深い人物造形、映画のような映像美と音楽。テレビ局員たちが冤罪事件に切り込んでいく関西テレビ制作のドラマ「エルピス―希望、あるいは災い―」(フジテレビ系、月曜午後10時)からは、業界人のプライドと熱量があふれ、ツイッターで「覚悟を感じる」など好意的な反響が続々と寄せられています。渡辺あやさんは6年前、発表する当てのないまま、この脚本を書き上げました。それはなぜか。脚本家としてのこれまでのキャリアを含め、東京と、渡辺さんが暮らす島根でじっくり伺いました。(石原真樹)》

   『●『キネマ旬報』…「戦前・戦中の言論弾圧につながる
       治安維持法が成立した大正末期と…現在が似ている」
    「東京新聞の石原真樹記者による記事【治安維持法 「キネマ旬報」が特集
     「共謀罪」に危機感反映】…《百年近い歴史を持つ老舗映画雑誌
     「キネマ旬報」は六月下旬号に「治安維持法」の特集を組んだ。
     戦前・戦中の言論弾圧につながる治安維持法が成立した大正末期と、
     政府与党が共謀罪法案の成立を目指す現在が似ている、
     という危機感から》」

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/210870

<土曜訪問>表現の幅、狭めない 冤罪事件から着想 ドラマ「エルピス」で脚本 渡辺あやさん(脚本家)
2022年10月29日 13時21分

 「冤罪(えんざい)を暴くってことは、国家権力を敵に回すってこと。わかる?」。フジテレビ系の連続ドラマ「エルピス希望、あるいは災い」(月曜午後十時)で、冤罪疑惑を報道しようと意気込む若手ディレクターは上司にこうどやされる。

 渡辺あやさん(52)が、複数の冤罪事件から着想したドラマを佐野亜裕美プロデューサーと考え始めたのは二〇一六年。事件のルポルタージュを読んで「こんなことが日本で起きるなんて」と憤り、筆を執った。しかし企画はストップ。「何とかする」という佐野さんを信じて出す当てがないまま書き上げたが、リスクの高いテーマに、各局から断られ続けた。

 そんな中で関西テレビが「世に出すべき作品」と決断すると、大友良英さん、大根仁監督ら実力派が結集した。長沢まさみさん演じる落ち目の女性アナウンサー、もとい、女子アナが、ある死刑囚は冤罪の可能性があるとしてディレクターと調査報道に乗り出す−。

 エルピスとはギリシャ神話に出てくるパンドラの箱の最後に残るものの名前で、「希望」とするか「災厄」とするかで物語の解釈が変わるという。真実にたどり着いてめでたしめでたし、では終わらない。「彼らは正しいことをやりたいと頑張るけれど、結末まで書いたとき、そんなに簡単ではない、と思い至った」。その先は、受け手に委ねられる。

 映画「ジョゼと虎と魚たち」(〇三年)でデビューし、約二十年。今も島根県で主婦をしながら物語を紡ぐ。主婦として育児や介護など誰かをケアするには忍耐力が必要で、それは「人を許すこと」なのだという。「許さなければいけないとき、自分の小さな器が破かれるようなつらさ、痛みがある。つらい思いをして、びりびりと広げる。広げたら少しくっつく。気づけば自分という人間の器が一回り大きくなる」。それが脚本にも反映される。「前の作品では許せなかった、つまり悪人としか描けなかった人を理解できるようになり、主人公にしたくなる感じ」

 近年、「青春モノは当たらなかった」など「雑な理由」で企画が通らないことが多く、「業界から作る喜びがどんどん枯れている」と憂える。ちょっとしたせりふも「セクハラ発言なので」など削除を求められる

 振り返ればNHK朝ドラ「カーネーション」(一一〜一二年)で、主人公・糸子の父親は家族を怒鳴り、殴るDV父だった。「それでも糸子は父親が大好き。こちらが暴力のない父親にゆがめて伝えたところで『人間ってそもそも何なのか』との問いが立たない。常識で言われる『正しいっぽいこと』の中に本当にすべて正しさがあるかというと、そうではない。じゃあ何だろうという問いを持っているべきだ」。表現の幅を狭めたくない、と抵抗を続けている

 二〇年夏に撮影した映画「逆光」(二一年)では脚本だけでなく制作・配給・宣伝に挑んだ。NHKドラマ「ワンダーウォール」で出会った須藤蓮さん監督・主演で、一九七〇年代の広島の尾道を舞台にひと夏の恋を描いた。新型コロナウイルスで仕事が全て止まり、「元気になるにはものを作るしかない」と、二人の持続化給付金をつぎ込んでスタッフや役者を集めた。すると「何かしたい」と思いを共有する人が集まり「どんどん輝いていった」。彼らと今、別の映画を制作中だ。

 脚本を書く、ものを作るのは、生きるためだという。「人間は命の火みたいなものがあって、私は作ることで、その火を一番大きく燃やせる。作ることができなかったら、すごく小さい火力で生きなきゃいけなくて、つらいことや厄災が起きたときに抵抗力がすごく弱かったと思う。コロナのときに『作ろう』と思ったのも、危機を乗り越えるために火力を最大化しようと、本能的に欲した」。同じように、みんなが火を燃やせればいい、と願う。

 「これまで、個人が元気で楽しく生きられているかが問題にされずに世の中が回ってきたけれど、コロナもあり、それは違うと社会が気付き始めた。自分の命の火をかっかと燃やしながら生きる道がどれなのか。それぞれが求められるようになればいいな」 (石原真樹
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/211651

「エルピス」脚本家・渡辺あやさん 6年越しの脚本に込めた危機感と覚悟、東京では書けないこと
2022年11月7日 06時00分

 心をえぐるせりふの数々、深い人物造形、映画のような映像美と音楽。テレビ局員たちが冤罪事件に切り込んでいく関西テレビ制作のドラマ「エルピス―希望、あるいは災い―」(フジテレビ系、月曜午後10時)からは、業界人のプライドと熱量があふれ、ツイッターで「覚悟を感じる」など好意的な反響が続々と寄せられています。

 渡辺あやさんは6年前、発表する当てのないまま、この脚本を書き上げました。それはなぜか。脚本家としてのこれまでのキャリアを含め、東京と、渡辺さんが暮らす島根でじっくり伺いました。(石原真樹


6年前に動きだすも企画ストップ

     (渡辺あやさん=東京都千代田区で)

わたなべ・あや 1970年、兵庫県西宮市生まれ。甲南女子大卒。結婚後にドイツ・ハンブルクに住み、帰国後、島根県で子育てをしながら雑貨店を経営。岩井俊二監督主宰のウェブサイトに応募した脚本が認められて「ジョゼと虎と魚たち」(2003年)で脚本家デビュー。作品は、ほかに「メゾン・ド・ヒミコ」(05年)、「天然コケッコー」(07年)、NHKドラマ「今ここにある危機とぼくの好感度について」(22年)。


 ―プロデューサーの佐野亜裕美さんと企画を考え始めたのは2016年ということでしたね。

 「一緒にラブコメをしましょう」という話をいただき、考え始めたけれど、何か盛り上がらなくて。むしろ政治家の悪口とか、「今の政治おかしいよね」みたいな話になると、2人で熱くなって盛り上がっていました。
 佐野さんが日本の裁判制度に興味を持っていて、いくつか冤罪のルポルタージュを読ませてくれて、「日本でこんなことが起きるなんて」とショックを受けました。せっかく佐野さんとの間で作るのだから2人で同じ熱量で支えていけるものがいいなと思ってやっているうちに、今回の企画になりました。
 私は、目の前にいる人から吸い上げたもので書いているようなところがあって、私自身の「こういうことをやりたい」というのは、ぼんやりとしかないのです。
 「こういう人は魅力的だな」「こういう関係性は魅力的だな」とか、「これが許せんな」とかがストックとして宙に浮いている感じ。それが目の前にいる人と話している中でピューっと焦点が合って像を結ぶ、みたいな瞬間があります。


 ―冤罪についてのショックが作品につながったのですね。

 普段あまりニュースを見ないようにしているんです。職業病なのか、耐性がないというか。「犯行現場」などと聞くと、すごく想像が働いてしまい、しんどくなってしまう。それで冤罪のことをあまり知らなかった。

     (「エルピス」第3話11月7日放送より関西テレビ提供)

 裁判や事件の捜査が正しく行われていると信じたいけれど、必ずしもそうじゃないことが過去にたくさんあって、もしかしたら今もあるかもしれない。その恐怖、不安を感じて、伝えたいと思いました。
 権力の怖さでもありますし、いろんなところにいろんな落とし穴がある。誰かが悪意を持って作った落とし穴ではないかもしれないけれど、いろんな人の都合で、そういうことにもなり得る。それに、再審(裁判のやり直し)をしてもらうにも10年とか20年とかかかるって、恐ろしいですよね。


 ―ところが、企画はストップ。

 テレビ局を内側から自己批判する内容もありますから、冤罪モノを放送するのはリスクが高過ぎるのでしょうね。
 私は「もう、ラブコメやろうよ」と佐野さんに言ったのですが、佐野さんは「あやさんと今さらラブコメなんてやりたくない」と(笑)。私は諦めていたのですが、佐野さんが頑張ってたくさんのハードルを越えてくれて、関西テレビさんの懐の深さもあり、実現しました。
 佐野さんと考えていたころは特に、安倍政権が非常に強くて、インタビューを受けていても自民党の悪口を言った瞬間に場が凍ったりして。特定秘密保護法とか集団的自衛権とか、ひどかったじゃないですか。日本の政治家たちの横暴さがひどくないか、何かおかしい、変だ変だと思っていた。
 その危機感が「エルピス」や、京都の学生寮を舞台にしたNHKドラマ「ワンダーウォール」(18年)につながりました。政治の状況が変わったからか、今はだいぶ空気が緩んだ気がしますが、当時はそんな感じでした。


 ―作品の根底に、危機感や怒りがあったのですね。

 でも一方で、怒りって共有してもらいづらくて。怒っている瞬間に避けられちゃう、距離を置かれちゃうというのをすごく感じた。それで「楽しいことをしている人たち」みたいに見えるようにしよう、と。
 問題の伝え方や口調にはいろいろあると思いますが、「悲劇」とか「同情を買う」とかはどうも効率が悪い。もともと強い問題意識を持った人にしか届かない。例えば、憲法改正をテーマにドラマを作っても、憲法改正に疑問を持っている人しか見ないから、「違うふり」をしなければいけないでしょうね。今の野党の見え方とかにも通じる課題だと思いますが。

     (インタビューに答える渡辺あやさん)


 ―脚本でどこまで書くのか案配はどう考えますか。

 いけるところまでいっちゃえ、と。
 やっぱり怖いし、怒られるのは嫌だから、誰もがなるべく安全なところにいこうとしてしまう。好き好んで突っ込まなくてもと思うのですが、でもそうやっていると、どんどん自分たちの可動域を狭めてしまう。
 やってみて怒られたら引っ込めればいいじゃないかというスタンスです。やれるかもしれないからとりあえずやってみましょう、と。


 ―最初から忖度はしないのですね。

 圧倒的にそっち側の風潮のほうが強いので…。誰もやらないかもしれない、それならせめて、小さなスケールではあるけれど、と。自分たちまでやめてしまうのは怖いと思うのです。
 ほかにも、セクハラ・パワハラなせりふは「視聴者にとって不快なので削ってください」というオーダーがくる。なるべく踏ん張るのですが、例えば「更年期とかはセクハラになるので、視聴者はこういうのを見たら、すぐに『ないわ』とチャンネルを変えちゃう」とか。過剰な反応をする人が多いのも事実で、そこで見るのをやめられちゃうと自分たちが伝えようとしたことが伝わらないというのも分かるのですが、私は作家として、そういう理由でキャラクターをゆがめたくない。ギリギリまで抵抗します。


 ―ドラマ「エルピス」で主人公の恵那を演じる長澤まさみさんがすてきです。

 佐野さんと作品を考えている中で最初に思い浮かんだ方で、肉体と精神のバランスがちょっと取りにくい、もて余している感じがあるというか。落ち込んでいる時と元気な時の振り幅が大きいのではないかなと思って。そういう方は、役者としてとても魅力的なのですね。会ったことはなかったですが、すごく弾力性を感じていました。

     (「エルピス」第3話11月7日放送より関西テレビ提供)

 恵那は、本来すごく能力があり、エネルギーもあるのだけれど、「女子アナ」という仕事をしていく中でエネルギーをどこか殺さないと生きていけないような状況にいる。そこから物語が始まり、彼女が復活していく、そういう伸びしろを表現できる人じゃないかなと思いました。
 演出の大根仁監督は、人物を立体的に撮ることにすごくたけていらっしゃる。それぞれのキャラクターの存在感や格闘という物語の一番の見せどころを撮っていただくのに理想的だなと思って、佐野さんと2人でお願いにいきました。


 ―舞台をテレビ局にした理由は。

 具体的な理由で、映像にしたときに面白い。それから佐野さんがテレビ局の人なので、中の空気や、どういう会話が繰り広げられているのか、リアリティーを圧倒的に持ちやすい。佐野さんは立場的にしんどくなるかもしれず、申し訳ないけれど、テレビ局がいいよね、と。
 そもそも佐野さんとの打ち合わせの8割が会社の愚痴で(笑)。私自身もテレビ局は知らない場所ではないので、他局の人からも色々聞いていました。テレビ局で仕事をするということは、ルーティーンの力がすごく強いんだろうなとなんとなく感じていて、どうしても日々の仕事に飲み込まれていくところがあるんだと思うんです。
 それは個人の力でどうしようも止められない。ルーティーン、システムの力がすごく強くなったときに、いろんなことが飲み込まれていってしまうんだな、と。ドラマでそういうところもたくさん出てきます。

     (渡辺あやさん。仕事場の玄関。入った正面に茶室がある)


 ―ドラマへの期待が高まります。

 私たちはつい守ろうとするけれど、壊れた方がいいこともある。突破するとか壊すとかはすごく怖いことで、安全な時代を生きる私たちはそういうことに慣れていないけれど、壊れた先にもっといいものが生まれてくる可能性がある。それをドラマで体感してもらえたらいいなと思います。


 ―島根県で暮らしていらっしゃいます。古民家をリノベーションした仕事場は、大きな窓から日が差し込み、お茶室もあり、世間とは違う時間が流れているようですね。

 お客さんが東京からお見えになる時に喫茶店で話を聞くのが申し訳なく、お迎えできる場所が欲しいなと思って。午前中に自宅で家事を済ませて、午後から仕事場に来ます。6年前に仕事場を構えるまでは自宅のダイニングやカフェで脚本を書いていました。


 ―佐野プロデューサーや大根監督には「東京で脚本を読むだけでは分からないことが、ここに来ると理解できる」と言われるそうですね。

 想像するに、私たちが生きている世界、宇宙は非常に多層で多様であるということの理解が、東京にいるとなかなか難しいらしい。
 私の作品は非常にシリアスなシーンのはずなのに、ふざけていたり、面白いことが起こったりする。それがどうも台本だけ読むと「不届き」である感じになるみたいなのです。こんな人がこんな態度を取るのは許されるのか、と。
 私は、現実に起こった出来事が、ある人にとっては非常にシリアスかもしれないけれど、ある人にとってはすごく面白い出来事という多層性を描けるのがドラマや映画の醍醐味だと思って書くのですが、「この人、これおかしくないですか」とかいろいろツッコミが入って、どう説明したらいいか分からないそうなのです。


 ―島根に来ると、そのツッコミから解放されるのでしょうか?

 映画「逆光」(2021年)を一緒に作った(主演俳優で監督の)須藤蓮くんがすごくいいことを言っていました。「成長するというのは、今の自分じゃないもっといい自分になることだとイメージしていたけれど、本来の自分にかえっていくことなのだ」と。
 言い得て妙だと思うのです。年を取るごとに私たちは、自分にとって有益じゃない人の言葉とかをどんどん自分に取り込んで、本当は全然欲しくないのにほかの人が「これを持っていたらいいよ」というものを追い求めてしまったりしてしまう。
 私でさえ、たまに東京に行くと、人と話すうちにいろんな価値観が自分の中に入ってきて、「賞を狙わなければいけないのか?」と思ってきたりする。
 別にいらないわけですよ。私は自分が作りたいものを作って楽しめたらいいので。賞狙いでこんなことやらなきゃとか、いらん努力なのです。
 でも、ついフラッとしてしまう。視聴率とかね。いろんな評価軸みたいなのにソワソワしている人たちを見ると、自分も頑張らなきゃいけないのかなって巻き込まれてしまう。
 ありがたいことに、物理的にそこから距離を置ける環境に暮らしているので、ここでお迎えして話す時はそういうものに揺らされていない。その私と話していると、「そうだ、これでいいんだ」と思ってくれるのかもしれない。上からいろいろ言われたりして、本来自分がやりたいことをやっちゃいけないとか、まじめな人ほど苦しむ。たぶんギュウギュウに自分の中で葛藤が強くなり過ぎて、苦しいのだと思います。


 ―東京にいないからこそ書けるのですね。

 東京にいたら、たぶん私は何も書けないだろうと思います。楽しいことがたくさんあって、情報を処理するだけで1日が終わるだろうなと。
 普段あまり積極的に何か情報を得ようと頑張らなくて、いろんな人が一緒に仕事をしたいと会いに来てくださって、その方の愚痴とか悩みとか、ワッと相談されたのをフンフン聞いていると、そこに膨大な情報量がある。そこで社会的な問題とかフェミニズムとかが見えてくる。

 人からですね。それが一番面白いです。

     (渡辺あやさん=東京都千代田区で)

 ―島根の暮らしが脚本に影響している部分はありますか。

 ひとことでは言いにくいですが、コミュニティーにいろんな年齢層の人がいる。東京の人と話していると、同世代の人がたくさんいるので、問題意識を共有しやすい人たちと付き合っている感じがします。問題意識の持ち方が私とは違うなと思いますね。
 島根の暮らしは、自分の生活の中におばあちゃんから子どもまでが常に登場して、私の年齢的な悩みとか自分の世代の悩みに意識があまりフォーカスされない。もっと全体で見る。そこに大きな違いがある気がします。
 高齢化も進んで年がら年中お葬式をやっているし、そうすると、人間の一生なんてあっという間だな、と感じます。私たちが仕事をする、ものを作るなんてことをしていられるのは人生の中の本当にあっという間なので、もう残り時間が全然ないのになぜ原作モノをやるのよ、みたいな感じになるのです。「もったいなくないか?」と。


1匹だけ反対向きに泳ぐ魚

 ―どんな子どもだったのでしょうか? 脚本家としての素養がどこで磨かれたのか知りたいです。

 どうでしょうね。人より感じやすくていろんなことに対して弱いのですが、でも、学校は楽しんで行っていました。人間関係とかが面白いなぁ、輝いているなぁと思って見ている感じ。人前で発言することは全然なくて、今もすごく苦手です。ほかの人が言っていることのほうが面白くて、自分の意見は言いたくない。
 あとは親戚が多くて、親戚が集まった時に誰がどういう振る舞いをするのか、おばあちゃんというのは何もしなくてもそこにいてくれるだけでみんなが幸せな気持ちになれるシンボルだなぁ、と思ったりとか。人間の位置関係とか関係性を見るのは、そういう生い立ちから育まれたのかもしれません。
 ドラマとか映画とかを熱心に見るほうではなかった。本は好きでしたね。三島由紀夫がすごく好きでしたし、村上龍や村上春樹、山田詠美、遠藤周作、田辺聖子さんも好きでした。文豪の作品を読み過ぎて、物心ついた時には自分にはそんな才能ないよな、と思っていました。作文は褒められましたが小学生までで、中学、高校では機会もなかったですし。


 ―学級委員になったりはしなかったのですか。

 ないですね。イワシなど魚の群れの中に1匹とか2匹とか、反対向きに泳ぐ魚がいますよね。ああいう性質があるみたいで、自分のやりたいことをやりたがる。常識で言われていることに対して、いちいちカチンとなるところはあったと思います。


 ―学校の制服に反対するとか?

 制服のことなどはみんなが反対しているからいいのです。もっと小さなこと、個人の自由とか。何かポイントがあるのですよね。
 高校生の頃に、男の子がすぐ「ブス」という言葉を使うとか、そういうのが許せないと、一人でプンプンしたりしていました。自分しか反抗する人がいないなというものを見つけると、「キッ」となる。みんなに見過ごされている、何か理不尽な、個人の自由とか尊厳を奪うものにすごく一人で怒っている感じ。


 ―キャリアを振り返ると、代表作と言われるのはNHK連続テレビ小説「カーネーション」(2011~12年)ですね。

 まぁ長い仕事だったな、と(笑)。どの作品もすごく大事で、ある時期本当に、情をかけた子どもみたいなものなので、優劣はないですね。
 ただ、(阪神大震災15年特集ドラマ)NHK「その街のこども」(10年)は、現実に起こった出来事を初めて書いた作品でした。私自身は被災していないですけれど、出身が兵庫県西宮市なので、どういう体験だったかを知っていて、それをドラマにすることはすごくハードルが高かった。
 依頼がきた瞬間に「うわっ」と思って、すごくやりたくなかったのですけれど、作家として、これは逃げてはいけないなと思って。あの経験があったから「カーネーション」で戦争を書くことができた気がします。


 ―現実に起きたことを書く大変さとは。

 やっぱり表現って本当に傲慢で残酷なこと、人を傷つけない表現はないと思うのですよね。

 いや、あるのですけれど、何も言っていない。今日はいい天気ですね、とか、何も意味がない表現は誰も傷つけないけれど、誰にも聞いてもらえないというか、毒にも薬にもならない。多少なりとも何か表現と呼ぶにふさわしいことをやろうとすると、誰かが傷つくことも同時に引き受けなきゃいけないと思うのです。実際に起きたこと、悲劇的なことであるとか、ある人にとっては非常につらい記憶を書くのって、相当の覚悟がいる。


 ―どう乗り越えましたか。

 引き受けることですね。誰かを傷つけるんだって。それでもやるんだって思うしかない。


 ―映画「逆光」は広島・尾道を舞台に、先輩に恋心を抱く男子大学生の苦しいひと夏の恋物語。監督・主演は「ワンダーウォール」で主演した須藤蓮さんで、渡辺さんは脚本だけでなく、制作・配給・宣伝にも挑戦されましたね。

 「ワンダーウォール」の劇場版に向けて有志で準備をしていた時に彼もいて、ある時「脚本を読んでほしい」と超駄作を送りつけてきました。
 「素人の遊びに付き合っている暇はありません」と鬼みたいに一掃して、だいたいみんな、私の厳しさに触れると去っていくのですけれど、逃げずにもう一度書いてきた。それもまたひどいから、「ふざけるな」みたいな感じで繰り返して、ある時から「この人は本当にもの作りがやりたいのだな」と分かった。何回も私が直しているうちに、曲がりなりにも1作品、脚本ができた。

     (映画「逆光」(©『逆光』FILM ))

 「さぁやるぞ」と準備していたのに、新型コロナウイルスでとんでしまいました。私も仕事が止まり、ポカッと時間が空いて、みなさんもそうだと思いますが、元気がなくなってしまった。
 そこで、ものを作るのが一番元気になれるなと思って、暇だし、最小単位で、私と自主映画監督志望の彼と、遊びで始めようと。頓挫したら頓挫した時と、2人でロケハンしたりシナリオを書いたりとかしているうちにうまくいってしまった、という感じです。


 ―東京ではなく地方で封切られました。

 東京で公開して、ある程度集客して、それを手がかりに各地方の劇場にトリクルダウン、というのが映画業界の法則のように信じられていて、だから地方にはポスターとチラシをポッと送って「適当にやってください」としかならない。
 本当に地方は文化的に栄えないのか、可能性は眠っていないのか、自分たちの目で確かめようと思いました。
 そうしたら、各都市にやりたいと思っている人たちがたくさんいた。そのうちの1人は、昔、映画の宣伝を私と一緒にやった女性で、結婚を機に岐阜県にいって15年くらい専業主婦をしていた。子どもも大きくなって、大好きだった映画の宣伝をまたやりたいと思っていたところにたまたま私に連絡をくれて、一緒にやりましょう、と。そこからの開花っぷりがすごくて、自分で名刺を作り、各劇場や媒体とつながり始めました。


 ―誰かが元気になる話は、聞いている側も元気になります。

 その人たちがキラキラ輝き始めると、周りの人たちもうれしいのです。
 やりたいことを突き詰める須藤くんが希望の星に見えたみたいで、彼を慕う若い子たちも出てきました。就職活動をやめてしまった子も。何年か前までは就職活動をしないなんてあり得ないという感じだったけれど、特にコロナ以降、むしろそっちが当たり前みたいな変化を感じます。不登校の子も増えていますし。
 個人が元気でいられるとか、楽しく生きていられるということって、これまで問題にされずに世の中が回ってきたけれど、あんまり意味ないなと社会全体が気付いてきた。一人一人も、どうやったら自分がちゃんと楽しく元気に日々を送れるかと考え出した。持つべき問題意識をやっと持てているのではないでしょうか。

     (渡辺あやさん=東京都千代田区で)


 ―映像業界も元気にしたい、と。

 今、業界の中に、作る喜びみたいなものがどんどん枯れているなという実感があって。本来であれば、ものを作るとかドラマを作ることは面白さや楽しさがあって、それでこそ人はやっていけるし、業界も盛り上がるし、文化が活気づく。楽しさは見る人に伝わる。
 それなのに楽しそうじゃないとか、自分たちが作りたいものを作れていないとか、大問題だなと思う。一人でもいいから作る喜びみたいなことを体感してほしい、実感してほしい。
 一つでも経験としてきちんと記憶になったら、次の仕事をする時に、それがやるべき仕事かどうか判断できるようになる。楽しくない時に「これは何かがおかしいな」と気づけるセンサーになり得る。
 この仕事をしてきて、たくさん迷ってきたし失敗もしてきて、何が失敗の原因だったのだろうと検証してみると、楽しさをしっかり共有できていなかったとか、何か不純なものが混じっていた。せっかく20年のキャリアがあるので、迷っている若い人に、自分がやれることがいっぱいあるな、と。縁をもらって、やれる相手がいるのであれば、全力でそれをやろうと思っています。

【関連記事】冤罪事件から着想 ドラマ「エルピス」で脚本 渡辺あやさん(脚本家)表現の幅、狭めない
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コメント
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●《権力の横暴とそれに従属するマスコミの報道姿勢への問題意識を燃料に書いてきた──。脚本家がそう明言するドラマが、地上波で放送…》

2022年11月09日 00時00分25秒 | Weblog

(2022年11月08日[火])
長澤まさみさん主演のフジテレビ系ドラマ『エルピス─希望、あるいは災い─』(制作・関西テレビ)……色々と凄い。第一話で、「なんで冤罪事件?」というのがずっと分からずに引き込まれた。色々な意味での《マスコミの報道姿勢への問題意識》がひしひしと伝わってくる。

   『●布川冤罪事件…《合計二〇人の裁判官が揃いも揃って、冤罪を見過ごし、
        検察の嘘を素通りさせた。彼らこそ裁かれるべきかもしれない》
   『●斉加尚代監督『教育と愛国』:《教育への政治支配が続けば、日本の
     学校は…政府プロパガンダを信じ込ませる場に堕す》(前川喜平さん)
   『●『教育と愛国』《危うさに気づいた…。監督で毎日放送の斉加尚代さんは、
         ゆがむ教育現場のリアルを伝え「教科書は誰のものか」を問う》
   『●《地元テレビはヒレ伏しヨイショの連続》…一方、ある記者は
     《「こんな状態でも、ひるんじゃダメよ」――。橋下市長より大人だ》った
   『●『教育と愛国』《教科書は誰のものか》…「そんなふうに、教科書
     検定だけではなく学校の現場に、有形無形の圧力が押し寄せている」
   『●『教育と愛国』…《教科書採択に「政治家がタッチしてはいけない…」
     …政治家はタッチしないのが当たり前なのだ》を理解できないアベ様
   『●斉加尚代監督『教育と愛国』…JCJ賞《選考委員から「ジャーナリストが
       決意を固めて取り組めばこれだけの作品ができることを示した」》
   『●金聖雄監督《冤罪被害という絶望的なテーマの中で、私が映画を作り
     ながら希望を見出していくと言う不思議な感覚を、ぜひ映画を観る…》

 リテラの記事【長澤まさみ主演『エルピス』はなぜ安倍元首相の映像を使って権力とテレビの欺瞞を描いたのか? 脚本家・渡辺あやが抱いていた危機感】(https://lite-ra.com/2022/11/post-6242.html)によると、《10月24日にスタートした長澤まさみ主演のフジテレビ系ドラマ『エルピス─希望、あるいは災い─』(制作・関西テレビ)が、話題を呼んでいる。というのも、10月31日放送の第2話で、なんと安倍晋三・元首相の「アンダーコントロール発言の映像が批判的に使用されたからだ。『エルピス』は、民放キー局・大洋テレビを舞台にし、スキャンダルによって報道番組のサブキャスターを降板させられたアナウンサーの浅川恵那(長澤まさみ)が10代女性の連続殺害事件の冤罪疑惑を追う……という“社会派エンターテインメント”作品。本作の脚本を手掛けるのは、第49回ギャラクシー賞テレビ部門大賞を受賞したNHKの連続テレビ小説『カーネーション』や、映画『ジョゼと虎と魚たち』などで知られる脚本家・渡辺あや氏で、監督は『モテキ』『SUNNY 強い気持ち・強い愛』をはじめとする映画作品やテレビドラマを手掛けてきた大根仁氏。プロデューサーはドラマファンから評価が高い『カルテット』(TBS)や『大豆田とわ子と三人の元夫』(関西テレビ・フジテレビ)の佐野亜裕美氏が務めるとあり、放送前から注目を集めていた》。

   『●「原発推進」という結論ありきのパフォーマンス
   『●放射能汚染で「太平洋は終わり」との声が出るほどの
              重大事故だというのに、この国は……
   『●世界に向けて「汚染水漏えい問題はない」と言い切ってしまったょ……
   『●金(カネ)色の五つの輪…《問題点を検証できる新聞のような
           メディアが軒並みスポンサーに入ってしまっては…》
   『●《安倍晋三首相は…「まったく問題はない。汚染水の影響は、
             港湾内で完全にブロックされている」と強調した》
   『●「アンダーコントロール」な訳がない…そもそもウソにウソを
      重ねて、金(カネ)色の五つの輪をニッポン誘致しておいて
   『●三浦英之記者の質問「今でも『アンダーコントロール』だとお考えで
     しょうか」? アベ様のお答え「…その中で正確な発信をした…」!?
   『●《アンダーコントロール》演出でアベ様らがCOVID19人災という
     「火事場」を作り、電通やパソナが《中抜きで大儲け》な「泥棒」を働く…
   『●《日本のメディアの閉塞状況》《閉塞するメディア、政権批判に
                   対して圧力がかかる不健全な言論状況》…
    「リテラの二つの記事【横田一「ニッポン抑圧と腐敗の現場」57/
     政権の圧力を押し返した韓国のテレビ記者と、吉田調書報道を「誤報」
     にされた元朝日新聞記者が語った“日韓ジャーナリズムの差”】…
     《ドキュメンタリー映画『共犯者たち』(2017年製作)が上映され、
     「日本の『共犯者たち』は誰だ? 権力と『マスコミ』」と題された
     シンポジウムが開かれた…一方、日本のメディアの閉塞状況を語った
     のは、福島第一原発の吉田昌郎所長(当時)の調書報道を手がけた
     元朝日新聞記者の木村英昭氏、渡辺周氏の2人だった。ちなみに、
     渡辺氏はこの上映会・シンポジウムを主催したジャーナリズムNGO
     「ワセダクロニクル」の編集長でもある》」

   『●➀《吉田調書…取り消しという虚報扱い…メディアとジャーナリズムの
     将来に禍根》(青木理さん)…アベ様による「報道統制」が可能になった今

 カネ色の五つの輪一つとっても……核発電人災の原子力緊急事態宣言下でウラアリなオ・モ・テ・ナ・シだの、アンダーコントロールだの、果ては、復興五輪だのと嘯き、COVID19緊急事態事態宣言下でも《コロナに打ち勝った証》として五輪貴族やその取り巻きによる〝バカの祭典〟〝パソナ五輪〟を強行。一体どんな国?? 《スガさんの生命維持装置》としてのバカの祭典パソナ五輪スガ政権の祭典を強行する無為無策無能な政権。
 《メディアコントロール》から抜け出せなかった9年近くのアベ様・カースーオジサンの強権。さて、キシダメ首相の政権下ではどうだろうか? 《安倍政権の嘘を垂れ流し続けたメディアの責任・共犯関係に踏み込む『エルピス』》、《そのテレビをはじめとするマスコミの東京五輪における欺瞞性を真っ向から指摘》。

 ツイッターでつぶやくと、少なからぬ罵声を頂く飯塚事件も想起しました。『エルピス』では、警察による〝酷い〟取り調べで、自白が強要されています。死刑執行されてしまった久間三千年さんは自白さえなく、一貫して、無実を主張されていました。マスコミの報道も酷ければ、検察や裁判所も酷い。久間さんの死刑執行は、足利事件の再鑑定決定直後です。足利事件で誤鑑定であることが分かった時には、既に、久間さんの死刑が執行されていました。久間さんが死刑執行に値すると主張されても結構ですが、足利事件の再鑑定決定直後の2008年10月28日に執行するのはあまりに酷すぎないか。証拠の保全もデタラメ。せめて、2009年4月20日まで執行を猶予して、一体何の問題があったのだろうか?

   『●贖罪:足利事件再鑑定から12日後の2008年10月28日朝、
                飯塚事件久間三千年元死刑囚の死刑が執行

    「2008年10月16日 足利事件 再鑑定へ
     2008年10月28日 飯塚事件 死刑執行
     2009年 4月20日 足利事件 再鑑定で一致せず
     ……そう、足利事件で誤鑑定であることが分かった時には、既に、
     久間さんの死刑が執行されていた。2008年10月16日
     DNA型鑑定に疑問が生じた時点で、死刑執行は停止されておくべき
     だったのに…。なぜ、急いで死刑執行したのか?、大変に大きな疑問である」

   『●NNNドキュメント’13: 
      『死刑執行は正しかったのか 飯塚事件 “切りとられた証拠”』
   『●(FBS)【シリーズ『飯塚事件』検証】…《死刑執行は正しかった
     のか》? 罪なき人・久間三千年さんに対しての《国家による殺人》!
   『●NNNドキュメント【死刑執行は正しかったのかⅢ ~飯塚事件・真犯人
      の影~】…《死刑冤罪の闇を12年間追跡し続けたドキュメンタリー》

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https://lite-ra.com/2022/11/post-6242.html

長澤まさみ主演『エルピス』はなぜ安倍元首相の映像を使って権力とテレビの欺瞞を描いたのか? 脚本家・渡辺あやが抱いていた危機感
2022.11.06 07:30

     (番組HPより)

 10月24日にスタートした長澤まさみ主演のフジテレビ系ドラマ『エルピス─希望、あるいは災い─』(制作・関西テレビ)が、話題を呼んでいる。

 というのも、10月31日放送の第2話で、なんと安倍晋三・元首相の「アンダーコントロール発言の映像が批判的に使用されたからだ。

 『エルピス』は、民放キー局・大洋テレビを舞台にし、スキャンダルによって報道番組のサブキャスターを降板させられたアナウンサーの浅川恵那(長澤まさみ)が10代女性の連続殺害事件の冤罪疑惑を追う……という“社会派エンターテインメント”作品。本作の脚本を手掛けるのは、第49回ギャラクシー賞テレビ部門大賞を受賞したNHKの連続テレビ小説『カーネーション』や、映画『ジョゼと虎と魚たち』などで知られる脚本家・渡辺あや氏で、監督は『モテキ』『SUNNY 強い気持ち・強い愛』をはじめとする映画作品やテレビドラマを手掛けてきた大根仁氏。プロデューサーはドラマファンから評価が高い『カルテット』(TBS)や『大豆田とわ子と三人の元夫』(関西テレビ・フジテレビ)の佐野亜裕美氏が務めるとあり、放送前から注目を集めていた。

 そして、ドラマ放送開始から、さっそく視聴者をざわつかせる台詞が飛び出した。第1話では、明らかに麻生太郎を模した副総理・大門雄二(山路和弘)がニュース番組に出演するため大洋テレビを訪れるのだが、「今日、何聞かれんだ?」と尋ねる大門副総理に対し、政治部官邸キャップの記者・斎藤正一(鈴木亮平)は「森友、止めてますので」と応答するのだ。

 ほんのわずかなシーンであったものの、地上波のドラマのなかで突然ぶち込まれた森友という実名。しかし、第2話ではさらに衝撃的な展開が待っていた。

 それは、長澤まさみ演じる主人公の浅川が、冤罪を訴えている松本良夫死刑囚(片岡正二郎)の担当弁護士・木村卓(六角精児)を訪ねたシーン。かつて浅川がサブキャスターを務めていた報道番組について話題が及ぶと、浅川は“信頼されるキャスターになりたかったが、そんな夢は一生叶えられないのだと知った”と言い、当時をこのように振り返りはじめる。

「サブキャスターになったのは2010年でした。その4月から降板するまでの6年間、自分があたかも真実のように伝えたことのなかに、本当の真実がどれほどあったのかと思うと……。苦しくて、苦しくて、息が詰まりそうになります。私にはいま、バチが当たっているのだと思います」

 この台詞のあと、浅川がサブキャスターを務めていた報道番組の回想が差し込まれるのだが、その中身はなんと、実際に政権とメディアが一体になって“嘘”を垂れ流したシーンの再現だったのだ

 まず、映し出されたのは、福島第一原発事故が起きた直後のスタジオ。浅川が「爆破弁というものを使い内圧を下げる作業ということですが、危険性はどうなのですか」と問うと、解説者は「いちばん最悪なことは格納庫が破壊されることなので、それを防げたという意味では成功したんだと思います。問題ありません」と語る。そう、1号機が爆発した際にメディアで繰り広げられた“安全神話”に基づく大嘘の解説が再現されたのだ。

 だが、もっとすごかったのは、このあとだった。画面が切り変わると、突然、安倍晋三・元首相の本物の映像が流れたのである。映像は、東日本大震災から2年後、IOC総会で安倍首相が東京への五輪招致をプレゼンしたときのもので、原発事故の影響について安倍首相が例の「the situation is under control.」と言い放ったシーンがそのまま、音声付きで流された。

 そして、安倍元首相のVTRを受けて、長澤まさみ扮する浅川が「安倍総理大臣は、福島第一原発の汚染水問題に懸念が出ていることについて、『状況はコントロールされており、東京に決してダメージは与えない』と述べ……」と、ニュースを読み上げた。


■安倍政権の嘘を垂れ流し続けたメディアの責任・共犯関係に踏み込む『エルピス』

 まさか、本物の安倍元首相が登場する実際のニュース映像を使い、あの「アンダーコントロール」発言を取り上げるとは……。繰り返すが、このシーンは「あたかも真実のように伝えたことのなかに、本当の真実がどれほどあったのかと自責の念に苛まれたキャスターの台詞のあとにつづくものだ。つまり、嘘を伝えたのではないかと問う場面で、安倍元首相の映像が使用されたのである

 脚本の渡辺氏といえば、前述したNHK朝ドラ『カーネーション』でも、先の戦争における日本の加害性に言及。また、近作でも、NHKで放送された連続ドラマ『今ここにある危機とぼくの好感度について』では、安倍・菅政権下で起こった数々の事件を想起させるエピソードを織り交ぜながら、権力者に対する忖度や蔓延る隠蔽体質をコメディとして風刺した。だが、本物の権力者の映像まで使って、現実の問題に踏み込んだ作品は、日本のドラマでははじめてと言っていいだろう。

 だが、『エルピス』に驚かされたのは、安倍首相の実際の映像を使って、その言動を批判的に描いたことだけではない。『エルピス』は民放テレビ局が制作・放送するドラマであるにもかかわらず、そのテレビをはじめとするマスコミの東京五輪における欺瞞性を真っ向から指摘していた。

 前述した主人公・浅川の回想シーンでは、安倍元首相の「アンダーコントロール」発言のあと、東京五輪の開催決定のシーンへと移る。そこでは、浅川が福島から中継をおこない、子どもたちに囲まれながら、満面の笑みを浮かべて「震災復興へのさらなる弾みとなると人々も大きな期待を寄せています。みんな、オリンピック決まって良かったね!」とレポートする姿が映し出された。

 いまさら説明するまでもないが、五輪の実態は「復興のため」などという美辞麗句とはかけ離れたものだった。予算は招致時の2倍にも膨らみ、被災地は完全に置き去りにされたまま。巨額の公金がつぎ込まれたにもかかわらず、政治家やJOC幹部、巨大広告代理店だけが利益を独占する構造がつくられ、あげくは、汚職事件で逮捕者が続出する事態となった。

 しかし、この嘘と不正にまみれた国家的イベントについては、マスコミ、テレビもまた、共犯者であることを、『エルピス』はきちんと表現したのだ。

 しかも、これはこの回のこのシークエンスでだけ、たまたま描かれたものではない。物語はまだ序章に過ぎないが、ドラマのメインテーマは国家権力の犯罪である「冤罪」であり、権力の横暴それに加担するマスコミの問題の責任を追及する姿勢が、ドラマ全体に貫かれている

 忖度体質が蔓延る日本のテレビ局でこんな骨太のドラマをつくり、放送することができていることにあらためて驚かされるが、その原動力となっているのは、脚本家・渡辺あや氏とプロデューサー・佐野亜裕美氏の強い危機感だ。

 『エルピス』放送開始にあわせて、雑誌のWeb媒体に掲載された渡辺氏の複数のインタビューを読むと、そのことがよくわかる。


■安倍政権下のメディア支配、言論の萎縮…脚本家渡辺あやが抱いた危機感と恐怖

 渡辺氏とプロデューサーの佐野氏の間で、『エルピス』の企画がスタートしたのは2016年。渡辺氏は当時のことを「ちょうど安倍政権の絶頂期みたいなときですよね」と語り、こうつづけている。

「当時、政権与党の批判が言えなくなっている萎縮した空気を感じていました。昔は、総理大臣や政治家の悪口なんてみんな平気で言っていたし、新聞にもそういう風刺漫画が普通に載っていたじゃないですか。それがこの10年くらいで、誰も言わないというか言っちゃいけないような風潮になって、それがものすごく怖かったんです」(現代ビジネス10月24日付)

 たしかに、安倍政権下での言論の萎縮は異常というしかないものだった。メディア、とくにテレビは、政権のスキャンダルや不正追及はもちろん、政策批判さえもできない状況に陥っていった。渡辺氏はある時期からこうした状況に対して強い危機感を抱くようになったのだという。

「お恥ずかしい話ですが、もともと私は政治にまったく興味がなくて、ほとんど選挙にも行かないようないわゆる“意識の低い”人だったんです。だけど、2013年に特定秘密保護法が強行採決によって成立した頃から、そんな私ですらさすがにおかしいと思うようなことが増えてきて……。
 それなのに、メディアがそれを全然報道しないことが気になっていました。テレビ局の方とドラマの企画開発をしていても、どうやら表現にいろいろな規制がかかっていて、現場が萎縮しているようだ……そんな空気をヒシヒシと感じたんです」(前出・現代ビジネス)

「それまで私はまったく政治に興味を持たずにいた人間ですが、権力側の暴走や表現・言論の自由の萎縮から生まれる“危機感”を抱きました。その頃は周りも政権に対して怖がっているムードがあり、マスコミも政府が明言したことしか報じない。これはさすがになにかおかしいと思いました」(CREA WEB10月23日付)

 まさに、権力のメディア支配、言論の自由の萎縮に対する恐怖が渡辺氏を突き動かしたのだ。そして、それはタッグを組んだ佐野プロデューサーも同様だった。

 渡辺氏は2人のこうした意識が作品づくりに反映されていたことを前出のCREA WEBのインタビューではっきり認めている。

「たぶん私と佐野さんが出会ったときからずっと抱えていた共通の問題意識は、権力の横暴とそれに従属するばかりのマスコミの報道姿勢のあり方なんですよね。それを燃料にして今回の脚本は書いてきたので」(前出・CREA WEB)


■各局に拒否された『エルピス』 このまま最終回まで無事放送できるのか?

 権力の横暴とそれに従属するマスコミの報道姿勢への問題意識を燃料に書いてきた──。脚本家がそう明言するドラマが、地上波で放送されていることに喝采を送りたくなるが、しかし、『エルピス』はまさにその「権力に従属する」マスコミの体質によって、“お蔵入り”になる寸前だった

 2016年当時、佐野氏はまだTBS所属のプロデューサーで、当然、TBSに『エルピス』の企画を持ちこむのだが、TBSでは、リスクが高いと却下されてしまったのである。佐野氏は、なんとか実現しようと他局にも企画持ち込んだが、これもすべて断られていた

 渡辺氏はインタビューでその理由についても、こう分析している。

「なぜこのドラマの内容にテレビ局が難色を示したかというと、マスメディアが犯罪などの事件や出来事に対して、誤報や、事実と確認されていないことを報道したらどういうことが起こるのかということが赤裸々に描かれているからだと思うんですよ。さらにはどこからどういう横やりが入るのか、報道がどのようにひるむのか、真実がどう闇に葬られていくのかということも」(前出・CREA WEB)

 そう、『エルピス』の内容がテレビの実態を暴き出していたからこそ、テレビ局はこれをドラマ化することを拒否したのだ。しかも、佐野氏はTBSのドラマ担当から外され、一時は絶望的な状況になっていた。

 しかし、佐野氏はあきらめず、2020年にTBSから大阪の準キー局である関西テレビに転職。同局で坂元裕二氏脚本の『大豆田とわ子と三人の元夫』を制作する一方、『エルピス』のドラマ化をかけあい、着想から6年後、ようやく実現にこぎつけたのである。

 関西テレビは、安倍政権と一体化していた御用テレビ最右翼のフジテレビ系列であるために、意外に思われる向きがあるかもしれないが、同局は、ネットワークとしてはフジ系列であるものの、フジサンケイグループには属しておらず、フジテレビほど、自民党との距離は近くない。とくに、ドラマ制作の部門には比較的リベラルな空気があり、作家性を尊重する姿勢も持っていることで知られている。

 しかし、だとしても、『エルピス』が制作・放送できたのは、渡辺氏もインタビューで「これはもう関西テレビさんのうっかりとしか言いようがないですね(笑)」と冗談を飛ばしていたように、たまたま幸運が重なっただけにすぎない。

 マスコミ、テレビの権力忖度体質はまったく変わっておらず、今後、これまで黙っていたフジテレビや関テレの政治部が途中で『エルピス』の内容に横槍を入れてくる可能性も十分ある。もっといえば関西圏が地盤でマスコミへの圧力体質を持つ世耕弘成・自民党参院幹事長あたりが関テレに圧力をかけてくる可能性もゼロではないだろう。

 渡辺氏もインタビューで、「私は、まだなんかあるんじゃないかと半信半疑でいますが」と語っていたが(前出・現代ビジネス)、これは冗談ではないだろう。

 実際、渡辺氏がここまでさまざまなインタビューに登場して、作品に込めた意図や経緯をはっきり明らかにしているのも、圧力や途中で内容を捻じ曲げてくるような動きに対して、何かあったらいつでも情報を公開するぞと牽制する意味合いもあるのではないか。

 第3話は明日11月7日に放送されるが、挑戦的でかつ完成度の高いこのドラマを無事に完結させるためにも、そして、テレビの状況が改善されて『エルピス』の後につづく作品が生まれてくるためにも、一人でも多くの人にこの作品を見てほしい。

(編集部)
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●戦争法の廃止を! 《火事場ドロボー》どもが有事を煽り、子や孫を戦場に…《台湾有事をだしに防衛費増強のための増税とは》ねぇ…

2022年10月06日 00時00分39秒 | Weblog

(2022年09月23日[金])
火事場ドロボー》どもが有事を煽る醜悪さ。決して戦場に行くことはなく、市民の子や孫を戦場に送る…。戦争法を廃止し、《戦争絶滅受合法案》をまずは、制定して下さい。(政界地獄耳)《戦争にならないようにありとあらゆる外交的努力を試み》ることなど決してない自公政権や自公お維コミの議員ら。
 日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/台湾有事をだしに防衛費増強のための増税とは】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202209200000111.html)によると、《台湾有事をだしに使い、沖縄県民を戦争が起こると脅かして知事選で自民党候補の惨敗を引きおこしてまで防衛費の増強のため増税をするということが優先の政策など聞いたことがない》。

   『●玉城デニー沖縄県知事の再選の一方で、自公政権はまだ「辺野古移設が
      唯一の解決策」と嘯く…《民主主義や…地方自治の原則》はどこに?

 《15年に国会前に押し寄せた人々に共通していたのは『戦争する国にならないでほしい』との願いだ》。
 大野暢子市川千晴両記者による、東京新聞の記事【「あの時示された民意忘れるな」 安保法成立7年 国会前デモの歴史的意義は 中野晃一上智大教授に聞く】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/203416)によると、《集団的自衛権の行使容認を柱とした安全保障関連法の成立から、19日で7年。当時の国会前には、多い時で約12万人(主催者発表)が抗議デモに集まり、若者や学者、母親など多様な人々が立場を超え、反対の意思を政権に突きつけた。当時のデモの盛り上がりは、日本の社会に何を残したのか。市民の動きを野党の連携につなげる役割を果たした「市民連合」の中野晃一上智大教授(政治学)に聞いた。(大野暢子)》。

   『●立派な「戦争法案」!: 後方支援=兵站「武力行使と
      一体不可分の中心構成要素」、「リッパな戦闘行為」
    「女性議員には「早く質問しろよ」!、と言えても、志位氏には
     それを言う勇気もないヘタレなアベ様。福島瑞穂さんの「戦争法案」
     にはレッテル貼りと言えても、志位氏には何も言えない情けなさ。」

   『●自衛隊員の「息子に迷惑をかけぬよう、
    「縁を切った」上で」、戦争法案に反対する平和子さん
   『●要《戦争絶滅受合法案》!: 憲法9条第2項抹殺…
       戦争したくてしょうがないアベ様ら自公与党議員達
   『●壊憲:「国民を置き去りにした状態で法秩序の連続性を
         破壊する行為を、法学的には「クーデター」と呼ぶ」
   『●《歴代内閣が「憲法上許されない」としてきた「集団的自衛権の
            行使」を可能とする》違憲な戦争法の成立から4年
    「《法学的には「クーデター」と呼ぶ》…
     (2015年09月19日 00時00分08秒 | ブログ)
     「「憲法の制定権は主権者である国民に」、その「国民を置き去りに
     した状態で法秩序の連続性を破壊する行為を、法学的には
     「クーデター」と呼ぶ」。その第3幕を、参院特別委員会で
     目の当たりに。あれで「採決」? どこが「可決」??
     Mr.ワタミ渡辺美樹参院議員や(ツイッターでは、
     ヒゲの隊長ならぬ)ヒゲの組長佐藤正久参院議員が大活躍。
     サモシさを感じるね。国会の外が全く見えていない」」

   『●〝戦争法〟施行、5年も経ってしまった…《有事となれば真っ先に狙わ
      れるのは国境の島であり、米軍、自衛隊基地が集中する沖縄である》

 再度の引用。目取真俊さんのブログ【海鳴りの島から 沖縄・ヤンバルより…目取真俊/第4ゲート周辺の工事状況】(https://blog.goo.ne.jp/awamori777/e/fbc1e18849448e6c8672b3abdf08b1b3)によると、《米国のバイデン大統領が来日し、「台湾有事で軍事介入するとの発言を行い、中国を挑発している。あとから修正する発言がなされているが、中台危機を煽って東アジアに軍事的緊張を生み出し、日本や韓国に米国製の軍事兵器を大量に売り込もうという意図が透けて見える。自民党はGDP比2パーセントの防衛費拡大を打ち出しているが、増額分をどこから持ってくるというのか。貧困、未婚、少子化、新型コロナ、物価高……、庶民は生活苦で喘いでいるが、ロシアのウクライナ侵略と「台湾有事」で不安を煽り、軍事強化を進めようとしている。普天間基地は返還されないまま、辺野古新基地建設や辺野古弾薬庫の建て替えと新築、自衛隊の増強が進められている。これが沖縄の現実だ。この現実の流れに抗して沖縄人自身が行動しなければ、何度でも「捨て石」にされる》。

   『●目取真俊さん《中台危機を煽って東アジアに軍事的緊張を生み出し、
     や韓国に米国製の軍事兵器を大量に売り込もうという意図》がミエミエ

 戦争法の廃止を!
 琉球新報の【<社説>安保法成立から7年 違憲性に向き合い是正を】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1587399.html)によると、《憲法違反との指摘がある集団的自衛権行使を可能にした安全保障法制は19日で法案の可決、成立から7年となった。この間、自衛隊は他国の艦艇や航空機を守る「武器等防護」の対象を拡大。米軍との一体化も進む。集団的自衛権の発動が現実味を増すが、安保法制と憲法9条との整合性など、違憲の疑念に対して政府説明は十分ではない。反対の世論が多数の中で成立し、違憲訴訟が相次ぐ安保法制である。防衛費が過去最大となるなど軍備強化が加速度的に進む中、成立から7年となっても憲法違反の疑念は拭えず是正すべきだ》。

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https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202209200000111.html

コラム
政界地獄耳
2022年9月20日7時43分
台湾有事をだしに防衛費増強のための増税とは

あまりにも鈍感になってしまったことに、あらためて警鐘を鳴らしたい。8月31日、元首相で自民党副総裁・麻生太郎は横浜で開いた麻生派の勉強会で台湾有事を想定し「少なくとも沖縄、与那国島、与論島にしても、台湾でドンパチ始まるとなったら、それらの地域も戦闘区域外とは言い切れないほど、間違いなく、国内と同じ状況になる。戦争が起きる可能性は、十分に考えられる」と発言。この発言は大きく報道されなかったが、折しも沖縄県知事選挙目前で、沖縄県民の投票行動に大きな影響を与えたのではないか。

★本来なら、台湾海峡の波高しとちまたで言われているが、日本政府としては中国政府と米国政府に対して戦争にならないようにありとあらゆる外交的努力を試み、台湾政府にも冷静さを求める努力を惜しまない。だが、万が一の台湾有事には沖縄県民ら近隣地域の住民の生命と財産は日本政府が全力で守るから心配しないでほしいというべきではなかったか。もっともこの発言は、財務相が長かった麻生らしい物言いで、防衛費の財源に増税が必要になるという流れの露払いのつもりだったのだろう。案の定、与党税調では防衛費増額の財源として、法人税を軸に金融所得課税、たばこ税、相続税の増税を検討することが明らかになった。台湾有事をだしに使い、沖縄県民を戦争が起こると脅かして知事選で自民党候補の惨敗を引きおこしてまで防衛費の増強のため増税をするということが優先の政策など聞いたことがない

★18日、米バイデン大統領はCBCテレビのインタビューに応え、中国が台湾侵攻した場合、「もし実際に前例のない攻撃が行われれば、する」と米軍は台湾を防衛することを明言した。挑発合戦がいい方向に向かうことはない。(K)※敬称略
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/203416

「あの時示された民意忘れるな」 安保法成立7年 国会前デモの歴史的意義は 中野晃一上智大教授に聞く
2022年9月20日 06時00分

     (7年前の安全保障関連法案に反対する国会前デモを振り返り、
      その意義などについて話す上智大の中野晃一教授
      =東京都千代田区で)

 集団的自衛権の行使容認を柱とした安全保障関連法の成立から、19日で7年。当時の国会前には、多い時で約12万人(主催者発表)が抗議デモに集まり、若者や学者、母親など多様な人々が立場を超え、反対の意思を政権に突きつけた。当時のデモの盛り上がりは、日本の社会に何を残したのか。市民の動きを野党の連携につなげる役割を果たした「市民連合」の中野晃一上智大教授(政治学)に聞いた。(大野暢子


 —なぜ、あれほど多くの人が声を上げたのか。

 「政治家は、主権者である私たちの民意を代表するべき存在だ。それが、私たちのことを忘れて暴走を始めたため、主権者が公の場に出て『声を聞いて』と訴えざるをえなくなった。議会政治、政党政治を修復させようという動きだ」


 —当時の安倍政権は反対論を押し切り、安保法を成立させた。デモが社会に残したものは。

 「2015年のデモ以降、国会議員や既存のメディアに政治を任せず、自ら意思表明する市民の姿は当たり前になった。森友加計学園や『桜を見る会』を巡る問題で浮かび上がった権力の私物化や、名古屋出入国在留管理局でのウィシュマさんの死などに市民は怒り、メディアも取り上げた。抗議の回路ができている。最近では安倍晋三元首相の国葬に反対する声が広がり、政権も無視できなくなっている」


 —政党への影響は。

 「市民は安保法成立を『敗北』とはみなさず、粘り強く政党を動かし、選挙の構図や結果を変えた。安保法廃止を目指す複数の野党に働き掛け、選挙の候補者を一本化させる野党共闘が代表的だ。共闘すれば必ず勝てるわけではないが、共闘しなければ巨大与党に対し、勝負にもならないのが現実だ


 —昨年の衆院選、今年の参院選で市民と連携した野党共闘は不十分だったのでは。

 「15年の運動の遺産は食いつぶしている。世界的にも市民運動が盛り上がり続けることはなく、必ずサイクルがある。悲観していない。また広げていくことが重要だ。主権者の声を反映させる政治を取り戻すための模索は今も続いている。15年に始まった『未完のプロジェクト』だ」


 —年内にも改定される国家安全保障戦略に「敵基地攻撃能力の保有」が明記されれば、憲法9条に基づく専守防衛が揺らぐ。

 「15年に国会前に押し寄せた人々に共通していたのは戦争する国にならないでほしいとの願いだ。9条改憲や敵基地攻撃能力の保有に前向きな議論を聞くたびに『この政治家たちは民意を代表できているのか』と疑いたくなる。与野党は、あの時に示された民意を忘れてはいけない


 なかの・こういち 1970年生まれ。上智大国際教養学部教授。米プリンストン大政治学博士号取得。安保法への抗議をきっかけに結集した識者や市民が中心となって、立憲民主党や共産党など複数の野党による国政選挙での連携を後押しする「市民連合」の運営委員。著書に「右傾化する日本政治」(岩波新書)など。


◆市民によるデモ、社会に根付く 若者世代主導やSNS活用も

 デモによる市民の抗議行動は安全保障関連法に限らず、さまざまな局面で展開され、世代や手段を広げながら日本社会に根付いてきた。

 大きな契機になったのが、2011年3月の東京電力福島第一原発事故だ。各地で脱原発を求める動きが広がり、翌12年に当時の野田政権が関西電力大飯原発の再稼働を検討し始めると、毎週金曜の夕方に首相官邸前で抗議する市民が増加。最大で20万人規模(主催者発表)に膨らみ、誰でも参加できる活動として定着し、昨年まで続いた。

 第2次安倍政権の発足後も、特定秘密保護法や「共謀罪」の趣旨を含む改正組織犯罪処罰法など、国民の権利を脅かす法案が国会に提出されるたびにデモは活発化した。

 安保法の抗議デモで注目されたのは、大学生らでつくる「SEALDs(シールズ、自由と民主主義のための学生緊急行動)」だ。国会前で声を上げ続け、政治への関心が薄いとされる若者世代のイメージを覆した。最近では、政治に関心のある若い女性らが「選挙ギャルズ」を結成し、安倍晋三元首相の国葬や改憲に反対するデモを主導している。

 人が集まりにくい新型コロナウイルス禍で、交流サイト(SNS)を活用した「デモ」も拡大し、力を発揮している。20年春、検察幹部の定年を政府の判断で延長可能とする検察庁法改正案への抗議がツイッター上に投稿され、多数の賛同が集まった。世論の反対に検察幹部の不祥事も重なり、政府・与党は法案の成立を断念した。(市川千晴

【関連記事】福島第一原発事故の衝撃がデモの文化を定着させた 映画「首相官邸の前で」製作の小熊英二・慶応大教授に聞く
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●《保守の安倍が反日カルトとつながった》? 《保守ではなく、反日のエセ保守…支持してきたのは新自由主義勢力と政商とカルトの複合体》

2022年09月03日 00時00分22秒 | Weblog

[※ 青木理さん「刑事責任と政治責任」 #秘書が勝手にやるわけないやん ↑(サンデーモーニング 2020年12月6日)]


(20220821[])
アベ様の国葬問題も含めて、統一協会にまつわる諸問題の解決に1mmも進んでいない。与党大好きなゆ癒着党のお維やコミを除く、野党が憲法53条に基づき召集しなければいけない臨時国会は、一体どうなっているのですか? 自公お維コミ議員は、やる気あんの?

 統一協会非汚染者による組閣や役員人事もままならない、ズブズブヅボヅボな自民党。前川喜平さん《カルト対策が進まないのは、政治家と宗教団体が持ちつ持たれつの関係だからです。政治家は集票や選挙中の勤労奉仕を期待し、教団側は所轄庁や税務署との緩衝材の役割をあてにする》。アベ様は票の差配までするヅボヅボさ。さらには、『報道特集』などの報道を見ていると、地方政治にまで統一協会が侵食していて、暗澹たる気分になる。《この期に及んでカルト教団と絶縁できず、関係の深い人間を切れない集団が日本を差配》するニッポンでいいのか?
 AERAの記事【安倍晋三元首相の後継者は育たず 青木理「彼に代わる右派のアイコンは見当たらない」】(https://dot.asahi.com/aera/2022081000042.html)によると、《大きな衝撃を与えた安倍晋三元首相の銃撃事件。晋三氏の父方の系譜をたどった『安倍三代』の著者でジャーナリストの青木理さんとともに、「三代目世襲政治家・安倍晋三」の実像に迫った》。
 青木理さんの仰るように、今回も、《普通なら恥ずかしくて耐えられないほどの詭弁(きべん)や嘘、強引な屁理屈(へりくつ)を弄(ろう)しても知らぬ存ぜぬを決め込み、野党の追及がうるさい国会はできるだけ閉じて開かず、そうやって時間稼ぎをしながら「いつまで同じ問題にこだわるのか」といった風潮が醸成されるのを待つ。実際、「モリカケサクラ」などはそうしていまだ真相が明かされないままです》…でいいのでしょうか?

 それしにしても、醜悪…いったいどこが「美しい国・ニッポン」なのか?
 日刊ゲンダイのコラム【適菜収 それでもバカとは戦え/「反日のエセ保守」である安倍政権で一貫していた「日本を破壊する」という強い意志】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/309684)によると、《安倍晋三と統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の深い関係が日々明らかになる中、一部から「なぜ保守の安倍が反日カルトとつながったのか」といぶかしがる声が出てきた。前提がおかしいからわからないのである。本連載で述べてきたとおり、安倍とその周辺は、保守ではなく反日のエセ保守それを支持してきたのは新自由主義勢力と政商とカルトの複合体である》。

   『●武田砂鉄さん《繰り返し問題視されてきた団体…付き合いが深い議員…。
      再発防止のためにも、宗教と政治の関係を洗い出すのが必要不可欠》
   『●つまり、アベ様は《堂々と、司法の場でも違法性が指摘されている》
     統一協会の《実質トップの名前を自ら挙げ、敬意を表したのである》
   『●キシダメ首相は「民主主義を断固守る」ために国葬を行うというが、
     (政界地獄耳)《よほど民主主義を逸脱し独裁的ではないのか》?
   『●統一協会名称変更問題…《実体が変わらないのに、名称を変えることは
         できない》はずなのに、《あり得ない》ことがなぜ可能になったの?
   『●元文科相からして、統一協会とズブズブだったのではないのか? 反面
      教師として、文科省道徳教育教材『わたしたちの道徳』に載せては?
   『●伊達忠一前参議院議長が元総理に統一協会票を依頼したと驚きの証言…
     《今回…安倍さんは…。『井上(義行氏)をアレ(支援)するんだ』…》
   『●汚染責任者アベ様という壺の蓋が割れた瞬間に、自民党“統一協会汚染”
      物質が壺から噴出…衆参院議長、防衛相、文科相、国家公安委員長…
   『●《暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団または
     個人》=統一協会…《自民党が大っぴらに反社とつながっていることに》
   『●茂木敏充幹事長、統一協会と「党としては一切関係がない」…《その
     爛れた関係が岸信夫防衛相や二之湯智国家公安委員長、末松信介文科相…》
   『●《法外な寄付を集め、家庭を崩壊させるような活動が問題に…次々と関与が
       判明する自民党こそ、教団との関係を国会の場で丁寧に説明すべき》
   『●《このように安倍氏の一存で統一教会の組織票の差配が決まっていたと
     すれば…》…もはや開いた口が塞がらないよ。どこまでズブズブだったの?
   『●安田菜津紀さん《安倍政権とは何だったのか…「強きにすり寄り、
      弱きをへし折る政権」…「引き継がれた『膿』を出し切るのはこれから」》
   『●統一協会汚染議員一掃…《支持者こそが提言しなければならない善後策
      …あれだけ奉り続けた…元首相が、彼らのせいで殺されたのだから》
   『●斎藤貴男さん《安倍政治の最大の罪は、民主主義を完全に形骸化し、
     日本社会を根底から腐らせたこと…》《ネポティズム》《冷笑主義の蔓延》
   『●《〈関連団体とは存じ上げませんでした〉…「統一教会の何が問題
     なのか正確に承知していません」…しらじらしいにも程がある》お維
   『●悍ましい構図…さらには、アベ様が票の差配までするほどズブズブ
       ヅボヅボだった訳ですが、そんな自民党に投票するとはねぇ…
   『●統一協会…《自民党の政策決定や政権運営にどのような影響があった
     のか、真相を解明して再発防止策を講じる》べきなのに、全くその気無し
   『●憲法53条…《本来国会は開かなければならないが、安倍内閣では
     その要求を無視し続けていたことがある。岸田政権も応じる気がない》
   『●《自民党右派…政界の右派のみならず、それを支える日本最大の右派
     改憲団体、日本会議など》も統一協会と《「蜜月」関係を築いてきた》??
   『●統一協会が《法令に反するなどの例》は山のようにある訳で、《実体が
       変わらないのに、名称を変えることはできない》ことに何の問題?
   『●第2次キシダメ改造内閣の悲惨な船出 ―――― 統一協会非汚染者
     による組閣や役員人事もままならない、ズブズブヅボヅボな自民党…
   『●《安倍元首相の側近で、安倍派内ではポスト安倍の一番手》だった
     萩生田光一政調会長は加計学園問題等だけでなく、やはりヅボヅボだった…


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https://dot.asahi.com/aera/2022081000042.html

安倍晋三元首相の後継者は育たず 青木理「彼に代わる右派のアイコンは見当たらない」
2022/08/14 08:00


青木理(あおき・おさむ)/1966年、長野県生まれ。慶應義塾大学文学部卒。90年に共同通信社に入社し、警視庁警備・公安担当、ソウル特派員などを経て、2006年からフリーランス


 大きな衝撃を与えた安倍晋三元首相の銃撃事件。晋三氏の父方の系譜をたどった『安倍三代』の著者でジャーナリストの青木理さんとともに、「三代目世襲政治家・安倍晋三」の実像に迫った。AERA 2022年8月15-22日合併号の記事から紹介する。

     (【写真】旅館の庭園で孫の安倍寛信、晋三両氏とコイに
      えさをやる岸信介首相(当時))

*  *  *

──安倍晋三氏が敬愛した母方の祖父・岸信介とのかかわりも指摘されている、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)に恨みを抱える男に晋三氏は殺害されました。因縁めいたものを感じます。

 自民党がいくら矮小(わいしょう)化しても、岸信介と旧統一教会の深いつながりは歴史的事実です。教祖・文鮮明のもう一つの顔は反共主義団体「国際勝共連合」の創立者で、これを日本に根付かせた中心人物が岸だった。安倍政権が強行成立させた特定秘密保護法にもつながる「スパイ防止法」制定運動を1980年代に岸が主導した際、運動を資金面などで支えたのも勝共連合。「神社本庁」や「生長の家」の元信者らが集う右派団体「日本会議」もそうですが、戦後日本の保守政治、なかんずく右派政治は宗教右派と思想的にも利害的にも相互に共鳴し、絡みあって活動してきた。その一端が今回露呈したにすぎません。


──統一教会と日本政界の癒着が次々と浮かび上がっています。

 通信社の記者として公安警察を担当していた90年代の記憶が蘇(よみがえ)ります。当時、公安警察が統一教会への組織的捜査に乗り出すという情報を得た僕は、その動向を注視していたのですが、しばらくすると動きがパタリと止まりました。妙だと思って警察最高幹部に理由を尋ねると「政治の意向だ」と。この時に限らず、早い段階で統一教会に捜査のメスが入っていれば、被害はこれほど広がらなかったでしょうひょっとすれば、山上徹也容疑者の母親も被害を免れ、容疑者が統一教会に遺恨を募らせることもなく、結果として今回の銃撃は起きなかったかもしれないそう考えると、統一教会と怪しげな蜜月を続けた政治の不作為、あるいは不適切な影響力の行使によって被害を拡大させ続けた政治の責任が問われます。

 これも晋三氏だけの責任ではもちろんありませんが、岸信介以来積み上げられた戦後右派政治の澱(よどみ)が積もりに積もり、ついには爆発し、それが3代世襲政治家の晋三氏を貫いてしまったようにも思えます。


     (静養中、旅館の庭園で孫の安倍寛信(安倍晋太郎の長男)、
      晋三(次男)両氏とコイにえさをやる岸信介首相(当時)
      =1957年7月)


■自らの後継者は育たず、代わる右派アイコン不在

──「ポスト安倍」は見当たりません。岸信介の影を引きずってきた晋三氏が亡くなったことで日本の進路は変わるのでしょうか。

 さあ、政界の今後がどうなるかは分かりませんが晋三氏がいなくなったからといって、薄っぺらなナショナリズムや排外主義的風潮、そして反知性主義の気配が消えることはもちろんないでしょう。一方、これも晋三氏の大きな負の特質というべきか、名門政治一家に生まれたというのに、周囲に侍(はべ)らせるのは提灯持ちばかりで、人を見る目がないんですね。だから自らの後継も育っておらず、彼に代わる右派のアイコンは見当たらない。そういう点では、宗教右派も含め、晋三氏というアイコンを失った日本の右派が今後どうなっていくかは興味深いところです。


──今の日本社会を見ていると、晋三氏の死は意外に早くメディアや世論から忘却されていく気もします。

 同感です。振り返ってみれば、情報環境が激変した現在、あらゆる情報が新たな情報に上書きされていくスピードは早まっていて、それによって強まる“忘却”という人間の機能を一種の“政治術”として駆使したのも安倍政権の特質でした。

 普通なら恥ずかしくて耐えられないほどの詭弁(きべん)や嘘、強引な屁理屈(へりくつ)を弄(ろう)しても知らぬ存ぜぬを決め込み、野党の追及がうるさい国会はできるだけ閉じて開かず、そうやって時間稼ぎをしながら「いつまで同じ問題にこだわるのか」といった風潮が醸成されるのを待つ。実際、「モリカケサクラ」などはそうしていまだ真相が明かされないままです。そう考えれば、実に皮肉なことですが、今回の衝撃的な事件もさほど遠からず忘却されていくでしょう。9月に行われるという国葬がその歯止めとなり、再び安倍政権の罪を咀嚼(そしゃく)する機会になるなら、これも政権の思惑とは別の意味で皮肉なことかもしれませんが

(構成/編集部・渡辺豪

※AERA 2022年8月15-22日合併号より抜粋
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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/309684

適菜収 作家
近著に「ニッポンを蝕む全体主義」「日本人は豚になる」「思想の免疫力」(評論家・中野剛志氏との対談)など、著書45冊以上。「適菜収のメールマガジン」も始動。詳細は適菜収のメールマガジンへ。本紙連載が書籍化「それでもバカとは戦え」好評発売中


それでもバカとは戦え
「反日のエセ保守」である安倍政権で一貫していた「日本を破壊する」という強い意志
公開日:2022/08/13 06:00 更新日:2022/08/13 06:00

     (徹底的に日本の権益を破壊すると宣言(2014年、
      ダボス会議での安倍首相)/(C))

 安倍晋三と統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の深い関係が日々明らかになる中、一部から「なぜ保守の安倍が反日カルトとつながったのか」といぶかしがる声が出てきた。

 前提がおかしいからわからないのである。本連載で述べてきたとおり、安倍とその周辺は、保守ではなく反日のエセ保守それを支持してきたのは新自由主義勢力と政商とカルトの複合体である

 よって、「統一教会だけが安倍を動かしてきた」と考えるのは正確ではなく、多くのカルト、反社会勢力が複雑な形で政権に食い込んでいたと考えるべきだ。安倍は嘘とデマを垂れ流し、発言の内容をコロコロと変えたが、一貫していたのは日本を破壊するという強い意志だった。

 2013年9月、安倍はニューヨークのウォール街で「今日は皆さんに〈日本がもう一度儲かる国になる〉(中略)ことをお話しするためにやってきました」「もはや国境や国籍にこだわる時代は過ぎ去りました」と発言。

 2014年1月の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)では、徹底的に日本の権益を破壊すると宣言電力市場の完全自由化、医療の産業化、コメの減反の廃止、法人税率の引き下げ、雇用市場の改革、外国人労働者の受け入れ、会社法の改正などを並べ立て、「そのとき社会はあたかもリセット・ボタンを押したようになって、日本の景色は一変するでしょう」と言い放った。その言葉通り、日本の景色は一変した

 安倍は権力を私物化し、財界の下請けとして、文字通りの「売国」を続けてきた水道事業の民営化をもくろみ、放送制度改革では外資が放送局の株式を20%以上保有することを制限する規制の撤廃を推し進めようとした。世界各国で移民に関するトラブルが噴出する中、移民国家化に舵を切り、ロシアにはカネを貢いだ上、北方領土の主権を棚上げ

 意味不明の加憲論により、戦後改憲派が積み上げてきた議論をぶち壊し、安保法制騒動では憲法破壊に手を染め森友事件における財務省の公文書改ざん南スーダンPKOにおける防衛省の日報隠蔽裁量労働制における厚生労働省のデータ捏造など、安倍政権下では国家の信頼が地に落ちた。いい加減目を覚ますべきだ。安倍とその周辺は反日勢力であるという事実を議論のスタートラインにしなければならない。
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●斎藤貴男さん《安倍政治の最大の罪は、民主主義を完全に形骸化し、日本社会を根底から腐らせたこと…》《ネポティズム》《冷笑主義の蔓延》

2022年08月20日 00時00分13秒 | Weblog

[※ 「国葬反対」(週刊金曜日 1388号、2022年08月05日・12日合併号) ↑]


(2022年08月07日[日])
「功」を一つも思い出せないが、「罪」と言われれば、最後のアベ様案件としての統一協会問題…票の差配までもやっていた訳で、ズブズブヅボヅボだった訳です。〝感染者〟によって、どれだけ選挙や投票行動が歪められていたのか…。それでも、自公お維コミを支持するのですか? 正気ですか?
 統一協会汚染議員の一掃…《本来は支持者こそが提言しなければならない善後策であるはずだ。あれだけ奉り続けた元総裁であり、元首相が、彼らのせいで殺されたのだから》。真の保守・真の右翼の皆さん、何してるんですか? 斎藤貴男さんの仰る通り、《自民党は独善の塊…カルトに支配された政権では国民は救われない》。

 斎藤貴男さんは《日本社会を根底から腐らせた》《安倍政治の最大の罪民主主義を完全に形骸化し、日本社会を根底から腐らせたことです》と。同様に、小出裕章さんは《彼のしたこと、しようとしてきたことはただただカネ儲け、戦争ができる国への道づくりだった》、また、安田菜津紀さんは《安倍政権とは何だったのか…「強きにすり寄り、弱きをへし折る政権」…「引き継がれた『膿』を出し切るのはこれから」》。
 週刊朝日の記事【【“安倍政治”の功と罪】ジャーナリスト斎藤貴男日本社会を根底から腐らせた」】(https://dot.asahi.com/wa/2022080300019.html)によると、《第2次安倍政権は、特定秘密保護法安保法制などで強行採決を連発し、森友加計学園問題や「桜を見る会」を巡る問題などスキャンダルが続出した。長期政権が残した歪みは大きい。ジャーナリストの斎藤貴男さんに聞いた》。

 統一協会の《実質トップの名前を自ら挙げ、敬意を表した》ズブズブヅボヅボな“天敵”! 票の差配までしていたヅボヅボな“天敵”。
 再度引用。日刊ゲンダイのコラム【室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」/安倍元首相が旧統一教会の“天敵”って…飲んでるお茶を噴いてしまったぜ】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/309337)によると、《安倍元首相が、旧統一教会の天敵だった? ふぁっ、飲んでるお茶を噴いてしまったぜ。教会のダミー団体の人を、安倍さん主催の『桜を見る会』に招待していたじゃん。教団の大会に、嬉々としてお祝いメッセージ出してたじゃん。最近の報道では、安倍さんの了解がなければ、選挙の時、教団に応援を頼めなかった、ということまでわかっている。他の番組出演者も、なぜそのことを指摘しない? 情弱か?》

   『●「統一協会、暴力団、日本会議に神道議員連盟…どうするの」と
     ヤジり返して、アベ様にそれらの真偽を確認してもらうべきだった
   『●あとの祭り…《故人の過大評価、美化・神格化…「安倍元首相の悲願は
        憲法改正」「憲法改正が安倍元首相の夢だった」》の垂れ流し…
   『●《二〇二一年時点で民主主義国は八十九で、権威主義国は九十。世界人口
       の七割の約五十四億人が権威主義下で暮ら》す…91国目に堕ちる?
   『●《私は意見を言いません、強いものの近くにいたいのです、という宣言
      に、音楽業界の偉い人がすり寄っているという光景は、あまりに…》
   『●前川喜平さん《「暴力と言論」…言論の衰退と暴力の増長の悪循環を
     止めるには言論を立て直すしかない。だから今言論が委縮してはいけない》
   『●《メディアコントロール》という置き土産 … 《新聞・テレビはこの
      宗教団体の名前を報じていないが、ネット上では「統一教会」…》
   『●《彼のしたこと、しようとしてきたことはただただカネ儲け、戦争が
     できる国への道づくりだった》…それを支持する「1/4」と「2/4」
   『●《「民主主義への挑戦・冒涜」という点で言えば、それこそ安倍政権の
        8年とは、まさに民主主義への挑戦と冒涜、否定の連続であった》
   『●《元首相の死によってすべての疑惑を闇に葬り去るどころか、安倍氏を
     神格化しようとしている》…「民主主義を断固として〝破壊〟する決意」
   『●「不気味な兆候」は既に現実になっている…《まさに言論の砦たる
        メディアとメディア人の役割が問われています》(青木理さん)
   『●《少数意見を尊重し、歩調を合わせようと努めて議論を重ね、成り
     立ってきた戦後民主主義ではないか。それを「聞かない」とは。…》
   『●《メディアコントロール》は続いている…《だからといって、政治》と
     統一協会の《関係について徹底追及がおこなわれているわけではない》
   『●武田砂鉄さん《繰り返し問題視されてきた団体…付き合いが深い議員…。
      再発防止のためにも、宗教と政治の関係を洗い出すのが必要不可欠》
   『●つまり、アベ様は《堂々と、司法の場でも違法性が指摘されている》
     統一協会の《実質トップの名前を自ら挙げ、敬意を表したのである》
   『●キシダメ首相は「民主主義を断固守る」ために国葬を行うというが、
     (政界地獄耳)《よほど民主主義を逸脱し独裁的ではないのか》?
   『●統一協会名称変更問題…《実体が変わらないのに、名称を変えることは
        できない》はずなのに、《あり得ない》ことがなぜ可能になったの?
   『●元文科相からして、統一協会とズブズブだったのではないのか? 反面
      教師として、文科省道徳教育教材『わたしたちの道徳』に載せては?
   『●伊達忠一前参議院議長が元総理に統一協会票を依頼したと驚きの証言…
     《今回…安倍さんは…。『井上(義行氏)をアレ(支援)するんだ』…》
   『●汚染責任者アベ様という壺の蓋が割れた瞬間に、自民党“統一協会汚染”
      物質が壺から噴出…衆参院議長、防衛相、文科相、国家公安委員長…
   『●《暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団または
     個人》=統一協会…《自民党が大っぴらに反社とつながっていることに》
   『●茂木敏充幹事長、統一協会と「党としては一切関係がない」…《その
     爛れた関係が岸信夫防衛相や二之湯智国家公安委員長、末松信介文科相…》
   『●《法外な寄付を集め、家庭を崩壊させるような活動が問題に…次々と関与が
       判明する自民党こそ、教団との関係を国会の場で丁寧に説明すべき》
   『●《このように安倍氏の一存で統一教会の組織票の差配が決まっていたと
     すれば…》…もはや開いた口が塞がらないよ。どこまでズブズブだったの?
   『●安田菜津紀さん《安倍政権とは何だったのか…「強きにすり寄り、
      弱きをへし折る政権」…「引き継がれた『膿』を出し切るのはこれから」》
   『●統一協会汚染議員一掃…《支持者こそが提言しなければならない善後策
      …あれだけ奉り続けた…元首相が、彼らのせいで殺されたのだから》

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https://dot.asahi.com/wa/2022080300019.html

【“安倍政治”の功と罪】ジャーナリスト斎藤貴男「日本社会を根底から腐らせた」
2022/08/04 08:00

     (斎藤貴男さん/ ジャーナリスト)

 第2次安倍政権は、特定秘密保護法安保法制などで強行採決を連発し、森友加計学園問題や「桜を見る会」を巡る問題などスキャンダルが続出した。長期政権が残した歪みは大きい。ジャーナリストの斎藤貴男さんに聞いた。

*  *  *

 安倍氏への銃撃事件には大変な衝撃を受けました。謹んでご冥福をお祈りしたい。しかし、7年8カ月に及んだ「安倍政治」の評価を問われれば、それはまた別の話です。

 集団的自衛権行使容認アベノミクスなど個別の政策については、議論が分かれるところだと思います。それよりも、安倍政治の最大の罪民主主義を完全に形骸化し、日本社会を根底から腐らせたことです

 安倍氏なりの理想とする“国家像”というものがあったのでしょう。けれども、それを実現するためには手段を選ばなかった自分の理想以外の価値観を軽視し、踏みにじってきました

 異論に耳を傾けず、重要法案を数の力で押し切った特定秘密保護法安保法制、「共謀罪」法などで強行採決を連発しました。安倍氏の考えに共感できる人たちにはすごく頼もしくも映ったでしょうが、反感を持つ人たちは強烈な怒りを覚え、国論が両極端になっていきました。

 森友加計問題桜を見る会では、公文書の改竄(かいざん)や廃棄が常態化。具体的な証拠を突きつけられても「批判は当たらない」で済ませ、権力者は何をやってもよいのだ、というのが自民党や官僚の常識になりました

 こうした強権的な手法やスキャンダルを巡って国論は二分され、ネット上などで互いに罵詈(ばり)雑言を浴びせ合うようになりました。社会が分断されたのは、新自由主義によって格差が広がったのも主因です。公正な競争など望むべくもない条件の差をそのままに、いわゆる“負け組”はすべて自己責任で片付けられてきた。新自由主義は小泉純一郎政権の時に顕著となり、当然の帰結として安倍政権ではネポティズム縁故主義がはびこりました

     (安保法制に反対する国会前デモ)

 今回の国葬を決めた岸田首相は政権維持のため、安倍派を取り込みたいという思いもあったのでしょう。しかし、国葬を巡っても賛否は真っ二つに分かれています。これ以上、国民を分断することは避けるべきです。

 分断と対立が進んで最も懸念されるのは、冷笑主義の蔓延(まんえん)です。安倍氏は国会で質問中の野党議員に対して、「日教組、日教組」とヤジを飛ばしたことがありました。日本教職員組合の何が問題かを説明もせずに、日教組という名称そのものを悪口にして、せせら笑ったのです真っ当な批判に耳を傾けるどころか、お互い議論をしようという態度さえ冷笑の対象になる。これでは罵(ののし)り合っているほうがまだマシ。社会の閉塞(へいそく)感はますます高まるばかりです。

(構成 本誌・亀井洋志)


※週刊朝日  2022年8月12日号
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●汚染責任者アベ様という壺の蓋が割れた瞬間に、自民党“統一協会汚染”物質が壺から噴出…衆参院議長、防衛相、文科相、国家公安委員長…

2022年08月11日 00時00分30秒 | Weblog

[※ 「自民党と旧統一教会の闇」(週刊金曜日 1386号、2022年07月22日) ↑]


(20220730[])
汚染責任者アベ様という壺の蓋が割れた瞬間に、自民党“統一協会汚染”物質が壺から噴出…衆参院議長、防衛相、文科相、国家公安委員長…。自民党とズブズブじゃん。
 日刊ゲンダイのコラム【「知らなかった」と大嘘 自民党“統一教会汚染”議員の見苦しい言い訳】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/308941)によると、《まさに“総汚染”である。旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)と自民党議員との癒着が次々に明らかになりはじめている。現職大臣だけでも3人が旧統一教会と関わっていたことが発覚している。二之湯国家公安委員長は、2018年に旧統一教会の関連団体が開催したイベントの実行委員長…》。

 自民党と統一協会の関係やその実態…今、明らかにせずに、いつやるのか?
 長周新聞の記事【記者座談会 安倍晋三は神様なのか? やるなら統一教会葬でどうぞ 英雄扱いする報道の異様さ】(https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/24185)によると、《カルト宗教である統一教会への恨みから、その親派として元首相が射殺されるという衝撃的事件から1週間以上が経過した。その後、メディアは気味悪いほど元首相である安倍晋三の神格化に勤しみ、お涙頂戴キャンペーン一色に染まっている。問題の宗教団体と自民党の癒着やその構造、戦後からこの方に至る歴史的な経緯、政教分離の実態について迫るものは乏しく、むしろ亡くなった途端に生前の数々の疑惑は帳消しとなり、まるで国家の英雄であったかのような持ち上げっぷりである。そして、岸田政権はあろうことか吉田茂以来、55年ぶりの国葬(開催費用はすべて国家負担)を実施するなどといい始め、その是非を巡って波紋が広がっている。各種媒体や関わってきた弁護士等々の努力によって、徐々に明るみになってきた自民党と統一教会の関係やその実態…》。

 清水潔さんのつぶやき:

―――――――――――――――――――――――――――――――
https://twitter.com/NOSUKE0607/status/1551431511626330112

清水潔@NOSUKE0607

かつての首相が深く関わった宗教。そのトラブルに起因して溺愛していた孫の元首相が殺害されるというストーリーがかなり怖い。

さらにその容疑者の自供を無きものにするため精神鑑定し、国葬で全てを終わらせる政府という続編に凍りつく夏。
……

午後1:57  2022年7月25日
―――――――――――――――――――――――――――――――

 前川喜平さん《カルト対策が進まないのは、政治家と宗教団体が持ちつ持たれつの関係だからです。政治家は集票や選挙中の勤労奉仕を期待し、教団側は所轄庁や税務署との緩衝材の役割をあてにする》、《図らずも、銃撃事件によって政治家とカルトの関係が明るみに出て、カルト問題を顕在化させた。対策を取らないのは政治の怠慢だと思います》。
 《さらにその容疑者の自供を無きものにするため精神鑑定し、国葬で全てを終わらせる政府》…怖すぎます、ニッポン。自公お維コミに投票した「1/4」、選挙に行かないことで間接的に自公を支持した「2/4」がもたらしたニッポンの惨状、あとの祭りだ。いま、自民党と統一協会のズブズブの関係を炙り出せないようであれば、お終いだね。

   『●「統一協会、暴力団、日本会議に神道議員連盟…どうするの」と
     ヤジり返して、アベ様にそれらの真偽を確認してもらうべきだった
   『●あとの祭り…《故人の過大評価、美化・神格化…「安倍元首相の悲願は
        憲法改正」「憲法改正が安倍元首相の夢だった」》の垂れ流し…
   『●《二〇二一年時点で民主主義国は八十九で、権威主義国は九十。世界人口
       の七割の約五十四億人が権威主義下で暮ら》す…91国目に堕ちる?
   『●《私は意見を言いません、強いものの近くにいたいのです、という宣言
      に、音楽業界の偉い人がすり寄っているという光景は、あまりに…》
   『●前川喜平さん《「暴力と言論」…言論の衰退と暴力の増長の悪循環を
     止めるには言論を立て直すしかない。だから今言論が委縮してはいけない》
   『●《メディアコントロール》という置き土産 … 《新聞・テレビはこの
      宗教団体の名前を報じていないが、ネット上では「統一教会」…》
   『●《彼のしたこと、しようとしてきたことはただただカネ儲け、戦争が
     できる国への道づくりだった》…それを支持する「1/4」と「2/4」
   『●《「民主主義への挑戦・冒涜」という点で言えば、それこそ安倍政権の
        8年とは、まさに民主主義への挑戦と冒涜、否定の連続であった》
   『●《元首相の死によってすべての疑惑を闇に葬り去るどころか、安倍氏を
     神格化しようとしている》…「民主主義を断固として〝破壊〟する決意」
   『●「不気味な兆候」は既に現実になっている…《まさに言論の砦たる
        メディアとメディア人の役割が問われています》(青木理さん)
   『●《少数意見を尊重し、歩調を合わせようと努めて議論を重ね、成り
     立ってきた戦後民主主義ではないか。それを「聞かない」とは。…》
   『●《メディアコントロール》は続いている…《だからといって、政治》と
     統一協会の《関係について徹底追及がおこなわれているわけではない》
   『●武田砂鉄さん《繰り返し問題視されてきた団体…付き合いが深い議員…。
      再発防止のためにも、宗教と政治の関係を洗い出すのが必要不可欠》
   『●つまり、アベ様は《堂々と、司法の場でも違法性が指摘されている》
      統一協会の《実質トップの名前を自ら挙げ、敬意を表したのである》
   『●キシダメ首相は「民主主義を断固守る」ために国葬を行うというが、
      (政界地獄耳)《よほど民主主義を逸脱し独裁的ではないのか》?
   『●統一協会名称変更問題…《実体が変わらないのに、名称を変えることは
        できない》はずなのに、《あり得ない》ことがなぜ可能になったの?
   『●元文科相からして、統一協会とズブズブだったのではないのか? 反面
      教師として、文科省道徳教育教材『わたしたちの道徳』に載せては?
   『●伊達忠一前参議院議長が元総理に統一協会票を依頼したと驚きの証言…
     《今回…安倍さんは…。『井上(義行氏)をアレ(支援)するんだ』…》

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https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/24185

記者座談会 安倍晋三は神様なのか? やるなら統一教会葬でどうぞ 英雄扱いする報道の異様さ
2022年7月21日

 カルト宗教である統一教会への恨みから、その親派として元首相が射殺されるという衝撃的事件から1週間以上が経過した。その後、メディアは気味悪いほど元首相である安倍晋三の神格化に勤しみ、お涙頂戴キャンペーン一色に染まっている。問題の宗教団体と自民党の癒着やその構造、戦後からこの方に至る歴史的な経緯、政教分離の実態について迫るものは乏しく、むしろ亡くなった途端に生前の数々の疑惑は帳消しとなり、まるで国家の英雄であったかのような持ち上げっぷりである。そして、岸田政権はあろうことか吉田茂以来、55年ぶりの国葬(開催費用はすべて国家負担)を実施するなどといい始め、その是非を巡って波紋が広がっている。各種媒体や関わってきた弁護士等々の努力によって、徐々に明るみになってきた自民党と統一教会の関係やその実態について見ながら、記者たちで議論を深めてみた。


 A その後のメディアの扱いがあまりにも酷すぎると各所で話題になっている。異様さを感じとっている人は少なくない。こぞって「悲しみに暮れる日本国民みたいなものばかりを強調し、泣きながら献花を捧げる人にインタビューしたりして、まるで「安倍晋三天皇」の如く偶像崇拝しているのに特徴がある。突然射殺されて、それ自体ショッキングな事件であることは疑いないが、「日本国の父・安倍晋三様の逝去みたいな世界観が滲み出ていて、極めて宗教的であるし気色悪さすら感じる
 淡々と事実報道に徹すればいいのに、同調圧力をともなったプロパガンダを仕掛けている。ウクライナを巡ってもそうだが、異論は許さぬといわんばかりに染め上げていく。ファッショ的だ。小学生が「安倍元首相は天に昇られるのだと思います」とインタビューに答えているのを見て、「天に昇る」ってまさに統一教会の教えじゃないのか? ひょっとして信者に動員かかってるんじゃないの? と鳥肌が立ったほどだ。いったい延々と何を見せられているんだろうか…と思う。「鬱陶しいからテレビを消す」という人も多い。

 B 何年か前に選挙の街頭演説で「安倍帰れ!」コールをくらって、「あんな人たちに負けるわけにはいかない」と叫んだ後の街頭演説を東京で取材していた際、アンチに対抗して脇を固めるように応援部隊として動員されていたのは明らかに宗教団体だった。今思うに統一教会だったのではないかという気がしてならないが、一般人ではない人々、勢揃いするように目つきの厳しい集団が一群を占めていて、異様な光景だったことを思い出す。安保法制を巡って国会前に群衆が押し寄せていた際も、それに対して統一教会の学生組織が安倍晋三支持でデモを仕掛けるなど、きわめて戦闘的な印象がある。統一教会が安倍親衛隊として動いていたのだろう。
 いずれにしても、その後のキャンペーンはあまりにも安倍晋三を持ち上げ過ぎで、生前の実態についてかき消すように神様扱いしていて驚かされる。日本会議とか統一教会、あるいは安倍晋三教団の信者でもない者としては、事件そのものへの衝撃こそあれ涙を流すほどの感情もないし、そこに同調せよと迫られても正直引く。偶像崇拝したい人々がいるなら勝手に崇拝すれば良いしそれは自由だと思うが、周囲に迫ってくる圧がそれこそ統一教会ではあるまいか? と思うほど強引なのだ。「立派な政治指導者だった」「国のために尽くした偉人だった」と思わない人々は、サタンにとり憑かれているとでもいい出しかねない空気が煽られている個人崇拝も大概にしなければならない

 C とはいえ、世間はメディアが思うほどプロパガンダに染まっていないし、冷静に眺めている人がほとんどだと思う。国葬についても「やるならホテル・ニューオオタニで会費は5000円サントリーが酒を無料提供し、統一教会葬として実施したらよいのではないか」と桜を見る会前夜祭に重ねて提案する声だってある。それに共感する人々も意外に多い。本当にその通りだなと思う。死に様が衝撃的だったとはいえ、それだけをもってどうして国家あげて葬儀する必要があるのかと――
 国葬に法的根拠もないが、どうして統一教会との密接な関係があったが故に狙われた一人の政治家に対して、統一教会の信者でもない者までが「一億総喪中」をしなければならないのかだ。ボスを失って安倍派とか清和会が悲しいというなら、彼らが政教分離など知ったことかと宣言して、統一教会や日本会議などといっしょに身内でやればよいだけで、国家あげて天まで持ち上げて葬儀をあげるなどどうかしている。吉田茂以来55年ぶりというが、だいたい吉田茂の国葬そのものがおかしいのだアメリカの対日支配に協力した為政者ほど崇め奉られるようなのが伝統なのかだ。

 D 国費を投じた国葬といっても、どうせ電通とかパソナが請け負うんだろうと思うとゲンナリする。なんのことだか。それで国をあげてのお涙頂戴キャンペーンが秋になってもまだくり広げられ、「一億総号泣」でもしろというのだろうか。いい加減にしてもらいたい。

     (統一教会の関連団体・UPF(宇宙平和連合)の大会に
      送られた安倍晋三元首相のメッセージ)

 A 今回の事件は、自民党のなかでもとりわけ清和会と宗教団体との歴史的なつながりが仇になったもので、日本の政治の裏側を引きずり出すものになった。日本の独占大企業や資本家にとって、またその上段に君臨して戦後の対日支配を実行してきたアメリカにとって、岸信介(CIAのエージェント)から安倍晋三につながる政界の権力というのは、彼らが与えて育んできた権力にほかならない。いわゆる戦後の冷戦期から今日に至る右の軸なわけだ。そこにカネが集まるから最大派閥というものができあがり、日本の政界において隠然たる地位を築くことができたのだ。
 自民党の結党資金をCIAが提供していたことなども既に周知の事実ではあるが、親米右派であったり、親米左派をも培養し、いわば右手と左手を使いこなしながら対日支配を実行してきたのがアメリカだ。そのなかで、統一教会や勝共連合も右派運動の一翼として存在を認められ、右派政治家たちと密接な関係を切り結びながら今日に至るも活動をくり広げているに過ぎない。「神様のご加護」ではなく「為政者及び権力者のご加護」、力添えのおかげで統一教会みたいな宗教団体がのさばり、どれだけ信者が苦しもうが存在を許されてきたのだ。

 C 「統一教会はCIAがカネを突っ込んでつくった右派セクター」という指摘もあるが、教祖の文鮮明とつながってその設立に関わった岸信介自身がCIAのエージェントとして戦後の歩みを進めたわけで、まったく無関係とも思わないし、特にビックリ仰天するような話でもない。60年安保とか70年安保など、冷戦期の激動の時代にあって、対日支配の道具として過激な右側である国際勝共連合は育まれたし、その必要から笹川良一や岸信介が立ち上げたのだ。
 だいたい世界中で宗教組織、テロ組織を培養して政権転覆なり恐怖支配をくり広げてきたのがCIAで、謀略などなんでもあり。その基準は民主主義の実現とか善悪ではない。アメリカにとって都合が良いなら恥も外聞もなくテロ組織だろうが宗教団体だろうが培養するのだ戦犯の岸信介だろうが手先として使う。その岸信介をルーツとした統一教会についても、政治的な存在として捉えないといけない。信者を塗炭の苦しみに追い込むほどカネを巻き上げるひどいカルト宗教であるが、そのようなものがどうして自民党政治と癒着し、存在を許されてきたのかだ

 D 統一教会そのものは朝鮮動乱を経た50年代頭に韓国で産声を上げ、アメリカが作り上げた韓国の軍事独裁政権ともつながって、まさに右派セクターの一翼として出発している。日本と韓国の戦後出発は、ともにアメリカの軍事支配から始まった。韓国ではアメリカ仕込みの李承晩が送り込まれて軍事政権で国内を抑え込み、一方の日本では天皇のみならず岸信介をはじめとした日本軍国主義の為政者や統治機構が丸ごとアメリカに屈服して武装解除をやり、戦後の地位を保証されたもとで占領統治が実行された。つまり、日本の独占企業なり為政者はアメリカに屈服したもとで首の皮をつなぎ戦後出発したのだ。
 官僚機構もそのまま。大本営を主導した朝日新聞の緒方竹虎や読売新聞の正力松太郎などもCIAのエージェントとなってメディアの世界に居座り続けた。先程から論議になっているように、岸信介もCIAのエージェントだったことが明らかになっているし、笹川財団の笹川、右翼のドンといわれた児玉など、アメリカの占領支配に協力するものはみな抱えられ、戦後もポストを与えられた。いわば間接統治の駒として機能していく。アメリカが最上段に君臨したもとで、それら対日支配の協力者の国内での権力は与えられたのだ。

 A 一方で、統一教会と日本国内の右派がズブズブだった関係と関わって韓国でどうだったかというと、これもあまり日本国内では報道されないものの、日本の占領統治に協力していた朝鮮総督府の面々や日本陸軍士官学校関係者などが復職を許され、アメリカはおおいに統治に利用した。それこそ徴用工問題と関わって1965年の日韓請求権協定を結んだ朴正煕は日本陸軍士官学校卒の軍人で、昵懇(じっこん)の関係を結んでいた岸信介などは占領時代の上司みたいなものだ。
 それで8億㌦の経済支援で戦後賠償は終わったみたいなことをいうが、要するにODA方式で三菱重工業はじめとした大手企業が地下鉄工事その他の事業を請け負い、日本にバックさせる、自民党政治家にバックさせるという手法だった。総元締めにいたのが岸信介であり、脇を固めたのは満鉄調査部の幹部だった連中など植民地支配を実行していた面面だ。満鉄調査部の人員は戦後、電通がごっそりとひきとり、それがメディアを支配する電通の今につながるルーツでもある。その電通に首根っこを抑えられたメディアが「安倍晋三様のご逝去」報道をくり広げているのだから笑えない。

 D 岸信介といえば韓国利権で有名だが、いわゆる韓国の保守というのが、日本の旧植民地主義者たちにとってはかつての目下の部下であり、彼らは深くつながりを持ちながら共にアメリカの支配下で戦後出発を迎える。日米韓を又にかけて宗教活動をくり広げた統一教会も反共右派の一翼だったというだけだ。アメリカにも拠点がある。そうして、日本国内から巻き上げた信者からの多額の献金によって、韓国では財閥のような存在となり、系列の有名な飲料会社がサッカーチームを持っていたほどだ。

     (政治と宗教の解明必須 統一教会野放しの背景)

 A 『週刊文春』が山上某の伯父へのインタビューを掲載していたが、まことに過酷な人生を歩んでいたことがうかがえて、ちょっと言葉がない。詳しくは『文春』を読めばいいが、宗教団体に家族を狂わされた二世の気持ちを想像すると、どうしてこのような宗教団体が野放しにされてきたのかと心底思う。弁護士たちものべていたが、このような社会悪がとり締まられることなく、むしろ政界にも侵食していたのだから異常事態だそれこそ民主主義への挑戦だろう。

     (統一教会の機関紙の表紙を何度も飾っていた)

 なぜ安倍晋三を狙ったのか本人が理由にもあげていた統一教会の関連団体であるUPFの大会メッセージを見てみたのだが、「ご出席の皆様、日本国前内閣総理大臣の安倍晋三です。UPF主催のもと、より良い世界実現のための対話と諸問題の平和的解決のために、およそ150カ国の国家首脳、国会議員、宗教指導者が集う希望前進大会で、世界平和を共に牽引してきた盟友のトランプ大統領と共に演説機会を頂いたことを光栄に思います。特にこの度出帆したシンクタンク2022の果たす役割は、大きなものであると期待しております。今日に至るまでUPFと共に世界各地の紛争の解決、とりわけ朝鮮半島の平和的統一に向けて努力されてきた韓鶴子総裁(統一教会総裁)をはじめ、皆様に敬意を表します――」の挨拶に始まるメッセージは、広告塔としても十分過ぎるが、単純に広告塔だったというだけでは済まない

 D この間の報道で明らかになったことを見てみると、統一教会のイベントに祝電を送ったり、講演したり、来賓挨拶したり、機関紙のインタビューに応じたり、公に関係を持っている政治家だけあげつらっても相当数にのぼる。安倍晋三に始まり、菅義偉麻生太郎下村博文高市早苗稲田朋美細田博之加藤勝信萩生田光一岸信夫平井卓也山谷えり子猪口邦子逢沢一郎衛藤征士郎といった清和会を中心としたメンバーの他に、野党関係者のなかでも前原誠司細野豪志なんかも関係がとり沙汰されている。竹中平蔵も日韓トンネル財団の関係の催しで挨拶している。まだまだこんなものではないのだろう。統一教会が姿を変えるのを得意技とし、企業に扮したり様々な業態に七変化することから分かりづらいものの、「政治と宗教」の関係がどうなっているのか実態解明は必要だ。

 B 残酷な献金や詐欺まがいのカネ集めはどう見ても反社会的なもので、オウム真理教と同じように犯罪捜査の手が及ばなければならないのに、2006年の第一次安倍政権のもとで公安が統一教会を重点監視対象から外し、第二次安倍政権下の2015年には、1994年から認めてこなかった統一教会の名称変更を文科省が承認した。あの宗教団体の衣替えを公認したのだ。当時の大臣は清和会所属の文教族・下村博文だ。そして安倍晋三の私物化疑惑と同じように同教団のおこないは厳しく報道されることもなく、むしろ闇の勢力として政界でも存在感を強め、暗躍していたのが実態なのだろう。政治家がこぞって統一教会とつながり、隠すことなくメッセージを寄せたりするのが常態化し、むしろ統一教会にすり寄った者ほど安倍政権のもとで大臣に出世したのだ。
 信者からの激しい献金の巻き上げで悲劇がいくつも起きていることは霊感商法対策弁護士連絡会の会見でも浮き彫りになったが、そのカネは政界にも流れていたことは容易に想像がつく。それが自民党だけでなく民主党にも及んでいる。国会議員の秘書として三桁に届くくらい統一教会から送り込まれているというが、これをズブズブといわずしてなんというのだろうか

 A 国際勝共連合の運動方針を見てみると、第一次、第二次安倍政権で安倍晋三やそのとり巻きたちが力を入れてきた政策とぴったり符号するものばかりだ。非核三原則の改廃、日本版NSCの設置、集団的自衛権の行使容認、武器輸出三原則の改廃、防衛産業を成長戦略に盛り込む、宇宙の軍事利用促進、緊急事態基本法の制定、憲法改正、男女共同参画社会基本法の改廃、青少年健全育成基本法の制定、勝共思想の定着、共産主義の脅威から国を守る、ジェンダーフリーや過激な性教育の廃止、夫婦別姓の阻止などがテーマとして掲げられている。家族の絆云々をことのほか強調するのも特徴だ。まあ、山上一家みたく家族を切り裂いておいて何をかいわんやでもあるが、日本会議とか自民党右派の特徴ともかぶる

 C 軍事的な要求としては、アメリカの対日政策ともぴったり符号するもので、まさに安倍政権の8年で実現してきたことばかりなのだ。日本版NSCを発足させ、特定秘密保護法を制定し、消費税は二度の増税を実施し、内閣人事局を発足させて官僚支配を強めたり、憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使を可能にする安全保障関連法案を成立させ、共謀罪を盛り込んだ組織犯罪処罰法を成立させ、一方ではモリカケ桜、お気に入りのブレーンを検事総長につけようとしたり、河井案里事件があったり大暴走をくり広げてきた八年といえる。それ自体前代未聞の権力の私物化がとり締まられることなく黙認されたり、何もなかったように誤魔化されてきたのも、対中国の軍事的拠点としてアメリカの盾となる道を進み、そのための法整備を大暴走してでもやり遂げる駒だったからであり、独占資本にとっては大企業天国を保証してくれる政策の実行者だったからにほかならない。

 A 安保法制などが最たるものだが、それはすなわち自衛隊の米軍の二軍化であり、一連の法整備や安倍政権のもとで進んだ軍事戦略・配置は、アメリカの盾となって日本をウクライナのように最先端の戦場にしてしまいかねないものだ。それらは強面の右傾化勢力にガッチリと支えられ、自民党内でも他がチンとおとなしくなるような力でもっておし進められた。最終的に改憲で戦争できる国作りの総仕上げにかかっている。口先とは裏腹に「日本を守る」ではなくミサイルの標的に立候補して「アメリカを守る」をやっているわけだ鉄砲玉になる道に誘っているのだから売国奴といわなければならない。そのような政治を実行してきた者を、なぜ神様の如く国葬で一億総号泣して送らなければならないのかだ

 B 安倍晋三の射殺事件後、なぜかネトウヨが統一教会には寛容でおとなしいことが不思議がられている。実はこの何年来かの右傾化の主体的勢力だったのではないかという見方もされているが、過激で戦闘的な宗教団体が組織的にこの数年来の右傾化なるものの担い手となり、安倍晋三親衛隊として支えていたとしても何ら不思議ではない。それはもう、お爺さんの代から密接なのだ統一教会と自民党及び政治の関係について、引き続き報道の手を緩めてはならないし、依存している政治家の存在に光を当て、一人残らず引きずり出すことは重要だ。依存しているとは要するにカネもかかわった話であろうし、それは統一教会信者たちへの残酷な搾取の賜であることからも許しがたいものなのだ。号泣するどころか、むしろ激怒しなければならない性質の問題だ
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●《彼のしたこと、しようとしてきたことはただただカネ儲け、戦争ができる国への道づくりだった》…それを支持する「1/4」と「2/4」

2022年07月22日 00時00分13秒 | Weblog

[※ 「こんな人たち 報道特集(2017年7月8日)↑]


(20220714[])
壊憲して《戦争ができる国への道づくり》…それを直接的に支持する「1/4」と、選挙に行かないことで間接的に支持する「2/4」。この構図がずっと続いていて、選挙をやるたびに失望感が深くなる。
 2014年12月、森達也さんは「つまり法案はさくさくとすべて通る」と。この8年近く、その予想を遥かに上回る暴走ぶりだった。特にアベ様の暗黒の7年8カ月。民主党政権時代、こんなにも酷い暗黒の国会運営だったか? この異常さが分かろうというものだ。

   『●森達也さん、「僕はもうあきらめた」「これから4年間で
          この国がどう変わるのか、とてもとても楽しみだ」
    《だからもう投票には行かなくていい。落ちるなら徹底して落ちた
     ほうがいい。敗戦にしても原発事故にしても、この国は絶望が
     足りない何度も同じことをくりかえしている。だからもっと
     絶望するために、史上最低の投票率で(それは要するに現状肯定の
     意思なのだから)、一党独裁を完成させてほしい。その主体は
     現政権ではない。この国の有権者だ
      まあ実のところは書くまでもない。僕ごときに言われなくたって
     行かない人は行かない。行かない人はそもそもポリタスを読まない。
     そんな意識もない。結果はもう明らかだ。15日以降に誕生するのは
     世界でも稀な自発的な独裁国家(でも考えたらナチスドイツもそう
     だった)。これから4年間でこの国がどう変わるのか、
     とてもとても楽しみだ。》

 レイバーネットの記事【「アベさんに対する銃撃について思うこと」小出裕章】(http://www.labornetjp.org/news/2022/0710koide)によると、《彼のしたこと、しようとしてきたことはただただカネ儲け、戦争ができる国への道づくりだった》。
 尊敬する小出裕章さんのコメント。原文は「思うこと・・・折に触れて」(http://www.go.tvm.ne.jp/~koide/Hiroaki/remark.htm)の「16.「アベさんに対する銃撃について思うこと」(2022年7月10日追加)」(http://www.go.tvm.ne.jp/~koide/Hiroaki/remark/%E3%82%A2%E3%83%99%E3%81%95%E3%82%93%E3%81%AE%E6%AD%BB.pdf)。

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http://www.labornetjp.org/news/2022/0710koide

「アベさんに対する銃撃について思うこと」小出裕章

*以下、小出裕章さんが7月9日に発表したコメントを紹介します。コメント発表の経緯について小出さんは、「その件(安倍事件)で何人の方から問い合わせをいただきましたので、9日に札幌に行く飛行機の機内で書き、問い合わせをくださった方にお送りしました。その方々が、TwitterやFacebookに載せてくださったようです」と述べています。(レイバーネット編集部)


2022年 7 月 9 日
アベさんに対する銃撃について思うこと
小出裕章

 アベさんが銃撃を受けて死んだ。悲しくはない。アベさんは私が最も嫌う、少なくとも片手で数えられる5人に入る人だった。アベさんがやったことは特定秘密保護法制定集団的自衛権を認めた戦争法制定共謀罪創設、フクシマ事故を忘れさせるための東京オリンピック誘致、そしてさらに憲法改悪まで進めようとしていた。彼のしたこと、しようとしてきたことはただただカネ儲け、戦争ができる国への道づくりだった

 アベさんは弱い立場の国・人達に対しては居丈高になり、強い国・人達に対してはとことん卑屈になる最低の人だった。朝鮮を徹底的にバッシングし、トランプさんにはこびへつらって、彼の言いなりに膨大な武器を購入した。彼は息をするかのように嘘をついた森友学園加計学園桜を観る会アベノマスク…彼とその取り巻きの利権集団で、国民のカネを、あたかも自分のカネでもあるかのように使い放題にした。それがばれそうになると、丸ごと抱え込んだ官僚組織を使って証拠の隠ぺい、改ざん、廃棄をして自分の罪を逃れた。その中で、自死を強いられる人まで出たが、彼は何の責任も取らないまま逃げおおせた。私は彼の悪行を一つひとつ明らかにし、処罰したいと思ってきた。

 私は一人ひとりの人間は、他にかけがえのないその人であり、殺していい命も、殺されていい命も、一つとして存在していないと公言してきた。アベさんにはこれ以上の悪行を積む前に死んでほしいとは思ったが、殺していいとは思っていなかった。悪行についての責任を取らせることができないまま彼が殺されてしまったことをむしろ残念に思う。

 多くの人が「民主主義社会では許されない蛮行」と言うが、私はその意見に与しない。すべての行為、出来事は歴史の大河の中で生まれる。歴史と切り離して、個々の行為を評価することはもともと誤っている。そもそも日本というこの国が民主主義的であると本気で思っている人がいるとすれば、それこそ不思議である

 国民、特に若い人たちを貧困に落とし、政治に関して考える力すら奪った。民主主義の根幹は選挙だなどと言いながら、自分に都合のいい小選挙区制を敷き、どんなに低投票率であっても、選挙に勝てば後は好き放題。国民の血税をあたかも自分のカネでもあるかのように、自分と身内にばらまいた。原子力など、どれほどの血税をつぎ込んで無駄にしたか考えるだけでもばかばかしい。日本で作られた57基の原発は全て自由民主党が政権をとっている時に安全だと言って認可された。もちろん福島第一原発だって、安全だとして認可された。その福島原発が事故を起こし、膨大な被害と被害者が出、事故後11年経った今も「原子力緊急事態宣言」が解除できないまま被害者たちが苦難にあえいでいるそれでも、アベさんを含め自民党の誰一人として、そして自民党を支えて原発を推進してきた官僚たちも誰一人として責任を取らない。もちろん裁判所すら原発を許してきた国の組織であり、その裁判所は国の責任を認めないし、東京電力の会長・社長以下の責任も認めない。どんな悲惨な事故を起こしても誰も責任を取らずに済むということをフクシマ事故から学んだ彼らはこれからもまた原子力を推進すると言っているさらに、これからは軍事費を倍増させ、日本を戦争ができる国にしようとする

 愚かな国民には愚かな政府。それが民主主義であるというのであれば、そうかもしれない。しかし、それなら、虐げられた人々、抑圧された人々の悲しみはいつの日か爆発する。今回、アベさんを銃撃した人の思いは分からない。でも、何度も言うが、はじめから「許しがたい蛮行」として非難する意見には私は与さない。心配なことは、投票日を目前にした参議院選挙に、アベさんが可哀想とかいう意見が反映されてしまわないかということだ。さらに、今回の出来事を理由に、治安維持法、共謀罪などがこれまで以上に強化され、この国がますます非民主主義的で息苦しい国にされてしまうのではないかと私は危惧する

*小出裕章さんのホームページ
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●戦争法等《法自体を廃止しなければならない》ものが多すぎる…その一つが土地利用規制法で、《沖縄はほとんどが監視下に置かれてしまう》

2022年06月26日 00時00分40秒 | Weblog

// (2022年06月06日[月])
琉球新報の【<社説>土地規制法一部施行 欠陥法は廃止しかない】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1527499.html)。

 《自衛隊や米軍基地、国境離島などを対象に周辺の土地利用を政府が調査、規制する土地利用規制法が、1日に一部施行された。基地周辺や離島での自由な経済活動を制約し、思想が侵害される懸念もある私権制限を伴う問題だらけの法律だ。狭い土地に基地が集中し、多くの国境離島を抱える沖縄はほとんどが監視下に置かれてしまう。これだけ危険な法律でありながら、罰則の対象となる行為や対象区域などが明確にされないままに、一部とはいえ法が施行された。許されない見切り発車だ。全面施行の見送りはもとより、法自体を廃止しなければならない》。

   『●《国民投票法に条件付き賛成で…支持者が増》≪「支持者減」…
     立憲を掲げて、しかも、このコロナ禍で、あのトンデモ壊憲に手を貸すかね?
   『●立法府の自公お維議員による土地規制法案 ――― 《何のための国会か》
        《内閣委員のお一人お一人が問われている》(馬奈木厳太郎弁護士)

    《さらに、法案を先取りするような事件も沖縄では起こった。
     米軍北部訓練場の返還跡地である「やんばるの森」に米軍の廃棄物が
     残っている
ことを指摘、その廃棄物を米軍基地ゲート前に並べるという
     抗議活動をおこなったチョウ類研究者の宮城秋乃さんに対し、沖縄県警が
     威力業務妨害の疑いで家宅捜索に入ったからだ》

   『●土地規制法案の先取り ―― 宮城秋乃さんの家宅捜索という見せしめ
       …《見せしめの過剰捜査…人権侵害行為》が頻発すること、必至
   『●《神さま》気取りのアベ様にこんなお願いする気? ―――
     「国民主権の縮小、戦争放棄の放棄、基本的人権の制限…緊急事態条項の創設」
   『●<金口木舌>《土地利用規制法やデジタル関連法などが国会でバタバタ
     と成立…いずれも国民を監視し思想・良心の自由を奪いかねない法律》
    「《本当にこのままでよいのか》? 《国中が混乱する中、
     土地利用規制法デジタル関連法などが国会でバタバタと成立した。
     熟議とは程遠い数の力で ▼いずれも国民を監視し思想・良心の自由を
     奪いかねない法律だ》。
      《国民はその危うさを実感しているだろうか》? 法治主義を嘯き、
     《法を盾に権力者は国民を押さえ付ける》。立憲主義を蔑ろにし、
     違憲に壊憲するくせに。自公お維に投票した責任取ってください。」

   『●違憲な土地規制法 ――― 密告社会、《軍隊に監視される社会でいい
     のか?》、《戦争に市民を協力させるという構造》を許していいのか?
    「海渡雄一さんによる、レイバーネットの記事【三上智恵さんの
     「沖縄スパイ戦史」が明らかにする土地規制法の危険性/海渡雄一】」

   『●《思想統制、言論弾圧につながる危険な兆候…反戦の声を上げる市民に
      敵意を向けた自衛隊の暴走を見過ごすわけにはいかない》(琉球新報)
    《この文書を作成していた陸自の情報保全隊は、宮古島市与那国町への
     陸自配備に伴って両島でも発足している。今年9月には米軍や
     自衛隊基地の周辺で住民の調査を可能とする「土地利用規制法」が
     施行される。戦前の治安維持法下をほうふつとさせる監視体制
     一層強まる》

 自公お維コミが幅を利かす限りデタラメは続く…。戦争法など、《法自体を廃止しなければならない》ものが多すぎる。(恣意的な)欠陥法・「土地利用規制法」「土地規制法」。

 《軍隊に監視される社会でいいのか?》。《戦争に市民を協力させるという構造》を許していいのか? 
 海渡雄一さん《基地や原発の監視活動や抗議活動をする隣人・知人や活動協力者の個人情報を密告せざるを得なくなります。これは地域や市民活動を分断するものであり、市民活動の著しい萎縮につながります。土地規制法は、沖縄スパイ戦の時のこのような構造を現代の基地周辺地域などによみがえらせることでしょう。いったんこのようマシーンが作動を始めたら、最後には、住民同士が密告し合い、多くの犠牲者を再び産み出す危険性があります。土地規制法は、憲法が絶対的なものとして保障している思想・良心の自由侵害するものなのです》《三上さんの「沖縄スパイ戦史」は、土地規制法がもたらす監視と密告の社会の末に、私たちを待っている人間不信の未来の地獄絵図を過去の歴史の中から肌身に感じられるような精度でよみがえらせました》。

 同様に、沖縄タイムスの【社説[反戦デモ敵視]憲法の軽視は許されぬ】によると、《戦力を備えた自衛隊という実力組織が、憲法も認める市民の権利行使を「戦い」の対象に挙げるという、ゆがんだ認識が問われている》。
 (リテラ)《「陸上自衛隊の今後の取組み」という資料において、「予想される新たな戦いの様相」「グレーゾーンの事態」として、「テロ等」「サイバー攻撃」「不法行動」「特殊部隊等による破壊活動等」などと並んで、「反戦デモ」と記載》《戦争に反対し平和を願う市民によるデモを、政府は国家の主権を脅かす行為として敵対勢力扱いしていた》…ねぇ。(琉球新報)《戦争に反対する市民の行動を国家の主権を脅かす挑戦と位置付け、敵視していたのだ》。戦争したい戦争に行かせたいという本音、政府や自衛隊に逆らうものは許さないという本音がポロリでしょうか。ウクライナへのロシアの侵略で世界中の多くの市民が暗い気分になっている所で、一方で、アベ様政権下でのニッポンではこの有様だったわけです。
 昔、「市民活動も取り締まりの対象となる」なんて言っていた与党自民党の首脳が居ましたね。「数十万人単位のテロリスト」のいる「そんな国の与党の首脳」が特定秘密隠蔽法の本質について本音をポロリでした。

   『●「恥」の三重塗り: 高市早苗氏・稲田朋美氏の
      「ネオナチ」写真問題・「在特会」機関紙執筆問題
    「それにさらに輪をかけて、「「ヘイト」規制 国会デモにも広げる愚……
     
政権批判は耳が痛くても、民の声に耳を傾けることこそ政治家の
     仕事ではないのか」? その発言者・高市早苗氏は当然として、
     座長・平沢勝栄氏や各委員はこんな発議に異議を唱えないのであれば
     高市氏同様の「愚」「恥」」

   『●「数十万人単位のテロリスト」のいる
       「そんな国の与党の首脳」が隠蔽法の本音をポロリ
    《国民の「知る権利」を侵害する恐れがある特定秘密保護法案をめぐり、
     自民党の石破茂幹事長がブログで、市民団体らのデモ活動をテロ
     とみなした。憲法が定める「表現の自由」に基づく
     市民の政治への訴えを犯罪と同一視する言葉が政権中枢から出たことで、
     法案が成立すれば国民の権利が抑圧されるとの懸念は現実味を増した》

   『●もはやニッポンに「民主主義の看板を掲げる資格はない」
          …アベ様は「盲目的に服従しない者には弾圧で…」


 (田中角栄氏だけでなく、お維も同様な宣伝?)「決断と実行」だってさ? 〝検討氏〟による「検討と不履行。暮らしを破壊」。いまだに、「辺野古が唯一の解決策」なんて言っているしね。
 日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/「決断と実行」岸田首相には重いキャッチコピーでは】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202206030000091.html)によると、《★自民党は1日、来月の参院選挙へ向けポスターを発表した。キャッチコピーは「決断と実行。暮らしを守る」。党広報本部長・河野太郎は「確かな決断と揺るぎない実行が求められている」と胸を張ったが、72年の田中が指揮した衆院選の自民党のコピーも「決断と実行」だった。「検討する」を連発し、決断力に欠けると野党から言われる首相・岸田文雄にはいささか荷が重いコピーではないか》。

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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1527499.html

<社説>土地規制法一部施行 欠陥法は廃止しかない
2022年6月3日 05:00

 自衛隊や米軍基地、国境離島などを対象に周辺の土地利用を政府が調査、規制する土地利用規制法が、1日に一部施行された。

 基地周辺や離島での自由な経済活動を制約し、思想が侵害される懸念もある私権制限を伴う問題だらけの法律だ。狭い土地に基地が集中し、多くの国境離島を抱える沖縄はほとんどが監視下に置かれてしまう。これだけ危険な法律でありながら、罰則の対象となる行為や対象区域などが明確にされないままに、一部とはいえ法が施行された。許されない見切り発車だ。

 全面施行の見送りはもとより、法自体を廃止しなければならない

 全面施行後は政府が「注視区域」や「特別注視区域」に指定すると、土地の所有者名や国籍などの情報を政府が収集し、分析できるようになる。特別注視区域では、一定面積以上の土地売買に事前の届け出が義務付けられる。

 基地や国境離島の機能を阻害する行為(機能阻害行為)について中止の勧告・命令や罰則を出すことも可能となるが、法律の条文は抽象的な表現にとどまり、どのような行為が罰則の対象となるのか具体的に示されていない

 機能阻害行為について法律の条文上明確でないことが法案の国会審議で問題となり、思想、信教、集会、結社などの自由に配慮することなどを求める付帯決議が付されることとなった。

 政府は9月の全面施行に向け、規制対象の区域や行為を検討する有識者の会議を設置し、閣議で基本方針を決める。だが、一部施行の段階になっても「検討中」を繰り返し、必要な情報を伏せている。国民の権利を侵害する規制の中身がどこまで明らかにされるのか全く見えない

 国会審議では、情報収集に公安調査庁内閣情報調査室などの情報機関が協力することや、個人の思想信条を調べることも条文上は「排除されていない」という政府の認識も示された。内閣官房は、実際には土地利用と関係のない事項を調べることは想定していないとしたが、条文上の調査権限や罰則行為があいまいでは、政府が恣意(しい)的に規制を運用する恐れがある。

 戦時中に日本軍が作成した秘密文書「防諜ノ地域的措置ニ関スル説明要図」という資料には、軍事的に重要な施設の周囲を距離で区分し、住民の立ち入り禁止や他地区の人への秘匿、写真撮影の禁止、外国人の旅行制限など、区域ごとの規制措置が記されている。土地利用規制法の設計は、日本軍が戦時下でとったこの措置と重なる

 沖縄戦では治安維持軍機保護の名目で、日本軍が沖縄の住民をスパイ視した安全保障を名目に国民監視を認める土地利用規制法は、戦時体制の再来になりかねない。私権侵害の乱用に歯止めをかけるすべがない欠陥法を全面施行させてはならない
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●《報道の自由度ランキング…日本より下にランクされているのは…独裁国家や軍事国家ばかりで日本は民主主義先進国とは言えない状態》

2022年06月04日 00時00分18秒 | Weblog

[※ 「こんな人たち」 報道特集(2017年7月8日)↑]


(20220522[])
リテラの記事【日本の「報道の自由度ランキング」下落報道でNHKが「日本政府の圧力」という文言を削除 政権忖度と自己検閲ぶりがあらわに】(https://lite-ra.com/2022/05/post-6192.html)。

 《フランスに本部を置く国際的なジャーナリストのNGO「国境なき記者団」が3日に発表した2022年の「報道の自由度ランキング」で、世界の180の国や地域のうち日本は71と昨年から順位を4つ下げる結果となった。この順位は、安倍晋三首相から菅義偉首相、そして岸田文雄首相に代わってもメディア状況は変わりがないどころか悪化していることを示していると言えるだろう。実際、民主党政権時代の2010年には11位だったのに対し、第二次安倍政権発足以降急落し2013年は53、2014年は59、2015年は61、2016年は72、2017年は72、2018年は67、2019年は67、2020年は66、2021年は67だった。G7のなかで最下位なのはもちろん、日本より下にランクされているのは多くは独裁国家や軍事国家ばかり日本は民主主義先進国とは言えない状態だ》。

   『●《大阪ヘイト条例》と構図は同じ…《政府・与党政治家への正当な
     批判を「侮辱」として解釈し、気に食わない言論や表現への弾圧に利用》
   『●とっても危険な《侮辱罪を厳罰化する刑法改正案》…自公お維コミの
      《火事場ドロボー》達は、《権力批判の言論を萎縮させる》気満々だ
   『●《政治家の批判や、政府の方針への苦言など…デモ…》が抑制、
     《首相はうそつき》《総理は嘘つき》ウソ吐きなアベ様という批判も…

 アベ様らによる《メディアコントロール》の〝成果〟。情けなく、哀しい。結果として壊憲へ暴走。

 マガジン9のコラム【言葉の海へ 第208回:憲法と世論調査(鈴木耕)】(https://maga9.jp/220511-4/)によると、《憲法報道について》《そんな質問でいいんですか?》《「雰囲気で改憲」って、ヤバくない?》《どこまで堕ちるか日本の自由度》《第1問 「あなたは日本国憲法を読んだことがありますか?」》《国の基礎となるべき「憲法教育」を、なぜこの国はおろそかにするのか。しっかり「憲法教育」を行った上でなら、「あなたは憲法改正に賛成ですか反対ですか」「改正したいのはどの条文ですか」「それはなぜですか」という問いかけの世論調査は成立するだろう。だが『戦争を知らない子供たち』どころか、「憲法を知らない子供たち」ばかりが増えていく学校教育の下では、この問いは成立しない。もっとも、自民公明維新国民民主の改憲派にとっては子どもたちに「憲法」を教えるなんてとんでもないことなのだろうけれど…。》
 ホントに、光明の見えない国・ニッポン。《メディアは二流ならば社会も二流》《社会と政治も三流》。

   『●2016年報道の自由度ランキング72位:
      「メディアは二流ならば社会も二流」、アベ政治も…粗悪
    《政治が一流だけど、メディアは三流なんて国はありません
     メディアは二流ならば社会も二流なんです。相互作用ですから。
     「国境なき記者団」が発表する「報道の自由度ランキング」でも、
     上位に位置するノルウェーデンマークスウェーデンは、
     僕から見れば確かに政治も一流だし、社会も成熟していると感じます。
     2010年に自由度11だった日本のメディアが、2016年には72
     まで下落しました。ならばメディアだけではなくて政治も国民も、
     同じように下落
したということです。今のこの国のレベルは途上国以下
    「ジャーナリズムは、《社会や大衆が望まなくとも…火中の栗を拾って
     報じなければならないときがある》。この国の報道機関は「闘って
     いるでしょうか? 権力と「闘う」どころか、『読売』や『産経』、
     『アベ様のNHK』などはアベ様と同調し、社会を破壊していないか?」

   『●2016年、17年の「報道の自由度ランキング」、
       2年連続72位なニッポン…「社会と政治も三流」
   『●アホらしき税収不足! 日本の「報道の自由度」72位で、
           「パナマ文書を調査しない国は…と日本くらい」
   『●《テンチョンニュース》で決して報じない
     《安倍さんが直接関わった疑惑。民主主義の根幹を壊す犯罪行為》
   『●(政界地獄耳)《一方、日本では一体何が起きているか。
      官製嫌韓ヘイトをメディアがあおっているお粗末さだ》
   『●<それにつけてもアベ様や小池「ト」知事の無能さよ>…《政治の
      無策による人災》の片棒を担いだマスメディアにも大きな責任
   『●アベ様広報紙・産経《むしろ記者たちの質問する権利を奪おうとする、
       目を疑うような記事が出た》…《メディアコントロール》の成果
    《《「日本に報道の自由がない」という国際社会の評価》はすでに
     世界に定着。アベ様らの罪はあまりに大きい。アベ様独裁下での
     「報道の自由度ランキング」の凋落具合を見ても自明だ》

   『●《「世界で最も影響力のある100人」(TIME100)…伊藤詩織さんと
          …大坂なおみ選手》、一方、杉田水脈議員がまたしても暴言
    《──分断を生んだ安倍政権を引き継ぐ菅氏は、日頃の会見でも質疑が
     かみ合いませんでした。事件を通じて権力とメディアとの関係を
     どう考えましたか。
     メディアの役割は権力の番犬」だと思いますが、日本の記者会見を
     見ているとどういう姿勢で彼らが番犬としての役割を果たしている
     のか、と疑問に思うこともあります。日本の「報道の自由度」の
     ランキングが低いのも、こうしたことに根ざしているのだと思います》

   『●《「ちょっと待って」とか「やっぱりこれは変だ」などの声を、もう
     少し多くの人が発していたならば、こんな状況にはなっていなかった》

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https://lite-ra.com/2022/05/post-6192.html

日本の「報道の自由度ランキング」下落報道でNHKが「日本政府の圧力」という文言を削除 政権忖度と自己検閲ぶりがあらわに
2022.05.10 09:17

     (首相官邸HPより

 フランスに本部を置く国際的なジャーナリストのNGO「国境なき記者団」が3日に発表した2022年の「報道の自由度ランキング」で、世界の180の国や地域のうち日本は71と昨年から順位を4つ下げる結果となった。

 この順位は、安倍晋三首相から菅義偉首相、そして岸田文雄首相に代わってもメディア状況は変わりがないどころか悪化していることを示していると言えるだろう。実際、民主党政権時代の2010年には11位だったのに対し、第二次安倍政権発足以降急落し2013年は53、2014年は59、2015年は61、2016年は72、2017年は72、2018年は67、2019年は67、2020年は66、2021年は67だった。G7のなかで最下位なのはもちろん、日本より下にランクされているのは多くは独裁国家や軍事国家ばかり日本は民主主義先進国とは言えない状態だ。

 だが、問題なのはランクを4つ下げたことだけではなかった。今回の「報道の自由度ランキング」についての報道じたいが、政府に忖度したものになっていたからだ。

 というのも、国境なき記者団のHPに掲載された日本についてのレポートには、政府の影響について、このように指摘がなされていた。

日本政府と企業は、大手メディアに対して日常的に圧力をかけており、その結果、汚職やセクシュアルハラスメント、健康問題(新型コロナや放射能)、環境汚染などのセンシティブと見なされる可能性があるトピックにかんして厳しい自己検閲が生じている。〉

 ところが、2022年の「報道の自由度ランキング」を報じたNHKは、「日本政府」の圧力については触れず、国境なき記者団による日本についての分析にはまったく出てこない韓国(43位)とオーストラリア(39位)の名前をわざわざ出して同列のように並べ、〈日本は韓国やオーストラリアと同様に「強まっている大企業の影響力がメディアに自己検閲を促している」として去年から順位を4つ下げて71位に後退しました〉と伝えたのだ。

 しかも、これはNHKのみならず共同通信や時事通信なども同様で、政府の圧力によって厳しい自己検閲が生じているという指摘について触れたのは、確認できた範囲ではテレビ朝日のみだった。


国境なき記者団はネトウヨや安倍応援団による“反日”攻撃も指摘 しかしメディアは…

 国境なき記者団は「日本政府や企業が主流メディアに日常的に圧力をかけ、その結果、厳しい自己検閲が生じている」と指摘したのに、「日本政府の圧力」については触れずに伝える──。この報道姿勢こそが、まさしく今回指摘された、報道の自由を妨げている「メディアの自己検閲そのものではないか。

 だが、国内メディアが伝えなかったのは、「日本政府の圧力」の存在だけではない。じつは、国境なき記者団はさらに日本の報道状況について、さらに具体的な指摘をおこなっているからだ。

 たとえば国境なき記者団は、日本政府による圧力とメディア側の自己検閲について触れたあと、政府が2020年からコロナ対策を口実に記者会見に出席できる記者の数を劇的に減らしていることを指摘。日本の「政治的背景」についても、〈2012年以降、国粋主義右派が台頭し、多くのジャーナリストが彼らに対する不信感、さらには敵意さえ感じていると訴えてきた〉と第二次安倍政権誕生以降の状況を分析し、記者クラブ制度がメディアの自己検閲を促し、フリーランスや外国人の記者に対する露骨な差別があることを指摘している。

 また、国境なき記者団は、2021年に菅政権がコロナ禍のどさくさに紛れて強行採決した「土地規制法」にも言及し、同時に特定秘密保護法の改正を拒否していることも指摘。両方に懲役刑などの罰則を科していることを問題視している。

 さらに、「安全性」について言及した項目では、日本のジャーナリストは比較的安全な環境にあるとしながらも、〈「中傷的」と見なされるコンテンツをリツイートしただけで政治家に起訴された者もいる〉と指摘。〈SNSでは、ナショナリストグループは、政府に批判的であるジャーナリストや、福島の原発事故によって引き起こされた健康問題、沖縄の米軍駐留、第二次世界大戦中の日本の戦争犯罪などの「反愛国的な」主題を扱うジャーナリストにも日常的に嫌がらせをしている〉とも言及。ネトウヨや安倍応援団による政権批判者や“反日”に対する苛烈なSNS攻撃が、健全なジャーナリズムの妨げとなっていることまで指摘しているのだ。


会見打ち切り、書面回答拒否…岸田政権のぞんざいメディア対応 安倍・菅“言論弾圧”政権で「政権忖度」が恒常化 

 だが、こうした細かな指摘や分析を国内メディアはことごとく無視。仔細に報じようともしない。しかし、それも当然だろう。主流メディアは「政府からの日常的な圧力の結果、厳しい自己検閲」をし報道の自由を自ら阻害している当事者であるだけでなく、ここで取り上げられた極右の台頭や歴史修正主義、沖縄の米軍基地問題や「土地規制法」などの危険な法案について、大きな問題として積極的に取り扱おうとしないからだ

 しかも重要なのは、メディア側の姿勢が安倍・菅政権以降も悪化しつづけていることだろう。

 たとえば、北海道新聞は9日付記事において、岸田首相が情報発信に消極的になっていると指摘。コロナ第6波でも1カ月半も首相会見をおこなわず、4月8日・26日の会見は30〜40分で終了。さらに、コロナ下で安倍政権がはじめた会見で指名されなかった記者が書面でおこなう質問についても、4月26日の会見後に4社が質問を提出したものの、岸田官邸は回答を拒否。安倍首相も菅首相も国民への説明をないがしろにしてきたが、岸田官邸も高い支持率に調子づき、メディア対応が輪にかけて酷くなっているというのだ。

 無論、これは官邸側だけの問題ではけっしてない。前述したように、国境なき記者団は日本政府がコロナ対策を口実に記者会見に出席できる記者の数を劇的に減らしていることを問題として取り上げていたが、そのほかにも更問い(追加質問)の禁止事前に官邸が質問を提出させようとすることなど、問題は安倍政権時から山程あった。当然、これらは首相会見の主催者である内閣記者会ボイコットも辞さない姿勢で反発すべき事柄だ。ところが、大手メディアの記者たちは報道に対して露骨に圧力が強まるなかでも平然と安倍首相や菅首相と会食をおこない、官邸のメディア対応を是認してきた。そうした結果、安倍・菅政権時に加速したメディア側の「忖度の意識追及をしない姿勢が恒常化し、岸田政権下においても当たり前のようになってしまっているのだ。

 このような情けないメディア状況を、「政府の日常的な圧力の結果、厳しい自己検閲が生じている」とずばり指摘した今年の「報道の自由度ランキング」。そして、肝心のこの指摘を報じなかった国内メディア。──今回のランキングについて報じたメディアは、ウクライナ侵略で言論統制を強めたロシアが昨年から順位を5つ下げて155位になったことを強調していたが、自己検閲によって政府の圧力の存在を伝えないメディアが、ロシアの状況についてとやかく言えたものではないだろう

(編集部)
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●《戦力を備えた自衛隊という実力組織が、憲法も認める市民の権利行使を「戦い」の対象に挙げるという、ゆがんだ認識が問われている》

2022年05月01日 00時00分44秒 | Weblog

[※ 「こんな人たち 報道特集(2017年7月8日)↑]


(20220420[])
沖縄タイムスの【社説[反戦デモ敵視]憲法の軽視は許されぬ】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/943670)。

 《問題は「誤解」されていることではない。戦力を備えた自衛隊という実力組織が、憲法も認める市民の権利行使を「戦い」の対象に挙げるという、ゆがんだ認識が問われているのだ。松野氏は野党の追及を受け「不適切だった」と軌道修正したが、不十分だ。文民統制に関わる事態と捉え、岸信夫防衛相は陸自への指導など対応を検討すべきだろう》。

   『●「恥」の三重塗り: 高市早苗氏・稲田朋美氏の
      「ネオナチ」写真問題・「在特会」機関紙執筆問題
    「それにさらに輪をかけて、「「ヘイト」規制 国会デモにも広げる愚……
     
政権批判は耳が痛くても、民の声に耳を傾けることこそ政治家の
     仕事ではないのか」? その発言者・高市早苗氏は当然として、
     座長・平沢勝栄氏や各委員はこんな発議に異議を唱えないのであれば
     高市氏同様の「愚」「恥」」

   『●「数十万人単位のテロリスト」のいる
       「そんな国の与党の首脳」が隠蔽法の本音をポロリ
    《国民の「知る権利」を侵害する恐れがある特定秘密保護法案をめぐり、
     自民党の石破茂幹事長がブログで、市民団体らのデモ活動をテロ
     とみなした。憲法が定める「表現の自由」に基づく
     市民の政治への訴えを犯罪と同一視する言葉が政権中枢から出たことで、
     法案が成立すれば国民の権利が抑圧されるとの懸念は現実味を増した》

   『●もはやニッポンに「民主主義の看板を掲げる資格はない」
          …アベ様は「盲目的に服従しない者には弾圧で…」
   『●《思想統制、言論弾圧につながる危険な兆候…反戦の声を上げる市民に
     敵意を向けた自衛隊の暴走を見過ごすわけにはいかない》(琉球新報)

(リテラ)《「陸上自衛隊の今後の取組み」という資料において、「予想される新たな戦いの様相」「グレーゾーンの事態」として、「テロ等」「サイバー攻撃」「不法行動」「特殊部隊等による破壊活動等」などと並んで、「反戦デモ」と記載》《戦争に反対し平和を願う市民によるデモを、政府は国家の主権を脅かす行為として敵対勢力扱いしていた》…ねぇ。(琉球新報)《戦争に反対する市民の行動を国家の主権を脅かす挑戦と位置付け、敵視していたのだ》。戦争したい戦争に行かせたいという本音、政府や自衛隊に逆らうものは許さないという本音がポロリでしょうか。ウクライナへのロシアの侵略で世界中の多くの市民が暗い気分になっている所で、一方で、アベ様政権下でのニッポンではこの有様だったわけです。
 昔、「市民活動も取り締まりの対象となる」なんて言っていた与党自民党の首脳が居ましたね。「数十万人単位のテロリスト」のいる「そんな国の与党の首脳」が特定秘密隠蔽法の本質について本音をポロリでした。
 《思想統制、言論弾圧につながる危険な兆候…反戦の声を上げる市民に敵意を向けた自衛隊の暴走を見過ごすわけにはいかない》(琉球新報)。

   『●軍隊は住民を守らない: 《情報保全隊…住民の調査・
       監視のほか、島嶼戦争の際の対スパイ戦任務も想定》…
    《……以上のように、「情報保全隊」の防諜は、
     《「戦前の憲兵政治の再来だ」、「一般市民の活動を監視している
     と批判》され、また、《沖縄でも沖縄弁護士会や
     沖縄平和運動センターなどの団体や個人が監視され、戦前の憲兵隊や
     特高警察を想起させるとの批判》が出ている。《市民集会や自衛隊、
     米軍に批判的な団体・個人の活動を監視》していた訳だ。
     《憲法で保障された表現の自由思想・良心の自由
     侵害するような活動許されない》のに…。》

   『●違憲な土地規制法 ――― 密告社会、《軍隊に監視される社会でいい
     のか?》、《戦争に市民を協力させるという構造》を許していいのか?

 しかも、ジャーナリズムの問題も。《記者向け勉強会で配布》《テロと並べて反戦デモ報道についても、武力攻撃に至らない手段で自らの主張を相手に強要するグレーゾーン事態に当たると明記していた》そうだが、記者も随分と舐められたものですね。(リテラ)《安倍政権が「反戦デモ」「報道」をテロ扱いするという言論弾圧体質を記者相手に公然と見せつけ、それを記者がスルーする──》、ああぁ…。

   『●《首相の演説にやじを飛ばしただけで、警官に排除される時代…
                 こんな「表現の不自由」な社会を誰が望んだ》?
    「桐山桂一さんの仰る通り、《今日では既に、首相の演説にやじを
     飛ばしただけで、警官に排除される時代である。
     こんな表現の不自由な社会を誰が望んだであろうか》?」
    「《鹿児島県警から任意の「捜査関係事項照会」と呼ばれる依頼を受け、
     うち4図書館で利用者の個人情報が提供》…。
     《警察は政党の手先ではない訳がないし警察は正義の味方
     呼ぶこと》もできない…悲惨な社会。最「低」裁を頂点とした司法も、
     検察や警察も、いまやアベ様に忖度する時代。
     《岸の末裔が首相では日本に未来はない》。」

   『●《安倍政権下で始まった危険な言論統制に歯止めをかける判決…首相に
      ヤジを飛ばした市民が、北海道警の警察官に違法に排除された事件》
   『●《現役の総理大臣へのヤジも許されず、それが報道もされない世界》
     《ヤジも言えない国家や有無も言わさず排除をする警察》でいいの?

 そして、ニッポンは壊れっぱなし。《立憲主義》《平和憲法》《国の根幹を担う最高法規》を蔑ろにし、《火事場ドロボー》らによる違憲な壊憲へと爆走。
 琉球新報の【<社説>加速狙う改憲論議 国民を置き去りにするな】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1503212.html)によると、《自民は新型コロナウイルス感染拡大を踏まえて緊急事態条項の新設にも前のめりだ。この条項は私権制限を伴い、立憲主義の理念を損なう問題をはらむ。一方、ロシアによるウクライナ侵攻を挙げて9条改憲を唱える姿勢も顕著だ憲法は国の根幹を担う最高法規である。岸田文雄首相は改憲について「国会の議論と国民の理解は車の両輪」と述べ、国民的論議が必要との認識を示している。国民を置き去りにした拙速な議論は避けるべきだ》。

=====================================================
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/943670

社説[反戦デモ敵視]憲法の軽視は許されぬ
2022年4月16日 06:12

 陸上自衛隊が2020年、記者向けの勉強会で配布した資料で「予想される新たな戦い」の対象に、「反戦デモ」を例示していた。

 デモは、憲法21条で表現の自由として保障されている戦争に反対し平和を訴える市民の合法的な意思表示敵視であり、憲法と民主主義を軽視する危険な認識だ。

 陸自は記者に配った資料で、武力攻撃に至らない手段で自らの主張を相手に強要する「グレーゾーン」事態の具体例を挙げた。この中で、テロやサイバー攻撃と反戦デモを併記していた。

 記者から「不適切だ」と指摘を受けて回収し「暴徒化したデモ」に修正したという。

 反戦デモへの見解を巡っては、湯浅悟郎前陸上幕僚長が19、20年に外部で講演した際の資料にも、同様の記述があったことが分かっている。

 勉強会の担当者だけでなくトップを中心に、デモを敵視する風潮が組織内でまん延していたと疑わざるを得ない。

 政府内では、文民の危機感も薄い。松野博一官房長官や鬼木誠防衛副大臣は当初「誤解を招く表現だった」と釈明するにとどめた。

 問題は「誤解」されていることではない。戦力を備えた自衛隊という実力組織が、憲法も認める市民の権利行使を「戦い」の対象に挙げるという、ゆがんだ認識が問われているのだ

 松野氏は野党の追及を受け「不適切だった」と軌道修正したが、不十分だ。文民統制に関わる事態と捉え、岸信夫防衛相は陸自への指導など対応を検討すべきだろう。

■    ■

 市民との関係を巡っては07年、陸自の情報保全隊が自衛隊の活動に批判的な市民の動向を調べ、個人情報を記したリストを作っていたことが明らかになった。

 県内でも沖縄弁護士会、労組や市民団体などの幹部が実名とともに活動内容を記載され「戦前の特別高等警察の再来かと猛反発した

 組織の方針にそぐわない市民を監視し、敵視する体質が脈々と受け継がれているのではないか-。そんな危惧が募る。

 中国の脅威を念頭に、自衛隊の「南西シフト」が奄美から先島まで、琉球弧全体で進んでいる。情報保全隊も、宮古島市与那国町への陸自配備に伴い、配置された。

 台湾有事への備えを口実に、先島でも市民の活動に逐一、目を光らせるようなことがあれば、住民は他国だけでなく自国の軍事組織へも緊張を強いられてしまう

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 自衛隊基地などの周囲で、土地の所有者や利用状況を調査できる土地規制法が9月に全面施行され、情報保全隊の監視活動は県内でも強まると想定される。保全隊のリストには、ヘリの騒音に苦情を言っただけで勤務先や住所を調べられた人もいた

 ロシアのウクライナ侵攻が続く中、反戦デモは世界中で広がっている。先の大戦で住民を巻き込んだ大規模な地上戦があった沖縄県民は、平和を望む思いが特に強いデモに加わる市民の声に謙虚に耳を傾ける姿勢こそ、自衛隊に必要だと自覚してほしい。
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