Activated Sludge ブログ ~日々読学~

資料保存用書庫の状況やその他の情報を提供します。

●〈こちら特報部〉《であれば、今はLGBT法整備に政策転換を。荒井氏の発言が内閣の考えでなく、「多様性」があることを証明できる》

2023年02月21日 00時00分42秒 | Weblog

[※ 「自民党と旧統一教会の闇」(週刊金曜日 1386号、2022年07月22日) ↑]


(20230208[])
ヅボヅボな自民党にはマトモな《人権感覚》を持つ者などほとんど居ない、と断言できる。(リテラ)《「推薦確認書」というもので、選挙で支援をおこなう見返りとして「憲法改正、安全保障体制の強化」や「家庭教育支援法および青少年健全育成基本法の制定」「LGBT問題、同性婚合法化の慎重な扱い」…》…だもの。官邸内部、特に、内閣総理大臣秘書官らは、普段から総じて「そのように」思っていたし、《人権感覚》など持っていなかったということ。キシダメ氏が、メモも見ずに、ペラペラと答弁したのは、官邸内部の普段の「雰囲気」がそうさせた訳。
 同様なことは、石原慎太郎元東京「ト」知事や、お維にも言える。

   『●《「どのような人権感覚を持っているのか」を問いただされるべきは、
      むしろ》お維の《創設者》《いちコメンテーター》《いち民間人》
   『●《「人権意識」が徹底して欠如し、差別を差別とも思わず…沖縄の
     市民を「侮辱」…》お維への批判を、条例を根拠に封じる狙いはないの?
   『●《能力の問題。人格の問題。品性の問題》…本当にそうだ!
     〝ハート〟無き自民党の〝ハート〟無き山口県連所属国会議員・杉田水脈氏
    《杉田氏は、27日の衆院総務委員会では性的少数者が「生産性がない
     とする過去の寄稿に謝罪せず、支援団体や当事者から批判の声が
     上がっている》

   『●『野中広務 差別と権力』読了(2/3)
     「「永田町ほど差別意識の強い世界」… はなく、「総裁選の最中に
    ある有力代議士は…「…総理になれるような種類の人間じゃないんだ」
     (…) と言ったそう。さらに、最近、ネット上で話題になっていた部分。
    当時、「総裁選に立候補した元経企庁長官」 (であり現総理) の
    「麻生太郎は…「あんな……を日本の総理にはできないわなあ」と言い放った」
    (…) そうである。2003年9月、野中は、最後の自民党総務会に臨み、
    当時の小泉総裁や麻生政調会長を前に発言を求めた。「…私の最後の発言と
    肝に銘じて申し上げます…政調会長。あなたは『野中のような…を総理には
    できないわなあ』とおっしゃった。君のような人間がわが党の政策をやり、
    これから大臣ポストについていく。こんなことで人権啓発なんてできよう
    はずがないんだ。私は絶対に許さん!」、野中の激しい言葉に総務会の空気は
    凍りついた。麻生は何も答えず、顔を真っ赤にしてうつむいたままだった

   『●ド「アホウ節」の《こんな人間が国家の中枢に入り込んでいること
     自体が、麻生風に言えば「みぞうゆう」の事態なのだ》(適菜収さん)
   『●メディアの役割放棄…ド「アホウ節」を“麻生節”などと《政治家の嘘や
      デマをそのまま垂れ流すのではなく、たしなめるのがメディアの役割》
   『●朝日新聞スクープ…統一協会《関連団体…が…参院選や昨年の衆院選に
       おいて、自民党議員に対して「政策協定」への署名を求めていた》
    《関連団体が署名を求めたのは「推薦確認書」というもので、
     選挙で支援をおこなう見返りとして憲法改正、安全保障体制の強化
     や「家庭教育支援法および青少年健全育成基本法の制定
     LGBT問題、同性婚合法化の慎重な扱い
     「『日韓トンネルの実現を推進」などといった政策を取り組むことを
     求める内容。教団関係者は〈全国各地で数十人規模に署名を求めた
     と証言している〉という》

 山田祐一郎中沢佳子両記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/更迭された荒井秘書官が関わった「スピーチ」から見えたこと やっぱり口先だけ? 岸田首相の多様性重視】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/229696?rct=tokuhou)によると、《性的少数者への差別発言で岸田文雄首相から更迭された荒井勝喜秘書官は、首相のスピーチ作成も担っていた。過去の演説にどの程度関与したのかは明らかにされていないが、文面を見る限り、この問題に対する熱量の低さは隠しようがない官邸官僚が動かす政権中枢の人権感覚は、どうなっているのか。(山田祐一郎中沢佳子)》


   『●立法府の自公お維議員による土地規制法案 ――― 《何のための国会か》
       《内閣委員のお一人お一人が問われている》(馬奈木厳太郎弁護士)
    《■憲法と相容れないゼノフォビアやヘイトの発想
    《「…必要なのは立法ではなく、そうした認識を変えることです。
     多様な価値観が認められ、多文化社会となっているときに、
     ホモソーシャルでゼノフォビア的な発想は克服されなければ
     なりません。今国会では、LGBT法も同じですが、議員の方々の
     そうした意識が、非常に浮き彫りになったのではないか
     と感じています」と述べました》

   『●桜井昌司さん《冤罪被害の実態を世の中に広く訴える活動…冤罪をなくす
       ための活動とその成果は東京弁護士会人権賞の受賞に相応しいもの》
    《■「第37回 東京弁護士会人権賞」受賞者は以下の方々に決定しました
    《■一般社団法人 性的指向および性自認等により困難を抱えている
     当事者等に対する法整備のための全国連合会(LGBT法連合会) 様
    《LGBT法連合会の創立は2015年であり、性的指向および性自認に
     関わる当事者・支援者・専門家の団体97団体から成る日本最大の
     全国連合会として、困難を抱えている当事者等に対する法整備を
     目的とした事業を実施してきました》

=====================================================
https://www.tokyo-np.co.jp/article/229696?rct=tokuhou

こちら特報部
更迭された荒井秘書官が関わった「スピーチ」から見えたこと やっぱり口先だけ? 岸田首相の多様性重視
2023年2月7日 12時00分

     (岸田首相(左)と一緒に首相官邸に入る
      荒井勝喜秘書官=2022年12月、首相官邸で)

 性的少数者への差別発言で岸田文雄首相から更迭された荒井勝喜秘書官は、首相のスピーチ作成も担っていた。過去の演説にどの程度関与したのかは明らかにされていないが、文面を見る限り、この問題に対する熱量の低さは隠しようがない官邸官僚が動かす政権中枢の人権感覚は、どうなっているのか。(山田祐一郎中沢佳子


◆過去5回の演説を振り返ると

 岸田首相がこれまで国会で行った所信表明演説と施政方針演説は計5回。荒井氏が「スピーチライター」として関与したのは、どの演説のどの部分か。首相官邸に問い合わせた。

 担当者は「首相の演説は秘書官室全体で相談しながら作成しているので、どの部分を誰が、というのはない」と回答。首相の意見をいつどれくらいの時間で聞くのかも尋ねたが、「演説によって違う」として、明らかにしなかった。

 ということで、「こちら特報部」で主な演説を読み返してみた。まずは自民党総裁選を勝ち抜いて就任した直後の2021年10月の所信表明演説。首相は冒頭付近で「私は、多様性が尊重される社会を目指します」と宣言した。

 「若者も、高齢者も、障害のある方も、ない方も、男性も、女性も、全ての人が生きがいを感じられる社会です」。総選挙で勝利した後の同年12月の所信表明演説でも、同じ表現を使っている。

 だが、性的少数者に言及する言葉は出てこない

 前衆院議員で、同性愛者と公表している尾辻かな子氏は「就任当初は『多様性』を前面に押し出していたが中身の政策が伴っていない」と指摘する。

 性的少数者を「生産性がない」などと表現して更迭された杉田水脈総務政務官らの問題を指摘。「閣僚の人選からも見て取れるように、政府が考える多様性の中に性的少数者は含まれないのだろう」と批判する。


◆22年以降、減り続ける多様性

 22年以降の演説で、多様性の扱いは目立たなくなる。同年1月の施政方針演説では「新しい資本主義の基盤となるのは、老若男女、障害のある方も、全ての人が生きがいを感じられる、多様性が尊重される社会」と述べたが、新型コロナ対応などに続く後段だった。

 ウクライナ危機発生後の同年10月の所信表明演説は、経済や外交に多くが割かれ、多様性はさらに減少した

 今年1月の施政方針演説でもほぼ同じ表現で多様性に触れた。ただ、その後の説明は「意欲のある全ての方が、置かれている環境にかかわらず、十全に力を発揮できる社会。そうした包摂的な経済社会を創る」。そのために賃上げや就労環境の整備に注力する対象とされたのは「『女性』、『若者』、『地方』」で、性的少数者は挙げられなかった

 この演説では、5月の広島サミットに向けた取り組みとして「人権」の2文字が書き込まれたが、具体的な説明はない岸田政権での「多様性」は経済を動かす労働力を確保するためマイノリティーの差別解消や権利保障の優先順位は低いのだろうか

 実際、岸田首相はこれまでも国会で、同性婚制度の導入について「わが国の家族のあり方の根幹に関わる問題で、極めて慎重な検討を要する」などと繰り返してきた。


◆性的マイノリティは、被爆者は…

     (原稿をめくりながら施政方針演説する岸田首相
      =1月23日、国会で)

 「広島出身として多様性を掲げる岸田首相になって変わるかと期待したが、やっぱりかという思い。同じ日本国民で家族なのに見ないふりをしたいのか」。同性婚を認めない現行制度は違憲として国に賠償を求める訴訟の原告で、同性パートナーと子育てする小野春さん(仮名)は話す。

 荒井氏の発言にショックを受けたという。「政府はずっと『社会の理解を待たなければ』と繰り返してきた。その間に亡くなった仲間もいる。1秒を争うほど困っているのに、制度を使わない人の理解を理由にいつまで待たせるのか」と声を震わせる。

 国会以外の演説はどうか。

 昨年8月、首相は米ニューヨークの国連本部で開かれた核拡散防止条約NPT)再検討会議で演説。折り鶴を手にし、広島で被爆し病床で折り鶴を作り続けて亡くなった佐々木禎子さんに言及した。「禎子さんが折り続けた折り鶴は、世界中で平和と、核兵器のない世界を祈る象徴」と熱弁を振るい、話題をさらった。

 ところが数日後、広島と長崎の原爆の日に行われた式典でのあいさつは、構成や内容がほぼ同じ。違いは、広島で「被爆地広島出身の首相」や広島サミットへの意気込みが加わり、長崎で「長崎を最後の被爆地とし続けなければ」と盛り込んだぐらいだ。

 「美しい言葉を並べるけれど、実態が伴っていない」。被爆体験者訴訟の原告岩永千代子さん(87)がため息をつく。国の指定する被爆地域外にいたため「被爆者」と認められていない長崎の被爆体験者の救済を巡り、厚生労働省は1月、否定的な見解を示した。広島では、被爆者認定の範囲を広げた新基準が運用されたが、長崎は対象外のままだ


◆片手間では書けない演説原稿

     (首相官邸)

 こうした首相の演説はどのように作られるのか。

 「施政方針演説など国会での公式な演説は、合議体である内閣全体の姿勢を示す。起案や調整を含め、伝統的に内閣総務官室の業務だ。首相の側近である秘書官がライターというのは、ある種のレトリックではないか」。内閣官房内閣副参事官時代、橋本龍太郎氏などの首相演説を手がけ、鳩山由紀夫内閣で官房副長官として政府の情報発信を担った慶応大の松井孝治教授(統治機構論)が語る。

 松井氏によると、原爆の日の記念式典など儀礼的場面のあいさつは主務官庁が担当することが多いものの、国会での公式演説を書く「スピーチライター」は通常は内閣副参事官で、経済産業省からの出向者が代々務める。文案を作り、首相や正副官房長官などを交えた「読会」でも協議。各省庁と調整を重ね、表現を確認し、推敲 (すいこう) した上で数回の閣議にかける。完成まで少なくとも3週間はかかる。

 「調整役は政治任用職ではない立場で各省庁の言い分も聞き、全体のバランスを整える必要がある。秘書官は首相の意向を伝えるメインプレーヤーの1人だが、閣議案件の国会演説は首相でも中身を好き放題にできるわけではない」(松井氏)。出身官庁の利害を代弁しがちと見られる秘書官に調整役は難しく、多忙な業務の片手間でできるものでもないとみる。


◆守旧派への配慮?官僚の劣化?

 だが、荒井氏は同性婚に対する首相の答弁に意を合わせるように「社会のありようが変わる」と語った。政治アナリストの伊藤惇夫氏は「荒井氏の考えなのか、忖度 (そんたく) したのかは分からないが、首相の言葉自体、同性婚に肯定的とは言えない」と、首相の意向がにじんでいると指摘。その背景を「首相は軽々と方向転換する傾向がある。とりわけ、安倍晋三元首相を支持してきた守旧派には配慮しており、今回はその表れでは」と語る。

 京都精華大の白井聡准教授(政治学)は荒井氏の発言に「公人と言える秘書官が言ってはならない発言劣化した官僚の地金が露呈した」とあきれる。その上で、首相の態度にも疑念を抱く

 「リベラルな価値観を貫く姿勢がないのは信念がないから安倍政権が長年続いた末、自民党内部も支持者も右に右に寄って行き、それに首相も合わせてきた多様性などは所詮口先党内や岩盤支持者の価値観を見れば、本音がどこにあるかは明らかだ


◆デスクメモ

 首相は国会演説で「遠きに行くには、必ず邇 (ちか) きよりす」とも述べていた。物事を進めるには順番が大切で、経済を立て直してから財政健全化に取り組むと。であれば、今はLGBT法整備に政策転換を。荒井氏の発言が内閣の考えでなく、「多様性」があることを証明できる。(本)
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●そんなに殺し合いをしたいものかね? 《一体何のために防衛費の増額が必要なのか。…冷静にその意味を問い直さなければならない…》

2022年12月14日 00時00分15秒 | Weblog

[↑ 命どぅ宝沖縄を再び戦場にするな! (2022年05月15日、朝日新聞)]


 (2022年12月01日[木])
この政府、正気なのかね? そんなに殺し合いをしたいものかね? そんなに戦争して、人殺ししたいものかね? 《一体何のために防衛費の増額が必要なのか。私たちは立ち止まって、冷静にその意味を問い直さなければならないのではないか》(琉球新報)。

   『●N値がゼロ、工期と費用は「∞」…今日もドブガネし、
       ジャブジャブと大量の土砂を美ら海にぶちまけている

 琉球新報の【<社説>「殺傷武器」輸出検討 「平和国家」の国是守れ】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1619302.html)によると、《政府は防衛装備品の輸出ルールを定めた「防衛装備移転三原則」を見直し、殺傷能力を持つ武器を輸出する検討に入った。自衛隊が保有する武器・弾薬の提供に向け、自衛隊法の改正も視野に入れる》。

   『●「君はドアホノミクスを信奉するのか」、キシダメ君? 軍事費倍増=
       《赤字国債の乱発、社会保障のさらなる削減、消費税の大増税…》
   『●斎藤貴男さん《政府と自民党は何がなんでも消費税率を引き上げたい…
     増税を甘受しなければ財政を破綻させるゾと国民を恐喝する目的で…》
   『●《消費税などの値上げを防衛費に転嫁する》気満々…軍事費倍増の
     ために《赤字国債の乱発、社会保障のさらなる削減、消費税の大増税…》

 マトモな国のやることか? 軍事費倍増のために《赤字国債の乱発、社会保障のさらなる削減、消費税の大増税…》。
 沖縄タイムスの【社説[安保 大変容 防衛力強化報告書]国民議論は置き去りか】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1062327)によると、《敵基地攻撃能力反撃能力)を保有し、防衛費捻出へ増税を検討する。公共インフラの自衛隊利用を進め、産官学一体で防衛産業の育成に取り組む-どれをとっても戦後日本の安全保障の大きな転換となる政策だ。「有識者会議」というごく限られた人が短期間で決めるべきことではなく、国民的な議論が必要だ》。

 「有識者会議」の答申からは「法人税増税」はこっそり消され…。軍事費倍増が既定路線になり、《赤字国債の乱発、社会保障のさらなる削減、消費税の大増税…》。ブログ主は、軍事費倍増など認めた覚えはない。それなのに、当然のような顔をして、なぜ財源の議論に移行しているのか?
 琉球新報の【<社説>防衛強化「増税で」 議論を尽くしていない】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1620894.html)/《防衛力強化に関する政府の有識者会議は、防衛費の安定財源確保に向けて「国民全体の負担が必要だとして増税を提起する報告書を岸田文雄首相に提出した。国民的議論が尽くされたとは到底言えないだろう。政府が有識者会議の報告書のみをよりどころにして、憲法に抵触しかねない敵基地攻撃能力の保有を前提に、国民に負担を強いる増税に踏み込もうとする姿勢は極めて拙速と言うしかない》。

   『●台湾有事を煽り《ロシアのウクライナ侵攻のような軍事衝突にまで
     エスカレートさせてはならない…外交による対話を強めなければならない》

 沖縄だけの《標的の島》問題だと思ってますか? 〝本土〟の自分たちも《標的》である自覚は無いの?
 琉球新報の【<社説>敵基地攻撃能力60%賛成 危険性を冷静に考えよう】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1623469.html)によると、《共同通信の世論調査で、日本が敵基地攻撃能力(反撃能力)を持つことに賛成が60.8%に達し、反対は35.0%にとどまった。2月の同調査や7月の日本世論調査会の調査では拮抗(きっこう)していたが、一気に賛成が増え始めた。北朝鮮の相次ぐミサイル発射や「台湾有事」が取り沙汰される中で、周辺国に対する脅威感が高まっているのだろう》。
 調査の仕方が恣意的なんでしょうが、憂うべき事態です…《日本が敵基地攻撃能力(反撃能力)を持つことに賛成が60.8%に達し…一気に賛成が増え始めた》。

   『●城山三郎さん《平和の有難さは失ってみないとわからない》、
     菅原文太さん《政治の役割は二つあります…絶対に戦争をしないこと!》

 城山三郎さん《平和憲法こそ生き残る者の夢であり、守ることが使命だ》、《戦争待望論を唱える若い文士がいると聞いて、鳥肌の立つ思いがする。平和の有難さは失ってみないとわからない》、《日本は先の戦争で、ほとんどすべてを失ってしまった唯一、得られたのは、憲法九条だけだ》。
 (古賀茂明さん)《…菅原文太さんのことを思い出している。もうすぐ命日だ。菅原さんは死の直前の11月1日、沖縄で演説を行った。文字通り、命を削りながらの訴えだ。「政治の役割は二つあります一つは、国民を飢えさせないこと、安全な食べ物を食べさせることもう一つは、これが最も大事です絶対に戦争をしないこと!」》。
 《政治の役割》を全く果たせない、果たそうとしない自公政権。<ぎろんの森>《軍事ではなく外交力を駆使する「別の道」を探るのが、政治の責任》を全く果たせない、果たそうとしない自公政権。お維にすり寄り、政権を批判することを放棄した〝論憲〟民主党。お先真っ暗なニッポン。

=====================================================
https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1619302.html

<社説>「殺傷武器」輸出検討 「平和国家」の国是守れ
2022年11月21日 05:00

 政府は防衛装備品の輸出ルールを定めた「防衛装備移転三原則」を見直し、殺傷能力を持つ武器を輸出する検討に入った。自衛隊が保有する武器・弾薬の提供に向け、自衛隊法の改正も視野に入れる。

 不戦を誓った憲法9条に基づき、戦後の日本は紛争解決の手段として武力の行使を認めていない。しかし殺傷能力のある武器を日本が輸出するとなれば、他国の武力行使を助長する恐れすらある。

 9条は「正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求」するとして平和主義に基づく積極的行動を促す武器輸出は憲法の理念に反する。紛争・対立の解決は平和的手法を追求すべきだ。平和国家の国是を曲げてはならない。

 武器や関連技術輸出方針の見直しは、2014年の安倍政権下に始まる。全面的な禁輸方針を掲げた従来の「武器輸出三原則」を「防衛装備移転」と言い換え、条件付きながら武器輸出に道を開いた。

 今年4月には自民党安全保障調査会で、改めて三原則見直し論が浮上し、政府は党の提言を受ける形で武器輸出を緩和する方針を決めた。

 既にロシアのウクライナ侵攻に当たり、政府は三原則の運用指針を改定、ウクライナに防弾チョッキを提供した。

 防弾チョッキは攻撃能力を持つものでないが「紛争当事国には認めない」などの原則がなし崩し的に運用されている。将来、小銃や戦闘機など殺傷能力のある武器を輸出した場合、紛争当事国に渡らない保障はない。日本製武器が紛争で使われれば、戦後築き上げた「平和国家」の看板は失われる国際的な信用はなくなるであろう。

 そもそもなぜ国是を曲げてまで武器を輸出しなければならないのか。自民党の提言は防衛産業の維持を挙げる。自衛隊以外に顧客のいない国内の防衛産業は利益率が低く、撤退が相次ぐ。その技術力、競争力維持が理由だ。ただ武器輸出を可能にするため海外12カ国と協定を結んだものの、日本企業への発注はほとんどないのが実情だ。

 防衛産業を維持するために国是を曲げる本末転倒の議論は即やめてもらいたい

 日本の針路を転換する政府方針だが、その意思決定の在り方も疑問だ。安倍政権での三原則見直しは閣議決定により決まった。今回も同様の手法を取る可能性がある。

 閣議決定の乱用ともいえる状況は安倍政権下で始まり、現政権も踏襲している。防衛装備移転だけでなく「集団的自衛権の行使容認」「特定秘密保護法の運用基準」、今年も「土地規制法基本方針」「国葬儀実施」が挙げられる。

 本来なら国会での議論を経て決めるべき国の重要事項が一内閣の判断で定められる

 「一強」と称される国会での数を頼り、本来なら重視される与野党の議論を抜きにして民主主義は成り立たない。

 民主主義に対する政権の姿勢も問われている。
=====================================================

=====================================================
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1062327

社説[安保 大変容 防衛力強化報告書]国民議論は置き去りか
2022年11月24日 8:09

 敵基地攻撃能力反撃能力)を保有し、防衛費捻出へ増税を検討する。公共インフラの自衛隊利用を進め、産官学一体で防衛産業の育成に取り組む-

 どれをとっても戦後日本の安全保障の大きな転換となる政策だ。「有識者会議」というごく限られた人が短期間で決めるべきことではなく、国民的な議論が必要だ。

 防衛力の抜本的な強化に向け政府が設置した「国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議」が、岸田文雄首相に報告書を提出した。

 報告書は、日本を取り巻く安全保障環境の変化を挙げ、首相が表明している5年以内の防衛力強化が欠かせないと強調した。

 反撃能力の保有とともに戦闘継続能力(継戦能力)の向上も指摘。経済・産業、研究開発、公共インフラなどあらゆる分野での防衛態勢の強化を提言した。

 憲法9条の下、抑制的に防衛力を整備してきた「専守防衛」との整合性が問われる。

 財源に関しては、「幅広い税目による負担が必要増税の検討を提起した。

 しかし、消費税は3年前に上がった。賃金は上がらない中、物価は高騰し、介護保険や医療など社会保険料の負担も増えている。

 国民生活に直結する増税を提起するなら、衆院を解散して選挙で有権者の判断を仰ぐべきだ

■    ■

 公共インフラの利活用を巡っては、自衛隊と海上保安庁のニーズに併せて空港や港湾などを利用できるよう法整備を求めた。対象として南西地域を挙げ「特に先島諸島」と名指しする。

 空港の自衛隊利用に関しては、すでに浜田靖一防衛相が下地島空港について言及している。なし崩し的な軍事利用は地元の負担につながり、あってはならない。

 日米共同統合演習「キーン・ソード」は、今月19日に終わったばかりだ。さらに日米両政府は、26日から来月18日まで、陸上自衛隊那覇駐屯地と与那国駐屯地の一部を使って共同訓練することを合意した。

 米軍基地の過重負担はそのままに、自衛隊基地を使用した訓練が拡大し安保の負担はますます沖縄に偏っている。

 防衛力強化の議論は沖縄の基地負担軽減とセットでなければならず、本来、地元の声抜きで進めるべきではない。

■    ■

 報告書は宇宙、サイバー、AIなど軍事転用への懸念がある研究開発に関しても官民一体で推進するよう求めた。

 防衛装備品の積極的な輸出など、これまでの抑制的な姿勢から大きく転換している。

 首相は報告書を踏まえ「国家安全保障戦略」など三つの文書を年内に改定する。改定は、安保政策の根幹に関わる問題でもあり、国会での議論が不可欠だ。
=====================================================

=====================================================
https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1620894.html

<社説>防衛強化「増税で」 議論を尽くしていない
2022年11月24日 05:00

 防衛力強化に関する政府の有識者会議は、防衛費の安定財源確保に向けて「国民全体の負担が必要だとして増税を提起する報告書を岸田文雄首相に提出した。

 国民的議論が尽くされたとは到底言えないだろう。政府が有識者会議の報告書のみをよりどころにして、憲法に抵触しかねない敵基地攻撃能力の保有を前提に、国民に負担を強いる増税に踏み込もうとする姿勢は極めて拙速と言うしかない。

 沖縄を含む南西地域に関しては、現時点で民間利用に限定されている空港や港湾を自衛隊・海上保安庁も使えるように整備することが報告書に盛り込まれた。有事となった場合、自衛隊や海保が利用できる条件が整っている空港や港湾は相手の攻撃対象となり得ることを意味する。

 太平洋戦争末期の1944年10月10日、米軍は那覇港を空爆した。狙いは沖縄上陸作戦に向けた航空写真の撮影、レイテ島侵攻に備えて、後方支援基地と位置付けられる沖縄の飛行場と港湾の破壊などであった。米艦載機延べ1400機が奄美大島以南の南西諸島の主要な島々を爆撃した。少なくとも軍人・軍属、住民ら668人が死亡、768人が負傷した。那覇は9割の家屋が焼失した。

 港湾の軍事利用を可能にするということは、住民にとって危険と隣り合わせであることを意味する。

 その後、大本営は45年1月「帝国陸海軍作戦計画大綱」の中で沖縄を「皇土防衛の前縁」とし、現地の軍に「出血持久戦」を求めた。米軍の本土上陸を一日でも先延ばしするため、沖縄を「捨て石」とした。沖縄の住民は「防衛」の対象ではなく、「本土」を守るために犠牲に供するものと位置付けたのである。

 政府が想定する台湾有事の際に、かつての「帝国防衛の前衛」のように沖縄が米中紛争の矢面に立たされるとしたら論外だ。

 自衛隊と米軍による日米共同統合演習「キーン・ソード」では最新鋭の16式機動戦闘車(MCV)を与那国町の公道で使用した。防衛省関係者は「有事になった時に通ったことがない道を通る『ぶっつけ本番』では戦いにならない」と公道訓練の目的を指摘し、沖縄本島でも走行の必要性があるとの見方を示している。つまり与那国を含めて沖縄が戦場になることを想定しているのだろう。

 増税を含め国民に負担を強いる「有事」について、果たして国民の理解が得られているのだろうか。戦前の日本は増加する軍事支出を重税でも賄えず、国債発行を膨らませた増税と借金やむなしの巨額な防衛費に躊躇(ちゅうちょ)しない岸田政権は、もと来た道を戻っていないかと危惧する。

 一体何のために防衛費の増額が必要なのか。私たちは立ち止まって、冷静にその意味を問い直さなければならないのではないか。
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●戦争、環境破壊の最たるもの…ところで、海猿の皆さん、《職員が軍隊として組織され、訓練され…軍隊の機能を営むことを認める》でOK?

2022年12月04日 00時00分35秒 | Weblog

[↑ 命どぅ宝沖縄を再び戦場にするな! (2022年05月15日、朝日新聞)]


(2022年11月18日[金])
番犬様の超デタラメ、文句も言わない主権なきニッポン政府。プーチン氏に嗤われ、蔑まされるはずだね。《植民地》ニッポンの中の沖縄。番犬様はやりたい放題だ。主権なき非《独立国家》の自公政権は、番犬様に沈黙。

   『●巨大新基地建設による辺野古破壊…プーチン氏に《主権を行使できて
                    いない実例》と指摘されてしまう始末
   『●和泉洋人首相補佐官…《日本の民間企業に建設協力を打診し、
     便宜供与を匂わせていた…徹底的に民意をないがしろにする政権の姿》
    「《これは安全保障政策ではない。日本をぼろぼろにすることと
     引き換えにした米国への隷従であり、「売国的」ですらある》…
     ホシュやウヨクの皆さんの大好きな売国奴という言葉。でも、一体誰が
     《売国》奴なのでしょうか? 皆さんのお嫌いなプーチン氏に
     《主権を行使できていない実例》と指摘されてしまう始末ですよ?」

   『●《日米地位協定…あからさまに主権を踏みにじられても、岸田首相は
      「現実的に最善の方法を考えていく」とゴマカし、改定に後ろ向き》
   『●目取真俊さん《中台危機を煽って東アジアに軍事的緊張を生み出し、日本
      や韓国に米国製の軍事兵器を大量に売り込もうという意図》がミエミエ

 琉球新報の記事【世界遺産やんばる「米軍廃棄物に対策を」 国際NGOが報告、日米に働き掛け強化も】(https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1612333.html)によると、《…沖縄県国頭、大宜味、東の3村の世界自然遺産に接する米軍北部訓練場での廃棄物が撤去されず、土壌汚染も除去されていないとして、日米両政府に調査と対策を求める報告が掲載された。…報告は(1)米軍機騒音による生物への影響が調査されていない(2)遺産に関わる問題が日米合同委員会環境分科会で議論されていない(3)遺産に関する日米合意文書の全文が公開されていない(4)米軍廃棄物が撤去されず、土壌汚染も除染されていない―など六つの問題を指摘。日米政府に調査、対策と情報公開を求めている。OEJPの吉川代表は「WHW報告を活用し、やんばるの森を米軍廃棄物がない『真の世界自然遺産』にするために取り組んでいく」と説明。IPPの河村代表は「米国・米軍から具体的な解決策を引き出すことで、基地問題を解決していく枠組みをつくることにつなげていきたい」と述べた》。

   『●立法府の自公お維議員による土地規制法案 ――― 《何のための国会か》
        《内閣委員のお一人お一人が問われている》(馬奈木厳太郎弁護士)

    《さらに、法案を先取りするような事件も沖縄では起こった。
     米軍北部訓練場の返還跡地である「やんばるの森」に米軍の廃棄物が
     残っている
ことを指摘、その廃棄物を米軍基地ゲート前に並べるという
     抗議活動をおこなったチョウ類研究者の宮城秋乃さんに対し、沖縄県警が
     威力業務妨害の疑いで家宅捜索に入ったからだ》

   『●土地規制法案の先取り ―― 宮城秋乃さんの家宅捜索という見せしめ
        …《見せしめの過剰捜査…人権侵害行為》が頻発すること、必至

 やんばるの森での番犬様の超デタラメ、文句も言わない主権なきニッポン政府。
 沖縄タイムスの【社説[戦争と環境破壊]危機の拡散 食い止めよ】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1053547)によると、《50年前の1972年6月、スウェーデンのストックホルムで、第1回国連人間環境会議が開かれた。ホスト国のパルメ首相は、講演で、ベトナム戦争を念頭に「戦争こそが最大の環境破壊である」と指摘し、大きな反響を呼んだ。50年後の今年3月。ロシアによるウクライナ侵攻の直後に、日本環境教育学会は同じ表現を用いて軍事侵攻を批判し、「発への攻撃は地球規模の環境汚染を生む恐れがある」と危惧した》。

   『●戦争、環境破壊の最たるもの
    《二十世紀の初めごろ、デンマークの陸軍大将が、こんな法律があれば、
     戦争をなくせると考えて起草した法案がある。題して
     「戦争絶滅受合(うけあい)法案」▼戦争の開始から十時間以内に、
     敵の砲火が飛ぶ最前線に一兵卒を送り込む。順序はまず国家元首、
     次にその親族の男性、三番目は総理、国務大臣、各省の次官、
     そして国会議員(戦争に反対した議員を除く)、戦争に反対しなかった
     宗教界の指導者…▼妻や娘は従軍看護師として招集し、最前線
     野戦病院で働く。権力を持つ者から犠牲になるなら、自らは
     安全地帯にいてナショナリズムをあおる政治家は姿を消すだろう


 琉球新報の【<社説>国際NGO対策要求 米軍の環境破壊を止めよ】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1612909.html)によると、《世界遺産の保全に取り組むNGO「ワールド・ヘリテージ・ウオッチ(WHW)」は、国頭、大宜味、東の3村の世界自然遺産に接する米軍北部訓練場で廃棄物が撤去されず、土壌汚染も除去されていないとして日米両政府に調査と対策を求める内容を2022年次報告に掲載した》。

   『●辺野古「この風景は戦争」:
      誇り高き「海猿」の実像は番犬様の飼い主「アベ様のイヌ」

 ところで…、辺野古「この風景は戦争」な、破壊「損」な辺野古を想うと複雑な心境だね…誇り高き「海猿」どころか「アベ様のイヌ」。現実は脇に置くとして、法的にも《その職員が軍隊として組織され、訓練され、又は軍隊の機能を営むことを認める》わけだ。法律が、現実に追いつく、ホントにいいの?、「海猿」の皆さん?
 日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/防衛大綱「多次元統合防衛力」とは】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202211150000048.html)によると、《安保3文書改定で消え去る運命にあるであろう海上保安庁法第二十五条を書き留めておく。「この法律のいかなる規定も海上保安庁又はその職員が軍隊として組織され、訓練され、又は軍隊の機能を営むことを認めるものとこれを解釈してはならない」。海保設立の誇りと独立性をついえさせるべきなのだろうか。》

=====================================================
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1053547

社説[戦争と環境破壊]危機の拡散 食い止めよ
2022年11月8日 05:00

 50年前の1972年6月、スウェーデンのストックホルムで、第1回国連人間環境会議が開かれた。

 ホスト国のパルメ首相は、講演で、ベトナム戦争を念頭に「戦争こそが最大の環境破壊である」と指摘し、大きな反響を呼んだ。

 50年後の今年3月。ロシアによるウクライナ侵攻の直後に、日本環境教育学会は同じ表現を用いて軍事侵攻を批判し、「原発への攻撃は地球規模の環境汚染を生む恐れがある」と危惧した。

 ベトナム戦争時の枯れ葉剤による自然生態系の破壊。湾岸戦争時の原油流出による海洋環境汚染…。

 戦争で使用された枯れ葉剤や劣化ウラン弾クラスター爆弾などの兵器は、その影響が後々まで残り、人々の生活を脅かし続ける。

 ロシアによるウクライナ侵攻も、環境への影響は甚大だ。公共施設や住居が破壊されただけではない。

 砲弾やロケット弾など兵器という兵器が攻撃のために使用されているが、金属破片はどう処理されているのか。

 大気、水質、土壌への影響が懸念される。

 荒廃した街の復興にいったい、どのくらいの時間と経費がかかるものなのか。

 戦場には多くの戦車や戦闘機、兵員輸送車両などが投入され、ガソリンやディーゼルなどの化石燃料を大量に消費する。

 軍事行動によって大量の廃棄物が生じるだけでなく、温暖化の原因となる温室効果ガスを大量に排出しているのである。

■    ■

 ウクライナへの軍事侵攻が長期化する中、エジプトで、地球温暖化対策を話し合う国連の気候変動枠組み会議(COP27)が始まった。

 温室効果ガスを排出し続ければ、地球表面や海洋の温度を上昇させ、各地に異常気象をもたらす。

 実際、気候変動による自然災害は、世界各地で発生しており、対策は急務だ。

 だが、ここにもウクライナでの戦争が暗い影を落としている。

 脱炭素化と電力の安定供給をどう両立させるか、という問題だ。

 各国の対応はまちまちだが、ロシア依存のエネルギー政策から脱却するため一時的に石炭などの化石燃料に回帰する動きも見られる。

 自国優先の結果、COP27が実効性のある温暖化対策をまとめることができなければ、先進国と発展途上国の対立を深める結果を招きかねない。

■    ■

 茶の間には毎日のように戦争報道が流れる。その衝撃があまりにも大きいだけに、地球温暖化に対する危機感や人々の関心が薄らいでいる印象は否めない。

 「気候変動の影響によって戦争のリスクが高まっていく」という指摘にあらためて耳を傾ける必要がある。

 気候変動は洪水、熱波、食糧不足などを通して戦争のリスクを高める

 「戦争は最大の環境破壊である」という言葉は、沖縄の人々が沖縄戦と戦後の米軍統治の経験から学んだリアルな認識でもある
=====================================================

=====================================================
https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1612909.html

<社説>国際NGO対策要求 米軍の環境破壊を止めよ
2022年11月9日 05:00

 世界遺産の保全に取り組むNGO「ワールド・ヘリテージ・ウオッチ(WHW)」は、国頭、大宜味、東の3村の世界自然遺産に接する米軍北部訓練場で廃棄物が撤去されず、土壌汚染も除去されていないとして日米両政府に調査と対策を求める内容を2022年次報告に掲載した。

 環境団体「オキナワ・エンバイロメンタル・ジャスティス・プロジェクト(OEJP)」がWHWに問題を指摘していた。日米両政府に解決への具体策を提案しており、国際組織への働き掛けを強化する。

 世界自然遺産である山原の自然が米軍の活動によって破壊されることは許されない。今回の報告は、この問題が国際問題化している証しである。日米両政府は米軍の活動がもたらす山原への影響を網羅的に調査し、悪化原因を取り除く国際的責務がある

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会は21年7月、「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」の世界自然遺産登録を決めた。世界的に希少な亜熱帯の森に、数多くの固有種が生息する生物多様性を評価した。

 「沖縄・奄美」は16年に世界自然遺産の国内候補として暫定リストに記載された。しかし18年に政府が推薦した区域のうち、沖縄島北部地区は、隣に広がる米軍北部訓練場の返還地約4千ヘクタールを含んでいなかったことから国際自然保護連合(IUCN)が生態系の連続性を維持するよう地域の再考を求めるなどしたため、世界自然遺産登録まで長期間かかった経緯がある。

 返還跡地からは、放射性物質や薬きょうなどの廃棄物が見つかっている。16年の訓練場の過半の返還に伴い、ヘリパッドが残りの訓練場内に併設され、米軍は昼夜を問わず訓練を繰り返し、騒音や振動を引き起こしている

 今回の報告内容は、これらを背景に作成された。報告は、米軍機騒音による生物への影響が調査されていないことや、遺産に関わる問題が日米合同委員会環境分科会で議論されていないこと、米軍廃棄物が撤去されず土壌汚染も除去されていないことなど六つの問題を指摘している。

 OEJPの吉川秀樹代表はWHW報告を活用し、山原の森を米軍廃棄物のない「真の世界自然遺産」にするため取り組むと強調した。日米地位協定で米国は返還地の原状回復義務を負っていないが、日米両政府は世界自然遺産を保護する責任がある

 奄美・琉球諸島の豊かな自然は陸域に限らない。今後、遺産地域は海域にも拡大し、生物多様性などを次世代に伝える取り組みが必要だ。一方で遺産地域と連続する貴重な海域である辺野古沖で米軍の新基地建設が進められている豊かな自然を破壊する行為は、自然遺産を守る取り組みと逆行する最大の環境保全策は登録地域と隣り合わせの米軍施設の全面返還であり、訓練や新基地建設の中止だ
=====================================================

=====================================================
https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202211150000048.html

コラム
政界地獄耳
2022年11月15日7時19分
防衛大綱「多次元統合防衛力」とは

★13日、首相・岸田文雄はプノンペンでの日米首脳会談で「同盟の抑止力・対処力を一層強化することで一致」したが、その準備は着々と進められている。首相は昨年12月に「新たな国家安全保障戦略防衛大綱中期防衛力整備計画を、1年をかけて策定する」と、いわゆる安保3文書の大幅見直しを検討中だ。防衛大綱では「多次元統合防衛力」という言葉が出始めた。また「国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議」が内閣官房に設置され議論が続けられているが「総合的な防衛力」は大綱の考える「多次元-」と同義ととらえるべきだろう。

★13日付「琉球新報」は長崎県五島列島の津多羅島で陸上自衛隊が11日に実施した尖閣諸島での対処を想定した訓練に沖縄県警の警備部に属する「国境離島警備隊」と第11管区海上保安本部の巡視船数隻が参加していたことが分かったと報じた。県警の国境離島警備隊は「20年4月に発足し、自動小銃やサブマシンガン、小型ヘリなどを装備しており、今回は実際に陸自などと対処訓練に加わったとみられる」とあり、同紙によれば「昨年11月にも津多羅島で陸自水陸機動団、沖縄県警、大阪府警、海保など約400人が参加」しているという。

★まさに多次元統合防衛力であり総合的防衛力とはこういった防衛省、海上保安庁、警察と役割が違う組織を一元化するということにほかならず、それに米軍やNATOが加わる大規模編成が想定されているのではないか。既に海自と海保の合同訓練や連携は“役割の違い”を乗り越えて実施されつつある。安保3文書改定で消え去る運命にあるであろう海上保安庁法第二十五条を書き留めておく。「この法律のいかなる規定も海上保安庁又はその職員が軍隊として組織され、訓練され、又は軍隊の機能を営むことを認めるものとこれを解釈してはならない」。海保設立の誇りと独立性をついえさせるべきなのだろうか。(K)※敬称略
=====================================================

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●土地利用規制法というイジメ…《法が指定する注視区域は沖縄では全域がなり得る…。人が注視対象とは。法で守るべき利益主体があべこべ》

2022年10月01日 00時00分12秒 | Weblog

[↑ 命どぅ宝沖縄を再び戦場にするな! (2022年05月15日、朝日新聞)]


(2022年09月18日[日])
玉城デニー知事が再選された。何度、沖縄県民の民意を示しても、辺野古破壊が止まらない。普天間は返還されない。予算の削減など、最早、沖縄イジメのレベルであり、ニッポンは本当に民主主義国家なのか大いなる疑問だ。
 例えば、イジメの一例。土地利用規制法…《沖縄はほとんどが監視下に置かれてしまう》。

   『●《国民投票法に条件付き賛成で…支持者が増》≪「支持者減」…
     立憲を掲げて、しかも、このコロナ禍で、あのトンデモ壊憲に手を貸すかね?
   『●立法府の自公お維議員による土地規制法案 ――― 《何のための国会か》
        《内閣委員のお一人お一人が問われている》(馬奈木厳太郎弁護士)

    《さらに、法案を先取りするような事件も沖縄では起こった。
     米軍北部訓練場の返還跡地である「やんばるの森」に米軍の廃棄物が
     残っている
ことを指摘、その廃棄物を米軍基地ゲート前に並べるという
     抗議活動をおこなったチョウ類研究者の宮城秋乃さんに対し、沖縄県警が
     威力業務妨害の疑いで家宅捜索に入ったからだ》

   『●土地規制法案の先取り ―― 宮城秋乃さんの家宅捜索という見せしめ
       …《見せしめの過剰捜査…人権侵害行為》が頻発すること、必至
   『●《神さま》気取りのアベ様にこんなお願いする気? ―――
     「国民主権の縮小、戦争放棄の放棄、基本的人権の制限…緊急事態条項の創設」
   『●<金口木舌>《土地利用規制法やデジタル関連法などが国会でバタバタ
     と成立…いずれも国民を監視し思想・良心の自由を奪いかねない法律》
    「《本当にこのままでよいのか》? 《国中が混乱する中、
     土地利用規制法デジタル関連法などが国会でバタバタと成立した。
     熟議とは程遠い数の力で ▼いずれも国民を監視し思想・良心の自由を
     奪いかねない法律だ》。
      《国民はその危うさを実感しているだろうか》? 法治主義を嘯き、
     《法を盾に権力者は国民を押さえ付ける》。立憲主義を蔑ろにし、
     違憲に壊憲するくせに。自公お維に投票した責任取ってください。」

   『●違憲な土地規制法 ――― 密告社会、《軍隊に監視される社会でいい
     のか?》、《戦争に市民を協力させるという構造》を許していいのか?
    「海渡雄一さんによる、レイバーネットの記事【三上智恵さんの
     「沖縄スパイ戦史」が明らかにする土地規制法の危険性/海渡雄一】」

   『●《思想統制、言論弾圧につながる危険な兆候…反戦の声を上げる市民に
      敵意を向けた自衛隊の暴走を見過ごすわけにはいかない》(琉球新報)
    《この文書を作成していた陸自の情報保全隊は、宮古島市与那国町への
     陸自配備に伴って両島でも発足している。今年9月には米軍や
     自衛隊基地の周辺で住民の調査を可能とする「土地利用規制法」が
     施行される。戦前の治安維持法下をほうふつとさせる監視体制
     一層強まる》

   『●戦争法等《法自体を廃止しなければならない》ものが多すぎる…その
     一つが土地利用規制法で、《沖縄はほとんどが監視下に置かれてしまう》

 琉球新報のコラム【<金口木舌>法益があべこべだ】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1583954.html)によると、《▼自衛隊や米軍基地など周辺の土地利用を規制する。航空機の離着陸を妨げる工作物設置など各施設の機能を阻害する行為も調査対象とするが、行為の主体は人に他ならない。人物調査が主眼だろう》。
 自公お維コミが幅を利かす限りデタラメは続く…。戦争法など、《法自体を廃止しなければならない》ものが多すぎる。(恣意的な)欠陥法・「土地利用規制法」「土地規制法」。

   『●玉城デニー沖縄県知事の再選の一方で、自公政権はまだ「辺野古移設
     が唯一の解決策」と嘯く…《民主主義や…地方自治の原則》はどこに?

 玉城デニー沖縄県知事の再選の一方で、自公政権はまだ「辺野古移設が唯一の解決策」と嘯く…《民主主義や…地方自治の原則》はどこに? 自公の日本会議系統一協会ヅボヅボ氏https://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/13eb6f479280d0e58aa1dec6f0da2c96)が万が一にも勝っていたと仮定したら、はたして官房長官は「コメントを控える」と言ったでしょうか?
 さらに、室井佑月さんは《それにしてもいつまで民意を無視するんだか。てか、民意をいったん脇に置いて、科学的に考えても、あそこはマヨネーズ地盤で工事は無理なんよ。つか、普天間の全面返還ってのも、嘘じゃね? アメリカさんときちんと話はついたのか》、と。新基地は完成することはないし、普天間飛行場も返還されることはない。まさに、辺野古は破壊「損」だ。
 日刊ゲンダイのコラム【室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」/松野官房長官「コメントを控える」ってなんだよ いつまで民意を無視するんだか】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/311437)におると、《松野さんの冒頭の言葉は、前半と後半が一つになってない。むちゃくちゃだ。県知事選の結果は、県民の判断、それはわかっているわけだよね。でも、松野さんは冒頭発言の後にこうつづけるのさ。「辺野古移設が唯一の解決策であり、この方針に基づいて着実に工事を進めていくことこそが、普天間飛行場の1日も早い全面返還を実現し、その危険性除去につながる。」 ん? つまり冒頭で「政府としてコメントを控える」っていいながら、ちゃっかりコメントしてんじゃん。結局、国は、選挙結果や県民の意向はどうでも良く、辺野古移設に向けた工事を進めていくらしい。じゃあ、なんのために選挙をやったんだ。もちろん、このことは選挙の際に大きな争点となった。なのに、それを無視していいのか?》
 沖縄タイムスの【社説[知事選後の沖縄施策]負担軽減へ本気度示せ】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1024762)によると、《岡田直樹沖縄担当相は、就任後初めて来県し、再選されたばかりの玉城デニー知事と会談した。玉城知事は名護市辺野古の新基地建設について「反対する県民の民意が明確に示された」と述べ、建設計画の断念を求めた。復帰50年の県知事選を終え、国と県が何よりも優先して取り組まなければならないことは何か。政府によくよく考えてもらいたいのは知事選で示された「民意の重さ」である。再選を果たした玉城デニー知事の支持層に1期目のような高揚感はない。辺野古の新基地建設を巡って、これからも政府と県の対立が続くとみているからだ。これからもいばらの道が続くと知りながら、多くの県民が玉城知事に票を投じ大差で当選させた、その意味は重い》。

 「辺野古移設が唯一の解決策」と嘯き、普天間飛行場の廃止も出来ない。また、「日米地位協定」を改定することもしない…自公政権の無能さを露呈している。
 dotの記事【“殺人または強姦”凶悪犯罪でも米軍の「好意的考慮」なしには捜査もできない 沖縄が抱える「日米地位協定」という病】(https://dot.asahi.com/dot/2022091500018.html)によると、《9月11日の沖縄県知事選で、自公推薦候補らを破り再選を果たした玉城デニー氏。米軍基地問題については、「沖縄の未来を描いていくため、基地問題の解決を図っていく。私はこれまでもこれからも1ミリもぶれない」と改めて主張した。「差別的」とされる、沖縄の米軍基地問題を語るうえで欠かさないものに、米軍に法的な特権を認めた日米地位協定がある。玉城氏が繰り返し「見直し」を求める日米地位協定とは。》

=====================================================
https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1583954.html

<金口木舌>法益があべこべだ
2022年9月15日 05:00
金口木舌 土地利用規制法

 1942年の夏、長崎県の佐世保港での出来事という。宿題で9歳の男児が海の写生をしていたらスパイの嫌疑をかけられ軍の施設で厳しい取り調べを受けた

▼スパイ防止を目的とした改正軍機保護法は軍事施設の撮影、模写を禁じた。佐世保港は海軍の拠点。高台からの風景画が諜報と疑われた。子どもの写生にも容赦ない。「生きて帰れないかな」。80歳の男性が当時の恐怖を語った本紙記事(2014年1月17日)を思い出した

▼敗戦後に改正軍機保護法は廃止されたが、そんな法が復活したかと思わせる。重要土地利用規制法が今月中に全面施行される

▼自衛隊や米軍基地など周辺の土地利用を規制する。航空機の離着陸を妨げる工作物設置など各施設の機能を阻害する行為も調査対象とするが、行為の主体は人に他ならない人物調査が主眼だろう

法が指定する注視区域は沖縄では全域がなり得ると専門家はみる人が注視対象とは法で守るべき利益主体があべこべでは子どもの行動さえ疑いの目を向けるそんな時代の再来はまっぴらだ
=====================================================

=====================================================
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/311437

室井佑月 作家
1970年、青森県生まれ。銀座ホステス、モデル、レースクイーンなどを経て97年に作家デビュー。TBS系「ひるおび!」木曜レギュラーほか各局の情報番組に出演中。著書に「ママの神様」(講談社)、「ラブ ファイアー」(集英社文庫)など。


室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」
松野官房長官「コメントを控える」ってなんだよ いつまで民意を無視するんだか
公開日:2022/09/16 06:00 更新日:2022/09/16 06:00

     (沖縄県知事の玉城デニー氏(C)共同通信社)

「県知事選の結果は、沖縄県が抱えるさまざまな課題を巡る県民の判断であり、政府としてコメントを控える」(松野博一・官房長官)

 これは松野官房長官が12日午前の記者会見で、語った言葉(12日付の『沖縄タイムス』より)。

 もちろん、11日の沖縄県知事選で、玉城デニーさんが再選したからだ。

 応援してたよ、デニーさん。嬉しい!

 デニーさんは、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に反対している。

 松野さんの冒頭の言葉は、前半と後半が一つになってない。むちゃくちゃだ

 県知事選の結果は、県民の判断、それはわかっているわけだよね。でも、松野さんは冒頭発言の後にこうつづけるのさ。

辺野古移設が唯一の解決策であり、この方針に基づいて着実に工事を進めていくことこそが、普天間飛行場の1日も早い全面返還を実現し、その危険性除去につながる。」

 ん? つまり冒頭で「政府としてコメントを控える」っていいながら、ちゃっかりコメントしてんじゃん。

 結局、国は、選挙結果や県民の意向はどうでも良く、辺野古移設に向けた工事を進めていくらしい

 じゃあ、なんのために選挙をやったんだ。もちろん、このことは選挙の際に大きな争点となった。なのに、それを無視していいのか?

 無視していいわきゃないだろ。辺野古移設をやめるか、どうしても移設したいのなら、今度こそ県民が納得できるような説明を国はしなくちゃならないはずだ。

 コメントを控えるってなんだよ。誰が控えよっていったよ。松野さんは民意に逆らい、うちらに「黙れ」と暴言を吐いたに等しい

 それにしてもいつまで民意を無視するんだか。てか、民意をいったん脇に置いて、科学的に考えても、あそこはマヨネーズ地盤で工事は無理なんよ。つか、普天間の全面返還ってのも、嘘じゃね? アメリカさんときちんと話はついたのか。
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●安田菜津紀さん《安倍政権とは何だったのか…「強きにすり寄り、弱きをへし折る政権」…「引き継がれた『膿』を出し切るのはこれから」》

2022年08月18日 00時00分14秒 | Weblog

[※ 「国葬反対」(週刊金曜日 1388号、2022年08月05日・12日合併号) ↑]


(20220807[])
小出裕章さん《彼のしたこと、しようとしてきたことはただただカネ儲け、戦争ができる国への道づくりだった》…それを支持した「1/4」と「2/4」。

 AERAの記事【安倍政権下で後退した民主主義 安田菜津紀「引き継がれた『膿』を出し切るのはこれから」】(https://dot.asahi.com/aera/2022072800067.html)によると、《その上で、長期にわたる安倍政権とは何だったのかと考えたとき、それは「強きにすり寄り、弱きをへし折る政権」だったと思います》。

 自民党議員や党首が先頭に立って統一協会問題に取り組まない、不思議。元首相・元党首アベ様の銃撃事件の原因究明は自民党を筆頭に、あらゆる政党が取り組むべき課題でしょうに。
 日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/安倍元首相国葬や旧統一教会、コロナの問題…荒れる国会になる】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202208020000031.html)によると、《★その首相・岸田文雄は31日、旧統一教会と現職の閣僚や自民党議員との関係が発覚していることに元首相の銃撃事件後、初めて言及し「社会的に問題になっている団体との関係については、政治家の立場からそれぞれ丁寧に説明をしていくことは大事だと思う」と人ごとのように発言。》

 キシダメ氏「民主主義を断固として破壊する決意を示す」国葬…麻生太郎副総裁、とんだ《後見役》だね。《国葬の決断を促した》ことで、グズグズのキシダメ首相が即決した訳ね。
 週刊朝日の記事【強引すぎる「国葬」裏事情 麻生副総裁の進言で「国民葬」から転換か】(https://dot.asahi.com/wa/2022080200057.html?page=1)によると、《自民党が圧勝した参院選の余韻が漂う7月11日、自民党本部で開かれた臨時役員会の席上、党四役の一人がこう訴えた。「安倍元首相の葬儀は国葬にすべきだ!」 他の保守系役員からも「国葬」を求める声が相次いだほか、党内の保守系議員グループからも同様の意見が官邸に寄せられていた。政府関係者はこう話す。「…そんな首相を説得したのが後見役である麻生太郎副総裁。12日の夜に岸田首相の携帯電話を鳴らし、国葬の決断を促した。そこで岸田首相は持ち前の『聞く力』を発揮して国葬転換の決心がついたのです」 いくら麻生氏の意向があったとはいえ、岸田首相はなぜ異例とも言える国葬実施に転じたのか。》

   『●戦争法等《法自体を廃止しなければならない》ものが多すぎる…その
     一つが土地利用規制法で、《沖縄はほとんどが監視下に置かれてしまう》

 ついでで申し訳ない…統一協会と底なしのズブズブヅボヅボな自民党は、こんな悪法ばかりよくも作れるものだね。
 琉球新報【<金口木舌>おごりは極まった】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1560465.html)によると、《与党推薦の参考人も懸念するお粗末な法案だった。東京財団政策研究所の吉原祥子さんが昨年6月にこう述べた。「条文を読んだだけではどのようにでも解釈が可能になってしまうのは本当にあってはならない」 ▼9月に全面施行される土地規制法を指す。法は基地周辺など政府が安全保障上重要とみれば土地の利用を規制する。問題は、罰則もあるのにやってはいけない行為がはっきりしない。航空機の離着陸の妨げになる工作物設置など7類型を挙げたが「この類型」以外にもあるという ▼近代刑法は処罰の対象を明確に定めるのが基本原則解釈の拡張とさじ加減で規制に歯止めがかからないのでは困る。罪刑法定主義のスルーはいけない ▼まして罰するからには適正手続きが必須の要件だ。憲法31条にある。それ以前に法がこれでは。違憲立法とも言えよう ▼拙速な立法に推薦識者も駄目出しせざるを得なかったとはおごりも極まった。この法の運用方針などへの意見公募(パブリックコメント)が24日まで行われている。もの申す機会だ》。

   『●琉球新報《核兵器禁止条約の第1回締約国会議…オブザーバー参加を
     見送った日本政府の不在が際立った会議だった…不参加は歴史的過ち》

 これもついでで申し訳ない…。核兵器禁止条約の第1回締約国会議のオブザーバー参加さえも見送った情けない自称・《橋渡し役》ニッポン政府。
 【<社説>首相、NPT会議で演説 「橋渡し役」物足りない】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1559596.html)によると、《国際社会は重要な局面に立っている。核拡散防止条約NPT)再検討会議が開幕した。26日まで約4週間の会議で「核のない世界」への取り組みを示す最終文書を採択できるかが最大の焦点だ。唯一の戦争被爆国の日本は核保有国と非保有国の「橋渡し役」として、これまでにない役割を期待されている。これに応えなければならない。岸田文雄首相は日本の歴代首相として初めて会議に出席し、演説した。核兵器不使用の継続など5本柱からなる行動計画を提唱した。ただ、核兵器を非合法化する核兵器禁止条約に言及しないなど、橋渡し役を務めるには物足りないと言わざるを得ない。自民党内には核共有の議論を認める発言がある。首相の姿勢も問われる。演説で掲げた核戦力の透明性向上といった行動計画をどのように実現していくのか、具体性も欠いた。実現は本当に可能だろうか。日本がまずやらなければならないことは、核廃絶に向けた姿勢を国際社会に示すことではないのか。》


   『●「統一協会、暴力団、日本会議に神道議員連盟…どうするの」と
     ヤジり返して、アベ様にそれらの真偽を確認してもらうべきだった
   『●あとの祭り…《故人の過大評価、美化・神格化…「安倍元首相の悲願は
        憲法改正」「憲法改正が安倍元首相の夢だった」》の垂れ流し…
   『●《二〇二一年時点で民主主義国は八十九で、権威主義国は九十。世界人口
       の七割の約五十四億人が権威主義下で暮ら》す…91国目に堕ちる?
   『●《私は意見を言いません、強いものの近くにいたいのです、という宣言
      に、音楽業界の偉い人がすり寄っているという光景は、あまりに…》
   『●前川喜平さん《「暴力と言論」…言論の衰退と暴力の増長の悪循環を
     止めるには言論を立て直すしかない。だから今言論が委縮してはいけない》
   『●《メディアコントロール》という置き土産 … 《新聞・テレビはこの
      宗教団体の名前を報じていないが、ネット上では「統一教会」…》
   『●《彼のしたこと、しようとしてきたことはただただカネ儲け、戦争が
     できる国への道づくりだった》…それを支持する「1/4」と「2/4」
   『●《「民主主義への挑戦・冒涜」という点で言えば、それこそ安倍政権の
        8年とは、まさに民主主義への挑戦と冒涜、否定の連続であった》
   『●《元首相の死によってすべての疑惑を闇に葬り去るどころか、安倍氏を
     神格化しようとしている》…「民主主義を断固として〝破壊〟する決意」
   『●「不気味な兆候」は既に現実になっている…《まさに言論の砦たる
        メディアとメディア人の役割が問われています》(青木理さん)
   『●《少数意見を尊重し、歩調を合わせようと努めて議論を重ね、成り
     立ってきた戦後民主主義ではないか。それを「聞かない」とは。…》
   『●《メディアコントロール》は続いている…《だからといって、政治》と
     統一協会の《関係について徹底追及がおこなわれているわけではない》
   『●武田砂鉄さん《繰り返し問題視されてきた団体…付き合いが深い議員…。
      再発防止のためにも、宗教と政治の関係を洗い出すのが必要不可欠》
   『●つまり、アベ様は《堂々と、司法の場でも違法性が指摘されている》
     統一協会の《実質トップの名前を自ら挙げ、敬意を表したのである》
   『●キシダメ首相は「民主主義を断固守る」ために国葬を行うというが、
     (政界地獄耳)《よほど民主主義を逸脱し独裁的ではないのか》?
   『●統一協会名称変更問題…《実体が変わらないのに、名称を変えることは
        できない》はずなのに、《あり得ない》ことがなぜ可能になったの?
   『●元文科相からして、統一協会とズブズブだったのではないのか? 反面
      教師として、文科省道徳教育教材『わたしたちの道徳』に載せては?
   『●伊達忠一前参議院議長が元総理に統一協会票を依頼したと驚きの証言…
     《今回…安倍さんは…。『井上(義行氏)をアレ(支援)するんだ』…》
   『●汚染責任者アベ様という壺の蓋が割れた瞬間に、自民党“統一協会汚染”
      物質が壺から噴出…衆参院議長、防衛相、文科相、国家公安委員長…
   『●《暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団または
     個人》=統一協会…《自民党が大っぴらに反社とつながっていることに》
   『●茂木敏充幹事長、統一協会と「党としては一切関係がない」…《その
     爛れた関係が岸信夫防衛相や二之湯智国家公安委員長、末松信介文科相…》
   『●《法外な寄付を集め、家庭を崩壊させるような活動が問題に…次々と関与が
       判明する自民党こそ、教団との関係を国会の場で丁寧に説明すべき》
   『●《このように安倍氏の一存で統一教会の組織票の差配が決まっていたと

     すれば…》…もはや開いた口が塞がらないよ。どこまでズブズブだったの?

=====================================================
https://dot.asahi.com/aera/2022072800067.html

安倍政権下で後退した民主主義 安田菜津紀「引き継がれた『膿』を出し切るのはこれから」
2022/08/01 08:00

     (岸田文雄首相は安倍元首相の「国葬」を今秋に行うと表明。
      首相経験者の国葬は1967年の吉田茂元首相以来で極めて
      異例な決断だ)

 2022年7月8日。安倍晋三元首相が凶弾に倒れた。にわかには信じられない。そんな状況のなか、手製の銃、旧統一教会と自民党、国葬など、さまざまな情報が流れていく。私たちはこの事件をどう捉えればいいのか。AERA 2022年8月1日号は、フォトジャーナリスト・安田菜津紀さんに聞いた。

*  *  *

 事件の背景を考えること自体は大切ですが、大前提として、武力をもって命を奪うことがあってはなりません。

 その上で、長期にわたる安倍政権とは何だったのかと考えたとき、それは「強きにすり寄り、弱きをへし折る政権」だったと思います・。

 安倍元首相の在任中、生活保護の水準が引き下げられ、自民党議員からは性的マイノリティーの人たちについて「生産性がない」などという言及もありましたが、責任の所在がうやむやにされました。

 特に私が力を入れ取材をしている外国人の人権に関しては、安倍政権下に、人道配慮などから特別に在留を許可される「在留特別許可」が出る割合が一気に減り入管施設で収容中に亡くなった外国人は第1次・2次政権下で10人にもなりました

 安倍政権は、国際協調や多様性もスローガンとして掲げていましたが、そうであればこうした人権問題の根本にメスを入れるべきでした。しかしそれを行ってきませんでした。それどころか、邪魔な人間は排除し解決するという政策が続き、マジョリティー側が「理解」するまでマイノリティー側は不利益を被り続けろというメッセージが常に発せられました。その結果、市井に存在する差別にお墨付きを与えてきたのではないでしょうか。


■長期化すると必ず腐敗

 襲撃事件の後、容疑者のバックグラウンドが明らかになっても、ネット上には「犯人は在日」「日本人じゃないに決まっている」という声が溢(あふ)れました。こうしたヘイトは大事件や災害などのたびに必ず起きることですが、政治がマイノリティーは踏みにじってもいいという誤ったメッセージを発し続けてきた責任も大きいはずです。

 安倍元首相だけにとどまらず、巨大な権力を持ち、それが長期化すると必ず腐敗するというのが政治の性(さが)。為政者は、権力に対してよほど慎重であるべきだし、自覚的であるべきです。


―――――――――――――――――――――――
安田菜津紀(やすだ・なつき)/1987年生まれ。認定NPO法人「Dialogue for People」副代表。中東、日本国内などで難民や貧困、災害の取材を進める(写真:Dialogue for People提供)
―――――――――――――――――――――――


 何より、安倍政権下で民主主義が後退した感は否めません。

 岸田文雄首相は先日、安倍元首相の「国葬」を秋に行うと発表しました。理由を「民主主義を守り抜くため」と言っています。それを聞いて驚きました。国葬に反対する人は多くいます。私は、民主主義とはこうした反対の声、支持しない人の声も大切にすることだと思っています。でも、むしろ真逆のことをしてはいないかと、強く感じます。

 政治姿勢が大きく見直されていないことを考えると、いまだに私たちは安倍政権下に生きているようなものかもしれません。安倍政権下で生まれ、続く菅政権と岸田政権に引き継がれた「(うみ)を出し切るのはこれから。そのためには、できる形で声を上げることが大切です。

 昨年、難民申請者の送還などを盛り込んだ入管法改正案が、反対の声に押されるように廃案となりました。

 高校生や大学生も国会前でデモをし、抗議のシットイン(座り込み)を行いました。中でも、シットインを企画したある高校生が「私たちには声がある」と語っていたのがとても印象的でした。

 それまでさんざん無気力にされそうになったことが続き、きっと法案は押し通されるという空気感が一部ではありました。だけど、私たちの声は完全に押し潰(つぶ)されたわけではない、私たちの声はまだ奪われたわけではないんだと、そのとき気持ちを新たにできました。

 民主主義は手間のかかることですし、無力感を味わうことの方が多い仕組みかもしれません。それでも、おかしいものはおかしいと声に出していく。人権を理不尽に踏みにじるような障壁があればどけていく。そして、その中で進んだものを一つ一つ拾い上げていく。こうして小さくても力を持ち寄ることが社会を変え、健全な民主主義を築いていくことになると思います

(構成/編集部・野村昌二)


※AERA 2022年8月1日号
=====================================================

=====================================================
https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202208020000031.html

コラム
政界地獄耳
2022年8月2日7時13分
安倍元首相国葬や旧統一教会、コロナの問題…荒れる国会になる

★共同通信が先月の30、31両日に行った世論調査では、元首相・安倍晋三の国葬に「反対」「どちらかといえば反対」が計53・3%を占めた。岸田内閣の支持率は51・0%で7月11、12日の前回調査から12・2ポイントも急落し、内閣発足以来最低となった。旧統一教会と政界の関係も解明の「必要がある」は80・6%、「必要はない」は16・8%だった。

★その首相・岸田文雄は31日、旧統一教会と現職の閣僚や自民党議員との関係が発覚していることに元首相の銃撃事件後、初めて言及し「社会的に問題になっている団体との関係については、政治家の立場からそれぞれ丁寧に説明をしていくことは大事だと思う」と人ごとのように発言。自民党総務会長・福田達夫が「僕の今の理解の範疇(はんちゅう)だと、何が問題か僕はよくわからないです」と発言し大炎上した翌日の発言とは思えぬピントのずれ方だ。岸田内閣の現職の文科相・末松信介、経産相・萩生田光一、防衛相・岸信夫、国家公安委員長・二之湯智が教団や関連団体と接点があることが明らかになっている。文科を除く3大臣は国家安全保障会議のメンバーであることは過誤できない。

★首相は銃撃事件後、国葬についてもすぐに言及し保守派を沈静化させたが、今では国民の半数以上から反対と言われている。また3日から5日まで開かれる臨時国会での安倍の追悼演説も延期になった。国家公安委員長は「我が国の威信をかけ、警備を万全にすべく警察庁を指導する」としているが、内実はどんどん自民党・内閣葬に近づいており官房長官・松野博一は「国葬当日を休日にすることは検討していない」など平時の生活を国民は送るようだ。臨時国会後、夏休みに突入し9月末の国葬まで、コロナの「2類」「5類」の議論で済むと思っているのか。その後、様子を見て内閣改造に踏み切るのだろうが、荒れる国会になるのは間違いない。(K)※敬称略
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●戦争法等《法自体を廃止しなければならない》ものが多すぎる…その一つが土地利用規制法で、《沖縄はほとんどが監視下に置かれてしまう》

2022年06月26日 00時00分40秒 | Weblog

// (2022年06月06日[月])
琉球新報の【<社説>土地規制法一部施行 欠陥法は廃止しかない】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1527499.html)。

 《自衛隊や米軍基地、国境離島などを対象に周辺の土地利用を政府が調査、規制する土地利用規制法が、1日に一部施行された。基地周辺や離島での自由な経済活動を制約し、思想が侵害される懸念もある私権制限を伴う問題だらけの法律だ。狭い土地に基地が集中し、多くの国境離島を抱える沖縄はほとんどが監視下に置かれてしまう。これだけ危険な法律でありながら、罰則の対象となる行為や対象区域などが明確にされないままに、一部とはいえ法が施行された。許されない見切り発車だ。全面施行の見送りはもとより、法自体を廃止しなければならない》。

   『●《国民投票法に条件付き賛成で…支持者が増》≪「支持者減」…
     立憲を掲げて、しかも、このコロナ禍で、あのトンデモ壊憲に手を貸すかね?
   『●立法府の自公お維議員による土地規制法案 ――― 《何のための国会か》
        《内閣委員のお一人お一人が問われている》(馬奈木厳太郎弁護士)

    《さらに、法案を先取りするような事件も沖縄では起こった。
     米軍北部訓練場の返還跡地である「やんばるの森」に米軍の廃棄物が
     残っている
ことを指摘、その廃棄物を米軍基地ゲート前に並べるという
     抗議活動をおこなったチョウ類研究者の宮城秋乃さんに対し、沖縄県警が
     威力業務妨害の疑いで家宅捜索に入ったからだ》

   『●土地規制法案の先取り ―― 宮城秋乃さんの家宅捜索という見せしめ
       …《見せしめの過剰捜査…人権侵害行為》が頻発すること、必至
   『●《神さま》気取りのアベ様にこんなお願いする気? ―――
     「国民主権の縮小、戦争放棄の放棄、基本的人権の制限…緊急事態条項の創設」
   『●<金口木舌>《土地利用規制法やデジタル関連法などが国会でバタバタ
     と成立…いずれも国民を監視し思想・良心の自由を奪いかねない法律》
    「《本当にこのままでよいのか》? 《国中が混乱する中、
     土地利用規制法デジタル関連法などが国会でバタバタと成立した。
     熟議とは程遠い数の力で ▼いずれも国民を監視し思想・良心の自由を
     奪いかねない法律だ》。
      《国民はその危うさを実感しているだろうか》? 法治主義を嘯き、
     《法を盾に権力者は国民を押さえ付ける》。立憲主義を蔑ろにし、
     違憲に壊憲するくせに。自公お維に投票した責任取ってください。」

   『●違憲な土地規制法 ――― 密告社会、《軍隊に監視される社会でいい
     のか?》、《戦争に市民を協力させるという構造》を許していいのか?
    「海渡雄一さんによる、レイバーネットの記事【三上智恵さんの
     「沖縄スパイ戦史」が明らかにする土地規制法の危険性/海渡雄一】」

   『●《思想統制、言論弾圧につながる危険な兆候…反戦の声を上げる市民に
      敵意を向けた自衛隊の暴走を見過ごすわけにはいかない》(琉球新報)
    《この文書を作成していた陸自の情報保全隊は、宮古島市与那国町への
     陸自配備に伴って両島でも発足している。今年9月には米軍や
     自衛隊基地の周辺で住民の調査を可能とする「土地利用規制法」が
     施行される。戦前の治安維持法下をほうふつとさせる監視体制
     一層強まる》

 自公お維コミが幅を利かす限りデタラメは続く…。戦争法など、《法自体を廃止しなければならない》ものが多すぎる。(恣意的な)欠陥法・「土地利用規制法」「土地規制法」。

 《軍隊に監視される社会でいいのか?》。《戦争に市民を協力させるという構造》を許していいのか? 
 海渡雄一さん《基地や原発の監視活動や抗議活動をする隣人・知人や活動協力者の個人情報を密告せざるを得なくなります。これは地域や市民活動を分断するものであり、市民活動の著しい萎縮につながります。土地規制法は、沖縄スパイ戦の時のこのような構造を現代の基地周辺地域などによみがえらせることでしょう。いったんこのようマシーンが作動を始めたら、最後には、住民同士が密告し合い、多くの犠牲者を再び産み出す危険性があります。土地規制法は、憲法が絶対的なものとして保障している思想・良心の自由侵害するものなのです》《三上さんの「沖縄スパイ戦史」は、土地規制法がもたらす監視と密告の社会の末に、私たちを待っている人間不信の未来の地獄絵図を過去の歴史の中から肌身に感じられるような精度でよみがえらせました》。

 同様に、沖縄タイムスの【社説[反戦デモ敵視]憲法の軽視は許されぬ】によると、《戦力を備えた自衛隊という実力組織が、憲法も認める市民の権利行使を「戦い」の対象に挙げるという、ゆがんだ認識が問われている》。
 (リテラ)《「陸上自衛隊の今後の取組み」という資料において、「予想される新たな戦いの様相」「グレーゾーンの事態」として、「テロ等」「サイバー攻撃」「不法行動」「特殊部隊等による破壊活動等」などと並んで、「反戦デモ」と記載》《戦争に反対し平和を願う市民によるデモを、政府は国家の主権を脅かす行為として敵対勢力扱いしていた》…ねぇ。(琉球新報)《戦争に反対する市民の行動を国家の主権を脅かす挑戦と位置付け、敵視していたのだ》。戦争したい戦争に行かせたいという本音、政府や自衛隊に逆らうものは許さないという本音がポロリでしょうか。ウクライナへのロシアの侵略で世界中の多くの市民が暗い気分になっている所で、一方で、アベ様政権下でのニッポンではこの有様だったわけです。
 昔、「市民活動も取り締まりの対象となる」なんて言っていた与党自民党の首脳が居ましたね。「数十万人単位のテロリスト」のいる「そんな国の与党の首脳」が特定秘密隠蔽法の本質について本音をポロリでした。

   『●「恥」の三重塗り: 高市早苗氏・稲田朋美氏の
      「ネオナチ」写真問題・「在特会」機関紙執筆問題
    「それにさらに輪をかけて、「「ヘイト」規制 国会デモにも広げる愚……
     
政権批判は耳が痛くても、民の声に耳を傾けることこそ政治家の
     仕事ではないのか」? その発言者・高市早苗氏は当然として、
     座長・平沢勝栄氏や各委員はこんな発議に異議を唱えないのであれば
     高市氏同様の「愚」「恥」」

   『●「数十万人単位のテロリスト」のいる
       「そんな国の与党の首脳」が隠蔽法の本音をポロリ
    《国民の「知る権利」を侵害する恐れがある特定秘密保護法案をめぐり、
     自民党の石破茂幹事長がブログで、市民団体らのデモ活動をテロ
     とみなした。憲法が定める「表現の自由」に基づく
     市民の政治への訴えを犯罪と同一視する言葉が政権中枢から出たことで、
     法案が成立すれば国民の権利が抑圧されるとの懸念は現実味を増した》

   『●もはやニッポンに「民主主義の看板を掲げる資格はない」
          …アベ様は「盲目的に服従しない者には弾圧で…」


 (田中角栄氏だけでなく、お維も同様な宣伝?)「決断と実行」だってさ? 〝検討氏〟による「検討と不履行。暮らしを破壊」。いまだに、「辺野古が唯一の解決策」なんて言っているしね。
 日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/「決断と実行」岸田首相には重いキャッチコピーでは】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202206030000091.html)によると、《★自民党は1日、来月の参院選挙へ向けポスターを発表した。キャッチコピーは「決断と実行。暮らしを守る」。党広報本部長・河野太郎は「確かな決断と揺るぎない実行が求められている」と胸を張ったが、72年の田中が指揮した衆院選の自民党のコピーも「決断と実行」だった。「検討する」を連発し、決断力に欠けると野党から言われる首相・岸田文雄にはいささか荷が重いコピーではないか》。

=====================================================
https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1527499.html

<社説>土地規制法一部施行 欠陥法は廃止しかない
2022年6月3日 05:00

 自衛隊や米軍基地、国境離島などを対象に周辺の土地利用を政府が調査、規制する土地利用規制法が、1日に一部施行された。

 基地周辺や離島での自由な経済活動を制約し、思想が侵害される懸念もある私権制限を伴う問題だらけの法律だ。狭い土地に基地が集中し、多くの国境離島を抱える沖縄はほとんどが監視下に置かれてしまう。これだけ危険な法律でありながら、罰則の対象となる行為や対象区域などが明確にされないままに、一部とはいえ法が施行された。許されない見切り発車だ。

 全面施行の見送りはもとより、法自体を廃止しなければならない

 全面施行後は政府が「注視区域」や「特別注視区域」に指定すると、土地の所有者名や国籍などの情報を政府が収集し、分析できるようになる。特別注視区域では、一定面積以上の土地売買に事前の届け出が義務付けられる。

 基地や国境離島の機能を阻害する行為(機能阻害行為)について中止の勧告・命令や罰則を出すことも可能となるが、法律の条文は抽象的な表現にとどまり、どのような行為が罰則の対象となるのか具体的に示されていない

 機能阻害行為について法律の条文上明確でないことが法案の国会審議で問題となり、思想、信教、集会、結社などの自由に配慮することなどを求める付帯決議が付されることとなった。

 政府は9月の全面施行に向け、規制対象の区域や行為を検討する有識者の会議を設置し、閣議で基本方針を決める。だが、一部施行の段階になっても「検討中」を繰り返し、必要な情報を伏せている。国民の権利を侵害する規制の中身がどこまで明らかにされるのか全く見えない

 国会審議では、情報収集に公安調査庁内閣情報調査室などの情報機関が協力することや、個人の思想信条を調べることも条文上は「排除されていない」という政府の認識も示された。内閣官房は、実際には土地利用と関係のない事項を調べることは想定していないとしたが、条文上の調査権限や罰則行為があいまいでは、政府が恣意(しい)的に規制を運用する恐れがある。

 戦時中に日本軍が作成した秘密文書「防諜ノ地域的措置ニ関スル説明要図」という資料には、軍事的に重要な施設の周囲を距離で区分し、住民の立ち入り禁止や他地区の人への秘匿、写真撮影の禁止、外国人の旅行制限など、区域ごとの規制措置が記されている。土地利用規制法の設計は、日本軍が戦時下でとったこの措置と重なる

 沖縄戦では治安維持軍機保護の名目で、日本軍が沖縄の住民をスパイ視した安全保障を名目に国民監視を認める土地利用規制法は、戦時体制の再来になりかねない。私権侵害の乱用に歯止めをかけるすべがない欠陥法を全面施行させてはならない
=====================================================

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●《報道の自由度ランキング…日本より下にランクされているのは…独裁国家や軍事国家ばかりで日本は民主主義先進国とは言えない状態》

2022年06月04日 00時00分18秒 | Weblog

[※ 「こんな人たち」 報道特集(2017年7月8日)↑]


(20220522[])
リテラの記事【日本の「報道の自由度ランキング」下落報道でNHKが「日本政府の圧力」という文言を削除 政権忖度と自己検閲ぶりがあらわに】(https://lite-ra.com/2022/05/post-6192.html)。

 《フランスに本部を置く国際的なジャーナリストのNGO「国境なき記者団」が3日に発表した2022年の「報道の自由度ランキング」で、世界の180の国や地域のうち日本は71と昨年から順位を4つ下げる結果となった。この順位は、安倍晋三首相から菅義偉首相、そして岸田文雄首相に代わってもメディア状況は変わりがないどころか悪化していることを示していると言えるだろう。実際、民主党政権時代の2010年には11位だったのに対し、第二次安倍政権発足以降急落し2013年は53、2014年は59、2015年は61、2016年は72、2017年は72、2018年は67、2019年は67、2020年は66、2021年は67だった。G7のなかで最下位なのはもちろん、日本より下にランクされているのは多くは独裁国家や軍事国家ばかり日本は民主主義先進国とは言えない状態だ》。

   『●《大阪ヘイト条例》と構図は同じ…《政府・与党政治家への正当な
     批判を「侮辱」として解釈し、気に食わない言論や表現への弾圧に利用》
   『●とっても危険な《侮辱罪を厳罰化する刑法改正案》…自公お維コミの
      《火事場ドロボー》達は、《権力批判の言論を萎縮させる》気満々だ
   『●《政治家の批判や、政府の方針への苦言など…デモ…》が抑制、
     《首相はうそつき》《総理は嘘つき》ウソ吐きなアベ様という批判も…

 アベ様らによる《メディアコントロール》の〝成果〟。情けなく、哀しい。結果として壊憲へ暴走。

 マガジン9のコラム【言葉の海へ 第208回:憲法と世論調査(鈴木耕)】(https://maga9.jp/220511-4/)によると、《憲法報道について》《そんな質問でいいんですか?》《「雰囲気で改憲」って、ヤバくない?》《どこまで堕ちるか日本の自由度》《第1問 「あなたは日本国憲法を読んだことがありますか?」》《国の基礎となるべき「憲法教育」を、なぜこの国はおろそかにするのか。しっかり「憲法教育」を行った上でなら、「あなたは憲法改正に賛成ですか反対ですか」「改正したいのはどの条文ですか」「それはなぜですか」という問いかけの世論調査は成立するだろう。だが『戦争を知らない子供たち』どころか、「憲法を知らない子供たち」ばかりが増えていく学校教育の下では、この問いは成立しない。もっとも、自民公明維新国民民主の改憲派にとっては子どもたちに「憲法」を教えるなんてとんでもないことなのだろうけれど…。》
 ホントに、光明の見えない国・ニッポン。《メディアは二流ならば社会も二流》《社会と政治も三流》。

   『●2016年報道の自由度ランキング72位:
      「メディアは二流ならば社会も二流」、アベ政治も…粗悪
    《政治が一流だけど、メディアは三流なんて国はありません
     メディアは二流ならば社会も二流なんです。相互作用ですから。
     「国境なき記者団」が発表する「報道の自由度ランキング」でも、
     上位に位置するノルウェーデンマークスウェーデンは、
     僕から見れば確かに政治も一流だし、社会も成熟していると感じます。
     2010年に自由度11だった日本のメディアが、2016年には72
     まで下落しました。ならばメディアだけではなくて政治も国民も、
     同じように下落
したということです。今のこの国のレベルは途上国以下
    「ジャーナリズムは、《社会や大衆が望まなくとも…火中の栗を拾って
     報じなければならないときがある》。この国の報道機関は「闘って
     いるでしょうか? 権力と「闘う」どころか、『読売』や『産経』、
     『アベ様のNHK』などはアベ様と同調し、社会を破壊していないか?」

   『●2016年、17年の「報道の自由度ランキング」、
       2年連続72位なニッポン…「社会と政治も三流」
   『●アホらしき税収不足! 日本の「報道の自由度」72位で、
           「パナマ文書を調査しない国は…と日本くらい」
   『●《テンチョンニュース》で決して報じない
     《安倍さんが直接関わった疑惑。民主主義の根幹を壊す犯罪行為》
   『●(政界地獄耳)《一方、日本では一体何が起きているか。
      官製嫌韓ヘイトをメディアがあおっているお粗末さだ》
   『●<それにつけてもアベ様や小池「ト」知事の無能さよ>…《政治の
      無策による人災》の片棒を担いだマスメディアにも大きな責任
   『●アベ様広報紙・産経《むしろ記者たちの質問する権利を奪おうとする、
       目を疑うような記事が出た》…《メディアコントロール》の成果
    《《「日本に報道の自由がない」という国際社会の評価》はすでに
     世界に定着。アベ様らの罪はあまりに大きい。アベ様独裁下での
     「報道の自由度ランキング」の凋落具合を見ても自明だ》

   『●《「世界で最も影響力のある100人」(TIME100)…伊藤詩織さんと
          …大坂なおみ選手》、一方、杉田水脈議員がまたしても暴言
    《──分断を生んだ安倍政権を引き継ぐ菅氏は、日頃の会見でも質疑が
     かみ合いませんでした。事件を通じて権力とメディアとの関係を
     どう考えましたか。
     メディアの役割は権力の番犬」だと思いますが、日本の記者会見を
     見ているとどういう姿勢で彼らが番犬としての役割を果たしている
     のか、と疑問に思うこともあります。日本の「報道の自由度」の
     ランキングが低いのも、こうしたことに根ざしているのだと思います》

   『●《「ちょっと待って」とか「やっぱりこれは変だ」などの声を、もう
     少し多くの人が発していたならば、こんな状況にはなっていなかった》

=====================================================
https://lite-ra.com/2022/05/post-6192.html

日本の「報道の自由度ランキング」下落報道でNHKが「日本政府の圧力」という文言を削除 政権忖度と自己検閲ぶりがあらわに
2022.05.10 09:17

     (首相官邸HPより

 フランスに本部を置く国際的なジャーナリストのNGO「国境なき記者団」が3日に発表した2022年の「報道の自由度ランキング」で、世界の180の国や地域のうち日本は71と昨年から順位を4つ下げる結果となった。

 この順位は、安倍晋三首相から菅義偉首相、そして岸田文雄首相に代わってもメディア状況は変わりがないどころか悪化していることを示していると言えるだろう。実際、民主党政権時代の2010年には11位だったのに対し、第二次安倍政権発足以降急落し2013年は53、2014年は59、2015年は61、2016年は72、2017年は72、2018年は67、2019年は67、2020年は66、2021年は67だった。G7のなかで最下位なのはもちろん、日本より下にランクされているのは多くは独裁国家や軍事国家ばかり日本は民主主義先進国とは言えない状態だ。

 だが、問題なのはランクを4つ下げたことだけではなかった。今回の「報道の自由度ランキング」についての報道じたいが、政府に忖度したものになっていたからだ。

 というのも、国境なき記者団のHPに掲載された日本についてのレポートには、政府の影響について、このように指摘がなされていた。

日本政府と企業は、大手メディアに対して日常的に圧力をかけており、その結果、汚職やセクシュアルハラスメント、健康問題(新型コロナや放射能)、環境汚染などのセンシティブと見なされる可能性があるトピックにかんして厳しい自己検閲が生じている。〉

 ところが、2022年の「報道の自由度ランキング」を報じたNHKは、「日本政府」の圧力については触れず、国境なき記者団による日本についての分析にはまったく出てこない韓国(43位)とオーストラリア(39位)の名前をわざわざ出して同列のように並べ、〈日本は韓国やオーストラリアと同様に「強まっている大企業の影響力がメディアに自己検閲を促している」として去年から順位を4つ下げて71位に後退しました〉と伝えたのだ。

 しかも、これはNHKのみならず共同通信や時事通信なども同様で、政府の圧力によって厳しい自己検閲が生じているという指摘について触れたのは、確認できた範囲ではテレビ朝日のみだった。


国境なき記者団はネトウヨや安倍応援団による“反日”攻撃も指摘 しかしメディアは…

 国境なき記者団は「日本政府や企業が主流メディアに日常的に圧力をかけ、その結果、厳しい自己検閲が生じている」と指摘したのに、「日本政府の圧力」については触れずに伝える──。この報道姿勢こそが、まさしく今回指摘された、報道の自由を妨げている「メディアの自己検閲そのものではないか。

 だが、国内メディアが伝えなかったのは、「日本政府の圧力」の存在だけではない。じつは、国境なき記者団はさらに日本の報道状況について、さらに具体的な指摘をおこなっているからだ。

 たとえば国境なき記者団は、日本政府による圧力とメディア側の自己検閲について触れたあと、政府が2020年からコロナ対策を口実に記者会見に出席できる記者の数を劇的に減らしていることを指摘。日本の「政治的背景」についても、〈2012年以降、国粋主義右派が台頭し、多くのジャーナリストが彼らに対する不信感、さらには敵意さえ感じていると訴えてきた〉と第二次安倍政権誕生以降の状況を分析し、記者クラブ制度がメディアの自己検閲を促し、フリーランスや外国人の記者に対する露骨な差別があることを指摘している。

 また、国境なき記者団は、2021年に菅政権がコロナ禍のどさくさに紛れて強行採決した「土地規制法」にも言及し、同時に特定秘密保護法の改正を拒否していることも指摘。両方に懲役刑などの罰則を科していることを問題視している。

 さらに、「安全性」について言及した項目では、日本のジャーナリストは比較的安全な環境にあるとしながらも、〈「中傷的」と見なされるコンテンツをリツイートしただけで政治家に起訴された者もいる〉と指摘。〈SNSでは、ナショナリストグループは、政府に批判的であるジャーナリストや、福島の原発事故によって引き起こされた健康問題、沖縄の米軍駐留、第二次世界大戦中の日本の戦争犯罪などの「反愛国的な」主題を扱うジャーナリストにも日常的に嫌がらせをしている〉とも言及。ネトウヨや安倍応援団による政権批判者や“反日”に対する苛烈なSNS攻撃が、健全なジャーナリズムの妨げとなっていることまで指摘しているのだ。


会見打ち切り、書面回答拒否…岸田政権のぞんざいメディア対応 安倍・菅“言論弾圧”政権で「政権忖度」が恒常化 

 だが、こうした細かな指摘や分析を国内メディアはことごとく無視。仔細に報じようともしない。しかし、それも当然だろう。主流メディアは「政府からの日常的な圧力の結果、厳しい自己検閲」をし報道の自由を自ら阻害している当事者であるだけでなく、ここで取り上げられた極右の台頭や歴史修正主義、沖縄の米軍基地問題や「土地規制法」などの危険な法案について、大きな問題として積極的に取り扱おうとしないからだ

 しかも重要なのは、メディア側の姿勢が安倍・菅政権以降も悪化しつづけていることだろう。

 たとえば、北海道新聞は9日付記事において、岸田首相が情報発信に消極的になっていると指摘。コロナ第6波でも1カ月半も首相会見をおこなわず、4月8日・26日の会見は30〜40分で終了。さらに、コロナ下で安倍政権がはじめた会見で指名されなかった記者が書面でおこなう質問についても、4月26日の会見後に4社が質問を提出したものの、岸田官邸は回答を拒否。安倍首相も菅首相も国民への説明をないがしろにしてきたが、岸田官邸も高い支持率に調子づき、メディア対応が輪にかけて酷くなっているというのだ。

 無論、これは官邸側だけの問題ではけっしてない。前述したように、国境なき記者団は日本政府がコロナ対策を口実に記者会見に出席できる記者の数を劇的に減らしていることを問題として取り上げていたが、そのほかにも更問い(追加質問)の禁止事前に官邸が質問を提出させようとすることなど、問題は安倍政権時から山程あった。当然、これらは首相会見の主催者である内閣記者会ボイコットも辞さない姿勢で反発すべき事柄だ。ところが、大手メディアの記者たちは報道に対して露骨に圧力が強まるなかでも平然と安倍首相や菅首相と会食をおこない、官邸のメディア対応を是認してきた。そうした結果、安倍・菅政権時に加速したメディア側の「忖度の意識追及をしない姿勢が恒常化し、岸田政権下においても当たり前のようになってしまっているのだ。

 このような情けないメディア状況を、「政府の日常的な圧力の結果、厳しい自己検閲が生じている」とずばり指摘した今年の「報道の自由度ランキング」。そして、肝心のこの指摘を報じなかった国内メディア。──今回のランキングについて報じたメディアは、ウクライナ侵略で言論統制を強めたロシアが昨年から順位を5つ下げて155位になったことを強調していたが、自己検閲によって政府の圧力の存在を伝えないメディアが、ロシアの状況についてとやかく言えたものではないだろう

(編集部)
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●《戦力を備えた自衛隊という実力組織が、憲法も認める市民の権利行使を「戦い」の対象に挙げるという、ゆがんだ認識が問われている》

2022年05月01日 00時00分44秒 | Weblog

[※ 「こんな人たち 報道特集(2017年7月8日)↑]


(20220420[])
沖縄タイムスの【社説[反戦デモ敵視]憲法の軽視は許されぬ】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/943670)。

 《問題は「誤解」されていることではない。戦力を備えた自衛隊という実力組織が、憲法も認める市民の権利行使を「戦い」の対象に挙げるという、ゆがんだ認識が問われているのだ。松野氏は野党の追及を受け「不適切だった」と軌道修正したが、不十分だ。文民統制に関わる事態と捉え、岸信夫防衛相は陸自への指導など対応を検討すべきだろう》。

   『●「恥」の三重塗り: 高市早苗氏・稲田朋美氏の
      「ネオナチ」写真問題・「在特会」機関紙執筆問題
    「それにさらに輪をかけて、「「ヘイト」規制 国会デモにも広げる愚……
     
政権批判は耳が痛くても、民の声に耳を傾けることこそ政治家の
     仕事ではないのか」? その発言者・高市早苗氏は当然として、
     座長・平沢勝栄氏や各委員はこんな発議に異議を唱えないのであれば
     高市氏同様の「愚」「恥」」

   『●「数十万人単位のテロリスト」のいる
       「そんな国の与党の首脳」が隠蔽法の本音をポロリ
    《国民の「知る権利」を侵害する恐れがある特定秘密保護法案をめぐり、
     自民党の石破茂幹事長がブログで、市民団体らのデモ活動をテロ
     とみなした。憲法が定める「表現の自由」に基づく
     市民の政治への訴えを犯罪と同一視する言葉が政権中枢から出たことで、
     法案が成立すれば国民の権利が抑圧されるとの懸念は現実味を増した》

   『●もはやニッポンに「民主主義の看板を掲げる資格はない」
          …アベ様は「盲目的に服従しない者には弾圧で…」
   『●《思想統制、言論弾圧につながる危険な兆候…反戦の声を上げる市民に
     敵意を向けた自衛隊の暴走を見過ごすわけにはいかない》(琉球新報)

(リテラ)《「陸上自衛隊の今後の取組み」という資料において、「予想される新たな戦いの様相」「グレーゾーンの事態」として、「テロ等」「サイバー攻撃」「不法行動」「特殊部隊等による破壊活動等」などと並んで、「反戦デモ」と記載》《戦争に反対し平和を願う市民によるデモを、政府は国家の主権を脅かす行為として敵対勢力扱いしていた》…ねぇ。(琉球新報)《戦争に反対する市民の行動を国家の主権を脅かす挑戦と位置付け、敵視していたのだ》。戦争したい戦争に行かせたいという本音、政府や自衛隊に逆らうものは許さないという本音がポロリでしょうか。ウクライナへのロシアの侵略で世界中の多くの市民が暗い気分になっている所で、一方で、アベ様政権下でのニッポンではこの有様だったわけです。
 昔、「市民活動も取り締まりの対象となる」なんて言っていた与党自民党の首脳が居ましたね。「数十万人単位のテロリスト」のいる「そんな国の与党の首脳」が特定秘密隠蔽法の本質について本音をポロリでした。
 《思想統制、言論弾圧につながる危険な兆候…反戦の声を上げる市民に敵意を向けた自衛隊の暴走を見過ごすわけにはいかない》(琉球新報)。

   『●軍隊は住民を守らない: 《情報保全隊…住民の調査・
       監視のほか、島嶼戦争の際の対スパイ戦任務も想定》…
    《……以上のように、「情報保全隊」の防諜は、
     《「戦前の憲兵政治の再来だ」、「一般市民の活動を監視している
     と批判》され、また、《沖縄でも沖縄弁護士会や
     沖縄平和運動センターなどの団体や個人が監視され、戦前の憲兵隊や
     特高警察を想起させるとの批判》が出ている。《市民集会や自衛隊、
     米軍に批判的な団体・個人の活動を監視》していた訳だ。
     《憲法で保障された表現の自由思想・良心の自由
     侵害するような活動許されない》のに…。》

   『●違憲な土地規制法 ――― 密告社会、《軍隊に監視される社会でいい
     のか?》、《戦争に市民を協力させるという構造》を許していいのか?

 しかも、ジャーナリズムの問題も。《記者向け勉強会で配布》《テロと並べて反戦デモ報道についても、武力攻撃に至らない手段で自らの主張を相手に強要するグレーゾーン事態に当たると明記していた》そうだが、記者も随分と舐められたものですね。(リテラ)《安倍政権が「反戦デモ」「報道」をテロ扱いするという言論弾圧体質を記者相手に公然と見せつけ、それを記者がスルーする──》、ああぁ…。

   『●《首相の演説にやじを飛ばしただけで、警官に排除される時代…
                 こんな「表現の不自由」な社会を誰が望んだ》?
    「桐山桂一さんの仰る通り、《今日では既に、首相の演説にやじを
     飛ばしただけで、警官に排除される時代である。
     こんな表現の不自由な社会を誰が望んだであろうか》?」
    「《鹿児島県警から任意の「捜査関係事項照会」と呼ばれる依頼を受け、
     うち4図書館で利用者の個人情報が提供》…。
     《警察は政党の手先ではない訳がないし警察は正義の味方
     呼ぶこと》もできない…悲惨な社会。最「低」裁を頂点とした司法も、
     検察や警察も、いまやアベ様に忖度する時代。
     《岸の末裔が首相では日本に未来はない》。」

   『●《安倍政権下で始まった危険な言論統制に歯止めをかける判決…首相に
      ヤジを飛ばした市民が、北海道警の警察官に違法に排除された事件》
   『●《現役の総理大臣へのヤジも許されず、それが報道もされない世界》
     《ヤジも言えない国家や有無も言わさず排除をする警察》でいいの?

 そして、ニッポンは壊れっぱなし。《立憲主義》《平和憲法》《国の根幹を担う最高法規》を蔑ろにし、《火事場ドロボー》らによる違憲な壊憲へと爆走。
 琉球新報の【<社説>加速狙う改憲論議 国民を置き去りにするな】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1503212.html)によると、《自民は新型コロナウイルス感染拡大を踏まえて緊急事態条項の新設にも前のめりだ。この条項は私権制限を伴い、立憲主義の理念を損なう問題をはらむ。一方、ロシアによるウクライナ侵攻を挙げて9条改憲を唱える姿勢も顕著だ憲法は国の根幹を担う最高法規である。岸田文雄首相は改憲について「国会の議論と国民の理解は車の両輪」と述べ、国民的論議が必要との認識を示している。国民を置き去りにした拙速な議論は避けるべきだ》。

=====================================================
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/943670

社説[反戦デモ敵視]憲法の軽視は許されぬ
2022年4月16日 06:12

 陸上自衛隊が2020年、記者向けの勉強会で配布した資料で「予想される新たな戦い」の対象に、「反戦デモ」を例示していた。

 デモは、憲法21条で表現の自由として保障されている戦争に反対し平和を訴える市民の合法的な意思表示敵視であり、憲法と民主主義を軽視する危険な認識だ。

 陸自は記者に配った資料で、武力攻撃に至らない手段で自らの主張を相手に強要する「グレーゾーン」事態の具体例を挙げた。この中で、テロやサイバー攻撃と反戦デモを併記していた。

 記者から「不適切だ」と指摘を受けて回収し「暴徒化したデモ」に修正したという。

 反戦デモへの見解を巡っては、湯浅悟郎前陸上幕僚長が19、20年に外部で講演した際の資料にも、同様の記述があったことが分かっている。

 勉強会の担当者だけでなくトップを中心に、デモを敵視する風潮が組織内でまん延していたと疑わざるを得ない。

 政府内では、文民の危機感も薄い。松野博一官房長官や鬼木誠防衛副大臣は当初「誤解を招く表現だった」と釈明するにとどめた。

 問題は「誤解」されていることではない。戦力を備えた自衛隊という実力組織が、憲法も認める市民の権利行使を「戦い」の対象に挙げるという、ゆがんだ認識が問われているのだ

 松野氏は野党の追及を受け「不適切だった」と軌道修正したが、不十分だ。文民統制に関わる事態と捉え、岸信夫防衛相は陸自への指導など対応を検討すべきだろう。

■    ■

 市民との関係を巡っては07年、陸自の情報保全隊が自衛隊の活動に批判的な市民の動向を調べ、個人情報を記したリストを作っていたことが明らかになった。

 県内でも沖縄弁護士会、労組や市民団体などの幹部が実名とともに活動内容を記載され「戦前の特別高等警察の再来かと猛反発した

 組織の方針にそぐわない市民を監視し、敵視する体質が脈々と受け継がれているのではないか-。そんな危惧が募る。

 中国の脅威を念頭に、自衛隊の「南西シフト」が奄美から先島まで、琉球弧全体で進んでいる。情報保全隊も、宮古島市与那国町への陸自配備に伴い、配置された。

 台湾有事への備えを口実に、先島でも市民の活動に逐一、目を光らせるようなことがあれば、住民は他国だけでなく自国の軍事組織へも緊張を強いられてしまう

■    ■

 自衛隊基地などの周囲で、土地の所有者や利用状況を調査できる土地規制法が9月に全面施行され、情報保全隊の監視活動は県内でも強まると想定される。保全隊のリストには、ヘリの騒音に苦情を言っただけで勤務先や住所を調べられた人もいた

 ロシアのウクライナ侵攻が続く中、反戦デモは世界中で広がっている。先の大戦で住民を巻き込んだ大規模な地上戦があった沖縄県民は、平和を望む思いが特に強いデモに加わる市民の声に謙虚に耳を傾ける姿勢こそ、自衛隊に必要だと自覚してほしい。
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●《思想統制、言論弾圧につながる危険な兆候…反戦の声を上げる市民に敵意を向けた自衛隊の暴走を見過ごすわけにはいかない》(琉球新報)

2022年04月17日 00時00分06秒 | Weblog

[※ 「こんな人たち」 報道特集(2017年7月8日)↑]


(2022年04月04日[月])
琉球新報の【<社説>陸自、反戦デモ敵視 文民統制 逸脱許されない】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1494580.html)。
リテラの記事【ロシアと同じ! 防衛省陸幕が安倍政権時代、「反戦デモ」「報道」をテロと同列視して「戦い」の対象とする勉強会資料を作成】(https://lite-ra.com/2022/04/post-6179.html)。

 《思想統制言論弾圧につながる危険な兆候だ。…反戦の声を上げる市民に敵意を向けた自衛隊の暴走を見過ごすわけにはいかない》。
 《2020年2月、防衛省陸上幕僚監部が記者を対象に勉強会をおこない、その際に配布した「陸上自衛隊の今後の取組み」という資料において、「予想される新たな戦いの様相」「グレーゾーンの事態」として、「テロ等」「サイバー攻撃」「不法行動」「特殊部隊等による破壊活動等」などと並んで、「反戦デモ」と記載していた、というのだ。言っておくが、「グレーゾーン事態」は平時と有事の間にあることを指し、安保法制を発動させる事態のひとつとなっている。そんな「グレーゾーン事態」だの「予想される新たな戦い」だのという物騒なもののひとつとして、テロやサイバー攻撃、特殊部隊による破壊活動と並列して、「反戦デモ」を挙げていたのである。つまり、戦争に反対し平和を願う市民によるデモを、政府は国家の主権を脅かす行為として敵対勢力扱いしていたのだ。しかも、注目すべきは、この資料が配布されたのが2020年2月、つまり安倍政権下だったことだ》。

   『●違憲な土地規制法 ――― 密告社会、《軍隊に監視される社会でいい
     のか?》、《戦争に市民を協力させるという構造》を許していいのか?

 (リテラ)《「陸上自衛隊の今後の取組み」という資料において、「予想される新たな戦いの様相」「グレーゾーンの事態」として、「テロ等」「サイバー攻撃」「不法行動」「特殊部隊等による破壊活動等」などと並んで、「反戦デモ」と記載》《戦争に反対し平和を願う市民によるデモを、政府は国家の主権を脅かす行為として敵対勢力扱いしていた》…ねぇ。(琉球新報)《戦争に反対する市民の行動を国家の主権を脅かす挑戦と位置付け、敵視していたのだ》。戦争したい戦争に行かせたいという本音、政府や自衛隊に逆らうものは許さないという本音がポロリでしょうか。ウクライナへのロシアの侵略で世界中の多くの市民が暗い気分になっている所で、一方で、アベ様政権下でのニッポンではこの有様だったわけです。
 昔、「市民活動も取り締まりの対象となる」なんて言っていた与党自民党の首脳が居ましたね。「数十万人単位のテロリスト」のいる「そんな国の与党の首脳」が特定秘密隠蔽法の本質について本音をポロリでした。

   『●「恥」の三重塗り: 高市早苗氏・稲田朋美氏の
      「ネオナチ」写真問題・「在特会」機関紙執筆問題
    「それにさらに輪をかけて、「「ヘイト」規制 国会デモにも広げる愚……
     
政権批判は耳が痛くても、民の声に耳を傾けることこそ政治家の
     仕事ではないのか」? その発言者・高市早苗氏は当然として、
     座長・平沢勝栄氏や各委員はこんな発議に異議を唱えないのであれば
     高市氏同様の「愚」「恥」」

   『●「数十万人単位のテロリスト」のいる
       「そんな国の与党の首脳」が隠蔽法の本音をポロリ
    《国民の「知る権利」を侵害する恐れがある特定秘密保護法案をめぐり、
     自民党の石破茂幹事長がブログで、市民団体らのデモ活動をテロ
     とみなした。憲法が定める「表現の自由」に基づく
     市民の政治への訴えを犯罪と同一視する言葉が政権中枢から出たことで、
     法案が成立すれば国民の権利が抑圧されるとの懸念は現実味を増した》

   『●もはやニッポンに「民主主義の看板を掲げる資格はない」
          …アベ様は「盲目的に服従しない者には弾圧で…」

 《記者向け勉強会で配布》《テロと並べて反戦デモ報道についても、武力攻撃に至らない手段で自らの主張を相手に強要するグレーゾーン事態に当たると明記していた》そうだが、記者も随分と舐められたものですね。《安倍政権が「反戦デモ」「報道」をテロ扱いするという言論弾圧体質を記者相手に公然と見せつけ、それを記者がスルーする──》、ああぁ…。

=====================================================
https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1494580.html

<社説>陸自、反戦デモ敵視 文民統制 逸脱許されない
2022年4月1日 05:00

 思想統制言論弾圧につながる危険な兆候だ

 陸上自衛隊が2020年に作成した資料で、「予想される新たな戦いの様相」として、テロやサイバー攻撃と共に反戦デモを例示していたことが分かった。戦争に反対する市民の行動を国家の主権を脅かす挑戦と位置付け、敵視していたのだ

 主権者として行動する国民を自衛隊が戦う相手として名指しするなど、文民統制シビリアンコントロール)を明らかに逸脱している。政府は実力組織を統制する立場として、文書が作成された経緯の検証と公表など毅然(きぜん)とした対処をとるべきだ。

 資料は陸上幕僚監部が作成し、記者向け勉強会で配布された。陸上自衛隊の今後の取り組みの中で、テロと並べて反戦デモ報道についても、武力攻撃に至らない手段で自らの主張を相手に強要するグレーゾーン事態に当たると明記していた。記者から不適切だとの指摘を受けて回収し、「暴徒化したデモ」と修正したという。

 デモ行進は憲法21条で保障された表現の自由であり、反戦平和の主張を危険視することは憲法19条の思想・良心の自由を侵害する。抑制されることがあってはならない大切な権利だ。「新たな戦いの様相」の中に反戦デモを位置付けた認識を、根本からたださなければならない。

 自衛隊の国民監視を巡っては07年に、陸自のイラク派遣に批判的な市民を監視した内部文書の存在が明らかになった。派遣反対の集会やデモ、ビラ配布などを行った団体・個人の動きを詳細に記録。県内でも沖縄弁護士会沖縄平和運動センターなどが監視対象となっていた。

 この文書を作成していた陸自の情報保全隊は、宮古島市与那国町への陸自配備に伴って両島でも発足している。今年9月には米軍や自衛隊基地の周辺で住民の調査を可能とする「土地利用規制法」が施行される。戦前の治安維持法下をほうふつとさせる監視体制が一層強まる。

 文民統制を果たすはずの政府にも深刻な懸念がある。13年の特定秘密保護法案を巡る議論で、当時自民党幹事長だった石破茂氏は市民団体のデモを「テロ行為」になぞらえた。特定秘密の報道にも「わが国の安全が極めて危機にひんするのであれば何らかの方向で抑制されることになる」と述べ、報道機関への処罰を示唆する発言をしていた。

 個人の権利より国家を優先する自民党の志向は、国民に監視の矛先を向ける自衛隊の活動と重なる。

 沖縄戦の体験や過重な基地負担、台湾有事をにらんだ自衛隊の南西シフトなどを抱える沖縄では、県民の生命や安全な暮らしを守る上で、反戦デモは政治に主権者の意思を示す大切な手段となる。

 反戦の声を上げる市民に敵意を向けた自衛隊の暴走を見過ごすわけにはいかない。
=====================================================

=====================================================
https://lite-ra.com/2022/04/post-6179.html

ロシアと同じ! 防衛省陸幕が安倍政権時代、「反戦デモ」「報道」をテロと同列視して「戦い」の対象とする勉強会資料を作成
2022.04.01 07:50

     (首相官邸HPより)

 ロシアのウクライナ侵略で、ロシア国内における反戦デモなど言論に対する取り締まりが連日報道されているが、そんななか、日本政府がとんでもない資料を作成していたことが判明した。

 2020年2月、防衛省陸上幕僚監部が記者を対象に勉強会をおこない、その際に配布した「陸上自衛隊の今後の取組み」という資料において、「予想される新たな戦いの様相」「グレーゾーンの事態」として、「テロ等」「サイバー攻撃」「不法行動」「特殊部隊等による破壊活動等」などと並んで、「反戦デモ」と記載していた、というのだ。

 言っておくが、「グレーゾーン事態」は平時と有事の間にあることを指し、安保法制を発動させる事態のひとつとなっている。そんな「グレーゾーン事態」だの「予想される新たな戦い」だのという物騒なもののひとつとして、テロやサイバー攻撃、特殊部隊による破壊活動と並列して、「反戦デモ」を挙げていたのである。

 つまり、戦争に反対し平和を願う市民によるデモを、政府は国家の主権を脅かす行為として敵対勢力扱いしていたのだ

 しかも、注目すべきは、この資料が配布されたのが2020年2月、つまり安倍政権下だったことだ。

 安倍政権下では、政権を批判するデモやヤジを取り締まる言論弾圧がどんどん強化されていった。実際、先日も、2019年の参院選において札幌市で演説中の安倍晋三首相に「安倍やめろ」「増税反対」とヤジを飛ばした市民2人が北海道警の警察官に排除された件で、北海道地裁は道警が表現の自由を侵害したとしてその違法性を認め、道に対して計88万円の支払いを命じる判決を出たばかりだが、警察庁幹部は「当時、安倍首相の周囲がヤジを気にしているとの話があり、排除となったようです」と市民排除にいたった裏側について語っている(「AERA.dot」3月28日付)。

 また、安保法制や森友公文書改ざんなど安倍政権の問題が噴出すると、国会前や首相官邸前では市民による大規模な抗議デモがおこなわれてきたが、そのたびに警察の過剰警備や公安の監視が問題になってきた。

 ほかにも、ラジオDJのピーター・バラカン氏が告発したように、「No .9」「NO WAR」「LOVE & PEACE」とプリントされたTシャツを着ていただけで警官に止められたり、「No.9(憲法九条)」と書かれた小さなタグや缶バッジをつけた市民が国会本館や議員会館に入ろうとすると警備員らに制止される例が続出。平和を訴える集会が「政治的」とみなされ、自治体が会場使用を認めないような事態も進行していった。


■防衛省資料で「反戦デモ」「報道」を「新たな戦い」の対象扱いしていたのにメディアは…

 つまり、当時は、安倍政権が政権批判を封じ込める言論弾圧を繰り広げ、憲法に保障されている「思想・良心の自由」や「集会・結社の自由」の侵害が加速していたのだが、まさか、防衛省・自衛隊が「反戦デモ」を「新たな戦い」として研究していたとは……。

 これはようするに、安倍政権は現在のロシア政府のように、市民による反戦デモをテロ扱いにし、反戦を訴える市民を武力で鎮圧できるような状況をつくり出すことを目指していた、というわけだ。

 今回、発覚した防衛省資料は、いかに安倍政権が危険かつ恐ろしいものだったか、あらためて痛感させられるものだが、しかし、問題はこれだけではない。

 というのも、この防衛省資料では、「予想される新たな戦いの様相」「グレーゾーンの事態」のなかに、「反戦デモ」のみならず「報道も挙げられているからだ。

 言わずもがな、ロシアでは反戦を訴える市民だけではなく、プーチン政権に批判的なメディも取り締まり対象にされ、ウクライナ侵略を正当化する報道しか許されていない。また、プーチン大統領は「偽情報」を流した記者を最高15年の禁錮刑を科す法律に署名したばかりだ。

 他方、防衛省は「事実に反する事柄を意図的に報道する行為」を「予想される新たな戦いの様相」「グレーゾーンの事態」として挙げている。この事実を考えれば、政府はプロパガンダしか許されない状況をつくり上げようとしているとしか考えられないだろう。

 だが、今回の問題で浮き彫りになったのは、メディア側の姿勢の深刻さだ

 というのも、前述したように問題の資料は2020年2月4日におこなわれた記者勉強会で配布されたものだったというのに、当時、これを取り上げたメディアは皆無。日本共産党の穀田恵二・衆院議員が資料を入手し、3月30日の衆院外務委員会で追及したことによってはじめて表沙汰となったのだ。


■防衛省は「反戦デモ」をテロと同列扱いした資料を保存期間中に廃棄する隠蔽行為

 外務委員会での鬼木誠・防衛副大臣の答弁によると、「反戦デモ」の記述については「参加者(記者)から『用語が不適切ではないか』との指摘を受け、資料を回収し、誤解を招かないよう『暴徒化したデモ』と修正した」とし、翌日、修正後の資料を再度記者に配布したという。だが、防衛省が指摘を受けて文言を修正したことも、当時報道は一切なされていない

 いや、そればかりか、「反戦デモ」については指摘を受けて修正がなされているが、「報道」にかんしては修正されていない。つまり、「報道」が「予想される新たな戦いの様相」「グレーゾーンの事態」としてやり玉に挙げられたというのに、記者たちは抗議や指摘をすることもなく、挙げ句、「反戦デモ」「報道」がテロと同等の扱いにされていることを報じようともしなかったのだ。

 いまのロシアを見ればよくわかるが、反戦デモを取り締まり、報道を抑圧してプロパガンダを垂れ流すといった言論弾圧は、国を「戦争ができる状態」にしてしまう。明らかに、それと同じ姿勢を示した政府を黙認し、報じようともしないというのは、報道機関・記者としての責務を放棄したに等しい

 その上、防衛省は資料を記者から回収した翌日、保存期間は1年であったにもかかわらず、これを廃棄。つまり、情報公開請求がなされても開示できないよう、隠蔽工作までおこなっていた。この問題も、穀田議員の追及ではじめて明らかになったものだ。

 安倍政権が「反戦デモ」「報道」をテロ扱いするという言論弾圧体質を記者相手に公然と見せつけ、それを記者がスルーする──。だが、安倍首相が退陣したからといって、こうして安倍元首相が残した民主主義の軽視・破壊という戦争の萌芽は、政府にも社会にも根を下ろしたままであり、メディアの腑抜けぶりも相変わらずだ。「ロシア化」を目指すために安倍政権が目指した言論弾圧体質の批判、そして脱却のために一掃することが、いまこそ必要だ。

(編集部)
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●《メディアが名実ともに戦争の道具にされていく》…《日本全土を米軍の鉄砲玉として…日本全土の基地化が進行》黙殺する《全国紙やテレビ》

2022年01月13日 00時00分30秒 | Weblog

[※ ↑ 【「空からの写真は一目瞭然」埋め立て進む辺野古の海 ドローンで監視する技術者の思い】(沖縄タイムス21.12.14、https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/879026)]


/ (20220109[])
日刊ゲンダイのコラム【斎藤貴男 二極化・格差社会の真相/自衛隊と米軍の共同作戦計画 あからさまな戦争準備に沈黙の大マスコミ】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/299471)。

 《以上は年末23日に共同通信がスクープした動きである。岸信夫防衛相はノーコメントの一手。全国紙やテレビが黙殺しているので騒がれないが、事は住民も国会も憲法も無視した戦争準備に他ならない》。

   『●米中戦争の「防波堤」: 
     与那国駐屯地による「活性化」? 「島民との融和」か分断か?
   『●石垣島陸上自衛隊ミサイル部隊配備: 
       《菩提樹》を切り倒すのか? ささやかな願いさえも打ち砕くのか?
   『●与那国島や石垣島、《沖縄は名護市辺野古だけでなく、
          宮古島もまた国防のために政府に翻弄されている》
   『●立法府の自公お維議員による土地規制法案 ――― 《何のための国会か》
        《内閣委員のお一人お一人が問われている》(馬奈木厳太郎弁護士)

   『●土地規制法案の先取り ―― 宮城秋乃さんの家宅捜索という見せしめ
       …《見せしめの過剰捜査…人権侵害行為》が頻発すること、必至
   『●《弾薬庫は置かない》…平気で嘘つくよなぁ。ことごとく約束は
     反故にされ、市民はバカにされていて、やはり受け入れてはいけなかった
   『●《日本全土を米軍の鉄砲玉として…》…【解決策ない辺野古の軟弱地盤
         できもせぬ基地建設で翻弄する一方、日本全土の基地化が進行】
   『●《沖大東島での実弾射撃、宮古島のミサイル部隊による対艦攻撃、
     電子戦部隊配備計画がある与那国島での電子戦などの各訓練が展開》
   『●《SACO合意とは、事件に対する沖縄県民の怒りをはぐらかし、沖縄の
      中で基地をたらいまわしする欺瞞でしかなかった》(目取真俊さん)
   『●本土と沖縄を一緒にするなとでも? 《…燃料タンクと数十センチの
      水筒という落下物によって事故の重大性を比較するのは無意味だ》

 《全国紙やテレビが黙殺》する《日本全土を米軍の鉄砲玉として…日本全土の基地化が進行》。(斎藤貴男さん)《特に沖縄では、沖大東島での実弾射撃、宮古島のミサイル部隊による対艦攻撃、電子戦部隊配備計画がある与那国島での電子戦などの各訓練が展開されたもよう。複数の民間港も使用された。「沖縄の戦場化が前提にされている」と住人たちの不安は膨らむ。だが、県外ではろくに報じられもしない異様である》。《「沖縄の戦場化が前提にされている」》…沖縄県外の人たちの多くが、それを《異様》と感じないのか? 自衛の枠を遥かに超える〝敵基地攻撃能力〟までも口にするニッポンのリーダーたち。壊憲へまっしぐらだ。

   『●番犬様が《震源地》化…《ところで外務省沖縄事務所と沖縄防衛局は
     何をしているのだろう》、そして、アベ様や最低の官房長官らは何を?
   『●<金口木舌>《コロナ感染再拡大後も米軍は詳細を説明せず、米兵は
     基地の街をマスクをせず闊歩している。これが復帰から半世紀の沖縄》
    「とうとう、6日(木) 時点では981人と、1千人間近だ。もちろん過去最多。
     岩国や三沢でも同様なことが起きている模様…。
     「思いやり」した末の非道…番犬様には《水際作戦》関係なし…
     またしても番犬様が《震源地》化。」

   『●長周新聞《何が「安全保障」だよ! 在日米軍基地から始まったコロナ
     第6波 検査も隔離もなく自由に出入国 沖縄や岩国で感染者過去最多》
   『●《PCR検査もまともにやらず、あぶれた感染者を自宅療養の刑に処す
     とは、為政者としてはいったい国民の生命をなんだと思っているのか》
   『●日本は独立国なの? 岸田文雄首相は「在日米軍が原因と断定するのは
      難しい」と…正気? どう見ても、またしても番犬様が《震源地》化

 《実行されれば南西諸島は戦場と化す。共同の記事には、「申し訳ないが、自衛隊に住民を避難させる余力はないだろう」とする制服組幹部の談話が載った。果たして11月下旬に実施された陸海空の自衛隊統合演習にも米軍は参加して、沖縄を戦場に模していた》そうだ。《標的の島》の市民の皆さんに対して、堂々と「自衛隊に住民を避難させる余力はない」と番犬様や日本軍は言っている訳です。驚愕です。《それにしても、私たちはよくぞ習近平の強権的な軍民融合を嗤えるものだ。今の日本が米国の下でやろうとしているのは、その猿マネ以上でも以下でもないではないか。》…ウヨクの皆さん、恥ずかしくないの?
 ニッポンの市民を〝護る〟気など、番犬様には無し、それは「台湾有事」などの「有事」に於いても、そのような気はさらさらないのです。そして、いま、またしても番犬様が《震源地》化…。デタラメの限りを尽くしています。
 東京新聞のコラム【筆洗/<世界をより安全にすることに貢献してみたいと思いませんか?…】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/152812?rct=hissen)によると、《▼政府は市中でも感染が広がる沖縄、山口、広島の三県に、まん延防止等重点措置を適用するようだが、沖縄には国内の米軍専用施設の約七割が集中山口・岩国も基地のまちで、広島県境に接する米兵の基地周辺での飲食も感染拡大の要因の一つらしい▼オミクロン株の流入を防ごうと政府は民間空港での水際対策を強化したが、軍用機で基地に入る米兵の検疫は米側任せ検査は不十分で、休暇を終えて日本に戻った兵士に陽性者が相次いだとも報じられる。沖縄紙によると、基地の感染状況の詳細は県に伝えられず、知事もいらだっている》。

 最後に、アベ様やカースーオジサンによる《メディアコントロール》という頚木。大阪ではもちろん、お維による頚木に喜び勇んで下足番》広報紙が…。その結果の恐ろしさ。帝国ニッポンの破滅と同じ。《読売新聞大阪本社と大阪府が、教育・人材育成、安全・安心、情報発信などの8分野にわたる包括連携協定を結んでもいる御用新聞が売りになる時代なのか。このままでは外道が本流となり、メディアが名実ともに戦争の道具にされていく》。
 (馬奈木厳太郎さん)《基地は人類や環境と共存しえないこと、紛争を軍事的に解決させる時代は終わったこと ―― 私たちはそのことを確信にしていかなければならない。辺野古新基地建設の断念は、その第一歩である》。
 《軍隊は人を守らない大田昌秀さん)》、《軍隊は住民を守らない》《基地を置くから戦争が起こる島袋文子さん)》、《軍隊は同じことをするし、住民も協力するし、軍隊は住民をまた殺すことになる三上智恵さん)》…。《戦争体験の継承はどうして必要》なのか? 大矢英代さんは、《二度と同じ手段で国家に殺されないように、生活を奪われないように、知恵をつけること》。《「負の歴史こそが、本物の、騙されない強い未来を引き寄せてくれる力につながるということを、この人たちが私に信じさせてくれた」と著者三上智恵は書いている》。

=====================================================
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/299471

斎藤貴男 ジャーナリスト
1958年生まれ。早大卒。イギリス・バーミンガム大学で修士号(国際学MA)取得。日本工業新聞、プレジデント、週刊文春の記者などを経てフリーに。「戦争経済大国」(河出書房新社)、「日本が壊れていく」(ちくま新書)、「『明治礼賛』の正体」(岩波ブックレット)など著書多数。

二極化・格差社会の真相
自衛隊と米軍の共同作戦計画 あからさまな戦争準備に沈黙の大マスコミ
公開日:2022/01/05 06:00 更新日:2022/01/05 06:00
今だけ無料

     (日米共同訓練で、米軍輸送機から降ろされる海兵隊の
      高機動ロケット砲システム「ハイマース」=青森県八戸市の
      海上自衛隊八戸航空基地(C)共同通信社)

 台湾有事の緊迫度が高まった場合、米海兵隊は中台紛争への介入を視野に入れ、鹿児島から沖縄に至る南西諸島の基地などを拠点に軍事行動を展開する方針だ。小規模なミサイル部隊を離島に分散配置して、移動しながら味方艦隊を支援する。

 自衛隊の参戦も必定。2016年に施行された安全保障法制(公称は平和安全法制)は集団的自衛権の行使を容認しており、約40カ所とされる軍事拠点候補地には、陸自のミサイル部隊が配備済みの奄美大島宮古島、配備予定の石垣島も含まれている。

 自衛隊と米軍が新たに策定した共同作戦計画である。近く開催される日米安全保障協議委員会(2プラス2)で正式な計画策定に向けた作業開始に合意する見通しとされる。

 以上は年末23日に共同通信がスクープした動きである。岸信夫防衛相はノーコメントの一手。全国紙やテレビが黙殺しているので騒がれないが、事は住民も国会も憲法も無視した戦争準備に他ならない

 実行されれば南西諸島は戦場と化す。共同の記事には、「申し訳ないが、自衛隊に住民を避難させる余力はないだろう」とする制服組幹部の談話が載った。果たして11月下旬に実施された陸海空の自衛隊統合演習にも米軍は参加して、沖縄を戦場に模していた

 この国はもはや、中国の脅威さえ持ち出せば何でもアリの状況だ。米中対立激化の背景は言うまでもないけれど、中国とは地理的にも歴史的にも文化的にも近い日本には、米国と異なるアプローチが可能だし、不可欠でもある。米国領土の最西端に位置する不沈空母としてのみ中国と対峙し、戦闘ポーズを取ってみせるほど危険で、人権を無視した振る舞いもない。

 軍事同盟の深化を推進する人々は、やたら「日米は普遍的な価値観を共有している」と叫びたがる。だが、まがりなりにも9条を堅持してきた国と、何かと言えば戦争に訴える国価値観が同じであるわけがないだろう

 折しも昨年末には、読売新聞大阪本社と大阪府が、教育・人材育成、安全・安心、情報発信などの8分野にわたる包括連携協定を結んでもいる御用新聞が売りになる時代なのか。このままでは外道が本流となり、メディアが名実ともに戦争の道具にされていく

 それにしても、私たちはよくぞ習近平の強権的な軍民融合を嗤えるものだ。今の日本が米国の下でやろうとしているのは、その猿マネ以上でも以下でもないではないか。
=====================================================

=====================================================
https://www.tokyo-np.co.jp/article/152812?rct=hissen

筆洗
<世界をより安全にすることに貢献してみたいと思いませんか?…
2022年1月7日 07時11分

 <世界をより安全にすることに貢献してみたいと思いませんか?>。在日米軍従業員の募集案内に、そう書かれている▼調理や清掃、看護など多くの仕事があり、全国で約二万五千人が働くという。募集案内は従業員たちを<日米両国を結ぶかけ橋であり、両国の未来をつなぐ鎖の輪でもあります>とたたえる▼確かに在日米軍は極東の安全保障に資していようが、働く人たちが最近感じる不安はいかばかりか。日本各地の米軍基地でコロナが流行し、日本人従業員にも感染者が出ている▼政府は市中でも感染が広がる沖縄、山口、広島の三県に、まん延防止等重点措置を適用するようだが、沖縄には国内の米軍専用施設の約七割が集中山口・岩国も基地のまちで、広島県境に接する米兵の基地周辺での飲食も感染拡大の要因の一つらしい▼オミクロン株の流入を防ごうと政府は民間空港での水際対策を強化したが、軍用機で基地に入る米兵の検疫は米側任せ検査は不十分で、休暇を終えて日本に戻った兵士に陽性者が相次いだとも報じられる。沖縄紙によると、基地の感染状況の詳細は県に伝えられず、知事もいらだっている▼基地のフェンスの向こうには力が及ばぬ戦後日本の現実。感染の<鎖の輪>は、基地と向き合ってきた地域の懊悩(おうのう)をも浮き彫りにした。いびつな関係を見直してこそ広がる<両国の未来>であろう。
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●《沖大東島での実弾射撃、宮古島のミサイル部隊による対艦攻撃、電子戦部隊配備計画がある与那国島での電子戦などの各訓練が展開》

2022年01月06日 00時00分05秒 | Weblog

[↑ 辺野古破壊反対広告 (2021年06月06日、朝日新聞)]


(20211208[])
日刊ゲンダイのコラム【斎藤貴男 二極化・格差社会の真相/経済安保」や「SDGs」という言葉が“隠れみの”になる懸念】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/298396)。

 《特に沖縄では、沖大東島での実弾射撃、宮古島のミサイル部隊による対艦攻撃、電子戦部隊配備計画がある与那国島での電子戦などの各訓練が展開されたもよう。複数の民間港も使用された。「沖縄の戦場化が前提にされている」と住人たちの不安は膨らむ。だが、県外ではろくに報じられもしない異様である》。

   『●米中戦争の「防波堤」: 
     与那国駐屯地による「活性化」? 「島民との融和」か分断か?
   『●石垣島陸上自衛隊ミサイル部隊配備: 
       《菩提樹》を切り倒すのか? ささやかな願いさえも打ち砕くのか?
   『●与那国島や石垣島、《沖縄は名護市辺野古だけでなく、
          宮古島もまた国防のために政府に翻弄されている》
   『●立法府の自公お維議員による土地規制法案 ――― 《何のための国会か》
        《内閣委員のお一人お一人が問われている》(馬奈木厳太郎弁護士)

   『●土地規制法案の先取り ―― 宮城秋乃さんの家宅捜索という見せしめ
       …《見せしめの過剰捜査…人権侵害行為》が頻発すること、必至
   『●《弾薬庫は置かない》…平気で嘘つくよなぁ。ことごとく約束は
     反故にされ、市民はバカにされていて、やはり受け入れてはいけなかった

 《沖大東島での実弾射撃、宮古島のミサイル部隊による対艦攻撃、電子戦部隊配備計画がある与那国島での電子戦などの各訓練が展開…「沖縄の戦場化が前提にされている」》…沖縄県外の人たちの多くが、それを《異様》と感じないのか? 自衛の枠を遥かに超える〝敵基地攻撃能力〟までも口にするニッポンのリーダーたち。壊憲へまっしぐらだ。
 長周新聞《日本全土を米軍の鉄砲玉として…》…【解決策ない辺野古の軟弱地盤 できもせぬ基地建設で翻弄する一方、日本全土の基地化が進行】。《「普天間基地の負担軽減」や「辺野古移設の是非」が騒がれ、辺野古問題だけに目を奪われるなかで、本土でもそれを上回る規模で米軍基地強化や自衛隊基地の共同使用が進められてきた》《だが現実を冷静に見るならば、辺野古問題で目先をフェイクしながらその外側で南西諸島を含む日本全土を対中国の鉄砲玉にするという大規模な戦争策動が動いており、沖縄で起きている現実と本土で進行してきた軍事基地化の教訓を互いに共有し、これと対峙する沖縄全島と全国を結んだ力の結集が求められている》。

   『●N値がゼロ、工期と費用は「∞」…今日もドブガネし、
       ジャブジャブと大量の土砂を美ら海にぶちまけている
   『●あとの祭り…自公お維政治屋は《民を飢えさせない、安全な食べ物の
      供給、そして絶対に戦争をしないことが政治家の役目》を担い得ない
   『●沖縄タイムス《大浦湾…2015年4月…「土木的問題が多い地層が
     厚く堆積している」…「長期の沈下が考えられる」と施工上の懸念も》
   『●《日本全土を米軍の鉄砲玉として…》…【解決策ない辺野古の軟弱地盤
         できもせぬ基地建設で翻弄する一方、日本全土の基地化が進行】


 再度。デモクラシータイムスのこの映像もご覧ください。
 【辺野古埋立変更申請、知事は不承認 自衛隊を桜が止めた【新沖縄通信】20211129】(https://www.youtube.com/watch?v=UPr4-8BIJ7k&t=599s)。《デモクラシータイムス》《沖縄タイムスとお届けする11月の沖縄。今月は三上智恵さんを迎えて、いまの沖縄のなまなましい問題を取り上げます。国の辺野古マヨネーズ地盤の埋立設計変更申請に根拠はないと誰でも思うはずなんですが、ごり押しが続きます。実は自衛隊の基地化を考えているのかも…。県内全域が自衛隊の基地化してきた沖縄の現状もお伝えします》。


【辺野古埋立変更申請、知事は不承認 自衛隊を桜が止めた【新沖縄通信】20211129】
https://www.youtube.com/watch?v=UPr4-8BIJ7k&t=599s

=====================================================
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/298396

斎藤貴男 ジャーナリスト
1958年生まれ。早大卒。イギリス・バーミンガム大学で修士号(国際学MA)取得。日本工業新聞、プレジデント、週刊文春の記者などを経てフリーに。「戦争経済大国」(河出書房新社)、「日本が壊れていく」(ちくま新書)、「『明治礼賛』の正体」(岩波ブックレット)など著書多数。

二極化・格差社会の真相
「経済安保」や「SDGs」という言葉が“隠れみの”になる懸念
公開日:2021/12/08 06:00 更新日:2021/12/08 06:00
今だけ無料

     (陸上自衛隊朝霞駐屯地で訓示を行う岸田首相
      (11月27日)/(代表撮影))

 全国各地で行われていた防衛省統合幕僚監部の自衛隊統合演習(実動演習)が先月末、約2週間の全日程を終了した。2006年度から、ほぼ隔年で実施されてきた陸海空の自衛隊3万人を投入する統合訓練だ。今回は従来にも増して対中国を想定した訓練が主流で、また米軍5800人が初めて参加したという

 特に沖縄では、沖大東島での実弾射撃、宮古島のミサイル部隊による対艦攻撃、電子戦部隊配備計画がある与那国島での電子戦などの各訓練が展開されたもよう。複数の民間港も使用された。

 「沖縄の戦場化が前提にされている」と住人たちの不安は膨らむ。だが、県外ではろくに報じられもしない異様である

 先月19日には、内閣官房に「経済安全保障法制準備室」が設置された。経済安保とは「国の安全保障を経済の面から実現すること」と説明されるが、要は経済・技術分野での戦時体制を指す用語だ。来年の通常国会に「経済安全保障推進法案」を提出する方針の岸田政権が、その策定に本腰を入れてきた。

 「軍民融合の進軍ラッパで新たな国際秩序の形成に躍起の中国を睨んだ戦略だ。彼らとの対決姿勢を強める米国とのさらなる一体化、という側面は強調するまでもない。

 台湾有事の危機も高まる中で、日本は軍事的にも経済的にも中国を敵国と見なす方向に突っ走ろうとしている。日本版軍民融合」の下では、自衛隊統合演習の様相もさもありなん、ということか。

 経済安保というと、軍事力とは無関係のように映るが、そうではない。こういうことが多すぎる。

 政府のSDGs(持続可能な開発目標)推進本部が昨年12月にまとめた「アクションプラン2021」も、15年の国連サミットで採択されたSDGs本来の趣旨が日米軍事同盟や監視社会化の国策に都合よく換骨奪胎されている。万人に平和と公正をとうたう項の具体的取り組みに「自由で開かれたインド太平洋の推進」や「中東地域・アフリカ地域の平和と安全」を挙げてみたり働きがいと経済成長の両立を掲げる項を「ビジネスとイノベーションを通じた成長戦略」に換骨奪胎して「Society5.0」や「デジタルトランスフォーメーション(DX)」を盛り込んだり

 岸田政権は安倍・前々政権のようには国民に戦争をさせたくてたまらないふうではない。口当たりのよいキャッチフレーズを語るが、それがどこまで真意を伝えているのかは、まだまだ闇の中なのである。
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●《日本全土を米軍の鉄砲玉として…》…【解決策ない辺野古の軟弱地盤 できもせぬ基地建設で翻弄する一方、日本全土の基地化が進行】

2022年01月05日 00時00分50秒 | Weblog

[↑ 辺野古破壊反対広告 (2021年06月06日、朝日新聞)]


(2021年12月07日[火])
長周新聞の記事【解決策ない辺野古の軟弱地盤 できもせぬ基地建設で翻弄する一方、日本全土の基地化が進行】(https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/22215)。

 《沖縄県名護市の辺野古新基地建設予定地について、防衛省は地盤改良工事のための設計変更を沖縄県に提出したが、沖縄県の玉城デニー知事は11月25日、不承認とした。今後、国側は法廷闘争に持ち込む構えを見せているが、沖縄県が不承認とした背景には「新たな米軍基地は沖縄に必要ない」という県民世論だけでなく、建設予定地に横たわる物理的な問題がある。埋め立てに着工できていない大浦湾側の予定海域は「マヨネーズ状」ともいわれる軟弱地盤が大半を占めており、技術的問題も含めて不確実性が高く、見通しの立たない膨大な時間と公費を投入した新基地建設は無意味な工事になる可能性が高い。一方、何十年も人々の視線を辺野古に釘付けにするなかで、それを上回る規模で南西諸島ミサイル基地配備自衛隊や民間施設の米軍使用など日本全土の前線基地化がノンストップで進んでおり、そのなかでの辺野古基地建設の位置づけについても改めて検証する必要がある》。

 この長周新聞の記事は素晴らしい。長いですが、是非、御一読ください。これこそ、調査報道です。

   『●N値がゼロ、工期と費用は「∞」…今日もドブガネし、
       ジャブジャブと大量の土砂を美ら海にぶちまけている
   『●あとの祭り…自公お維政治屋は《民を飢えさせない、安全な食べ物の
      供給、そして絶対に戦争をしないことが政治家の役目》を担い得ない
   『●沖縄タイムス《大浦湾…2015年4月…「土木的問題が多い地層が
     厚く堆積している」…「長期の沈下が考えられる」と施工上の懸念も》
    「ここでも、アベ様や元・最低の官房長官らのお得意の《隠蔽》。
     マヨネーズ軟弱地盤を知っていたくせに破壊に着工。護岸が崩壊する
     との指摘まである。そして今、さらなるデタラメ・ヒトデナシを
     やろうとしている…《人柱》だ」
    「新基地は完成を見ることはない。おまけに、普天間飛行場の全面返還など
     成されない。まさに、辺野古は単なる破壊「損」だ」

 N値はゼロ、工期と費用は「∞」…今日もひたすらドブガネし、ジャブジャブと大量の土砂を美ら海にぶちまけている。いまも日々続いているデタラメな《工期も費用も言えない》辺野古破壊。いくらドブガネしても新基地は出来ない、普天間も返還されない。辺野古は単なる破壊「損」にすぎないし、原状回復も不可能。加えて、デタラメ・ヒトデナシをやろうとしている…《人柱》だ。
 さらには《日本全土の基地化が進行》。

   『●米中戦争の「防波堤」: 
     与那国駐屯地による「活性化」? 「島民との融和」か分断か?
   『●石垣島陸上自衛隊ミサイル部隊配備: 
       《菩提樹》を切り倒すのか? ささやかな願いさえも打ち砕くのか?
   『●与那国島や石垣島、《沖縄は名護市辺野古だけでなく、
          宮古島もまた国防のために政府に翻弄されている》
   『●立法府の自公お維議員による土地規制法案 ――― 《何のための国会か》
        《内閣委員のお一人お一人が問われている》(馬奈木厳太郎弁護士)

   『●土地規制法案の先取り ―― 宮城秋乃さんの家宅捜索という見せしめ
       …《見せしめの過剰捜査…人権侵害行為》が頻発すること、必至
   『●《弾薬庫は置かない》…平気で嘘つくよなぁ。ことごとく約束は
     反故にされ、市民はバカにされていて、やはり受け入れてはいけなかった

 デモクラシータイムスのこの映像もご覧ください。
 【辺野古埋立変更申請、知事は不承認 自衛隊を桜が止めた【新沖縄通信】20211129】(https://www.youtube.com/watch?v=UPr4-8BIJ7k&t=599s)。《デモクラシータイムス》《沖縄タイムスとお届けする11月の沖縄。今月は三上智恵さんを迎えて、いまの沖縄のなまなましい問題を取り上げます。国の辺野古マヨネーズ地盤の埋立設計変更申請に根拠はないと誰でも思うはずなんですが、ごり押しが続きます。実は自衛隊の基地化を考えているのかも…。県内全域が自衛隊の基地化してきた沖縄の現状もお伝えします。地元の声を詳しく知りたい方は、こちらからどうぞ
◆島々シンポジウム 第6回
2021年12月18日(土)15時~
琉球新報ギャラリーでの公開+Zoomビデオウェビナー
(入場無料、Zoomウェビナーは先着1000人の事前登録制です)
https://us06web.zoom.us/webinar/regis
収録は2021年11月29日》


【辺野古埋立変更申請、知事は不承認 自衛隊を桜が止めた【新沖縄通信】20211129】
https://www.youtube.com/watch?v=UPr4-8BIJ7k&t=599s

=====================================================
https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/22215

解決策ない辺野古の軟弱地盤 できもせぬ基地建設で翻弄する一方、日本全土の基地化が進行
2021年12月6日

 沖縄県名護市の辺野古新基地建設予定地について、防衛省は地盤改良工事のための設計変更を沖縄県に提出したが、沖縄県の玉城デニー知事は11月25日、不承認とした。今後、国側は法廷闘争に持ち込む構えを見せているが、沖縄県が不承認とした背景には「新たな米軍基地は沖縄に必要ない」という県民世論だけでなく、建設予定地に横たわる物理的な問題がある。埋め立てに着工できていない大浦湾側の予定海域は「マヨネーズ状」ともいわれる軟弱地盤が大半を占めており、技術的問題も含めて不確実性が高く、見通しの立たない膨大な時間と公費を投入した新基地建設は無意味な工事になる可能性が高い。一方、何十年も人々の視線を辺野古に釘付けにするなかで、それを上回る規模で南西諸島ミサイル基地配備自衛隊や民間施設の米軍使用など日本全土の前線基地化がノンストップで進んでおり、そのなかでの辺野古基地建設の位置づけについても改めて検証する必要がある。


沖縄県民や日本全国を愚弄し続けた辺野古問題24年

 大浦湾の軟弱地盤については、国は埋め立て着工の数年前から把握していたにもかかわらず、その存在を認めることなく、2018年12月に辺野古沿岸部の海域から土砂投入に踏み切った。県民の情報公開請求で明らかになった防衛省の土質調査報告書(2016年3月作成)では、ボーリング調査によって、この海域の大部分に軟弱地盤があり、その厚さは水深30㍍から最大90㍍までの深さにまで広がっていることが明らかになっている【地図参照】。

 この事実を根拠にして2018年8月、沖縄県は故・翁長前知事の遺志に従い、仲井眞県政時代に出した埋め立て承認を撤回したが、対抗する防衛省は本来は国民の権利を守るためにある行政不服審査法にもとづいて国交省に効力停止を申し立て、国交省が沖縄県の権限を停止。裁判所もそれを「適法」として追認するという問答無用の措置に踏み切った。

 そのさい政府は、軟弱地盤について「一般的で施工実績が豊富な工法で、護岸や埋め立て等の工事を所要の安定性を確保しておこなうことが可能」として土砂投入へと見切り発車したが、その後の2019年1月に「地盤改良工事が必要」(安倍元首相)と認めた。地盤改良をおこなうためには設計変更が必要になり、沖縄県の承認が必要になるため、その前に土砂投入を先行させて既成事実化を図った形だ

 防衛省の調査結果によると、大浦湾の海底地盤には水深90㍍に及ぶ深い谷があり、そこに比較的新しい時代に堆積した砂と粘土の軟弱地盤が形成されている。とくに建設が予定されているV字型滑走路の先端部分に位置する東側護岸では、海面下30~70㍍までの深さで、地盤の強度をあらわすN値」がゼロの地点が多く確認された。

 「N値」とは、63・5㌔のハンマーを75㌢の高さから落下させ、直径51㍉のサンプラー(試掘用の杭)が30㌢貫入するまでに要した落下回数をいう。杭が30㌢下まで到達するのにハンマーを1回打ち下ろした場合は「N値1」、2回なら「N値2」として地盤の強度をあらわし、数字が大きいほど地盤が固いことを意味する。通常、大型構造物の基礎としては「N値50」以上が必要とされているが、防衛省は2013年の埋立承認申請時に、この地点を「N値11」と想定していた。

 実際の調査で連発した「N値ゼロ」とは、ハンマーを使わずとも杭を設置しただけで30㌢以上も下にズブズブと沈んでいったことを意味する。護岸に設置するケーソン(鋼鉄製の箱)は総数38函におよび、大型ケーソンの重量は7000㌧以上にもなる。ケーソンの土台となる基礎捨石も最大200㌔㌘の巨大石材であるため、いずれもN値ゼロの地盤に置くだけでたちまち40㍍下まで沈み込んでしまうことになる。そのため「マヨネーズ状地盤」「豆腐並み」と呼ばれ、「とても構造物を設置できるような地盤ではない」と専門家たちは指摘してきた。

 これらを受けて防衛省が作成した設計変更では、水深30㍍の海底地盤に存在する軟弱地盤の厚さを約40㍍と想定し、水深70㍍までの軟弱地盤(面積66㌶)に3年半かけて砂杭など7万1000本(砂量は東京ドーム5杯分)を打ち込むサンドコンパクションパイル(SCP)工法で地盤を固めるとした。そのため、これまで沖縄県北地域に限定していた土砂の調達先を県内全域に広げ沖縄戦激戦地であった糸満や八重瀬などの県南部からも戦没者の遺骨が未収集のまま眠っている土砂を大量に集める計画になっている。

 ところがその数カ月後に、新たな調査で軟弱地盤の厚さが60㍍であることが判明つまり水深90㍍の深さにまで軟弱地盤が存在していることになるが、防衛省は「調査の精度に信憑性がない」「(70㍍以下は)非常に固い粘土層」などとして、70㍍以下の地盤改良は不要であるとの見解を示している。

 だが、その判断の根底には、日本の作業船の施工深度は最大70㍍までしか届かず、90㍍までになると機械が届かないという現実がある【断面図参照】。水深70㍍であっても難工事であるうえに、水深90㍍の地盤改良は世界に前例がない

 土木工学を専門とする鎌尾彰司日本大理工学部准教授は、今年9月の沖縄県主催シンポジウムで、「わが国が保有する海上での地盤改良船では、数億円を掛けて改装しても海面下70㍍までしか地盤改良をすることができない。すなわち、施工機械が届かない20㍍の部分は未改良のままにするしかない軟弱地盤を未改良のままにして埋立工事をおこなうと、地盤が圧縮して密度が大きくなる(強度が高くなる)までに長い時間を要することになる。さらに改良できない部分は粘土質であるため、埋立工事中の沈下量が大きくなることはもちろんのこと、埋立工事が終了しても長期にわたり未改良の粘土地盤に継続して大きな沈下が発生することになる」と指摘した。

 改良工事は長期間におよび、軟弱地盤の上に設置された滑走路は恒常的に沈下するため、くり返し補修工事が必要になり、沈下によって護岸が倒れる「滑り破壊」によって埋め立てた土砂が海に流れ出る恐れもあると警鐘を鳴らしている。

 しかも政府は、最も深くまで軟弱地盤が堆積している東側護岸の「B27」地点については、別地点のサンプル調査から推測するだけで、地盤強度の調査をおこなっていない。そのため国の設計変更書には、地盤改良工事における砂杭の大きさや打ち込む本数などの具体的な記述がない

 総工費も当初の3500億円の2・7倍となる9300億円としているが、沖縄県は7カ所分の護岸工事だけで政府の資金計画書で示した額の12倍(928億円)となっていることから、埋め立て費用は当初の10倍の2兆5500億円に膨らむと試算している。

 基地建設の工期も当初の8年から12年に延長され、移設を条件とした普天間基地の返還は2030年代半ば以降となり、事実上先の見通せない状況だ。今後も「全体の経費については答えられない」(防衛省)というほど膨大な血税を投入しながら、完了するメドのない工事が延々と続くことになる。


地下には2つの活断層も 地盤調査せず

 さらに辺野古沿岸部から沖合にかけては、辺野古断層と楚久断層という2つの断層が走っており、いずれも活断層と分類されている【地図参照】。

 政府は活断層の存在を否定しているが、軟弱地盤が堆積する大浦湾海底の落ち込みは、これら2つの活断層の交差によって形成されたとみられており、この海域を調査した東北大学講師・遅沢壮一氏(地学)は「大浦湾の海底谷地形成は辺野古断層である。同断層は2万年前以降にくり返し活動した、極めて危険な活断層である」(知事撤回理由書)と指摘している。

 原発建設の場合を見ても、原子力規制委員会は、将来活動する可能性の高い断層を約一2万~13万年前かそれより新しい時期に動いたものと認定しており、2万年前以降に動いたとされる辺野古断層は今後も活発に動く可能性がある比較的新しい活断層とみなされている

 活断層に挟まれた軟弱地盤の上に、弾薬や化学物質などを扱う軍事施設や滑走路を建設すること自体、無謀極まりないもので、直下地震や津波が発生すれば、その被害は想像を絶するものとなる。地質学の専門家は「新基地を建設することは非常に危険である。活断層の存在を否定するならば、国は早急に調査結果を公表すべき」(加藤祐三琉球大学名誉教授)と批判を強めている。

 玉城知事は11月25日、軟弱地盤の改良工事に必要な国の設計変更について、「地盤の安定性等にかかる設計に関して最も重要な地点において必要な調査が実施されておらず、災害防止に十分配慮した検討が実施されていない」「『埋め立ての必要性』について合理性があるとは認められない」として不承認とした

 大浦湾はジュゴンなど絶滅危惧種262種を含む、5334種もの生物が生息する全国有数の地域であり、環境保全についての国の調査や対策がまるでなされていないことも挙げ、「公有水面埋立法に適合しない」と断定。「そもそも今般の変更申請が必要となったのは、本来、沖縄防衛局が事業実施前に必要最低限の地盤調査を実施すべきであったのにもかかわらず、これを実施せず、不確実な要素を抱えたまま見切り発車したことにすべて起因する」と政府側の責任を追及した。

 設計変更の不承認によって大浦湾の該当海域では埋め立て工事ができなくなるが、国はふたたび知事権限の執行停止や法廷闘争に持ち込み、地方自治を蹂躙してはばからない姿勢を見せている。


南西諸島で進む基地化  普天間は改修して恒久化

 1997年に日米政府のあいだで辺野古新基地建設計画が浮上してから24年。はじめは「普天間基地の危険性除去」だった問題が、いつの間にか「辺野古移設」にすり替わり、数十年にわたって沖縄県内では、新基地建設を許さない島ぐるみの世論と政府との激突状況が続いてきた。あいつぐ国政選挙では辺野古新基地を推進する与党が大敗し、県知事選では「辺野古新基地反対」を掲げるオール沖縄陣営が勝利し、辺野古の是非を問う県民投票でも反対票が多数を占めた

 そして、オール沖縄を率いた翁長前知事の死去後も、その遺志を継いで新基地反対を唱えた玉城現知事が過去最多得票で当選するなど、20万県民の命を奪った沖縄戦を経験し、以来70年以上にわたって米軍支配に晒されてきた沖縄県民の揺らぐことのない頑強な意志が幾度となく示されてきた

 だが、それを無視して建設工事が強行される辺野古新基地は、軟弱地盤で沈下や陥没の危険性が高く、完成時期も見通せないうえに基地として使い物になるか否かも定かではない。例え整備されたとしても「普天間の代替機能は果たせないと米側が主張することで返還の約束など簡単に反古になる関係だ。肝心の普天間基地は「閉鎖」どころか、さらに長期使用を可能にするため施設の改修工事が進められている

 先行きの見えない辺野古問題に人々の視線を何十年も釘付けにする一方で、沖縄県内外を問わず、米軍と自衛隊が一体となった基地や港湾の共同運用が進み、さらに与那国石垣宮古などの南西諸島では新たな自衛隊ミサイル基地があいついで建設されてきた。沖縄本島でも、勝連半島で自衛隊のミサイル部隊新設や、米軍の後方支援施設の建設計画が明らかになっている。

 米軍は対中国包囲網として、日本列島から沖縄、フィリピン西部、南沙諸島にかけて「第一列島線」とし、日本からグアム・サイパン・テニアンにかけてを「第二列島線」とする構想を打ち出している。本州、九州、馬毛島奄美大島、沖縄本島、宮古島、石垣島、与那国島にわたって出撃基地やミサイル包囲網をつくり、日本を不沈空母に見立てて中国に圧力を掛け、同時に米本土を防衛するというものだ。軍事費圧縮が迫られている米軍は、日本に軍事費や人員を肩代わりさせ、自衛隊を二軍として自国のアジア戦略に主体的にかかわらせる方針へとシフトしているからだ。この構想に基づけば、有事のさいには沖縄や南西諸島だけでなく、九州や本州も含める日本全土が戦場になり、攻撃対象になる可能性が出てくる。それは基地負担を沖縄が負うか、本土が負うかといった問題ではなく、日本全土を米軍の鉄砲玉として差し出すか否かの問題といえる。


大増強進む岩国や九州の基地  辺野古釘付けの間に

 「普天間基地の負担軽減」や「辺野古移設の是非」が騒がれ、辺野古問題だけに目を奪われるなかで、本土でもそれを上回る規模で米軍基地強化や自衛隊基地の共同使用が進められてきた

 米海軍基地がある長崎県佐世保では、自衛隊水陸機動団が配備され、それにともなって佐賀空港へのオスプレイ配備計画が浮上した。「普天間の負担軽減」を名目にして新田原基地(宮崎県)とともに米軍との共同使用施設へと変わりつつある空自築城基地(福岡県)では、滑走路を普天間基地と同規模(2700㍍)にまで延長するための拡張工事が始まっている。また米軍使用が常態化している福岡空港にも新たな米軍専用施設が建設された。

 新田原基地でもステルス戦闘機F35Bを配備するための新たな駐機場や燃料タンクが建設される。3000㍍級の滑走路を持つ大分空港や、熊本空港でも米軍オスプレイ等の緊急着陸が増えるなど、民間空港の米軍使用が格段に増えたのも近年の特徴だ。

 15年間かけて沖合に1・5倍拡張された米軍岩国基地(山口県)では、埋め立て総工費は2500億円だが、そのために切り崩した愛宕山開発費(米軍住宅建設)を含めると防衛省発注事業は4000億円以上にのぼる。辺野古の埋め立て費用を上回る公費を注ぎ込んで海側にも山側にも米軍基地が拡張され、厚木からの空母艦載機部隊の移駐によって米軍関係者約1万200人、軍用機約120機を擁する極東最大の基地となり、原子力空母、大型強襲揚陸艦、ヘリ空母などを本格展開する出撃拠点へと変貌している。

 また首都圏でも、在日米軍司令部を置く「横田幕府」こと米軍横田基地では、オスプレイ配備を五機から10機に増やすための新駐機場、グアムから飛来する無人偵察機RQ4グローバル・ホークの駐機施設、さらに今後4年間で大型輸送機九機を追加配備できる新駐機場の建設など、大規模な増強工事がおこなわれている。

 さらに政府は、硫黄島でおこなわれてきた米空母艦載機の陸上空母離着陸訓練(FCLP)の飛行場として馬毛島(鹿児島県)を買収。奄美大島には陸自ミサイル部隊を配備し、宮古島、石垣島にもミサイル部隊、台湾や尖閣諸島の目と鼻の先にある与那国島には陸自沿岸警備隊を配備した。

 近年、沖縄周辺でおこなわれる自衛隊の統合演習には常に米軍が参加し、民間港や民有地を使用した実戦訓練となっている。12月に米海兵隊と陸上自衛隊が実施する共同訓練は、米軍の「遠征前方基地作戦(EABO)」にもとづき、米海兵隊が遠隔地から最新鋭高機動ロケット砲システム(HIMARS=ハイマース)と陸自の地対艦誘導弾(SMM)を使って中国のミサイル網に対抗するもので、八戸演習場(青森県)や矢臼別演習場(北海道)などを含んでおこなわれる。

 米軍基地問題を「辺野古問題」ないし「普天間問題」へと矮小化して、その是非だけを焦点とすることで、それ以外の地域や本土でそれを上回る基地機能強化がノンストップで進められてきたのがこの数十年の現実であり、この問題についてはオール沖縄が抱える玉城知事も立場をあいまいにしたまま事実上黙認してきた。現在、来年1月に辺野古を抱える名護市長選、秋には県知事選が控えるなかで、「辺野古を選挙の争点にするか否か」「基地問題か経済か」といった図式で政局がとり沙汰され、基地問題では「普天間の負担軽減」だけが叫ばれ、その枠内で革新系も含めて「県内移設か、県外移設か」といった沖縄vs本土の構図が煽られてきた

 だが現実を冷静に見るならば、辺野古問題で目先をフェイクしながらその外側で南西諸島を含む日本全土を対中国の鉄砲玉にするという大規模な戦争策動が動いており、沖縄で起きている現実と本土で進行してきた軍事基地化の教訓を互いに共有し、これと対峙する沖縄全島と全国を結んだ力の結集が求められている
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●確実に《人柱》計画断念を! 《助けてぃくみそーれー!》 頼みの玉城デニーさんが〝折れて〟しまえば、沖縄県にとって致命的

2021年08月03日 00時00分26秒 | Weblog

[↑ 辺野古破壊反対広告 (2021年06月06日、朝日新聞)]


/ (2021年07月04日[日])
週刊朝日のコラム【室井佑月「『ずっと俺、総理な』っていいそう」】(https://dot.asahi.com/wa/2021062200078.html)。
琉球新報のコラム【<金口木舌>チャモロと沖縄】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1340126.html)。
マガジン9のコラム【三上智恵の沖縄〈辺野古・高江〉撮影日誌 第104回:嘆きの雨止まず~沖縄戦遺骨問題と慰霊の日~】(https://maga9.jp/210630-7/)。

 《緊急事態条項があったら、国民の権限をもっと制限でき、こんなに感染拡大はしなかった? コロナ禍の中で、どうしてもGo Toキャンペーンをやりたがったのは誰ですか? 海外から渡航してきた人の検査体制も遅かった。てか1年以上経っても、あたしたちの検査体制も万全とはいえない》。

 コロナ禍で違憲な壊憲に手を貸す愚を犯す…。

   『●《国民投票法に条件付き賛成で…支持者が増》≪「支持者減」…
     立憲を掲げて、しかも、このコロナ禍で、あのトンデモ壊憲に手を貸すかね?
   『●立法府の自公お維議員による土地規制法案 ――― 《何のための国会か》
        《内閣委員のお一人お一人が問われている》(馬奈木厳太郎弁護士)

    《さらに、法案を先取りするような事件も沖縄では起こった。
     米軍北部訓練場の返還跡地である「やんばるの森」に米軍の廃棄物が
     残っている
ことを指摘、その廃棄物を米軍基地ゲート前に並べるという
     抗議活動をおこなったチョウ類研究者の宮城秋乃さんに対し、沖縄県警が
     威力業務妨害の疑いで家宅捜索に入ったからだ》

   『●土地規制法案の先取り ―― 宮城秋乃さんの家宅捜索という見せしめ
       …《見せしめの過剰捜査…人権侵害行為》が頻発すること、必至
   『●《神さま》気取りのアベ様にこんなお願いする気? ―――
     「国民主権の縮小、戦争放棄の放棄、基本的人権の制限…緊急事態条項の創設」
   『●<金口木舌>《土地利用規制法やデジタル関連法などが国会でバタバタ
     と成立…いずれも国民を監視し思想・良心の自由を奪いかねない法律》

 沖縄では、番犬様がやりたい放題。
 【<金口木舌>チャモロと沖縄】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1340126.html)によると、《「裏切りだ」。米領グアムの米軍基地で働くなど、米国民として誇りを抱いていたエンジェル・サントス氏は1990年代、環境影響調査の報告書を読んでがくぜんとした。基地周辺の飲用水、地下水が発がん性物質で汚染されていた》。

   『●PFOSを含む泡消火剤《14万リットル流出 ドラム缶719本分》!!
        沖縄市民に強硬な防衛相は番犬様には何にも吠え付けないとはねぇ…
   『●ポンコツな番犬様…泡消火剤《14万リットル…ドラム缶719本分》
      流出事件の《原因は米兵が格納庫でバーベキューをしたことだった》

 《人柱》…コンナ事さえ止められない《市民の無力》さ。止まらない五輪、止められない独裁政権。
 出来もしない軍事基地のためにドブガネし、普天間も返還されない。辺野古は単なる破壊「損」。そして、ヒトデナシな《人柱》…せめてコレくらいのこと、こんなデタラメでヒトデナシなことは止めてほしいな、玉城デニー沖縄県知事には。県知事の権限に限界があることは理解していますし、前独裁政権や現独裁政権、自公お維が諸悪の根源なんだけれど、玉城デニーさんにはもう少し頑張ってほしい。
 マガジン9のコラム【三上智恵の沖縄〈辺野古・高江〉撮影日誌 第104回:嘆きの雨止まず~沖縄戦遺骨問題と慰霊の日~】(https://maga9.jp/210630-7/)によると、《辺野古の基地建設計画は今、大きく狂い、様々な工法の変更を余儀なくされている。国は沖縄県に対して変更の手続きを申請しているが、その中に、予定外の大量の土砂を新たに県内から調達する計画があり、それがいまだに多くの戦争犠牲者の骨が未回収である南部から掘削されることが発覚したため、動揺が広がっている…》。

   『●《そんなふうに静かに始める抵抗にこそ、人々を変える力があるの
      かもしれない》(北原みのりさん)――― 辺野古破壊と《人柱》
   『●《埋め立てに使う土砂を、沖縄戦の激戦地だった沖縄本島南部から
      採取することが新たに盛り込まれた…「戦没者に対する冒とくです」》
   『●《戦争で亡くなった人の血や肉が染みこんだ土や石を、新たな軍事基地
      建設に使用するのは人間のやることじゃない》…《人柱》でいいのか?
   『●《人柱》…《「助けてぃくみそーれー!」…この言葉が1945年、
     島中の至る所で地中に滲み込むほどに叫ばれていた》(三上智恵さん)
   『●《そんなふうに静かに始める抵抗にこそ、人々を変える力がある
     のかもしれない》(北原みのりさん)――― 辺野古破壊と《人柱》
   『●今月で《25年…国策に翻弄され続けた四半世紀》…米軍普天間
     飛行場は返還されず、一方、辺野古は破壊され続け、単なる破壊「損」
   『●遺骨の混ざった土砂が辺野古破壊の(出来もしない)新基地建設に
     使用か? カースーオジサンらはヒトデナシなことをやろうとしている
   『●自公政権やお維に壊され行く沖縄: 沖縄「屈辱の日」を「主権回復の
     日」と言う元首相、沖縄の戦後史を知らないという元最低の官房長官…
   『●カネカネカネの金(カネ)色の五つの輪で《国威を発揚》…《メディアの
       報道は死の重みに無関心…空襲に遭ったら仕方がないとでも言いたげ》
    《おまけに、「軍隊」に歯向かえば何の支援も受けられない状況が
     生まれた。感染爆発に襲われている沖縄県の玉城デニー知事が
     大規模接種センターの設置を求めた防衛省は拒否。これでは
     香港やミャンマーと変わらないではないか。自衛隊は菅首相や
     岸防衛相の私兵になったのか。》

=====================================================
https://dot.asahi.com/wa/2021062200078.html

室井佑月『ずっと俺、総理な』っていいそう
連載「しがみつく女」
室井佑月 2021.6.24 07:00 週刊朝日 #室井佑月

     (室井佑月・作家)

 作家・室井佑月氏は、加藤官房長官の「改憲の好機」という発言を取り上げる。

【この記事のイラストはこちら】
 イラスト/小田原ドラゴン

*  *  *

 加藤勝信官房長官は6月11日の記者会見で記者団に、

「新型コロナによる未曽有の事態を全国民が経験し、緊急事態の備えに対する関心が高まっている現状において、(改憲し憲法に緊急事態条項を入れる)議論を提起し、進めることは絶好の契機

と述べたらしい。自民党の人たちってなんでも利用しようとするね。

 コロナでは1万4千人の人が亡くなり、治っても後遺症に苦しむ方もいる。商売ができなくなった方、解雇された方、生活苦にあえいでいる人もいる。そういったことさえ、自分らがやりたい改憲の絶好の機会として捉えるとはね

 ま、そのあと、記者がコロナ禍で苦しむ人々のことを指摘すると、加藤氏は、

「皆さんが苦しんでいることを絶好と申し上げているのではない。こういった中で、緊急事態をどう考えるべきなのかについて高い関心を持っておられる、そこを申し上げている」

といい直した。

 苦しんでいる大勢が、緊急事態条項について高い関心を持っている?

 大勢が苦しんでいることは事実だけど、多くの人は、自分のワクチンはまだか、いつからお店を通常営業できるのか、2回目の給付金はまだか、まさか国はあたしたちに布マスク1世帯に2枚と1回こっきりの10万円でなんとかしろっていってるわけじゃないよね?などなどいいたいことはいっぱいあれども、改憲し緊急事態条項を入れて欲しいなんていってない

 加藤氏はうまく言い訳したつもりでも、本音ではコロナ禍のドサクサに紛れて改憲してしまいたいのは見え見えじゃ

 なぜドサクサに紛れてそれをしてしまいたいのか? この国の法に緊急事態条項があってもなくても、今回のコロナ対策は失敗していた。議論となれば、すぐバレる。

 先進国最低のワクチンの接種率、緊急事態条項があったらなんとかなりました?

 日本はただ買い負けただけ。マスクのときと一緒。製薬会社とちゃんと文書で細かく約束してなかったのもまずかった。

 緊急事態条項があったら、国民の権限をもっと制限でき、こんなに感染拡大はしなかった?

 コロナ禍の中で、どうしてもGo Toキャンペーンをやりたがったのは誰ですか?

 海外から渡航してきた人の検査体制も遅かった。てか1年以上経っても、あたしたちの検査体制も万全とはいえない

 改憲し緊急事態条項とやらを入れても、この政府の無能ぶりは変わらない。というか、その無能らに緊急時だけといっても、これ以上、あたしたちの権利や権限を預けるなんて恐ろしい。「ずっと俺、総理な」ってこともいいだしそうで。


室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中

※週刊朝日  2021年7月2日号
=====================================================

=====================================================
https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1340126.html

<金口木舌>チャモロと沖縄
2021年6月18日 05:00
金口木舌 米軍 環境汚染 グアム 汚染水 流出

 「裏切りだ」。米領グアムの米軍基地で働くなど、米国民として誇りを抱いていたエンジェル・サントス氏は1990年代、環境影響調査の報告書を読んでがくぜんとした。基地周辺の飲用水、地下水が発がん性物質で汚染されていた

▼サントス氏は数年前、幼い娘をがんで亡くしていた。市民団体「ナシオン・チャモル」を結成し、米軍による環境汚染を告発。先住民族チャモロの自己決定権回復を求めて運動した。「穴を掘り、猛毒を含む軍需品を埋めるのは一般的だった」と米軍を非難した

▼2003年の死去後もチャモロの人々に語り継がれる存在だ。米国からの独立運動の象徴でもある。基地に振り回されてきたグアムの歴史は沖縄に重なる

▼うるま市の米陸軍貯油施設から有機フッ素化合物に汚染された水が漏れ出した。流出量は最大2・4トン余だという。排水路の先には北谷浄水場が取水する天願川がある

▼昨年、普天間飛行場から同物質を含む泡消火剤が大量に漏れたばかりだ。この物質による水質汚染は16年から問題化している。しかし陸軍貯油施設にも貯蔵されていたことを、県民は今回の事故で知らされた

▼基地内にどんな有害物質があるのか、米軍は全容を明らかにしない。日本側の立ち入り調査要求にも満足に応じない。この島に76年間も米軍を駐留させる日米両政府は今後も県民を欺き続けるのか
=====================================================

=====================================================
https://maga9.jp/210630-7/

三上智恵の沖縄〈辺野古・高江〉撮影日誌
第104回:嘆きの雨止まず~沖縄戦遺骨問題と慰霊の日~(三上智恵)
By 三上智恵 2021年6月30日


2021年慰霊の日と南部遺骨問題
 (https://youtu.be/45QJxfxv2Xw

 とにかく尋常ではない雨だった。沖縄に住んで27回目の慰霊の日(6月23日)だが、こんな台風並みの雨に打たれながら摩文仁に立ったことは一度もない。例年、不思議と慰霊の日の直前には梅雨は終わるものだった。今年は梅雨入りも早かったというのに、この雨は何かの恨みのように止むことを知らない。昨日も各地で大雨の被害を出している沖縄。今日30日になっても、まだ梅雨明けの報はない。

 辺野古の基地建設計画は今、大きく狂い、様々な工法の変更を余儀なくされている。国は沖縄県に対して変更の手続きを申請しているが、その中に、予定外の大量の土砂を新たに県内から調達する計画があり、それがいまだに多くの戦争犠牲者の骨が未回収である南部から掘削されることが発覚したため、動揺が広がっていることは過去二回、ここでもお伝えしている通りだ(第101回第102回)。

 前回まで、霊域に最も近く新しい鉱山開発に対し、沖縄県として自然公園法に則って待ったをかけて欲しいと要請する具志堅隆松さんのことを取り上げてきたのだが、「中止命令」には至らず、「措置命令」に留まったため具志堅さんや遺族らは落胆していた。
 しかし実際は「遺骨を除去してから作業をする」など、県が条件に付した内容がネックになって簡単には操業できないことから、具志堅さんは県の判断を再評価している。さらに、玉城デニー知事はもともと公約で辺野古の基地建設に反対国の「変更申請」を突っぱねると見られていることから、「変更申請」が不許可になれば工事は止まる。南部の土砂を集めるために無数のショベルカーが走り回る事態は回避できる。だから具志堅さんは希望を捨てていない。それなのに、慰霊の日に向けて二回目のハンストに入るという。

 「この間、たくさんの遺族の方々から、絶対に止めてください、何かできることはありますかと聞かれた。遺族の皆さんの声を、当事者の声を伝えるというシンプルなことをやってないと気づかされた遺族の思いを伝えて、戦没者の尊厳を守るためにも不承認とすると、はっきり反対する理由に盛り込んでほしい

 具志堅さんは二回目のハンストを通してもっと多くの遺族に出会い、力を結集して確実に計画断念を勝ち取る考えだ。県庁前で2日間、そして3日目からは慰霊の日の追悼式典が開かれる平和祈念公園でテントを張って仲間と共に座り込み、23日当日は式典に参加する玉城デニー知事に要請書を手渡す。国と対峙している沖縄県知事を応援するパフォーマンスにもなると思った。ところが、少し雲行きが変わってきた。知事の側近から、テントに行くのは可能だが、要請は別にしてほしいという要望が届いた。間もなく「不承認」というカードを切るつもりの知事にとっては背中を押すような要請になると信じていたのに。具志堅さんの表情は曇った。

 「今の段階ではっきりとさせられない事情もあるのか……。要請を受け取るくらいはいいのではと思うけど。あるいは、遺族の署名を渡すのであれば受け取りやすいのだろうか?」

 相手の立場を慮ってあれこれと思案する具志堅さん。当日まで、要請書も署名も準備しつつ、ここは単に知事の訪問を歓迎するというスタンスで行くべきか、悩み抜いていた。結局、直前になって書類を手渡すなどのパフォーマンスはなしにして、素直に知事を歓迎して激励する。ただしご遺族の一人に直接思いを伝えてもらう、という形に落ち着いた。

 ハンストの期間中、様々な人が訪れていた。国に協力的な沖縄県護国神社の宮司さんらも、同じ戦没者の遺骨を大事にする立場から激励に来た。第32軍のトップだった牛島満司令官のお孫さんにあたる元教員の牛島貞満さんも初日に来ていた。貞満さんは、祖父の南部撤退の決断が招いた住民犠牲について何度も自ら沖縄の子どもたちに特別授業をするなど沖縄戦に向き合い続けていて、今は首里の司令部壕の保存に奔走している。
 そして今回の遺骨の問題は、兵士の遺骨収集をおざなりにしてきた日本の軍隊の体質が影を落としていると指摘した。遺族と繋げる最後の手段である兵隊の「認識票」を、部隊の足跡を消す目的で部下から取り上げ、まとめて埋めたケースなど、「認識票」を二つ持たせて必ず遺体を回収する米軍と違い、死者の尊厳を軽視する体質を問題視した。

 思いがけないところでは、今話題の赤木雅子さんも日帰りで駆け付けていた。森友問題で書類の改ざんを命じられたことから自死に追い込まれた夫のために、真実を追求し続けている雅子さんは、「国の犠牲者」に手を差し伸べて国家と闘っている具志堅さんに会うことが勇気になると思ったのかもしれない。「赤木ファイル」の存在を認めなかったり、黒塗りのまま誤魔化し続けたりする国の態度は「夫を二度殺すようなもの」と話す雅子さんに対し、基地建設の埋め立てに使われる戦没者も二度殺されるようなものだとして、具志堅さんは「国に二度までも尊厳を傷つけられるとは。同じですね」と答えたという。

 ところで、6月23日の慰霊の日とは、ご存知の通り沖縄戦を戦った第32軍の将・牛島満中将ら幹部が、最後の地・摩文仁の丘で自決した日に合わせて制定されている。牛島司令官は自らの死をもって戦いを終わりにしたのかと言うと、そうではない。
 「最後まで敢闘し、生きて虜囚の辱めを受くることなく、悠久の大義に生くべし」という最後の命令を出している。つまり自分の死後も、絶対に捕虜になるな最後の一人まで戦えという命令を出して自分だけ楽になってしまった。従って戦闘は終わらず、犠牲者は出続けた
 住民や部下の運命をどん底に陥れたこの命令は、誰に向かって何を守るものだったのか。それを考えれば考えるほど、6月23日を慰霊の日とすることに抵抗がある県民が根強くいることもうなずける。日本の軍人の特質、日本の軍隊の成り立ちやその正体に関わる部分なので、牛島司令官の最後の姿勢を簡単に過去の出来事に収める気は少なくても私にはない。ところが、この十数年、自衛隊が人目を忍ぶように牛島司令官の最後の地に建つ黎明の塔を、制服を着用して恭しく集団で参拝するようになった

 どういうつもりの参拝なのか? 心はざわつくが、それを確認するには朝4時にはあの真っ暗な摩文仁の丘に登らねばならないので、なかなか撮影に行く勇気は持てなかったのだが、最近は待ち受けるメディアも多くなり、また今年は近くで具志堅さんたちが泊まり込んでいるという心強さもあって、2時に起きて深夜に摩文仁を目指した。
 牛島が自決し、介錯人によって首を切り落とされたのは朝4時半だったという。その時間になると、制服・私服の自衛隊員が複数登って来ては手を合わせていた。個人の参拝は自由だが、沖縄の住民を守るどころか大量に死に追いやった第32軍の作戦行為を本当に知った上で、その責任者に敬意を表するのか? と聞いてみたい衝動に駆られる。

 そして4時50分ごろ、沖縄に展開する第15旅団のトップ、佐藤真旅団長が、最先任上級曹長という、女性では初の上級幹部となった蛯原寛子准陸尉らと3人でやってきた、かりゆしウェアを着た広報部数人を入れても少人数だ。例年は30人規模で参拝していたのでちょっと拍子抜けしたが、深々と礼をして1分ほどで踵を返し、次の慰霊碑「しづたまの碑」に向かった。最後は「島守之塔」という三ケ所を回ったので、これは軍人、民間人、官つまり公務員、すべての犠牲者を網羅した形なのだろう。「軍官民共生共死」というスローガンで官民を巻き込んだ沖縄戦の実相を知るものからすれば、自衛隊も今後予想される有事には「軍」だけでなく「官と民」の積極的協力を仰ぐというのが基本的な姿勢なのだろう。こうして過去の協力に感謝し、参拝される栄誉を、今後のさらなる犠牲的協力と忠誠心に繋げるという魂胆があるのではないかと見るのは、うがち過ぎだろうか?

 急患輸送に不発弾処理、災害救助と沖縄に貢献してきた自衛隊の活動には、私を含め感謝していない県民はいないだろう。自衛隊に就職する若者も多く、かつて沖縄にあった自衛隊アレルギーはもはや過去の遺物になりつつある。しかし、沖縄県民を守らなかった旧日本軍と今の自衛隊の連続性について、沖縄のジャーナリストなら疑って当然である。同じ軍事組織として沖縄戦をどう分析して反省し、またどう評価して参考にしようとしているのか、それが徹底して明かされないことには簡単に「信頼」などできるはずがない。

 「私的参拝です」
 「慰霊の日に亡くなられた方々のご冥福を祈るという気持ちで来ています」

という旅団長に対し

 「制服を着て部下を伴って、私的はないんじゃないですか」「批判があることをご存知ですか」「花束はポケットマネーですか?」と食い下がる記者たち。このような厳しい目があるということを毎年示すだけでも、自衛隊が過去の日本軍のような横暴な振る舞いをする日の再来を防ぐ力になるウォッチドッグ権力を監視するというジャーナリストの本分を発揮している記者やカメラマンたちの存在がとても頼もしく思えた。そしてこの日、本土メディアも含めて、具志堅さんのテントに100人を超えるメディアが集結していたことも。

 日が昇るころからまた雨脚が強くなりはじめ、早朝から平和の礎に参拝する家族の姿も例年とは打って変わって少なく、過去最低の数だったと思う。身元不明者の遺骨を3万5千柱も収容した骨塚である魂魄の塔にも行ってみたが、毎年ごった返すあの熱気はどこへやら、コロナ禍らしく間隔を取って参拝できる程度だった。やがて正午の黙祷の頃には、雨は本降りに。荒波寄せる海沿いの丘であることを再認識するほどの横殴りの雨。摩文仁全体が大荒れの空模様になり、玉城デニー知事の挨拶の時に大雨はピークを迎えた。
 たった30人の参列者に絞り、菅総理もビデオでの挨拶となった今年の式典はいつになくあっさりと終ったが、歩いて1分もかからないハンストのテントに、玉城デニー知事はなかなか来ない。取り囲む記者やカメラマンは場所を確保するため、雨ざらしであってもその場を動くことができない。15分も待てば来るだろうという予想は外れ、50分以上待たされることになった。

 私も荷物とカメラで傘をさすこともできず、機材を雨から守るのに必死。滝行でもしたかのようにずぶ濡れになる。毎年暑さでどうにもならない慰霊の日なのだが、長袖でも寒く、腰も冷え、足が攣って撮影態勢の維持も難しくなってきた。具志堅さんは自分だけテントの下にいるのは申し訳ないと大雨の中詫びに来たが、みんな慌てて中に入ってくださいと押し返した。丸4日食事もしていない具志堅さんが、知事を相手に思いを伝えられるか。取材陣は濡れネズミになりながらも固唾を飲んで見守っていた。

 そこに、だいぶ遅れて玉城知事がやって来た。「デニーさん!」と笑顔で迎える具志堅さんに対し、知事の表情は少し硬い。「今日は、不承認の言質を取ろうなんていう考えはないんです」と開口一番相手を安心させる言葉を伝え、まずは84歳になる遺族の女性を紹介。彼女は骨が見つからない父親と繋がる望みを託してDNA鑑定に申し込んだとして、なんとしてでも南部の土砂を埋め立てに使うのはやめてください、県のお金でその土地を買ってでも止めてくださいと懇願した。

 「いろんな人たちの気持ちを受け止めて、私たちにできることを頑張ります」

 デニー知事は答えた。

 具志堅さんは、防衛省に不承認と回答する時に、ぜひ戦没者の尊厳を守るということを理由に入れてくださいと迫るが、これに対しての回答はなかった。そしてこう言った。

 「いろんな方々の声をしっかり受け止めて、しっかり考えたいと思います」

 具志堅さんの顔が曇った。さっきとほぼ同じ言い方だ。いろんな人たちの気持ち、いろんな方々の声。皆さんの声もあるけれども、真逆の声もあります。ほかの人たちの気持ちもあります、と突き放された感があると思ったのは私だけではなかったようだ。緊迫した無言の5秒が流れ、具志堅さんは大きく息を吸って「もう一つ」と決意したようにたたみかけた。

 「多くの人が、デニーさんのことについて、不安に考えている方も……出始めています。その不安を解消するためにも、ぜひ、一歩ステップアップした……。安心させるための表現をよろしくお願いします!」。踏み込んだ言葉を乞う具志堅さん。

 「言葉足らず、力足らずですいません。自分にできることをしっかりやりたいと思いますのでよろしくお願いします」

 それを最後に足早に去っていった知事。「デニーさん、頼むよう!」「お願いしまーす!」という声が黒い公用車を追いかけた。テントに残った具志堅さんは吐き捨てるように言った。

 「私は、まだ甘いです!」

 76年間土の中で待っている兵士の無念さ乳飲み子を置いて行く母の慟哭ガマに火炎放射器を入れられた恐怖、苦しさ。断末魔の叫びにじっと耳を傾けてきた自分が、今日到達すべき地平はこれで良かったのか? 厳しすぎるほどに自問する具志堅さんの姿があった。

 2時を回り、私は護郷隊の慰霊祭に間に合わせたいと車に飛び乗った。ビニールを敷いて座るほど濡れているので、寒くてクーラーもかけられない。ところが5分も走らないうちに太陽の光が差してきた。南風原の道路は驚いたことに、カラカラに乾いている。え? 狐につままれたようだ。摩文仁の暴風雨は、ずっと止まない雨は、あれは何だったのか?

 「これは神様の涙だよ。当分止まないはずよ」。神人(神職)のおばさんが言った言葉が頭をぐるぐる回る。戦没者の嘆きの雨を、神さまの涙を全身で浴びた2021年の慰霊の日。私はきっとこの日の雨を、生涯、6月が来るたびに思い出すだろう。


三上智恵(みかみ・ちえ): ジャーナリスト、映画監督/東京生まれ。1987年、毎日放送にアナウンサーとして入社。95年、琉球朝日放送(QAB)の開局と共に沖縄に移住。同局のローカルワイドニュース番組のメインキャスターを務めながら、「海にすわる〜沖縄・辺野古 反基地600日の闘い」「1945〜島は戦場だった オキナワ365日」「英霊か犬死か〜沖縄から問う靖国裁判」など多数の番組を制作。2010年、女性放送者懇談会 放送ウーマン賞を受賞。初監督映画『標的の村~国に訴えられた沖縄・高江の住民たち~』は、ギャラクシー賞テレビ部門優秀賞、キネマ旬報文化映画部門1位、山形国際ドキュメンタリー映画祭監督協会賞・市民賞ダブル受賞など17の賞を獲得。14年にフリー転身。15年に『戦場ぬ止み』、17年に『標的の島 風(かじ)かたか』、18年『沖縄スパイ戦史』(大矢英代共同監督)公開。著書に『戦場ぬ止み 辺野古・高江からの祈り』(大月書店)、『女子力で読み解く基地神話』(島洋子氏との共著/かもがわ出版)、『風かたか 『標的の島』撮影記』(大月書店)など。2020年に『証言 沖縄スパイ戦史』(集英社)で第63回JCJ賞受賞。 (プロフィール写真/吉崎貴幸)
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●違憲な土地規制法 ――― 密告社会、《軍隊に監視される社会でいいのか?》、《戦争に市民を協力させるという構造》を許していいのか?

2021年08月02日 00時00分38秒 | Weblog

/ (2021年07月18日[日])
海渡雄一さんによる、レイバーネットの記事【三上智恵さんの「沖縄スパイ戦史」が明らかにする土地規制法の危険性/海渡雄一】(http://www.labornetjp.org/news/2021/0623kaido)。

 《三上さんが、この本を書かれた思いが、沖縄スパイ戦は沖縄だから起きたことではなく、戦争に市民を協力させるという構造が作られたら、いつでもどこでもそういうことが起きるのだという警告のために書かれたのだということがわかりました。…●沖縄スパイ戦を沖縄差別の視点だけで語ることは、貴重な教訓を見落とすことにつながる …●「沖縄スパイ戦史」を土地規制法廃止のための武器に》。

 《軍隊に監視される社会でいいのか?》。《戦争に市民を協力させるという構造》を許していいのか? 
 海渡雄一さん《基地や原発の監視活動や抗議活動をする隣人・知人や活動協力者の個人情報を密告せざるを得なくなります。これは地域や市民活動を分断するものであり、市民活動の著しい萎縮につながります。土地規制法は、沖縄スパイ戦の時のこのような構造を現代の基地周辺地域などによみがえらせることでしょう。いったんこのようマシーンが作動を始めたら、最後には、住民同士が密告し合い、多くの犠牲者を再び産み出す危険性があります。土地規制法は、憲法が絶対的なものとして保障している思想・良心の自由を侵害するものなのです》《三上さんの「沖縄スパイ戦史」は、土地規制法がもたらす監視と密告の社会の末に、私たちを待っている人間不信の未来の地獄絵図を過去の歴史の中から肌身に感じられるような精度でよみがえらせました》。

   『●軍隊は住民を守らない: 《情報保全隊…住民の調査・
       監視のほか、島嶼戦争の際の対スパイ戦任務も想定》…
    《……以上のように、「情報保全隊」の防諜は、
     《「戦前の憲兵政治の再来だ」、「一般市民の活動を監視している
     と批判》され、また、《沖縄でも沖縄弁護士会や
     沖縄平和運動センターなどの団体や個人が監視され、戦前の憲兵隊や
     特高警察を想起させるとの批判》が出ている。《市民集会や自衛隊、
     米軍に批判的な団体・個人の活動を監視》していた訳だ。
     《憲法で保障された表現の自由思想・良心の自由
     侵害するような活動は許されない》のに…。》

   『●《陸上自衛隊と米海兵隊が、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブに、
          陸自の離島防衛部隊「水陸機動団」を常駐させる…極秘合意》
    《同訓練場返還地の米軍廃棄物問題などを調査しているチョウ類研究者の
     宮城秋乃さんは「仮にヘリパッドとして使うのであれば、
     高江の負担はより重くなる」と訴えた》

   『●《官邸の意に沿わない記者を排除…
     明らかに記者の質問の権利を制限し、国民の『知る権利』を狭める…》
    「琉球新報の【<社説>基地にドローン規制 沖縄を狙った報道弾圧だ】…
     によると、《政府方針が盛り込まれれば、自衛隊基地や米軍基地への
     取材が大きく制限される。国民の知る権利を著しく侵害する方針に、
     新聞協会が反対を示したことは当然といえる》…そうです。
     どこまでも《卑(ミーン)》なアベ様ら」

   『●《国民投票法に条件付き賛成で…支持者が増》≪「支持者減」…
     立憲を掲げて、しかも、このコロナ禍で、あのトンデモ壊憲に手を貸すかね?
   『●立法府の自公お維議員による土地規制法案 ――― 《何のための国会か》
        《内閣委員のお一人お一人が問われている》(馬奈木厳太郎弁護士)

    《さらに、法案を先取りするような事件も沖縄では起こった。
     米軍北部訓練場の返還跡地である「やんばるの森」に米軍の廃棄物が
     残っている
ことを指摘、その廃棄物を米軍基地ゲート前に並べるという
     抗議活動をおこなったチョウ類研究者の宮城秋乃さんに対し、沖縄県警が
     威力業務妨害の疑いで家宅捜索に入ったからだ》

   『●土地規制法案の先取り ―― 宮城秋乃さんの家宅捜索という見せしめ
       …《見せしめの過剰捜査…人権侵害行為》が頻発すること、必至
   『●<金口木舌>《土地利用規制法やデジタル関連法などが国会でバタバタ
     と成立…いずれも国民を監視し思想・良心の自由を奪いかねない法律》
    「《本当にこのままでよいのか》? 《国中が混乱する中、
     土地利用規制法デジタル関連法などが国会でバタバタと成立した。
     熟議とは程遠い数の力で ▼いずれも国民を監視し思想・良心の自由を
     奪いかねない法律だ》。
      《国民はその危うさを実感しているだろうか》? 法治主義を嘯き、
     《法を盾に権力者は国民を押さえ付ける》。立憲主義を蔑ろにし、
     違憲に壊憲するくせに。自公お維に投票した責任取ってください。」

 土地規制法案の先取り ―― 宮城秋乃さんの家宅捜索という見せしめ…《見せしめの過剰捜査…人権侵害行為》が頻発すること、必至。《杉田水脈議員が辺野古の基地反対運動の人たちの弁当のごみが米軍基地に入ったらどうするかという事例を出したように、こんなレベルの屁理屈でも調査監視の対象になってしまうというお粗末さを露呈》…あぁぁ…。
 《監視社会当たり前になる社会、戦前のような恐ろしい国に私たちをいざなう法律が、ついに参議院本会議で可決、成立してしまった。「重要土地等調査規制法」。大事な国防施設を守るため、という名目で無制限に市民の監視を可能にする、こんな稀代の悪法止められない私たちの市民力のなさに改めて暗たんたる気持ちになる》。最低の官房長官を含めた第二次アベ様政権により、《メディアコントロール》は完成し、《私たちの市民力》はズタズタに。三上智恵さんの結びの言葉、《法は成立しても、せめて悪用された時に瞬時に声を上げて世論で監視し、実行させない市民力を、私たちは今からでも磨いておかねばならない》。

   『●軍隊は住民を守らない: 《情報保全隊…住民の調査・
       監視のほか、島嶼戦争の際の対スパイ戦任務も想定》…
    《……以上のように、「情報保全隊」の防諜は、
     《「戦前の憲兵政治の再来だ」、「一般市民の活動を監視している
     と批判》され、また、《沖縄でも沖縄弁護士会や
     沖縄平和運動センターなどの団体や個人が監視され、戦前の憲兵隊や
     特高警察を想起させるとの批判》が出ている。《市民集会や自衛隊、
     米軍に批判的な団体・個人の活動を監視》していた訳だ。
     《憲法で保障された表現の自由思想・良心の自由
     侵害するような活動は許されない》のに…。》

=====================================================
http://www.labornetjp.org/news/2021/0623kaido

三上智恵さんの「沖縄スパイ戦史」が明らかにする土地規制法の危険性

三上智恵さんの「沖縄スパイ戦史」が明らかにする土地規制法の危険性
海渡雄一


●はじめに

 先の国会で成立してしまった土地規制法について、6月21日に、週刊金曜日の記事にする目 的で、三上智恵さんと対談しました。半分が土地規制法の話、残りは三上さんが映画にされ、本にもされた「沖縄スパイ戦」の話をしました。七月初旬発売の週刊金曜日に掲載されると思います。

 私は、この対談のために三上さんの書かれた集英社新書『沖縄スパイ戦』をあらためて読みなおしました。

 三上さんが、この本を書かれた思いが、沖縄スパイ戦は沖縄だから起きたことではなく、戦争に市民を協力させるという構造が作られたら、いつでもどこでもそういうことが起きるのだという警告のために書かれたのだということがわかりました。


●護郷隊やスパイ虐殺者の人となりをなぜここまで掘り下げるのか

 この本を読むと、護郷隊の二人の隊長やスパイを殺害した指揮者の生い立ちが詳しく調べられ、その人物像が愛情をこめて描かれていることに驚かれる方も多いと思います。戦後も沖縄に通い、慰霊を続けた人たちのことを克明に記録しています。

 これまで、沖縄スパイ戦は鬼畜のような日本軍が、沖縄方言しか話せない人々を虐殺していったという、いわば沖縄差別の文脈で語られてきたと思います。

 この問題には、確かに沖縄差別の一面があることは明らかです。日本軍にとって、沖縄の人々は日本民族の一員でありながら、半面では琉球民族という別の民族でもあり、琉球には外国経験が多い人々がいたという事情があるのも事実です。

 しかし、そこを強調しすぎると、そんなことは日本本土では起きなかったし、今後も本土 では、日本軍が日本国民をスパイに仕立て上げて殺すようなことは起きないという認識にとどめ置かれてしまいます

 だからこそ、三上さんは、隊長たちが護郷隊の少年隊員たちを愛し、その命を一人でも救おうとしたことを丹念に記録しています。


●結局刺客を送り込まれていたヨネさん

 また、みずから何人かのスパイを虐殺した竹下少尉が、スパイリストに入れられていた秘密戦の民間協力者でもあった米子さんたちを「ヨネちゃんとスミちゃんを殺すな。殺すなら俺が許さない」と周囲に厳命して、彼女たちを救おうとしたというエピソードは映画「沖縄スパイ戦」のハイライトともいえるシーンでした。

 しかし、この本の中ではさらにその先の冷厳な真実が明らかにされています。映画で言えば「ネタバレ」かもしれませんが、公刊された本に書かれていることですのでここに書いておきます。三上さんが映画を撮り終えたあとの四回目に米子さんと会った時のことです。衝撃的です。

「『兵隊たちがね、五、六人が夜中に家に上がり込んできたんですよ。いるか! どこに寝てるか! と囁いてる声が聞こえて。私も母も、真っ暗闇の中、必死で蚊帳をくぐって裏口から転がり出て、危機一髪。裏の畑の中に身を隠して』

 えっ、結局海軍は殺しに来たんですね? 武下少尉が止めてくれたんでは…

 『いや、やがてやられよったですね。銃を持って来ていましたね。もう.怖い』

 これまで、会う度に米子さんの口から語られたのは、水兵たちとの束の間の交流、武下少尉に食糧を届けた話。やがてスパイリストに挙げられたという信じがたい展開と恐怖と、それでも武下少尉が二人の女性を守ろうとしてくれたことを知り、戦後に救われた思いをした話。それがパターンだった。しかしこの日初めて聞いたのは、結局、刺客が彼女のもとに送り込まれていたという残酷な結末だった。」(507-8ページ)

 これだけ、三上さんに心を許した米子さんも、四回目に話す決断を付けられるまで、このような悲しい結末は話さなかったのです。スパイ戦の真実を明らかにするという作業がいかに困難な作業であるかがわかります。言葉を換えれば、スパイ戦に関することの真実を明らかにするためには、関係者の多くが鬼籍に入りながら、秘密を抱えた幾人かの人々が、お元気で、傑出したジャーナリストであり、民俗学者でもある三上さんがこぼれ落ちる貴重な言葉の端々を記録できたという歴史のタイミングが必要だったことがわかります。

 永遠に歴史の闇に埋もれていたかもしれない貴重な記憶を本にとどめたこの「沖縄スパイ戦史」は、まさに三上さんの血のにじむような努力と歴史的なタイミングが重なることで、決して私たちが忘れてはならない戦争の真実の姿を明らかにした瞠目すべき奇跡の書であるといえるでしょう。(写真右=筆者)


●沖縄スパイ戦を沖縄差別の視点だけで語ることは、貴重な教訓を見落とすことにつながる

 本書の「終わりにかえて」で、三上さんは次のように述べています。本書の最も大切なメッセージであり、特定秘密保護法共謀罪デジタル監視法土地規制法の制定後の日本に暮らす市民にとって最も伝えたかったメッセージは、この部分ではないかと思います。

 「沖縄のスパイ虐殺といえば「沖縄方言を使った」ためという、文化の違いや差別に原因を求める解説が必ずついて回るが、この視点だけを提示するのは、全体の理解を妨げる危険もあると思っている。差別の問題だけで括ろうとすると、秘密戦の構造も、今後も監視社会の成れの果てとして私たちを襲う可能性のある恐ろしい前例だという点も、逆に見えにくくなる。「国内遊撃戦の参考」五十八条に見る通り、「変節者があれば断固たる処置を取りその影響を局限する」という軍の方針は他府県の住民に対しても沖縄戦同様に徹底されていたのだ。

 もちろん、沖縄に対する歴史的な差別は根深く沖縄戦に影を落とし、それが悲劇を増大させたことも見過ごしてはならない。しかし沖縄県民が差別され、その命が軽く見られていたから起きた悲劇だとだけ解釈されると、一番大事な教訓を見誤ってしまうだろう。つまりそれは、「沖縄はいざ知らず、本土に住む私たちはそう簡単に自国の軍隊に殺されたりはしない」という誤解を生むことになる。それはさらにこういう勘違いにつながる。「もしも今後、隣の国と何か物騒な展開になったとしても、沖縄にいる米軍や自衛隊が何とかする、だろう。少なくとも本土に影響が出る前に収めるはず。本土にいる国民のことは、いくらなんでも守るでしょう」と。

 今、南西諸島に続々と攻撃能力を持った自衛隊の新基地が作られていき、また戦場にされたらたまらないと島々から必死のSOSが発せられている。それなのに、日本中で平和や人権について活発な市民活動を展開しているような意識の高い人々も含め、無関心を装い黙殺している人が圧倒的に多いことからも、この「自分たちは大丈夫(沖縄に何かあったとしても)」という深刻な勘違いはかなり浸透していると私は疑っている(724ページ)。


●加害の側の人々の苦しみや後悔など人間的葛藤を知ることの大切さ

「特に、三人の虐殺者たち。今帰仁村の人々を何人も殺め、戦死扱いになったままひっそりと戦後を過ごしたであろう海軍の渡辺大尉や、米軍将校を血祭りにあげ大暴れし、投降する住民が許せず刃にかけた井澤曹長、住民虐殺に手を染めながらも、ヨネちゃんとスミちゃんだけは殺すなと言った武下少尉。いずれも罪もない沖縄県民を殺害しているのだから好感を持って調べはじめたわけでは到底ないが、しかし一人ひとりの個人史がわかってくると、やはり見え方は変わってくる。」(734ページ)

「たとえどんな残酷な出来事を起こして、その罪の重さは変わらないとしても、加害の側の人々の苦しみや後悔など人間的葛藤を知ったりした時に、また家族や関係者が向き合い続ける状況に接した時に、あらためてその出来事を捉えなおそうとするものである。赦しはしなくても、人は、悪の権化というレッテルをはがしてその人聞を見たり、前後の状況を知ろうとしたり、自分だったら、と考えてみる余地も生まれてくる。そうなって初めて、この不幸な事象が意味を持ってくる。私はここにかすかな希望のようなものを感じている。戦後七五年も経ち『鬼のような日本軍が沖縄の住民を苦しめた』という大枠の中からいくつもの事象が個別に紐解かれ、なぜ加害が発生したのか、その構図も明らかにされていく。」(735-6ページ)


●負の歴史こそが、本物の、騙されない強い未来を引き寄せてくる力に繋がる

「ある不幸な事象が、怒りや怨みやレッテル貼りから少し距離をおくことができるようになった時に初めて、そこに未来を救う大事な種が落ちていることに気づくのかもしれない。そしてその呪縛を解くカギは、結局は関係者がどう向き合ったか、悲しみや痛みを抱えてどう生きたかという人間の心が作り出す小さな波紋に過ぎないのかもしれない。でも私はこの本を書き進めながら、その人間の心が発する小さな波動をいくつも受け取ることができた。沖縄戦の裏側にある陰惨な事実を掘り起こしながらも、なぜか執筆期間を通して全く心が荒むことがなかったのは、大変な時代を生きた人たちの心の波動も、それを引き受けて今を生きようとする人たちの心の震えも、本当の光を見ようとしているように感じられ、その方向に私の心まで整えてくれたからだ。言い方を変えれば、負の歴史こそが、本物の、騙されない強い未来を引き寄せてくる力に繋がるということを、この人たちが私に信じさせてくれたのだ。」(736-7ページ)

 本当にそのとおりです。三上さんの本は、悲しい歴史を記した本ではあるけれども、その登場人物には人間的な魅力が輝き、明るさに満ちている不思議な本です。


●「沖縄スパイ戦史」を土地規制法廃止のための武器に

 土地規制法8条は「重要施設」周辺や国境離島の土地・建物の所有者や利用者の利用状況を調査するために、「利用者その他の関係者」に情報提供を義務付けています。「関係者」は従わなければ処罰されます。ですから、基地や原発の監視活動や抗議活動をする隣人・知人や活動協力者の個人情報を密告せざるを得なくなります。これは地域や市民活動を分断するものであり、市民活動の著しい萎縮につながります。

 土地規制法は、沖縄スパイ戦の時のこのような構造を現代の基地周辺地域などによみがえらせることでしょう。いったんこのようマシーンが作動を始めたら、最後には、住民同士が密告し合い、多くの犠牲者を再び産み出す危険性があります。土地規制法は、憲法が絶対的なものとして保障している思想・良心の自由を侵害するものなのです。

 三上さんの「沖縄スパイ戦史」は、土地規制法がもたらす監視と密告の社会の末に、私たちを待っている人間不信の未来の地獄絵図を過去の歴史の中から肌身に感じられるような精度でよみがえらせました。

 沖縄県北谷町議会(亀谷長久議長)は18日の定例会で、「土地規制法」の廃止を求める意見書を賛成多数(賛成12反対6)で可決しました。意見書では、土地規制法は「基地周辺で暮らす住民のみならず、その土地の利用者をも調査・監視できるような内容」と批判し、「北谷町のみならず沖縄全土が注視対象区域とも言われ、個人情報が入手されることなども懸念され悪法とのそしりは免れない」と危機感を示しています。また、「基地周辺住民、県民全ての私権、財産権すら脅かされ、負担感は増すばかりで本来守られるべき国民は置き去りにされ本末転倒だ」として、土地規制法の廃止を求めています。

 土地規制法の成立に危惧を持ち、日本を戦争をする国にさせたくないとお考えの方々は、ぜひとも、この『沖縄スパイ戦史』を読んでほしい、そしてともに土地規制法廃止の闘いに立ち上がってほしいと思います。

 まずは各地の自治体で廃止決議を上げましょう。政府による政令や閣議決定の行方を厳しく監視し意見を述べていきましょう。各地の野党共闘は選挙後の重要施策に土地規制法の廃止を盛り込むように取り組みましょう。

Created by staff01. Last modified on 2021-06-23 13:09:39
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●<金口木舌>《土地利用規制法やデジタル関連法などが国会でバタバタと成立…いずれも国民を監視し思想・良心の自由を奪いかねない法律》

2021年07月25日 00時00分51秒 | Weblog

[↑ 辺野古破壊反対広告 (2021年06月06日、朝日新聞)]


/ (2021年07月04日[日])
琉球新報の記事【<金口木舌>軍靴の足音】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1342759.html)。

 《▼「法律ができてからでは遅いんだ」。瑞慶覧さんの言葉だ。もしかしたら、もう遅いのかもしれないそれでも、諦めるわけにはいかない。ひたひたと迫り来る軍靴の足音を止めよう。この沖縄で、誓いを新たにしたいと思う》。

 《本当にこのままでよいのか》? 《国中が混乱する中、土地利用規制法デジタル関連法などが国会でバタバタと成立した。熟議とは程遠い数の力で ▼いずれも国民を監視し思想・良心の自由を奪いかねない法律だ》。
 《国民はその危うさを実感しているだろうか》? 法治主義を嘯き、《法を盾に権力者は国民を押さえ付ける》。立憲主義を蔑ろにし、違憲に壊憲するくせに。自公お維に投票した責任取ってください。

   『●軍隊は住民を守らない: 《情報保全隊…住民の調査・
       監視のほか、島嶼戦争の際の対スパイ戦任務も想定》…
    《……以上のように、「情報保全隊」の防諜は、
     《「戦前の憲兵政治の再来だ」、「一般市民の活動を監視している
     と批判》され、また、《沖縄でも沖縄弁護士会や
     沖縄平和運動センターなどの団体や個人が監視され、戦前の憲兵隊や
     特高警察を想起させるとの批判》が出ている。《市民集会や自衛隊、
     米軍に批判的な団体・個人の活動を監視》していた訳だ。
     《憲法で保障された表現の自由思想・良心の自由
     侵害するような活動許されない》のに…。》

   『●《陸上自衛隊と米海兵隊が、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブに、
          陸自の離島防衛部隊「水陸機動団」を常駐させる…極秘合意》
    《同訓練場返還地の米軍廃棄物問題などを調査しているチョウ類研究者の
     宮城秋乃さんは「仮にヘリパッドとして使うのであれば、
     高江の負担はより重くなる」と訴えた》

   『●《官邸の意に沿わない記者を排除…
     明らかに記者の質問の権利を制限し、国民の『知る権利』を狭める…》
    「琉球新報の【<社説>基地にドローン規制 沖縄を狙った報道弾圧だ】…
     によると、《政府方針が盛り込まれれば、自衛隊基地や米軍基地への
     取材が大きく制限される。国民の知る権利を著しく侵害する方針に、
     新聞協会が反対を示したことは当然といえる》…そうです。
     どこまでも《卑(ミーン)》なアベ様ら」

   『●《国民投票法に条件付き賛成で…支持者が増》≪「支持者減」…
     立憲を掲げて、しかも、このコロナ禍で、あのトンデモ壊憲に手を貸すかね?
   『●立法府の自公お維議員による土地規制法案 ――― 《何のための国会か》
        《内閣委員のお一人お一人が問われている》(馬奈木厳太郎弁護士)

    《さらに、法案を先取りするような事件も沖縄では起こった。
     米軍北部訓練場の返還跡地である「やんばるの森」に米軍の廃棄物が
     残っている
ことを指摘、その廃棄物を米軍基地ゲート前に並べるという
     抗議活動をおこなったチョウ類研究者の宮城秋乃さんに対し、沖縄県警が
     威力業務妨害の疑いで家宅捜索に入ったからだ》

   『●土地規制法案の先取り ―― 宮城秋乃さんの家宅捜索という見せしめ
       …《見せしめの過剰捜査…人権侵害行為》が頻発すること、必至

 竹信三恵子さん《声をあげない限りどんどんやられていく。…ニーメラーの警告を無視してはいけない》。
 マガジン9のコラム【家なき人のとなりで見る社会 第7回:僕が生きられる場所を探して(小林美穂子)】(https://maga9.jp/210630-2/)によると:

 《     **
   国会議事堂が「優生日本党」の支持者と「偉大なる日本教団」に
   占拠された。元々数を減らしていた野党議員たちがテロリストを扇動した
   として拘束された。拘束された議員の中にはあっさりと優生日本党に
   寝がえる者が相次いだ
       **
   「おい、君、無事か?」
   携帯を鳴らしてきたのは社会学を学んでいた大学の恩師だった。
   僕は感極まって泣き出して、だけど先生はそんな僕を制して早口でこう言った。
   「逃げろ」
       **》

   『●竹信三恵子さん《声をあげない限りどんどんやられていく。
             …ニーメラーの警告を無視してはいけない》
    《関西地区生コンに対する弾圧とは、2017年末に関西生コン支部が
     行ったストライキ決行を契機に、現在まで、のべ58名の逮捕者が
     出ている事件を指す。労働組合としての当然の行為である
     ストライキに対し、警察、裁判所、検察が一体となった弾圧行為
     行われている…集会参加者の一人、ジャーナリストの竹信三恵子さん
     …はドイツの牧師マルティン・ニーメラーの詩を引用した…
     「…彼らが労働組合員たちを攻撃したとき、私は声をあげなかった/
     私は労働組合員ではなかったから/そして、彼らが私を攻撃したとき、
     私のために声をあげる者は、誰一人残っていなかった」》

   『●ニーメラー牧師「ナチスが最初共産主義者を攻撃した時」…
       高江や辺野古が破壊された時、「関生」が狙われた時…


 《私権を制限し、言葉を奪う法律が何をもたらすか》。
 以下、再度の引用:

――――――――――――――――――――――――――――――
https://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/48319b7fd1a8ee319ce6602f1dbe387a

 《赤木氏は明確に記している。「現場として(森友学園を)厚遇した事実はない」》…当たり前です。国有地8億円値引きには、赤木さんは関わっていないのですから。アベ様と阿比留瑠比広報員はヒトデナシ過ぎやしませんか?

   『●合同世論調査データ不正問題で中止していたのに―――《フジテレビと
       産経新聞社は…電話による合同世論調査を…再開すると発表》!?

 ところで、たとえアベ様広報紙な産経でも自公政権やお維が廃刊しようとしたら、私は反対しますね…《前夜から新聞スタンドに長蛇の列をつくって購入することはないでしょうが。
 【中国に批判的な香港紙「リンゴ日報」最後の発行は過去最多の100万部 市民ら「言論の自由が失われる」嘆き】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/112453)によると、《【香港共同】中国に批判的な論調で知られた民主派系の香港紙、蘋果(ひんか)日報(リンゴ日報)は24日、最後の新聞として通常の10倍以上に当たる過去最多の100万部を発行し、26年の歴史に幕を閉じた。中国の習近平指導部による締め付けで廃刊に追い込まれた。前夜から新聞スタンドに長蛇の列をつくって購入した市民らは「言論の自由が失われる」と嘆いた。最後の1面トップは、大きな文字で「香港人が雨の中、お別れ 『われわれは蘋果(リンゴ)を支える』」との見出し。23日夜に蘋果日報本社ビルの周囲に集まって「蘋果日報、頑張れ」などとエールを送った市民らの写真を載せた。同社は23日、警察によりさらなる逮捕者が出る危険を避けるため、記者らに本社には戻らないよう通知。最低限の編集者で同日深夜まで作業を行った。蘋果日報は、創業者の黎智英(れいちえい)氏が昨年、香港国家安全維持法(国安法)違反容疑で逮捕され、今年4月に別件で実刑判決を受けて服役中。編集長や主筆らも逮捕された上、資産を凍結されて事業継続を断念した。黎氏は95年に同紙を創刊した》。

 ついでに、〝リンゴ日報〟廃刊の香港政府を非難できるのかね?
 【「表現の不自由展」東京開幕を当面延期 街宣車の抗議で会場移転にめど立たず】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/112475)によると、《愛知県の国際芸術祭で抗議が殺到し2カ月中断した企画展「表現の不自由展・その後」の東京開催を予定していた実行委員会は24日、街宣車の抗議を受け余儀なくされた会場移転にめどが立たないとして、25日の開幕を当面延期すると発表した。10日にいったん内定した新会場がその後、「近隣への迷惑がかかる」として一転、貸し出しを拒否した。7月の名古屋市、大阪市での展示終了後の開催を目指し、新たな会場探しを続けるという。東京都内で記者会見した実行委メンバーの岡本有佳さん(58)は「今回はあくまで延期であり、開催できることを確信している」と話した。同席した弁護士は「開催への妨害行為は脅迫や威力業務妨害の罪に当たると考えており、法的措置を検討している」と述べた。入場予約した約500人のチケットは、希望者には払い戻す。少女像などをテーマに6月25、26日に予定していたオンラインでのイベントは開催するという。東京展は「表現の不自由展・その後 東京EDITION」と題し、内外の作家の作品を展示、7月4日に閉幕予定だった》。
 当然、お維の地元もね。
 毎日新聞の記事【「表現の不自由展」大阪会場の使用許可取り消し 抗議相次ぎ】(https://mainichi.jp/articles/20210625/k00/00m/040/253000c)によると、《大阪市で7月16~18日に開催予定だった企画展「表現の不自由展かんさい」について、会場の指定管理者が施設の使用許可を25日付で取り消したことが判明した。開催が明らかになった6月中旬以降、会場として予定されていたエル・おおさか(大阪府立労働センター)へ抗議が相次ぎ、指定管理者は施設利用者の安全を保証できないと判断した。【石川将来】》。
――――――――――――――――――――――――――――――

=====================================================
https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1342759.html

<金口木舌>軍靴の足音
2021年6月23日 05:00
金口木舌 慰霊の日 土地利用規制法 特定秘密保護法 沖縄戦

 新型コロナウイルスの感染拡大が続き、国中が混乱する中、土地利用規制法デジタル関連法などが国会でバタバタと成立した。熟議とは程遠い数の力で

 

▼いずれも国民を監視し思想・良心の自由を奪いかねない法律だ。野党は徹底的に抵抗したか。国民はその危うさを実感しているだろうか。残念ながら否ではないか

▼法律が人を追い詰める。その実例を76年前の沖縄戦の前夜に見る。元県議で社会大衆党委員長だった瑞慶覧長方さんの父は社会主義者だと疑われ、自ら命を絶った。嫌疑のきっかけは社会主義に関する本を持っているといううわさだった

特高の尋問を受け、日を追うごとに憔悴(しょうすい)していく父の姿を瑞慶覧さんは忘れない。父を死に追いやった治安維持法と2013年制定の特定秘密保護法が重なって見えた。「法を盾に権力者は国民を押さえ付ける。その怖さを骨の髄まで味わった」

私権を制限し、言葉を奪う法律が何をもたらすか、私たちは忘れてしまったのだろうか。きょうは「慰霊の日」。犠牲者の冥福を祈りつつ、国民に問い掛けたい。本当にこのままでよいのか

▼「法律ができてからでは遅いんだ」。瑞慶覧さんの言葉だ。もしかしたら、もう遅いのかもしれないそれでも、諦めるわけにはいかない。ひたひたと迫り来る軍靴の足音を止めよう。この沖縄で、誓いを新たにしたいと思う。
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする