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●30年目の松本サリン事件、《捜査や報道の罪深さ》…(2011年)《河野義行さん…自身が受けた報道被害…「…いまも当時と変わっていない…」》

2024年07月05日 00時00分59秒 | Weblog

// (2024年07月02日[火])
2011年11月22日の東京新聞の記事を読み直してみた…山内悠記子記者による記事【再発防止策 見いだせない 松本サリン被害 河野義行さん】。

   『●河野義行さん、死刑制度廃止を

 記事を、以下に再掲してみます。

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https://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/5a446bb501f4fdb34b71de9a6eded9d9

再発防止策 見いだせない 松本サリン被害 河野義行さん
2011年11月22日 朝刊

 「事件前に戻ることはできない。ならば死刑囚らを恨み続けるような人生の無駄はせず、残された者として平穏に生きる」。一九九四年の松本サリン事件の被害者でありながら当初、警察の家宅捜索を受けるなど二重三重の苦しみを味わった河野義行さん(61)は、十七年の思いをかみしめた。日本を恐怖に陥れたオウム真理教の一連の事件の公判は終結したが、真相はいまだ見えないままだ。 

 「私にとってのオウム事件は、妻が亡くなった二〇〇八年八月に終わっています」。河野さんの妻澄子さんは、サリンの後遺症で寝たきりになり、六十歳で亡くなった。河野さんにとって、事件が起きた最初の一年は、犯人視する警察の捜査とマスコミの報道被害との戦いだった。「冤罪(えんざい)」が晴れてからは、三人の子どもへの親としての責任を果たし、妻の回復を願い続けて生きてきた。

 ただ、首謀者とされる麻原彰晃死刑囚(56)=本名・松本智津夫=の二審で実質審理がなかったことには「なぜ国家転覆を狙ったテロが起きたのか、本当に首謀者だったのかなど真相が分からず消化不良。再発防止策が見いだせない」と残念そうな表情を見せた。

 一方で、「裁判が終わったことで口を開く人が出てくるかもしれない。テーマを持ったジャーナリストに真相究明を期待したい」と望んでいる。

 今後は麻原死刑囚ら死刑確定者の執行に世間の関心が移る死刑制度については「現行法では合法で正義だが、個人的には、どの命もかけがえがなく、冤罪防止のためにも廃止すべきだと考えている」と話す。

 松本サリン事件で使われたサリン噴霧車の製造にかかわり懲役十年の刑を受け、出所後に自宅を訪れた元信者とは友人になった。刑務所で覚えた技術を生かし、自宅の庭木の手入れを任せ、今でも温泉や釣りを共にする。「社会的に罪もつぐない、反省もしている。友人になりたいと思った相手だから」

 一昨年と昨年には東京拘置所で、二十一日に上告棄却となった遠藤誠一被告(51)=一、二審死刑=ら教団元幹部四人とも面会。死生観や入信の動機などを聞く中で、「ごく普通の人。むしろ他の人より真面目」という印象を持ったという。

 自身が受けた報道被害については「事件報道で、マスコミが警察からの非公式情報を基に危うい橋を渡るシステムは、いまも当時と変わっていないようにみえる」と話す。

 澄子さんの三回忌と還暦を迎えた昨年、人生をリセットしようと鹿児島に移住した。講演活動も減らす予定でスローな生活を送る。「今後は隠居生活。いかに心地よく死ぬかがテーマです」。穏やかに語った。

 (山内悠記子
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 当時のブログ…:

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●河野義行さん、死刑制度廃止を2011年11月29日 00時00分57秒

 …「事件前に戻ることはできない。ならば死刑囚らを恨み続けるような人生の無駄はせず、残された者として平穏に生きる」、「個人的には、どの命もかけがえがなく、冤罪防止のためにも廃止すべきだと考えている」、「社会的に罪もつぐない、反省もしている。友人になりたいと思った相手」、「いかに心地よく死ぬかがテーマ」。あの河野義行さんだからこその重い言葉。酷い冤罪被害者として、また、奥様を殺された河野義行さんの重い言葉である。被害者であるにもかかわらず、おどろおどろしくプライベートを暴きたてた当時のあのマスコミのバカ騒ぎ、あれを経験されても、こういう言葉が出てくるのだから、すごい人だと思う。
 もちろん私は被害者ではない。だからこそ、被害者感情を過剰に忖度しての死刑制度存置を支持する方々にも噛みしめてもらいたい、と思った。……
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   『●飯塚事件…《DNA鑑定などを根拠に逮捕された久間三千年は、06年最高
     裁で死刑が確定し、08年に急ぐように執行された。だが...》(政界地獄耳)
   『●目隠ししているヨーロッパの法律の女神、一方、ニッポンの法律の女神
      は《目隠ししておりません》…冤罪で死刑執行されてしまった飯塚事件

 《被害者でありながら当初、警察の家宅捜索を受けるなど二重三重の苦しみを味わった河野義行さん》…何か変化の兆しはあっただろうか? 事件から7年程の2011年当時、《自身が受けた報道被害については「事件報道で、マスコミが警察からの非公式情報を基に危うい橋を渡るシステムは、いまも当時と変わっていないようにみえる」と話す》河野さん。それから十数年経って、何か変化の兆しはあっただろうか? (東京新聞社説)《死刑執行後、再審が請求された福岡県の「飯塚事件」(92年)を取り上げたドキュメンタリー映画「正義の行方」(今年公開)に、当時、事件を取材し特ダネを連発した地元紙記者が悔恨とともに、こう述懐する場面がある。「自分はペンを持ったお巡りさんになっていた」》。
 東京新聞の【<社説>松本サリン30年 「ペンを持つ警官」の悔恨】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/336223)。《松本サリン事件から27日で30年になる。長野県松本市の住宅街で1994年6月、オウム真理教幹部らが猛毒のサリンをまいて8人が死亡、約600人が重軽症を負った大惨事。報道機関としては、県警の捜査に沿って、第1通報者の河野義行さん(74)を容疑者扱いしてしまった、悔やんでも悔やみきれない事件だその反省を忘れず、事件報道のあり方を常に問い直していかねばならない》。

   『●『野中広務 差別と権力』読了(2/3)
    《松本サリン事件で警察とマスコミに犯人扱いされた河野義行に、
     国家公安委員長として率直に謝罪したのも野中だった》

   『●『創 (11月号)』読了(2/2)
    《浅野健一さんの「松本サリン事件から14年、河野義行さんの妻、
     澄子さん逝く」。犠牲者であり入院し、ずっと意識不明であり
     ながら、「家族を支えた」澄子さん》

   『●『月刊誌3冊』読了(4/4)
    「森達也さんの「極私的メディア論/第40回 死刑制度について」」
    「松本サリン事件の河野義行さんについて、服役を終えて出所した
     ある信者は庭木の剪定など河野さんの家を訪れており、親しく
     両者は接している。「ありえない想像だけど、もしも麻原死刑囚が
     家を訪ねてきたとしても、河野さんはきっと、よくいらっしゃい
     ましたと迎え入れるに違いない」」

   『●『貧困なる精神U集』読了(2/2)
    「インタビュー「加害報道 ―河野義行さんをめぐる松本サリン事件
     の誤認捜査と誤報」。「許せぬ『週刊新潮』」」

   『●『官僚とメディア』読了(2/3)
    《客観報道主義無責任主義の別名…。…河野義行さんのケース…》
    《地下鉄サリン事件和歌山カレー事件など重大事件が起きるたびに
     メディア・スクラム集団過熱取材)が繰り返される…》
    《…記者クラブ制度…。…記者たちはいつのまにか権力との距離感を
     見失い最も大事な批判精神をなくしてしまう

   『●『A2』読了
   『●『A3(エー・スリー)』読了
   『●河野義行さん、死刑制度廃止を
   『●「災害に便乗する「巨大復興」」
     『週刊金曜日』(2014年3月14日、983号)について
    「浅野健一さん【被逮捕者に肖像権はないのか 柏連続殺傷事件】
     《メディアは行き帰りで、男性の顔を撮影し報道した。
     引き回し写真は〝晒し刑〟にあたる…河野義行さんは…
     「メディアは今も、警察が被疑者を逮捕したら犯人で決まりだ
     テレビ報道では、人相が悪い写真を選んで伝え、怪しい人という
     情報しか報じない。…速報性の競争をやめるべきだ」と提言》

   『●「殺すなかれ…」…「彼らを処刑することが「社会正義」なのだろうか」?
   『●オウム死刑囚大量執行…アベ様や上川陽子法相は
       「前夜祭」を催し、死刑さへも「サーカス」に使う悪辣さ
    《九四年の松本サリン事件で当初、容疑者扱いされた河野義行さん
     …は四月の本紙の取材に「麻原死刑囚は否認しているが、
     控訴審もしていない真実に迫るためには控訴審が必要だった
     
のではないか。(起訴内容が)本当に事実かと疑問が出ても不思議
     ではない」と述べた。
     「命は大切なものだから死刑そのものには反対だ」とも話していた》

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/336223

<社説>松本サリン30年 「ペンを持つ警官」の悔恨
2024年6月27日 07時52分

 松本サリン事件から27日で30年になる。長野県松本市の住宅街で1994年6月、オウム真理教幹部らが猛毒のサリンをまいて8人が死亡、約600人が重軽症を負った大惨事。報道機関としては、県警の捜査に沿って、第1通報者の河野義行さん(74)を容疑者扱いしてしまった、悔やんでも悔やみきれない事件その反省を忘れず、事件報道のあり方を常に問い直していかねばならない

 県警は事件の翌日、サリンがまかれた駐車場隣の河野さん宅を容疑者不詳の殺人容疑で家宅捜索。捜索場所として河野さんの実名を発表した。本紙など報道各社は「薬品調合中に発生」「第1通報者が関わっていたとは」など河野さん=容疑者のように報道した

 河野さんは自身がサリンを吸った被害者だったが、入院中も県警の事情聴取を受けた。妻はサリン中毒で倒れ、意識不明のまま2008年に亡くなった。河野さん宅や弁護士の事務所には、無言や嫌がらせの電話がやまず、誹謗(ひぼう)中傷の手紙も数多く届いたという。

 本紙の取材では、長野県警は事件翌月にはオウム真理教の捜査を始めていた。だが、河野さんへの厳しい取り調べと河野さんを疑う報道は続いた。1995年3月の地下鉄サリン事件で教団幹部が一斉逮捕されて初めて、捜査や報道の誤りを認め、国家公安委員長、長野県警本部長や、本紙を含む報道各社が河野さんに謝罪した

 30年の節目を前に、河野さんの長女(当時高校生)は「(何があっても日常の維持に努めた」と語り、次女(同中学生)も「学校では全くいじめはなく、日常を保てた」と振り返ったが、家族への影響は小さくなかったはずだ捜査や報道を厳しく批判していた河野さんも後年、「人を憎んだり、恨んだりしない」境地に達したと語るようになったが、捜査や報道の罪深さが減じることはない

 死刑執行後、再審が請求された福岡県の「飯塚事件」(92年)を取り上げたドキュメンタリー映画「正義の行方」(今年公開)に、当時、件を取材し特ダネを連発した地元紙記者が悔恨とともに、こう述懐する場面がある。「自分はペンを持ったお巡りさんになっていた」。事件報道に携わる記者なら思い当たる部分があるのではないか。捜査の動きを追うのは職責だが一体化はしない。冷静な報道者としての判断力を磨きたい。
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●《金平は…「今のこの時代に正気でいることの困難さ、切実さ」と記している。金平を切ることでTBSは「2度目の死」を迎えることになる》

2022年09月28日 00時00分50秒 | Weblog

[※ 筑紫哲也 NEWS23とメディアの未来 望月衣塑子が尋ね 金平茂紀が語る (週刊金曜日、2021年12月03日1356号)↑]


(20220914[])
TBSは、何度〝死んだに等しい〟ことをすれば、気がすむのでしょうかね?
 『報道特集』冒頭の金平茂紀さんの〝20秒の自由〟が奪われる……筑紫哲也さんの『ニュース23』の頃の“筑紫イズム”=「権力の監視」「少数者であることを恐れない」「多様な意見を提示して自由の気風を保つ」はどこに? TBSは「権力に阿る」「愛玩犬」に堕ちるのか? 《TBSから“筑紫イズムの火は消えるのか》…。

   『●『報道特集』冒頭の金平茂紀さんの〝20秒の自由〟が奪われる…
     「権力の監視」「少数者であることを恐れない」「多様な…」はどこに?
    「金平茂紀さんが金曜日 #大竹メインディッシュ のゲスト。金曜日は
     室井佑月さん。『報道特集』冒頭の〝20秒の自由〟にて、
     (アフガン報道)(「腰抜け」)「腰が引けた状態」発言。
     筑紫哲也さんの『ニュース23』の頃とは大違い。筑紫さんの最後の
     『23』での言葉、「権力の監視」「少数者であることを恐れない
     「多様な意見を提示して自由の気風を保つ」…今や「権力に阿る
     「愛玩犬」。」

 (日刊ゲンダイ)《山口敬之氏が起こした性暴力事件》当時、金平茂紀さんがむしろ批判されていたけれども、当然ですが、批判の矛先は山口敬之氏は当たり前として、TBSそのものに向けられるべきだった訳です。金平さんは《『あまりに非道なことが局内と政治権力の間で罷り通ってしまったと断罪していますが、徹底的な内部調査を主張したにもかかわらず、当時の経営陣は懲罰委員会を開くことすらせず、うやむやにして山口氏を早期退職扱いにしてふたをしてしまった》のはTBS。
 (リテラ)《「真実を伝えて、権力を監視する」──。岸井氏の“遺言”報道に携わる人間重く受け止めなくてはないらない》はずだったのにね。『筑紫哲也 NEWS23』の「多事争論」にて、筑紫さんは、かつて、「TBSは今日、死んだに等しいと思います」と。TBSは、何度〝死んだに等しい〟ことをすれば、気がすむのでしょうかね? そして、看板の報道番組『報道特集』から金平茂紀さん切るとは、心底呆れる。

   『●”テレ朝は今日、死んだに等しいと思います”
   『●岸井成格氏を支持する: 「TBSは今日、
     再び、死んだに等しいと思います」なんてことが起こらぬために
   『●「TBSは今日、再び、死んだに等しいと思います」 
       なんて方向に進んでいないか? 報道は見て見ぬふり?
   『●岸井成格さんの〝遺言〟「真実を伝えて、
     権力を監視する」…「報道に携わる人間は重く受け止めなくては」
   『●室井佑月さん×金平茂紀さん対談: 《安倍政権の
      言論弾圧体質によって、どんどん悪化している報道の萎縮》①
   『●室井佑月さん×金平茂紀さん対談: 《安倍政権の
      言論弾圧体質によって、どんどん悪化している報道の萎縮》②

 日刊ゲンダイのコラム【元木昌彦 週刊誌からみた「ニッポンの後退」/TBS「報道特集」金平茂紀キャスター降板で20年前の「ザ・スクープ」打ち切りを思い出した】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/311186)によると、《金平は9月3日の同番組冒頭、「日本がプーチン大統領のロシアのように上から強制する国になったとは思いたくありませんが」と語った。この上というのは、社のトップのことであろう》、また、《筑紫は、TBSのプロデューサーがオウム真理教側に事前にビデオを見せたことが大きな社会問題になった時、「NEWS23」で「TBSは死んだと思います」と語った。金平は朝日新聞の「論座」(8月4日)で「今のこの時代に正気でいることの困難さ、切実さ」と記している。金平を切ることでTBSは「2度目の死」を迎えることになる》。

   『●《他人の不幸に付け込み…壺などを売りつけ、信者の家庭を破壊する
     カルト教団に「信教の自由」などないことを、メディアは自覚すべき》
    【元木昌彦 週刊誌からみた「ニッポンの後退」/旧統一教会が現在も
     生き残っている理由 35年前には筑紫哲也の「朝日ジャーナル」が
     徹底追及】…《悪名高い霊感商法の実態をいち早く取り上げ、誌面で
     大キャンペーンを張ったのが、朝日新聞社が出していた週刊誌
     「朝日ジャーナル」だった。ちなみに霊感商法と名付けたのもここ
     編集長は筑紫哲也。「豊田商事をしのぐ冷血の手口 霊感商法の巨大な
     被害」(1986年12月5日号)を手始めに徹底追及したのである》

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/311186

週刊誌からみた「ニッポンの後退」
TBS「報道特集」金平茂紀キャスター降板で20年前の「ザ・スクープ」打ち切りを思い出した
公開日:2022/09/11 06:00 更新日:2022/09/11 06:00

     (右手前が鳥越俊太郎氏。4人目が金平キャスター
      (C)日刊ゲンダイ)

 TBS「報道特集」の金平茂紀キャスター(68)が9月いっぱいで同番組のレギュラーを降板、その後は不定期出演の特任キャスターになると日刊ゲンダイ(9月2日付)が報じた。

 テレビに唯一残っていたジャーナリズムの灯がついに消える、そう思わざるを得ない。

 金平はモスクワ支局長を経て筑紫哲也の「NEWS23」編集長に就任。筑紫から多くのものを学んだ。2010年から「報道特集」のメインキャスターになり、硬派な語りと鋭い切り口で「時代を切り結ぶ姿」を視聴者に見せてきた

 安倍・菅政権時代の官邸は権力を振りかざし、己の気に入らないテレビキャスターたちを次々に降板させてきた。だが、金平の口を閉ざすことはできなかった。それがなぜ? 68歳という年齢を挙げる者もいるが、筑紫ががんのためにキャスターを降板したのは72歳である。

 金平は9月3日の同番組冒頭、「日本がプーチン大統領のロシアのように上から強制する国になったとは思いたくありませんが」と語った。この上というのは、社のトップのことであろう。

 私は20年前のことを思い出していた。鳥越俊太郎がテレビ朝日の「ザ・スクープ」を追われたときのことだ。当時は警察の裏金問題を徹底追及していた。番組打ち切りの方針が明らかになると、反対の声が上がり、弁護士、大学教授、ジャーナリストによる「存続を求める会」ができた。シンポジウムを開催し、共同通信元編集主幹・原寿雄は「アメリカでは、良質の報道番組が終わろうとすると新聞など他メディアがキャンペーンを行う。社会が番組を育て守る運動が、もっと日本で活発になっていい」と話した。署名活動も始め大きなムーブメントになった。

 末席にいた私は、藤田謹也弁護士らと3人で「番組を中止するな」とテレ朝に乗り込んだ。応対に出たのは、今は会長になり「テレ朝のドン」といわれている早河洋だった。

 早河はのらりくらりと焦点をぼかしていたが、「年に何回か特番をやる」という言質を取った。「ザ・スクープ」はその年の9月にレギュラー終了。年に何回かの特番が、やがて年1回になり、フェードアウトしていった。メディアの取材に鳥越は、「テレビにとって最低限守るものは何か、ということについてテレビ局がどこまで真剣に考えているのか、一抹の不安を感じる」と語っている。

 テレ朝は久米宏の「ニュースステーション」も潰して報道バラエティー「報道ステーション」に衣替えし、田原総一朗の「サンデープロジェクト」も打ち切った。

 そんな中でも金平「報道特集」は、原発や沖縄の基地問題に取り組み、ロシアがウクライナに侵攻した直後、金平自身がウクライナに入り現地報告した統一教会問題についても鋭く斬り込んでいる

 だが、この番組も「ザ・スクープ」の二の舞いになるような気がする。筑紫は、TBSのプロデューサーがオウム真理教側に事前にビデオを見せたことが大きな社会問題になった時、「NEWS23」で「TBSは死んだと思います」と語った。

 金平は朝日新聞の「論座」(8月4日)で「今のこの時代に正気でいることの困難さ、切実さ」と記している。金平を切ることでTBSは「2度目の死」を迎えることになる。 (文中敬称略)

(「週刊現代」「週刊フライデー」元編集長・元木昌彦
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●《「信教の自由」は無制限ではない…。外形的に法に触れる行為や反社会的行為があれば、制裁を受けるのは当たり前です》(南野森さん)

2022年09月24日 00時00分40秒 | Weblog

[※ 「「国葬」という憲法違反」(週刊金曜日 1391号、2022年09月02日) ↑]


(2022年09月07日[水])
カルト・反社に「信教の自由」など、在りはしない。反社の定義《暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団または個人》=統一協会…《自民党が大っぴらに反社とつながっていることに》なる。《日本人信者を食い物にした資金が、旧統一教会から北朝鮮の現体制に流れていた構図がある》(← どこが「反共」?)《法外な寄付を集め、家庭を崩壊させるような活動》《他人の不幸に付け込み…壺などを売りつけ、信者の家庭を破壊するカルト教団》…そんな統一協会に「信教の自由」なんて在りはしない。

   『●《他人の不幸に付け込み…壺などを売りつけ、信者の家庭を破壊する
       カルト教団に「信教の自由」などないことを、メディアは自覚すべき》

 《信教の自由は無制限ではない》、《外形的、客観的に違法行為や反社会的行為をすれば、それは当然取り締まりや制裁の対象になります「信教の自由」を錦の御旗(みはた)や隠れみのにして反社会的活動が許されることがあってはなりません》(南野森さん)。
 毎日新聞のインタビュー記事【旧統一教会と政治 「難しい憲法の問題ではない」 憲法学者が指摘】(https://mainichi.jp/articles/20220829/k00/00m/040/123000c)によると、《◆まさにおっしゃるとおりです。(ですが)私は割と簡単な問題だと理解しています。一言で言えば、「信教の自由は無制限ではないということです。宗教の儀式で人を殺せばその人は逮捕されるし、詐欺をやったら逮捕されたり、また損害賠償も請求されたりするでしょう。それだけのことです外形的に法に触れる行為や反社会的行為があれば、制裁を受けるのは当たり前です》。

 余談です。連合会長の「ト」な「反共」の原点…。この記事のきっかけはデモクラシータイムスの〝3ジジ〟での佐高信さんの発言だったかもしれません。【統一教会 / 国葬 / 五輪 / 原発 平野貞夫×佐高信×早野透【3ジジ放談】】(https://www.youtube.com/watch?v=S5BP4MW4saM)や【【横田一の現場直撃 No.179】◆教団「元締」安倍国葬に怒り ◆連合に統一教会の影? ◆フェイク飛交う沖縄知事選  20220905】(https://www.youtube.com/watch?v=tSQuDGh0FII)です。
 日刊ゲンダイのコラム【“共産党アレルギー”連合・芳野会長と旧統一教会の怪しい関係…会見で突っ込まれタジタジ】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/310864)/《国政選挙の前後くらいしか注目されない連合の定例会見が話題だ。なぜか? 「共産党アレルギー」で知られる芳野友子会長が反共を掲げる旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)との関わりを問いただされ、タジタジになったからだ。昨年10月に初の女性会長に就任してからというもの、野党共闘を強烈な言葉遣いで邪魔し、立憲民主党を揺さぶる女傑ぶりはどこへやら。やっぱり火のないところに煙は立たないのか。》《芳野氏が所属する労組JAMで副書記長を務めた労働運動アナリストの早川行雄氏が、「芳野友子新体制で危機に立つ連合」と題したリポートで〈芳野の反共思想は富士政治大学で指導されたもののようである〉と書いているほか、センターの影響が指摘されている。というのも、元民社党委員長が設立したセンターの理事長には、旧統一教会関連の世界平和教授アカデミー初代会長や世界日報の論説委員を歴任した松下正寿元参院議員(民社党)が就いていたからだ。大学校は組合員向け研修機関で、センターの教育部門である。教団とセンターの関係について芳野氏は「知りませんでした。調べないです。調べるつもりはないです」と取りつく島もなく、かえって怪しい。》

 一方、こんなこともありました…。《はからずも自民党と旧統一教会との関係を「点検」する幹事長が、公共の電波で教団との思想の一致をさらけ出し》ました、トホホ。
 日刊ゲンダイの記事【自民・茂木幹事長「日曜討論」で苦し紛れ論点ズラシ NHKでさらけだした旧統一教会との共通点】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/310919)/《「茂木幹事長」「事実無根」「誹謗中傷」がトレンド入り、大炎上だ。自民党の茂木幹事長が4日放送のNHK「日曜討論」に出演した際、突然「左翼的な過激団体と共産党との関係がずっと言われてきた」と発言。討論していた共産党の小池書記局長猛反発する場面があった。旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)問題について、茂木氏は「組織として自民党は関係ない」の常套句を連発。小池氏が自民党と教団との組織的な関わりを巡り、具体例を挙げて追及するたび、茂木氏はみるみる不機嫌な顔となり、イライラを隠せなかった》《苦し紛れの論点ズラシに、小池氏は「全く関係ありません公共の電波を使って自民党の幹事長が全く事実無根の話をしないでください過激な団体と共産党がいつ関係を持ちましたか共産党は最も厳しく対峙した政党です」と反発。発言撤回を求めたが、茂木氏は応じずニヤついていた。…この茂木氏の言い分、実は旧統一教会系の政治団体国際勝共連合の共産党批判そっくりだ。…はからずも自民党と旧統一教会との関係を「点検」する幹事長が、公共の電波で教団との思想の一致をさらけ出したのだ。茂木幹事長に事態収束を任せるのはムリだ》。

   『●統一協会汚染議員一掃…《支持者こそが提言しなければならない善後策
      …あれだけ奉り続けた…元首相が、彼らのせいで殺されたのだから》
   『●斎藤貴男さん《安倍政治の最大の罪は、民主主義を完全に形骸化し、
     日本社会を根底から腐らせたこと…》《ネポティズム》《冷笑主義の蔓延》
   『●《〈関連団体とは存じ上げませんでした〉…「統一教会の何が問題
     なのか正確に承知していません」…しらじらしいにも程がある》お維
   『●悍ましい構図…さらには、アベ様が票の差配までするほどズブズブ
       ヅボヅボだった訳ですが、そんな自民党に投票するとはねぇ…
   『●統一協会…《自民党の政策決定や政権運営にどのような影響があった
     のか、真相を解明して再発防止策を講じる》べきなのに、全くその気無し
   『●憲法53条…《本来国会は開かなければならないが、安倍内閣では
     その要求を無視し続けていたことがある。岸田政権も応じる気がない》
   『●《自民党右派…政界の右派のみならず、それを支える日本最大の右派
     改憲団体、日本会議など》も統一協会と《「蜜月」関係を築いてきた》??
   『●統一協会が《法令に反するなどの例》は山のようにある訳で、《実体が
       変わらないのに、名称を変えることはできない》ことに何の問題?
   『●第2次キシダメ改造内閣の悲惨な船出 ―――― 統一協会非汚染者
     による組閣や役員人事もままならない、ズブズブヅボヅボな自民党…
   『●《安倍元首相の側近で、安倍派内ではポスト安倍の一番手》だった
     萩生田光一政調会長は加計学園問題等だけでなく、やはりヅボヅボだった…
   『●《保守の安倍が反日カルトとつながった》? 《保守ではなく、反日の
     エセ保守…支持してきたのは新自由主義勢力と政商とカルトの複合体》
   『●【適菜収 それでもバカとは戦え/戦後を代表する“ホラ吹き”安倍
    元首相の「思い出に残るデマと嘘」】…息吐く様にウソをつくアベ様
   『●《他人の不幸に付け込み…壺などを売りつけ、信者の家庭を破壊する
       カルト教団に「信教の自由」などないことを、メディアは自覚すべき》
   『●統一協会事件と教育破壊…《安倍の出身派閥・清話会の指定席》な文科相
     の系譜の酷さ…《下村博文、馳浩、松野博一、…柴山昌彦、萩生田…》
   『●票の差配をするほどズブズブヅボヅボなアベ様という壺の蓋…《壺の蓋が
            吹っ飛んで…中から…熟成された汚物が出てくる、出てくる…》
   『●《この国の為政者たちが誰を見て誰のために政治をやっているのか、
     憲法改定をはじめとする諸政策が目指す方向性とも深くかかわっている》
   『●《元首相が殺害されて以降の岸田氏は権力欲の権化だ。統一教会で大揺れ
      の政局に乗じて…国民支配をもくろむ。…民意ごとき屁でもない…》
   『●《自慢の「聞く力」とはなんだったのかと思わせるほど、国民世論はまる
     で耳に入っていないし、いわんや「バカ」呼ばわりまでしてバカ》なの?
   『●《7月に…安倍晋三元首相の葬儀に陸上自衛隊の儀仗隊が参列…防衛相の
       指示で行った…。当時の防衛相は安倍氏の実弟の岸信夫氏だった》
   『●予備費…《財政民主主義は、国会での議論や議決のない税金の使い方を
        防ごうと憲法からタガをはめているものだ。国葬への支出はこれに反する》

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https://mainichi.jp/articles/20220829/k00/00m/040/123000c

旧統一教会と政治 「難しい憲法の問題ではない」 憲法学者が指摘
毎日新聞 2022/8/30 05:00(最終更新 8/30 10:23)

     (日本外国特派員協会での記者会見に臨む世界平和統一
      家庭連合(旧統一教会)の田中富広会長(左)=
      東京都千代田区で2022年8月10日午後3時1分、
      猪飼健史撮影)

 安倍晋三元首相の銃撃事件を契機に、宗教団体・世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と政治家に関するニュースが相次いでいる。「信教の自由」や「政教分離」といった憲法の観点からどのような問題があるのだろうか。憲法学が専門である九州大南野森(みなみの・しげる)教授に尋ねると、「難しい憲法上の問題と捉えるべきではないんです」と予想外の答えが返ってきた。【聞き手・佐野格】


 ――旧統一教会と政治家に関する問題をどう捉えていますか。

 ◆旧統一教会の問題は1980年代から取り沙汰されていて、私が大学に入った89(平成元)年は旧統一教会が盛んに活動していた頃でした。知り合いでしつこく勧誘された人や、入会してしまった人もいて、そういう個人的な経験もあったことから、九州大に着任した20年前から学生に注意喚起を続けてきました。

 ただ、メディアも、大学も、宗教が絡んでいるということで及び腰なところがあり、学生に十分な注意喚起ができていませんでした。今回の事件を機に、ワイドショーなどでもこの問題が取り上げられるようになったことはある意味で良かったと思っています。

 一方で、安倍元首相の銃撃事件は許すことのできない暴力です。こういう事態が起きる前に、メディアも含めて旧統一教会の問題を何とかできなかったのかなという気はしています


 ――私たちメディアも、そして社会も、感覚が鈍っていた部分があったのかもしれません。大学生の時の経験をもう少し教えていただけますか。

 ◆旧統一教会に入会したのは大学の先輩でした。プロテスタントの牧師さんのところへ連れて行くなど、説得活動を私も一生懸命やりました。その先輩の自宅に旧統一教会の人が来るというので、私のアパートにかくまったこともありました。それでも最終的にはどうしようもありませんでした。いつのまにか連絡も取れなくなってしまいました。

 新興宗教は多かれ少なかれ、勧誘活動が激しいこともあります。けれども旧統一教会は他の宗教とは別です違法行為・不法行為を繰り返していますし、自分たちが宗教であることを隠してアプローチしてくるところも決定的に他の宗教団体とは違います


 ――私は無宗教ですが、憲法の「信教の自由」は大切な権利だと理解しています。一方で、この点が旧統一教会の問題を複雑にしている気もします。

 ◆まさにおっしゃるとおりです。(ですが)私は割と簡単な問題だと理解しています。一言で言えば、「信教の自由」は無制限ではないということです。宗教の儀式で人を殺せばその人は逮捕されるし、詐欺をやったら逮捕されたり、また損害賠償も請求されたりするでしょう。それだけのことです外形的に法に触れる行為や反社会的行為があれば、制裁を受けるのは当たり前です

 大学の法学部で憲法を学ぶと「加持祈禱(かじきとう)事件」という判例が出てきます。ある僧侶が激しい加持祈禱をし過ぎて、女性がやけどなどのショックから心臓まひで亡くなる事件がありました。傷害致死罪に問われた僧侶側は「宗教行為だ」として「信教の自由」を主張したのですが、裁判所はそんな理屈は認めませんでした

 外形的、客観的に違法行為や反社会的行為をすれば、それは当然取り締まりや制裁の対象になります「信教の自由」を錦の御旗(みはた)や隠れみのにして反社会的活動が許されることがあってはなりません

 例えば、旧オウム真理教も彼らの理屈としては殺人ではなく「ポアする」と正当化していましたが、問題は法に照らして客観的、外形的にそういう許されない行為をやっているかどうかですよね。最高裁判例が示しているように、「信教の自由」の保障は絶対無制限なものではないのです。

 一方で、私たちは「旧統一教会の教えが間違っている」ということは言えません。そこは解釈の違い、信仰の違いであり、立ち入ることはできません。カトリックの教義からすればどうだ、ギリシャ正教の教義からすればどうだと言うことは言えるとしても、政府や裁判所が、特定の信仰や教義を正しいとか間違っているとか言うことはできません


 ――自民党を中心に、多くの政治家が旧統一教会やその関連団体のイベントに出席したり、選挙協力を受けたりしていたことが指摘されています。家族観などで考え方が近い保守系の政治家は「票がもらえるならば」と付き合っている部分もあったのだろうと思われますが、宗教団体と政治の距離感についてはどう考えますか。

 ◆新興宗教でも伝統宗教でも、政治家が宗教団体と付き合うこと自体は問題ありません。信者から献金をもらう。選挙を手伝ってもらう。票をもらう。公選法や政治資金規正法などに違反しない限り、それは悪いことではありません。

 ところが、旧統一教会については、一般的な宗教団体と政治家の関係としてくくるべきではありません

 それはなぜか。公明党の北側一雄副代表は旧統一教会について「反社会的な団体」と指摘していましたが、そうした団体の宣伝に利用されてし……。

 ………。
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●統一協会が《法令に反するなどの例》は山のようにある訳で、《実体が変わらないのに、名称を変えることはできない》ことに何の問題?

2022年08月30日 00時00分44秒 | Weblog

[※ 「自民党と旧統一教会の闇」(週刊金曜日 1386号、2022年07月22日) ↑]


(2022年08月20日[土])
そりゃぁそうだ…ウソ吐きについて、文科省道徳教育教材『わたしたちの道徳』に載せるべき。下村博文案件ということは、これまたアベ様案件ということ。銃撃されたからと言って、アベ様案件が一つとして解決してはいない。
 共同通信の記事 (2022/8/5 14:51)【改称は下村博文氏の意思働いたと前川氏】(https://nordot.app/928163868524937216)によると、《前川元文科事務次官は野党合同ヒアリングで、旧統一教会の改称について「当時、文部科学相だった下村博文氏はイエスかノーか意思表明する機会があった。意思が働いていたのは100%間違いない」と述べた》。

 西田直晃・木原育子両記者による、東京新聞の記事【「統一教会」の名称変更手続きは本当に機械的だったのか 悲願の重大案件なのにずさんだった申請書類とは】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/195082)によると、《2015年、文部科学省・文化庁への申請が認証され、「世界平和統一家庭連合」へ名称変更を果たした旧統一教会。事前の大臣報告など異例な経緯が注目されるが、新たに、同教会が文化庁への申請時に「名称変更の申請を受理・認証しないのは違法行為と主張していたことが分かった。文科省側もこの主張を追認し、いわば機械的に認証したという。しかし、本当にそうなのか。》
 さらに、《前川氏は「受理するから出せという働き掛けが有力な政治家からあったのでは実際に申請が不認証になれば、欠格があると思われてその宗教団体は終わり認証してもらえる確信があったから出したというのが自然だ」と話す》。これは相当に重要な指摘である。「政治の力」が働いたわけだ。それが「天啓」の正体。
 宮本徹衆院議員も《「極めてずさん。旧統一教会にとって名称変更は大一番で、何度も書類を確認して、ミスがないよう入念に行うはずだ。よくもあんな適当な形で提出できたと思った」。さらにお粗末なことに、文科省側は宮本氏が指摘するまでこの事実に気付いていなかった名称変更は、文科相に報告する重大案件だった。宮本氏は「提出する前にすでに政治家側と話は済んでおり、手抜き文書での提出は、結論ありきの認証だったのではないかと疑念がわいた」》と指摘しておられる。

 《やらざるを得ない事情》とは何だったのでしょうね? 《ですから、名称変更は何らかの政治的圧力がなければ絶対に起きないことです政府あるいは自民党でしょう。公明党のはずはありませんし。自民党の政治家から出てきた話であることは間違いありません》。
 以前引用したインタビューの最後を、前川喜平さんは、以下のようにまとめている。《カルト対策が進まないのは、政治家と宗教団体が持ちつ持たれつの関係だからです。政治家は集票や選挙中の勤労奉仕を期待し、教団側は所轄庁や税務署との緩衝材の役割をあてにする》、《図らずも、銃撃事件によって政治家とカルトの関係が明るみに出て、カルト問題を顕在化させた。対策を取らないのは政治の怠慢だと思います》。

 そもそも、ありゃぁ「宗教」なのかね? 宗教に失礼だし、教会に失礼。当初、アレ自身も「教会」と称していないのに、「教会」と呼ぶことに凄い抵抗がある。あの実状を知った上で、「宗教」団体の解散命令もしない行政って、マトモなのかね。アレはカルトでしょうに。

   『●《私は意見を言いません、強いものの近くにいたいのです、という宣言
      に、音楽業界の偉い人がすり寄っているという光景は、あまりに…》
   『●前川喜平さん《「暴力と言論」…言論の衰退と暴力の増長の悪循環を
     止めるには言論を立て直すしかない。だから今言論が委縮してはいけない》
   『●《メディアコントロール》という置き土産 … 《新聞・テレビはこの
      宗教団体の名前を報じていないが、ネット上では「統一教会」…》
   『●《彼のしたこと、しようとしてきたことはただただカネ儲け、戦争が
     できる国への道づくりだった》…それを支持する「1/4」と「2/4」
   『●《「民主主義への挑戦・冒涜」という点で言えば、それこそ安倍政権の
        8年とは、まさに民主主義への挑戦と冒涜、否定の連続であった》
   『●《元首相の死によってすべての疑惑を闇に葬り去るどころか、安倍氏を
     神格化しようとしている》…「民主主義を断固として〝破壊〟する決意」
   『●「不気味な兆候」は既に現実になっている…《まさに言論の砦たる
        メディアとメディア人の役割が問われています》(青木理さん)
   『●《少数意見を尊重し、歩調を合わせようと努めて議論を重ね、成り
     立ってきた戦後民主主義ではないか。それを「聞かない」とは。…》
   『●《メディアコントロール》は続いている…《だからといって、政治》と
     統一協会の《関係について徹底追及がおこなわれているわけではない》
   『●武田砂鉄さん《繰り返し問題視されてきた団体…付き合いが深い議員…。
      再発防止のためにも、宗教と政治の関係を洗い出すのが必要不可欠》
   『●つまり、アベ様は《堂々と、司法の場でも違法性が指摘されている》
     統一協会の《実質トップの名前を自ら挙げ、敬意を表したのである》
   『●キシダメ首相は「民主主義を断固守る」ために国葬を行うというが、
     (政界地獄耳)《よほど民主主義を逸脱し独裁的ではないのか》?
   『●統一協会名称変更問題…《実体が変わらないのに、名称を変えることは
         できない》はずなのに、《あり得ない》ことがなぜ可能になったの?
   『●元文科相からして、統一協会とズブズブだったのではないのか? 反面
      教師として、文科省道徳教育教材『わたしたちの道徳』に載せては?
   『●伊達忠一前参議院議長が元総理に統一協会票を依頼したと驚きの証言…
     《今回…安倍さんは…。『井上(義行氏)をアレ(支援)するんだ』…》
   『●汚染責任者アベ様という壺の蓋が割れた瞬間に、自民党“統一協会汚染”
      物質が壺から噴出…衆参院議長、防衛相、文科相、国家公安委員長…
   『●《暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団または
     個人》=統一協会…《自民党が大っぴらに反社とつながっていることに》
   『●茂木敏充幹事長、統一協会と「党としては一切関係がない」…《その
     爛れた関係が岸信夫防衛相や二之湯智国家公安委員長、末松信介文科相…》
   『●《法外な寄付を集め、家庭を崩壊させるような活動が問題に…次々と関与が
       判明する自民党こそ、教団との関係を国会の場で丁寧に説明すべき》
   『●《このように安倍氏の一存で統一教会の組織票の差配が決まっていたと
     すれば…》…もはや開いた口が塞がらないよ。どこまでズブズブだったの?
   『●安田菜津紀さん《安倍政権とは何だったのか…「強きにすり寄り、
      弱きをへし折る政権」…「引き継がれた『膿』を出し切るのはこれから」》
   『●統一協会汚染議員一掃…《支持者こそが提言しなければならない善後策
      …あれだけ奉り続けた…元首相が、彼らのせいで殺されたのだから》
   『●斎藤貴男さん《安倍政治の最大の罪は、民主主義を完全に形骸化し、
     日本社会を根底から腐らせたこと…》《ネポティズム》《冷笑主義の蔓延》
   『●《〈関連団体とは存じ上げませんでした〉…「統一教会の何が問題
     なのか正確に承知していません」…しらじらしいにも程がある》お維
   『●悍ましい構図…さらには、アベ様が票の差配までするほどズブズブ
       ヅボヅボだった訳ですが、そんな自民党に投票するとはねぇ…
   『●統一協会…《自民党の政策決定や政権運営にどのような影響があった
     のか、真相を解明して再発防止策を講じる》べきなのに、全くその気無し
   『●憲法53条…《本来国会は開かなければならないが、安倍内閣では
     その要求を無視し続けていたことがある。岸田政権も応じる気がない》
   『●《自民党右派…政界の右派のみならず、それを支える日本最大の右派
     改憲団体、日本会議など》も統一協会と《「蜜月」関係を築いてきた》??

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/195082

「統一教会」の名称変更手続きは本当に機械的だったのか 悲願の重大案件なのにずさんだった申請書類とは
2022年8月11日 06時00分

 2015年、文部科学省・文化庁への申請が認証され、「世界平和統一家庭連合」へ名称変更を果たした旧統一教会。事前の大臣報告など異例な経緯が注目されるが、新たに、同教会が文化庁への申請時に「名称変更の申請を受理・認証しないのは違法行為と主張していたことが分かった。文科省側もこの主張を追認し、いわば機械的に認証したという。しかし、本当にそうなのか。当時の状況をあらためて検証してみる。(特別報道部・西田直晃、木原育子

【関連記事】旧統一教会、19年越しで名称変更のなぞ 下村文科相在任中に突如実現


◆97年には名称変更突っぱねた文科省

 「名称が団体の実態と対応しておらず、所管官庁の担当課長として責任を持って対処した

 あらためてこう語るのは1997年、文化庁宗務課長として旧統一教会が持ちかけた名称変更を断った前川喜平氏だ。「悪質商法などの問題が指摘されている中、新名称は団体の実態との同一性を欠いていた申請しても不認証だと伝えると、教会側も納得していた」と当時を振り返る。

 95年にオウム真理教が関わる一連の事件が起き、カルト教団の暴走を危険視する風潮もあった。宗教団体の透明性を高めるため、施行から手付かずだった宗教法人法が改正され、複数の都道府県にまたがって活動する教団の所管庁が知事から文部相(当時)に変更された。「それ以前は対宗教団体に性善説を採っていたが、認証に慎重な姿勢を取るようになった。課内で解散命令を出すかどうか検討したこともある

 実際、宗務課長だった前川氏は、国会の場でも旧統一教会に厳格な姿勢を示していた。会議録によると、98年4月の衆院法務委員会で、教団への認識を問われ、「協会から任意に事情聴取するということはこれまでもしてきている」と答弁。「訴訟の動きを見ているが、解散命令の請求に当たるとは判断しておらず、今後とも関心を持って見守りたい」と結んでいる。


◆「不受理の違法性」指摘され

 末松信介前文科相はこれまでの会見で、「申請書の必要記載事項に不備がなく、形式上の要件に適合すれば受理する必要がある」と繰り返し述べてきた。文科相の諮問機関「宗教法人審議会」に諮る選択肢の有無を尋ねられると、「認証を決定しており、必要はなかった。諮問は教団に不利益な場合だけ」と説明。15年8月の名称変更は、教団の弁護士から「不受理の違法性を指摘された」ことがきっかけになったという。

     (記者会見する世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の
      田中富広会長(左から2人目)=10日午後、
      東京都千代田区の日本外国特派員協会で(AP))

 教団も同様の主張を展開する。10日に会見した田中富広会長は「いかなる名称を名乗るかは、憲法で保障されている」「法令に反するなどの例がなければ、認証の義務を負う。争うことは避けるべきだと考えていたが、相談を重ねても文化庁が拒絶する以上、訴訟もやむを得ないと15年に判断した」と強調した。

 宗務課長時代、全国霊感商法対策弁護士連絡会への聞き取りなどを通じ、教団の現状の把握に努めてきたという前川氏。同課はその後も現状把握をしてきたという。「法に明文化されているわけではないが、所管庁が責任ある対応として、実態を精査するのは当然申請受理すなわち認証ではなく末松氏はこの2つを意図的に混同させている

 同連絡会によると、教団は97年以降も、文化庁に名称変更をたびたび求めていた。不審なのは、2015年にいきなり申請が認められたこと。当時、文科審議官として名称変更の報告を受けた前川氏は「受理するから出せという働き掛けが有力な政治家からあったのでは実際に申請が不認証になれば、欠格があると思われてその宗教団体は終わり認証してもらえる確信があったから出したというのが自然だ」と話す。


◆黒塗りにされた記録には何が…

 文科省も旧統一教会側も、名称変更に問題はなかったとするが、ならばなぜ? と思わせる資料もある。共産党の宮本徹衆院議員が文科省に名称変更に関する資料を求めたところ、「規則変更理由」など重要部分が黒塗りされて出てきた。「肝心な部分は黒塗り応接記録も出してほしかったが、『確認中』のままで今も出てこないこのままうやむやにしたいのだろう

 さらに、宮本氏が気付いたことがある。名称変更の申請書類は法律上、新旧の名称部分だけでいい。新規則は添付しなくても認証の結果に影響しないが、教会側は添付。ただ、添付文書は、新規則でも旧規則でもなく、旧規則の一部を直し始めた、直しかけのものが添付してあった

 「極めてずさん。旧統一教会にとって名称変更は大一番で、何度も書類を確認して、ミスがないよう入念に行うはずだ。よくもあんな適当な形で提出できたと思った」。さらにお粗末なことに、文科省側は宮本氏が指摘するまでこの事実に気付いていなかった

 名称変更は、文科相に報告する重大案件だった。宮本氏は「提出する前にすでに政治家側と話は済んでおり、手抜き文書での提出は、結論ありきの認証だったのではないかと疑念がわいた」と話す。


◆「新たな被害者」との指摘は無視された

 申請審査はこんな調子だったのに、一方で聞くべき声は無視された

 名称変更申請の3カ月前、全国霊感商法対策弁護士連絡会は、下村文科相あてに「統一教会の名称変更申請について」とする申し入れ書を出していた。名称変更は、統一教会の名称が悪評として広まっていることから、「名称変更して新たな被害者を獲得するとともに、被害回復請求を抑制する目的で行うものだ」と指摘、変更を認証しないよう求めたものだった

 連絡会代表世話人の山口広弁護士は「幹部に聞いたという末端の信者からの内部情報で、その年の2月に開いた責任役員会議で、名称変更が決定されたと聞いた。これは本気を出してきたなと思った」と振り返る。文化庁の担当者に問い合わせたところ、「そんな動きはありませんよ」などと言われたのを覚えている。

 だが、その後、6月2日に名称変更申請があり、8月26日に認証ととんとん拍子に進んでいった。「国側からも連絡はなく、教団側が新名称を使い始めて、初めて名称が変わったことを知った。名称変更に関する申し入れの本来の目的は、旧統一教会の解散命令を出してもらうことだったのに」と山口氏は悔恨を込めて話す。


◆そもそも名前を変えたかった理由は何なのか

 それにしても本来、宗教団体にとって教団創立以来の名称は教義にもからむ大事なもののはず。それをどうしても変えたいというのは一般には理解しがたい。

 北海道大大学院の桜井義秀教授(宗教社会学)は「何代にもわたりその名で信者を獲得していく中で、宗教団体の名称変更は通常、マイナスでしかない。ただ、統一教会はそのままでいる方がマイナスで、変えたかったのだろう」と説明する。「旧名の世界基督教統一神霊協会は世界のキリスト教を統一する意味があった。新名称は社団法人か財団法人でもいいような名で、理念も捨てているかのような見方もできる」

 申請を受理しないと違法行為という旧統一教会側の主張については「受理しないのは違反だが、認証するか否かは宗務課の判断に任されている」と話す。

 実際、都道府県などが宗教法人からの申請を不認証とするケースはしばしばある申請は機械的に認証されているわけではない

 桜井氏はこう語った。「それよりも、認証に至った経過や理由などが隠されたりあいまいなままにされていることの方が問題だ


◆デスクメモ

 普通、18年間も「ダメですよ」と言われ続ければ、断念しそうなもの。それが突如、法的措置辞さずと強気に転じた。実際には不認証に至る可能性もあるのに。何かの「天啓」があったのかそれはどこから発せられたか。結局、疑問は「なぜ2015年だったのか」に戻ってくる。(歩)

【関連記事】旧統一教会、19年越しで名称変更のなぞ 下村文科相在任中に突如実現
【関連記事】旧統一教会と岸一族と北朝鮮 この奇妙な三角関係をどう考えるべきか
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●汚染責任者アベ様という壺の蓋が割れた瞬間に、自民党“統一協会汚染”物質が壺から噴出…衆参院議長、防衛相、文科相、国家公安委員長…

2022年08月11日 00時00分30秒 | Weblog

[※ 「自民党と旧統一教会の闇」(週刊金曜日 1386号、2022年07月22日) ↑]


(20220730[])
汚染責任者アベ様という壺の蓋が割れた瞬間に、自民党“統一協会汚染”物質が壺から噴出…衆参院議長、防衛相、文科相、国家公安委員長…。自民党とズブズブじゃん。
 日刊ゲンダイのコラム【「知らなかった」と大嘘 自民党“統一教会汚染”議員の見苦しい言い訳】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/308941)によると、《まさに“総汚染”である。旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)と自民党議員との癒着が次々に明らかになりはじめている。現職大臣だけでも3人が旧統一教会と関わっていたことが発覚している。二之湯国家公安委員長は、2018年に旧統一教会の関連団体が開催したイベントの実行委員長…》。

 自民党と統一協会の関係やその実態…今、明らかにせずに、いつやるのか?
 長周新聞の記事【記者座談会 安倍晋三は神様なのか? やるなら統一教会葬でどうぞ 英雄扱いする報道の異様さ】(https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/24185)によると、《カルト宗教である統一教会への恨みから、その親派として元首相が射殺されるという衝撃的事件から1週間以上が経過した。その後、メディアは気味悪いほど元首相である安倍晋三の神格化に勤しみ、お涙頂戴キャンペーン一色に染まっている。問題の宗教団体と自民党の癒着やその構造、戦後からこの方に至る歴史的な経緯、政教分離の実態について迫るものは乏しく、むしろ亡くなった途端に生前の数々の疑惑は帳消しとなり、まるで国家の英雄であったかのような持ち上げっぷりである。そして、岸田政権はあろうことか吉田茂以来、55年ぶりの国葬(開催費用はすべて国家負担)を実施するなどといい始め、その是非を巡って波紋が広がっている。各種媒体や関わってきた弁護士等々の努力によって、徐々に明るみになってきた自民党と統一教会の関係やその実態…》。

 清水潔さんのつぶやき:

―――――――――――――――――――――――――――――――
https://twitter.com/NOSUKE0607/status/1551431511626330112

清水潔@NOSUKE0607

かつての首相が深く関わった宗教。そのトラブルに起因して溺愛していた孫の元首相が殺害されるというストーリーがかなり怖い。

さらにその容疑者の自供を無きものにするため精神鑑定し、国葬で全てを終わらせる政府という続編に凍りつく夏。
……

午後1:57  2022年7月25日
―――――――――――――――――――――――――――――――

 前川喜平さん《カルト対策が進まないのは、政治家と宗教団体が持ちつ持たれつの関係だからです。政治家は集票や選挙中の勤労奉仕を期待し、教団側は所轄庁や税務署との緩衝材の役割をあてにする》、《図らずも、銃撃事件によって政治家とカルトの関係が明るみに出て、カルト問題を顕在化させた。対策を取らないのは政治の怠慢だと思います》。
 《さらにその容疑者の自供を無きものにするため精神鑑定し、国葬で全てを終わらせる政府》…怖すぎます、ニッポン。自公お維コミに投票した「1/4」、選挙に行かないことで間接的に自公を支持した「2/4」がもたらしたニッポンの惨状、あとの祭りだ。いま、自民党と統一協会のズブズブの関係を炙り出せないようであれば、お終いだね。

   『●「統一協会、暴力団、日本会議に神道議員連盟…どうするの」と
     ヤジり返して、アベ様にそれらの真偽を確認してもらうべきだった
   『●あとの祭り…《故人の過大評価、美化・神格化…「安倍元首相の悲願は
        憲法改正」「憲法改正が安倍元首相の夢だった」》の垂れ流し…
   『●《二〇二一年時点で民主主義国は八十九で、権威主義国は九十。世界人口
       の七割の約五十四億人が権威主義下で暮ら》す…91国目に堕ちる?
   『●《私は意見を言いません、強いものの近くにいたいのです、という宣言
      に、音楽業界の偉い人がすり寄っているという光景は、あまりに…》
   『●前川喜平さん《「暴力と言論」…言論の衰退と暴力の増長の悪循環を
     止めるには言論を立て直すしかない。だから今言論が委縮してはいけない》
   『●《メディアコントロール》という置き土産 … 《新聞・テレビはこの
      宗教団体の名前を報じていないが、ネット上では「統一教会」…》
   『●《彼のしたこと、しようとしてきたことはただただカネ儲け、戦争が
     できる国への道づくりだった》…それを支持する「1/4」と「2/4」
   『●《「民主主義への挑戦・冒涜」という点で言えば、それこそ安倍政権の
        8年とは、まさに民主主義への挑戦と冒涜、否定の連続であった》
   『●《元首相の死によってすべての疑惑を闇に葬り去るどころか、安倍氏を
     神格化しようとしている》…「民主主義を断固として〝破壊〟する決意」
   『●「不気味な兆候」は既に現実になっている…《まさに言論の砦たる
        メディアとメディア人の役割が問われています》(青木理さん)
   『●《少数意見を尊重し、歩調を合わせようと努めて議論を重ね、成り
     立ってきた戦後民主主義ではないか。それを「聞かない」とは。…》
   『●《メディアコントロール》は続いている…《だからといって、政治》と
     統一協会の《関係について徹底追及がおこなわれているわけではない》
   『●武田砂鉄さん《繰り返し問題視されてきた団体…付き合いが深い議員…。
      再発防止のためにも、宗教と政治の関係を洗い出すのが必要不可欠》
   『●つまり、アベ様は《堂々と、司法の場でも違法性が指摘されている》
      統一協会の《実質トップの名前を自ら挙げ、敬意を表したのである》
   『●キシダメ首相は「民主主義を断固守る」ために国葬を行うというが、
      (政界地獄耳)《よほど民主主義を逸脱し独裁的ではないのか》?
   『●統一協会名称変更問題…《実体が変わらないのに、名称を変えることは
        できない》はずなのに、《あり得ない》ことがなぜ可能になったの?
   『●元文科相からして、統一協会とズブズブだったのではないのか? 反面
      教師として、文科省道徳教育教材『わたしたちの道徳』に載せては?
   『●伊達忠一前参議院議長が元総理に統一協会票を依頼したと驚きの証言…
     《今回…安倍さんは…。『井上(義行氏)をアレ(支援)するんだ』…》

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https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/24185

記者座談会 安倍晋三は神様なのか? やるなら統一教会葬でどうぞ 英雄扱いする報道の異様さ
2022年7月21日

 カルト宗教である統一教会への恨みから、その親派として元首相が射殺されるという衝撃的事件から1週間以上が経過した。その後、メディアは気味悪いほど元首相である安倍晋三の神格化に勤しみ、お涙頂戴キャンペーン一色に染まっている。問題の宗教団体と自民党の癒着やその構造、戦後からこの方に至る歴史的な経緯、政教分離の実態について迫るものは乏しく、むしろ亡くなった途端に生前の数々の疑惑は帳消しとなり、まるで国家の英雄であったかのような持ち上げっぷりである。そして、岸田政権はあろうことか吉田茂以来、55年ぶりの国葬(開催費用はすべて国家負担)を実施するなどといい始め、その是非を巡って波紋が広がっている。各種媒体や関わってきた弁護士等々の努力によって、徐々に明るみになってきた自民党と統一教会の関係やその実態について見ながら、記者たちで議論を深めてみた。


 A その後のメディアの扱いがあまりにも酷すぎると各所で話題になっている。異様さを感じとっている人は少なくない。こぞって「悲しみに暮れる日本国民みたいなものばかりを強調し、泣きながら献花を捧げる人にインタビューしたりして、まるで「安倍晋三天皇」の如く偶像崇拝しているのに特徴がある。突然射殺されて、それ自体ショッキングな事件であることは疑いないが、「日本国の父・安倍晋三様の逝去みたいな世界観が滲み出ていて、極めて宗教的であるし気色悪さすら感じる
 淡々と事実報道に徹すればいいのに、同調圧力をともなったプロパガンダを仕掛けている。ウクライナを巡ってもそうだが、異論は許さぬといわんばかりに染め上げていく。ファッショ的だ。小学生が「安倍元首相は天に昇られるのだと思います」とインタビューに答えているのを見て、「天に昇る」ってまさに統一教会の教えじゃないのか? ひょっとして信者に動員かかってるんじゃないの? と鳥肌が立ったほどだ。いったい延々と何を見せられているんだろうか…と思う。「鬱陶しいからテレビを消す」という人も多い。

 B 何年か前に選挙の街頭演説で「安倍帰れ!」コールをくらって、「あんな人たちに負けるわけにはいかない」と叫んだ後の街頭演説を東京で取材していた際、アンチに対抗して脇を固めるように応援部隊として動員されていたのは明らかに宗教団体だった。今思うに統一教会だったのではないかという気がしてならないが、一般人ではない人々、勢揃いするように目つきの厳しい集団が一群を占めていて、異様な光景だったことを思い出す。安保法制を巡って国会前に群衆が押し寄せていた際も、それに対して統一教会の学生組織が安倍晋三支持でデモを仕掛けるなど、きわめて戦闘的な印象がある。統一教会が安倍親衛隊として動いていたのだろう。
 いずれにしても、その後のキャンペーンはあまりにも安倍晋三を持ち上げ過ぎで、生前の実態についてかき消すように神様扱いしていて驚かされる。日本会議とか統一教会、あるいは安倍晋三教団の信者でもない者としては、事件そのものへの衝撃こそあれ涙を流すほどの感情もないし、そこに同調せよと迫られても正直引く。偶像崇拝したい人々がいるなら勝手に崇拝すれば良いしそれは自由だと思うが、周囲に迫ってくる圧がそれこそ統一教会ではあるまいか? と思うほど強引なのだ。「立派な政治指導者だった」「国のために尽くした偉人だった」と思わない人々は、サタンにとり憑かれているとでもいい出しかねない空気が煽られている個人崇拝も大概にしなければならない

 C とはいえ、世間はメディアが思うほどプロパガンダに染まっていないし、冷静に眺めている人がほとんどだと思う。国葬についても「やるならホテル・ニューオオタニで会費は5000円サントリーが酒を無料提供し、統一教会葬として実施したらよいのではないか」と桜を見る会前夜祭に重ねて提案する声だってある。それに共感する人々も意外に多い。本当にその通りだなと思う。死に様が衝撃的だったとはいえ、それだけをもってどうして国家あげて葬儀する必要があるのかと――
 国葬に法的根拠もないが、どうして統一教会との密接な関係があったが故に狙われた一人の政治家に対して、統一教会の信者でもない者までが「一億総喪中」をしなければならないのかだ。ボスを失って安倍派とか清和会が悲しいというなら、彼らが政教分離など知ったことかと宣言して、統一教会や日本会議などといっしょに身内でやればよいだけで、国家あげて天まで持ち上げて葬儀をあげるなどどうかしている。吉田茂以来55年ぶりというが、だいたい吉田茂の国葬そのものがおかしいのだアメリカの対日支配に協力した為政者ほど崇め奉られるようなのが伝統なのかだ。

 D 国費を投じた国葬といっても、どうせ電通とかパソナが請け負うんだろうと思うとゲンナリする。なんのことだか。それで国をあげてのお涙頂戴キャンペーンが秋になってもまだくり広げられ、「一億総号泣」でもしろというのだろうか。いい加減にしてもらいたい。

     (統一教会の関連団体・UPF(宇宙平和連合)の大会に
      送られた安倍晋三元首相のメッセージ)

 A 今回の事件は、自民党のなかでもとりわけ清和会と宗教団体との歴史的なつながりが仇になったもので、日本の政治の裏側を引きずり出すものになった。日本の独占大企業や資本家にとって、またその上段に君臨して戦後の対日支配を実行してきたアメリカにとって、岸信介(CIAのエージェント)から安倍晋三につながる政界の権力というのは、彼らが与えて育んできた権力にほかならない。いわゆる戦後の冷戦期から今日に至る右の軸なわけだ。そこにカネが集まるから最大派閥というものができあがり、日本の政界において隠然たる地位を築くことができたのだ。
 自民党の結党資金をCIAが提供していたことなども既に周知の事実ではあるが、親米右派であったり、親米左派をも培養し、いわば右手と左手を使いこなしながら対日支配を実行してきたのがアメリカだ。そのなかで、統一教会や勝共連合も右派運動の一翼として存在を認められ、右派政治家たちと密接な関係を切り結びながら今日に至るも活動をくり広げているに過ぎない。「神様のご加護」ではなく「為政者及び権力者のご加護」、力添えのおかげで統一教会みたいな宗教団体がのさばり、どれだけ信者が苦しもうが存在を許されてきたのだ。

 C 「統一教会はCIAがカネを突っ込んでつくった右派セクター」という指摘もあるが、教祖の文鮮明とつながってその設立に関わった岸信介自身がCIAのエージェントとして戦後の歩みを進めたわけで、まったく無関係とも思わないし、特にビックリ仰天するような話でもない。60年安保とか70年安保など、冷戦期の激動の時代にあって、対日支配の道具として過激な右側である国際勝共連合は育まれたし、その必要から笹川良一や岸信介が立ち上げたのだ。
 だいたい世界中で宗教組織、テロ組織を培養して政権転覆なり恐怖支配をくり広げてきたのがCIAで、謀略などなんでもあり。その基準は民主主義の実現とか善悪ではない。アメリカにとって都合が良いなら恥も外聞もなくテロ組織だろうが宗教団体だろうが培養するのだ戦犯の岸信介だろうが手先として使う。その岸信介をルーツとした統一教会についても、政治的な存在として捉えないといけない。信者を塗炭の苦しみに追い込むほどカネを巻き上げるひどいカルト宗教であるが、そのようなものがどうして自民党政治と癒着し、存在を許されてきたのかだ

 D 統一教会そのものは朝鮮動乱を経た50年代頭に韓国で産声を上げ、アメリカが作り上げた韓国の軍事独裁政権ともつながって、まさに右派セクターの一翼として出発している。日本と韓国の戦後出発は、ともにアメリカの軍事支配から始まった。韓国ではアメリカ仕込みの李承晩が送り込まれて軍事政権で国内を抑え込み、一方の日本では天皇のみならず岸信介をはじめとした日本軍国主義の為政者や統治機構が丸ごとアメリカに屈服して武装解除をやり、戦後の地位を保証されたもとで占領統治が実行された。つまり、日本の独占企業なり為政者はアメリカに屈服したもとで首の皮をつなぎ戦後出発したのだ。
 官僚機構もそのまま。大本営を主導した朝日新聞の緒方竹虎や読売新聞の正力松太郎などもCIAのエージェントとなってメディアの世界に居座り続けた。先程から論議になっているように、岸信介もCIAのエージェントだったことが明らかになっているし、笹川財団の笹川、右翼のドンといわれた児玉など、アメリカの占領支配に協力するものはみな抱えられ、戦後もポストを与えられた。いわば間接統治の駒として機能していく。アメリカが最上段に君臨したもとで、それら対日支配の協力者の国内での権力は与えられたのだ。

 A 一方で、統一教会と日本国内の右派がズブズブだった関係と関わって韓国でどうだったかというと、これもあまり日本国内では報道されないものの、日本の占領統治に協力していた朝鮮総督府の面々や日本陸軍士官学校関係者などが復職を許され、アメリカはおおいに統治に利用した。それこそ徴用工問題と関わって1965年の日韓請求権協定を結んだ朴正煕は日本陸軍士官学校卒の軍人で、昵懇(じっこん)の関係を結んでいた岸信介などは占領時代の上司みたいなものだ。
 それで8億㌦の経済支援で戦後賠償は終わったみたいなことをいうが、要するにODA方式で三菱重工業はじめとした大手企業が地下鉄工事その他の事業を請け負い、日本にバックさせる、自民党政治家にバックさせるという手法だった。総元締めにいたのが岸信介であり、脇を固めたのは満鉄調査部の幹部だった連中など植民地支配を実行していた面面だ。満鉄調査部の人員は戦後、電通がごっそりとひきとり、それがメディアを支配する電通の今につながるルーツでもある。その電通に首根っこを抑えられたメディアが「安倍晋三様のご逝去」報道をくり広げているのだから笑えない。

 D 岸信介といえば韓国利権で有名だが、いわゆる韓国の保守というのが、日本の旧植民地主義者たちにとってはかつての目下の部下であり、彼らは深くつながりを持ちながら共にアメリカの支配下で戦後出発を迎える。日米韓を又にかけて宗教活動をくり広げた統一教会も反共右派の一翼だったというだけだ。アメリカにも拠点がある。そうして、日本国内から巻き上げた信者からの多額の献金によって、韓国では財閥のような存在となり、系列の有名な飲料会社がサッカーチームを持っていたほどだ。

     (政治と宗教の解明必須 統一教会野放しの背景)

 A 『週刊文春』が山上某の伯父へのインタビューを掲載していたが、まことに過酷な人生を歩んでいたことがうかがえて、ちょっと言葉がない。詳しくは『文春』を読めばいいが、宗教団体に家族を狂わされた二世の気持ちを想像すると、どうしてこのような宗教団体が野放しにされてきたのかと心底思う。弁護士たちものべていたが、このような社会悪がとり締まられることなく、むしろ政界にも侵食していたのだから異常事態だそれこそ民主主義への挑戦だろう。

     (統一教会の機関紙の表紙を何度も飾っていた)

 なぜ安倍晋三を狙ったのか本人が理由にもあげていた統一教会の関連団体であるUPFの大会メッセージを見てみたのだが、「ご出席の皆様、日本国前内閣総理大臣の安倍晋三です。UPF主催のもと、より良い世界実現のための対話と諸問題の平和的解決のために、およそ150カ国の国家首脳、国会議員、宗教指導者が集う希望前進大会で、世界平和を共に牽引してきた盟友のトランプ大統領と共に演説機会を頂いたことを光栄に思います。特にこの度出帆したシンクタンク2022の果たす役割は、大きなものであると期待しております。今日に至るまでUPFと共に世界各地の紛争の解決、とりわけ朝鮮半島の平和的統一に向けて努力されてきた韓鶴子総裁(統一教会総裁)をはじめ、皆様に敬意を表します――」の挨拶に始まるメッセージは、広告塔としても十分過ぎるが、単純に広告塔だったというだけでは済まない

 D この間の報道で明らかになったことを見てみると、統一教会のイベントに祝電を送ったり、講演したり、来賓挨拶したり、機関紙のインタビューに応じたり、公に関係を持っている政治家だけあげつらっても相当数にのぼる。安倍晋三に始まり、菅義偉麻生太郎下村博文高市早苗稲田朋美細田博之加藤勝信萩生田光一岸信夫平井卓也山谷えり子猪口邦子逢沢一郎衛藤征士郎といった清和会を中心としたメンバーの他に、野党関係者のなかでも前原誠司細野豪志なんかも関係がとり沙汰されている。竹中平蔵も日韓トンネル財団の関係の催しで挨拶している。まだまだこんなものではないのだろう。統一教会が姿を変えるのを得意技とし、企業に扮したり様々な業態に七変化することから分かりづらいものの、「政治と宗教」の関係がどうなっているのか実態解明は必要だ。

 B 残酷な献金や詐欺まがいのカネ集めはどう見ても反社会的なもので、オウム真理教と同じように犯罪捜査の手が及ばなければならないのに、2006年の第一次安倍政権のもとで公安が統一教会を重点監視対象から外し、第二次安倍政権下の2015年には、1994年から認めてこなかった統一教会の名称変更を文科省が承認した。あの宗教団体の衣替えを公認したのだ。当時の大臣は清和会所属の文教族・下村博文だ。そして安倍晋三の私物化疑惑と同じように同教団のおこないは厳しく報道されることもなく、むしろ闇の勢力として政界でも存在感を強め、暗躍していたのが実態なのだろう。政治家がこぞって統一教会とつながり、隠すことなくメッセージを寄せたりするのが常態化し、むしろ統一教会にすり寄った者ほど安倍政権のもとで大臣に出世したのだ。
 信者からの激しい献金の巻き上げで悲劇がいくつも起きていることは霊感商法対策弁護士連絡会の会見でも浮き彫りになったが、そのカネは政界にも流れていたことは容易に想像がつく。それが自民党だけでなく民主党にも及んでいる。国会議員の秘書として三桁に届くくらい統一教会から送り込まれているというが、これをズブズブといわずしてなんというのだろうか

 A 国際勝共連合の運動方針を見てみると、第一次、第二次安倍政権で安倍晋三やそのとり巻きたちが力を入れてきた政策とぴったり符号するものばかりだ。非核三原則の改廃、日本版NSCの設置、集団的自衛権の行使容認、武器輸出三原則の改廃、防衛産業を成長戦略に盛り込む、宇宙の軍事利用促進、緊急事態基本法の制定、憲法改正、男女共同参画社会基本法の改廃、青少年健全育成基本法の制定、勝共思想の定着、共産主義の脅威から国を守る、ジェンダーフリーや過激な性教育の廃止、夫婦別姓の阻止などがテーマとして掲げられている。家族の絆云々をことのほか強調するのも特徴だ。まあ、山上一家みたく家族を切り裂いておいて何をかいわんやでもあるが、日本会議とか自民党右派の特徴ともかぶる

 C 軍事的な要求としては、アメリカの対日政策ともぴったり符号するもので、まさに安倍政権の8年で実現してきたことばかりなのだ。日本版NSCを発足させ、特定秘密保護法を制定し、消費税は二度の増税を実施し、内閣人事局を発足させて官僚支配を強めたり、憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使を可能にする安全保障関連法案を成立させ、共謀罪を盛り込んだ組織犯罪処罰法を成立させ、一方ではモリカケ桜、お気に入りのブレーンを検事総長につけようとしたり、河井案里事件があったり大暴走をくり広げてきた八年といえる。それ自体前代未聞の権力の私物化がとり締まられることなく黙認されたり、何もなかったように誤魔化されてきたのも、対中国の軍事的拠点としてアメリカの盾となる道を進み、そのための法整備を大暴走してでもやり遂げる駒だったからであり、独占資本にとっては大企業天国を保証してくれる政策の実行者だったからにほかならない。

 A 安保法制などが最たるものだが、それはすなわち自衛隊の米軍の二軍化であり、一連の法整備や安倍政権のもとで進んだ軍事戦略・配置は、アメリカの盾となって日本をウクライナのように最先端の戦場にしてしまいかねないものだ。それらは強面の右傾化勢力にガッチリと支えられ、自民党内でも他がチンとおとなしくなるような力でもっておし進められた。最終的に改憲で戦争できる国作りの総仕上げにかかっている。口先とは裏腹に「日本を守る」ではなくミサイルの標的に立候補して「アメリカを守る」をやっているわけだ鉄砲玉になる道に誘っているのだから売国奴といわなければならない。そのような政治を実行してきた者を、なぜ神様の如く国葬で一億総号泣して送らなければならないのかだ

 B 安倍晋三の射殺事件後、なぜかネトウヨが統一教会には寛容でおとなしいことが不思議がられている。実はこの何年来かの右傾化の主体的勢力だったのではないかという見方もされているが、過激で戦闘的な宗教団体が組織的にこの数年来の右傾化なるものの担い手となり、安倍晋三親衛隊として支えていたとしても何ら不思議ではない。それはもう、お爺さんの代から密接なのだ統一教会と自民党及び政治の関係について、引き続き報道の手を緩めてはならないし、依存している政治家の存在に光を当て、一人残らず引きずり出すことは重要だ。依存しているとは要するにカネもかかわった話であろうし、それは統一教会信者たちへの残酷な搾取の賜であることからも許しがたいものなのだ。号泣するどころか、むしろ激怒しなければならない性質の問題だ
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●統一協会名称変更問題…《実体が変わらないのに、名称を変えることはできない》はずなのに、《あり得ない》ことがなぜ可能になったの?

2022年08月08日 00時00分59秒 | Weblog

[※ 「自民党と旧統一教会の闇」(週刊金曜日 1386号、2022年07月22日) ↑]

 共同通信の記事 (2022/8/5 14:51) を冒頭に追記しておきます。
 そりゃぁそうだ…ウソ吐きについて、文科省道徳教育教材『わたしたちの道徳』に載せるべき。下村博文案件ということは、これまたアベ様案件ということ。銃撃されたからと言って、アベ様案件が一つとして解決してはいない。
 【改称は下村博文氏の意思働いたと前川氏】(https://nordot.app/928163868524937216)によると、《前川元文科事務次官は野党合同ヒアリングで、旧統一教会の改称について「当時、文部科学相だった下村博文氏はイエスかノーか意思表明する機会があった。意思が働いていたのは100%間違いない」と述べた。》




(20220730[])
《あり得ない》ことがなぜ可能になったのでしょうか?

 統一協会名称変更問題について、日刊ゲンダイの前川喜平さんへのインタビュー記事の前編と後編。
 【前川喜平氏が明かす「統一教会」名称変更の裏側【前編】文化庁では教団の解散が議論されていた】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/308472)によると、《〈1997年に僕が文化庁宗務課長だったとき、統一教会が名称変更を求めて来た。実体が変わらないのに、名称を変えることはできない、と言って断った〉 文部科学省の事務次官だった前川喜平氏が2020年12月にツイートした冒頭の書き込みが、にわかに注目を集めている》。
 【前川喜平氏が明かす「統一教会」名称変更の裏側【後編】「語るに落ちる下村博文氏 反論は肝心な部分の説明を避けている】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/308659)によると、《役人限りではあり得ない 何らかの政治的圧力は間違いなくあった 文化庁が統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の名称変更を認証した2015年8月。第2次安倍政権下で、僕は文科次官に次ぐ文科審議官のポストに就いていました。事前に担当課長の文化部宗務課長が説明に来たことは覚えています。「今まで申請を受理しない方針でやってきたのに、なぜ認証するのか」と聞いたはずなのですが、肝心の理由はよく覚えていない。やらざるを得ない事情があったはずです》。

 《やらざるを得ない事情》とは何だったのでしょうね? 《ですから、名称変更は何らかの政治的圧力がなければ絶対に起きないことです政府あるいは自民党でしょう。公明党のはずはありませんし。自民党の政治家から出てきた話であることは間違いありません》。
 インタビューの最後を、前川喜平さんは、以下のようにまとめている。《カルト対策が進まないのは、政治家と宗教団体が持ちつ持たれつの関係だからです。政治家は集票や選挙中の勤労奉仕を期待し、教団側は所轄庁や税務署との緩衝材の役割をあてにする》、《図らずも、銃撃事件によって政治家とカルトの関係が明るみに出て、カルト問題を顕在化させた。対策を取らないのは政治の怠慢だと思います》。

 キシダメ首相は「民主主義を断固守る」ために国葬を行うというが、(政界地獄耳)《よほど民主主義を逸脱し独裁的ではないのか》?
 《ズブズブ》ではない自民党議員は、なぜに声を上げないのでしょうか? 知らんけど、村上誠一郎さんとかが前面に出てくるべきじゃないの。それから、皆さん仰っていますが、「今後一切、統一協会とは手を切ります」ときっぱり仰る方が自・お維・コミに一人として居ない不思議。膿を出し切る気、全く無し。まぁ、膿が出切れば、自民党にはほとんど何も残らないのでしょうが。

   『●「統一協会、暴力団、日本会議に神道議員連盟…どうするの」と
     ヤジり返して、アベ様にそれらの真偽を確認してもらうべきだった
   『●あとの祭り…《故人の過大評価、美化・神格化…「安倍元首相の悲願は
        憲法改正」「憲法改正が安倍元首相の夢だった」》の垂れ流し…
   『●《二〇二一年時点で民主主義国は八十九で、権威主義国は九十。世界人口
       の七割の約五十四億人が権威主義下で暮ら》す…91国目に堕ちる?
   『●《私は意見を言いません、強いものの近くにいたいのです、という宣言
      に、音楽業界の偉い人がすり寄っているという光景は、あまりに…》
   『●前川喜平さん《「暴力と言論」…言論の衰退と暴力の増長の悪循環を
     止めるには言論を立て直すしかない。だから今言論が委縮してはいけない》
   『●《メディアコントロール》という置き土産 … 《新聞・テレビはこの
      宗教団体の名前を報じていないが、ネット上では「統一教会」…》
   『●《彼のしたこと、しようとしてきたことはただただカネ儲け、戦争が
     できる国への道づくりだった》…それを支持する「1/4」と「2/4」
   『●《「民主主義への挑戦・冒涜」という点で言えば、それこそ安倍政権の
        8年とは、まさに民主主義への挑戦と冒涜、否定の連続であった》
   『●《元首相の死によってすべての疑惑を闇に葬り去るどころか、安倍氏を
     神格化しようとしている》…「民主主義を断固として〝破壊〟する決意」
   『●「不気味な兆候」は既に現実になっている…《まさに言論の砦たる
        メディアとメディア人の役割が問われています》(青木理さん)
   『●《少数意見を尊重し、歩調を合わせようと努めて議論を重ね、成り
     立ってきた戦後民主主義ではないか。それを「聞かない」とは。…》
   『●《メディアコントロール》は続いている…《だからといって、政治》と
     統一協会の《関係について徹底追及がおこなわれているわけではない》
   『●武田砂鉄さん《繰り返し問題視されてきた団体…付き合いが深い議員…。
      再発防止のためにも、宗教と政治の関係を洗い出すのが必要不可欠》
   『●つまり、アベ様は《堂々と、司法の場でも違法性が指摘されている》
      統一協会の《実質トップの名前を自ら挙げ、敬意を表したのである》
   『●キシダメ首相は「民主主義を断固守る」ために国葬を行うというが、

      (政界地獄耳)《よほど民主主義を逸脱し独裁的ではないのか》?

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/308472

前川喜平氏が明かす「統一教会」名称変更の裏側【前編】文化庁では教団の解散が議論されていた
公開日:2022/07/22 06:00 更新日:2022/07/22 10:30

     (元文科次官の前川喜平氏(C)日刊ゲンダイ)

〈1997年に僕が文化庁宗務課長だったとき、統一教会が名称変更を求めて来た。実体が変わらないのに、名称を変えることはできない、と言って断った〉

 文部科学省の事務次官だった前川喜平氏が2020年12月にツイートした冒頭の書き込みが、にわかに注目を集めている。霊感商法や合同結婚式などによる被害が明るみとなり、80~90年代に大きな社会問題となった旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)は、名称変更で実態をゴマカし、組織維持を画策。所轄庁の文化庁は突っぱね続けていたが、2次安倍政権下の158月に認証した。一連の動きの背景で何が起きていたのか。97年7月から1年間、文化庁文化部宗務課長も務めた前川氏に改めて聞く。

 ◇  ◇  ◇

 宗教法人と文化庁の関係は「監督庁」ではなく、「所轄庁」。憲法が保障する「信教の自由」に関わる業務なので、権力的な関与は行わないという建前があるためです。「認証」は事実を認定する行為を指し、「許可」や「認可」とは性質が異なります。宗教法人法は原則、要件を満たした宗教団体にはすべて法人格を与えるとの考え方に立っている。ですから、宗教団体であるという事実を確認する作業が認証なのです。

 僕が文部省の外局である文化庁の宗務課長に異動した97年、旧統一教会が「世界基督教統一神霊協会」から「世界平和統一家庭連合」に名称を変更したいと認証を求めてきた。「事前相談があったのです。


■「組織の実態が変わっていなければ、規則変更は認証できない」

 手続き上の説明をすると、認証の対象は宗教法人の規則です。社団法人などで言えば、定款にあたるもの。宗教法人の規則の中に必ず名称を記さなければならず、名称変更にあたっては規則を改めて認証する必要があるのです。宗務課がどう対応したかは、ツイートした通り。組織の実態が変わっていなければ、規則変更は認証できない。そう判断し、申請を受理しなかったのです。申請を受けて却下したわけではありません水際で対処したのです

 教団側が名称変更を求めた理由は、「世界基督教統一神霊協会」とは名乗っておらず、「世界平和統一家庭連合」として活動しているから、ということでした。


 ーー旧統一教会は教祖の故・文鮮明が54年に韓国ソウルで創設。間もなく日本でも布教が始まり、64年に東京都知事が宗教法人として認証した。97年以降、世界各地で家庭連合を正式名称としている。

 ですが、霊感商法で多くの被害者を出し、損害賠償請求を認める判決も出ていた。青春を返せ裁判などもあった。「世界基督教統一神霊協会」として係争中の裁判もあり、社会的にもその名前で認知され、その名前で活動してきた実態があるのに、手前勝手に名称を変えるわけにはいかない。問題のある宗教法人の名称変更を認めれば、社会的な批判を浴びかねないという意識はありました。


オウム事件後の宗教法人法改正で慎重対処に転換した矢先だった

     (旧統一教会の教団による7月11日の会見は
      大手マスコミ以外を排除(C)日刊ゲンダイ)

 1997年7月から1年間、文部省の外局である文化庁で文化部宗務課長を務めたのはある事情がありました。96年9月に施行された改正宗教法人法の初期運用にあたるためです。

 法改正はオウム真理教による一連の事件を受けた動きで、当時の与謝野馨文部大臣の政治主導だった。「宗教法人が前代未聞のテロを起こしたのは、宗教法人法が甘すぎるからではないのか」との問題意識から、「宗教界をすべて敵に回す」と尻込みする役人を抑えて決断したのです。実際、宗教界はこぞって大反対でした。

 法改正のポイントは大きく2点。全国的に活動する宗教法人の所轄庁を文部大臣とし、文化庁が実務を担う。それまでは宗教法人が本部を置く所在地の都道府県知事が所轄庁でした。オウム真理教は登記上、東京都江東区に本部を置いていたため、当時の所轄庁は東京都知事だったのです。広大な教団施設があった山梨県の上九一色村(現・南都留郡富士河口湖町)を調べることは現実的に困難で、その権限もなかった。これによって、文部大臣の所轄する宗教法人がドッと増えました。

 もうひとつのポイントは、年1回の書類提出。役員名簿、財産目録、収支計算書などを出してもらいます。宗教法人として活動している事実を確認するためです。

 宗教法人の認証は従来、性善説で行われてきた。教義、礼拝施設、30人程度の信者が確認できれば法人格を与えてきました。法改正以前は、宗教法人となった後の教団は糸が切れたタコ状態どこで何をしているのかサッパリ分からなかった

 もっとも、文化庁が特別な監視機能を持つようになったわけでもなく、テロ組織など危険分子を見分けるのは容易ではない。ですが、宗教法人をより注意深くチェックして慎重に対処し、怪しい教団を認証しない考え方へ大きく変化しました。そうした中、名称変更の認証を求めてきたのが統一教会(現・世界平和統一家庭連合)だったのです。


「公共の福祉の侵害」や「宗教法人の目的逸脱」などの規定を適用できないか

     (教祖が信者をマッチングする合同結婚式は
      現在も行われている(C)ロイター)

 オウム真理教による一連の事件を受け、1996年9月に改正宗教法人法が施行されました。僕が98年7月まで在任していた文化庁文化部宗務課でも、所轄する統一教会(現・世界平和統一家庭連合)について議論になりました。公序良俗に反する宗教法人を解散させることはできないものかと

 オウムに対しては、当時の所轄庁だった東京都知事らが東京地裁に解散命令を請求。地裁の決定により、96年1月に解散命令が出されました。

 宗教法人法第81条に基づく請求でした。

 宗教法人法は第81条で解散の事由をこう規定している。

▼法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為をしたこと。

▼第二条に規定する宗教団体の目的を著しく逸脱した行為をしたこと又は一年以上にわたつてその目的のための行為をしないこと。


 ーーオウムは法令違反、公共の福祉の侵害、宗教団体の目的逸脱が認定された。

 統一教会の霊感商法や合同結婚式はかつて大きな社会問題になりました。法外な寄付、法外な価格の物品購入、法外な労働奉仕は過度の自己犠牲ですし、見ず知らずの人との結婚は理性や自由意思があれば選択するはずのない行動です。統一教会にも公共の福祉の侵害や宗教法人の目的逸脱などの規定を適用できないものか。信者が引き起こした刑事事件はいくつもあり、教団側が敗訴した民事裁判もたくさんある。内部で検討はしたものの、当時は厳しいとの結論に至りました

 こうした経緯からも、統一教会が求める名称変更を文化庁が認証したのは、方針の大転換だったのです20年近く押し返してきたわけですから2次安倍政権下の2015年8月のことで、僕は事務次官に次ぐ文科審議官のポストに就いていました。(後編につづく)

前川喜平/元文部科学事務次官)
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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/308659

前川喜平氏が明かす「統一教会」名称変更の裏側【後編】「語るに落ちる」下村博文氏 反論は肝心な部分の説明を避けている
公開日:2022/07/28 06:00 更新日:2022/07/28 10:37

■役人限りではあり得ない 何らかの政治的圧力は間違いなくあった

     (文化庁が統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の名称変更を
      認証したのは2015年8月(C)日刊ゲンダイ)

 文化庁が統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の名称変更を認証した2015年8月。第2次安倍政権下で、僕は文科次官に次ぐ文科審議官のポストに就いていました。

 事前に担当課長の文化部宗務課長が説明に来たことは覚えています。「今まで申請を受理しない方針でやってきたのに、なぜ認証するのか」と聞いたはずなのですが、肝心の理由はよく覚えていない。やらざるを得ない事情があったはずです。

 役所というものは町役場であっても中央省庁であっても、前例踏襲が基本的な考え方。よほど差し迫った理由がない限り、いったん決めた方針は容易に変更しない。統一教会の名称変更の認証は僕が宗務課長だった97年に断っているそれ以降、その方針を維持してきたはずなんです。役人限りだったら、そういう慣性の法則が働く。ですから、名称変更は何らかの政治的圧力がなければ絶対に起きないことです政府あるいは自民党でしょう。公明党のはずはありませんし。自民党の政治家から出てきた話であることは間違いありません

 ーー当時、文科行政のトップだったのは自民党の下村博文文科相。清和会(安倍派)の重鎮で、文教族のボス格だ。下村氏は13日、《統一教会の名称変更について、SNSやネット上で私が文科大臣時代に関与し行ったとの書き込みが多くあり、また先日週刊誌からも同様の質問状を受け取りましたので、正確に回答申し上げます》とツイート。公開した回答(11日付)にはこう書かれている。

文化庁によれば、「通常、名称変更については、書類が揃い、内容の確認が出来れば、事務的に承認を出す仕組みであり、大臣に伺いを立てることはしていない。今回の事例も最終決裁は、当時の文化部長であり、これは通常通りの手続きをしていた」とのことです


 少なくとも言えることは、下村さんが知らないはずがない。宗教法人の規則変更に関する認証の専決者は文化部長ですが、仮にボトムアップの決裁だとしても、これほど大きな方針転換について事前説明をしないのは考えられない大臣まで必ず上げますよ。文化部長限りで判断できるような案件ではありませんから。


■下村元文科相は徹底否定 大臣から圧力がかかった可能性は十分にある

     (文科官僚は逆鱗に触れるのを恐れ、ピリピリしていた
      (下村博文文科相=当時)/(C)共同通信社)

 何でもトップダウンで決める下村さんが統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の名称変更の認証について、知らなかったはずはない細かく具体的に指示する大臣でしたからね

 意思決定にあたっては、起案文書にあたる原議書を作成する必要があります。たいていは課長補佐か係長が起案し、担当する室長、課長、部長の順で押印し、最終的な決裁権者である専決者がハンコをついて終了。ただし、軽微な案件でない限り、それとは別に実務上の了解を得る事前プロセスがある。ましてや、統一教会に関しては長年維持してきた方針を大きく転換するわけですから、間違いなく大臣まで上げますよ。まず担当課長である宗務課長が上司の文化部長に相談。文化部長にしても自分限りで判断できる内容ではありませんから、次長に上げ、さらに長官に上がり、最終的に大臣にお伺いを立てる下村さんは了解を与えたと思います。

 もっとも、これはボトムアップだった場合の話。何らかの政治的圧力がなければ名称変更の認証には踏み込まないはずですが、その圧力が大臣からかかっていた可能性は十分にあります


 ーー日刊ゲンダイは下村氏が公開した回答に関する質問状を国会事務所などに送付した。主な内容は次の通り。

▼文科相時代、申請の受理から認証に至るまで事務方から全く報告を受けなかったのか。

▼申請受理から認証に至る過程で事務方から報告を受けていたとしたら、いつ、どこで、誰から報告を受けたのか。

▼事務方から全く報告を受けていなかったとしたら、認証された事実を知ったのはいつか。


 回答期限を2時間過ぎても音沙汰なし。事務所に連絡を入れると、1時間半後に回答があった。


■「文化庁が」「文化庁が…」下村元文科相の「回答」は語るに落ちる

     (文化庁からの伝聞では済まされない(C)日刊ゲンダイ)

 統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の名称変更を文化庁が2015(平成27)年に認証した経緯について、当時の下村文科相は肝心な部分の説明を避けています。そうした姿勢は事前に指示、あるいは了解を与えた事実を物語っている語るに落ちるとはこのことです


 ーー日刊ゲンダイは下村氏の国会事務所などに宛て、「申請の受理から認証に至るまで事務方から全く報告を受けなかったのか」「認証された事実を知ったのはいつか」などを問う質問状を送付。回答はこうだった。

〈文化庁に以下を確認しました。
 名義変更については、申請者が担当課長へ個別に何度か相談をしていたが、実際に申請書を提出されたのは平成27年である、初めて申請書が提出されたタイミングで、書類等が整ってるなど内容の確認ができたので、担当部長の最終決裁がなされた。
 また申請を受理したという報告と、担当部長により認証したという報告はそれぞれ事後に大臣へ行われた


 ーー下村氏はマスコミ各社の取材に対しても、認証は事務的に進められた結果だと説明し、「全く関わっていない」と反論している。


 事務方は統一教会の求めを認証するにあたり、大きく3つのプロセスを経る必要があった。①決裁前に大臣の指示あるいは了解を得る ②決裁ルールに基づいて「専決者」が決裁 ③決裁終了を大臣に報告──。それぞれ段階が異なる別々のプロセスです。

 組織の実態が変わっていなければ、認証はできない。そうした判断の下、文化庁は申請そのものを受理しない水際対処を18年にわたって続けてきた。その方針を大きく転換したわけですから、肝心なのは①プロセスです。しかし、下村氏はこの点には触れようとしない。①と②を混同させて事前の指示や了解はなかったと誤解させたり、③を強調することで①がなかったかのように思わせる書きぶりです。そして、またしても文化庁からの伝聞という形を取っている。


 ーージャーナリストの鈴木エイト氏の調査によると、下村氏は統一教会の関連団体が主催するイベントで講演したほか、関連媒体にインタビュー記事が複数掲載。下村氏が代表を務める政党支部には関連団体が献金していた。教団関係者が政治資金パーティー券を購入したとも報じられている

 なぜ、ご自身を主語にして端的に「私は事前に指示していない」「私は事前に了解していない」とか、「私は事前に何も聞いていない」とハッキリ言わないのでしょうか。おそらく、嘘になるからでしょう。のちのち、下村氏の関与を裏付ける証拠が見つかったとしても、認証の責任を文化庁に負わせられる言い回しをしているのです。


■人間を追い詰めるカルト対策を取らないのは政治の怠慢

     (前川喜平氏(C)日刊ゲンダイ)

 この国はキチンとしたカルト対策を取ってこなかった。それが安倍元首相銃撃事件の根本的な要因だと思います。人をあやめるなんて絶対にしてはいけないことですが、容疑者の動機を知れば知るほど、その心情は理解できる。カルトはそこまで人間を追い詰めてしまう


 ーー安倍元首相を銃撃した山上徹也容疑者(41)は、犯行動機に旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)と安倍に対する強い恨みをあげている。父親の自殺などを契機に母親が教団にのめり込み、1億円以上を献金。家庭は崩壊した。3人きょうだいは食事にも不自由する生活で、山上は進学を断念。海上自衛隊時代には困窮するきょうだいに死亡保険金を受け取らせるため、自殺を図った。旧統一教会のフロント団体に寄せたビデオメッセージで、安倍元首相が教祖の妻に「敬意を表す」姿を目にし、「つながりがあると思った。絶対に殺さなければいけないと確信した」などと供述している。

 政治課題として向き合わなければならない大きな問題なのに、政治が目を背けていたのは、カルトとつながっている政治家がいるから。しかも、自民党の中に多くいる。その影響が大きいと思います。

 フランスの「反セクト法」を研究するべきでしょう。宗教の教義内容を問うのではなく、外形的基準で問題集団の危険性を判断するというものです。


 ーーカルト対策先進国のフランスは2001年に反セクト法を制定。「ライシテ」と呼ばれる政教分離制度が徹底しているため、宗教の法的定義はなされていないが、問題集団の危険性を見分ける10項目の判断基準を設けている。

①精神の不安定化
②法外な金銭的要求
③生まれ育った環境からの誘導的断絶
④健康な肉体への危害
⑤こどもの強制的入信
⑥大小にかかわらず、社会に敵対する説教
⑦公共の秩序を乱す行為⑧多くの訴訟問題
⑨通常の経済流通からの逸脱
⑩国家権力への浸透の企て

 1つでも該当すればセクトと認定。反セクト法が定める法令違反で有罪判決が複数回確定した場合、裁判所が解散宣告できると規定している。

 カルト対策が進まないのは、政治家と宗教団体が持ちつ持たれつの関係だからです。政治家は集票や選挙中の勤労奉仕を期待し、教団側は所轄庁や税務署との緩衝材の役割をあてにする

 図らずも、銃撃事件によって政治家とカルトの関係が明るみに出て、カルト問題を顕在化させた。対策を取らないのは政治の怠慢だと思います。(おわり)

(前川喜平/元文部科学事務次官)
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●森達也監督「福田村事件」…《関東大震災の混乱で差別意識を背景に惨殺されたのは「朝鮮人」だけではありません》(デモクラシータイムス)

2022年05月07日 00時00分44秒 | Weblog

[※ 『NNNドキュメント’17記憶の澱』(2017年12月3日(日))↑]


(20220424[])

【森達也監督【焦点インタビュー】初めて劇映画を作る理由 関東大震災の惨劇をいま世に問う】(https://www.youtube.com/watch?v=nRadMmKyqJ0
《デモクラシータイムス》
《ご存知ですか? 森達也さんが監督になって初めて劇映画を撮ろうとしています。その構想段階の話を、監督と脚本家、プロデューサーにうかがいます。テーマは、歴史の向こうから今につながる「差別」関東大震災の混乱で差別意識を背景に惨殺されたのは「朝鮮人」だけではありません。讃岐の行商人の集団15人のうち、9人が虐殺された「福田村事件」を取り上げます。なぜ、彼らは襲われ、殺されなければならなかったのか、その構造をダイナミックに提示する映画、それを実現するのは、制作費を支えるあなたの力です。
 まずは、森さんたちの心意気をお聞きください。
 ゲストは、
  森達也さん(映画監督)
  佐伯俊道さん(脚本家)
  井上淳一さん(プロデューサー)
  小林三四郎さん(プロデューサー)
 聞き手は、
  鈴木耕(編集者・ライター)
 収録は、2021年1月26日》

 森達也さん《歴史って何のためにあるか、僕たちは何のために歴史を学ぶのか、やっぱり同じ失敗をしないために学ぶんだと思うんですよね。でも今、特にこの国では、自分たちの失敗みたいなことに対して目を背けたがる傾向がとても強くなってて》。《記憶の澱》を封じ込め、歴史を美化し、暴走…。《加害者性》は無視され、《被害者性》ばかりが強調される。森監督は、さらに、《本当は加害の記憶をしっかり持たなきゃいけないと思う》《歴史修正主義は進み、かつて考えられなかったような発想が、現在の日本社会の主流になりつつある》とも。

   『●大矢英代さん「私たちは、過去の歴史からしか学べません
            …私たちが何を学ぶのかが今、問われている」①
   『●<金口木舌>《「若い人たちに伝えるには記録に残すしかない」…
     77年前、勇ましい掛け声の中で日本は破滅に突き進んだ。戦争体験を…》

 昨年末のKSB瀬戸内海放送の記事【【特集】語り継がれなかった悲劇…森達也監督が「福田村事件」を映画化へ 香川】(https://news.ksb.co.jp/article/14027855)によると、《いま、97年前に起きたある事件が映画化に向けて動き始めています。関東大震災の直後、香川県から千葉県に行商で訪れていた一行が村の自警団に襲われて9人が殺害されました。福田村事件です。この事件を、発生から100年の節目となる2023年に映画化しようと、映画監督らが香川県を訪れました》。

 2019年09月18日 のKSB瀬戸内海放送の映像記事【【特集】関東大震災後の悲劇 「福田村事件」が問いかけるもの】(https://www.youtube.com/watch?v=TgC6HDj_QCw)によると、《ksb5ch 「福田村事件」をご存知でしょうか? 関東大震災直後の混乱の中、千葉県で、香川県から行商で訪れていた一行が朝鮮人に疑われたことをきっかけに殺されるという事件が起きました。それから96年の月日がたちました。事件を風化させないためには。そして、「福田村事件」が、現代に問いかけるものを考えます》。




 望月衣塑子さんつぶやき:

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https://twitter.com/ISOKO_MOCHIZUKI/status/1515835532173262849

望月衣塑子@ISOKO_MOCHIZUKI

【取材、執筆】今こそ作って欲しい映画。

来年は関東大震災から百年。
多くの在日朝鮮人がデマで虐殺され、福田村では朝鮮人と間違われた、被差別部落の出身の行商団9人が殺害された2歳の子どもや妊婦も巻き添えに

森達也監督らがクラウドファンディングを開始


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tokyo-np.co.jp

デマと誤解で9人殺害…「福田村事件」を映画にしたい 森達也監督がクラウドファンディング:東京新聞 TOKYO Web

1923(大正12)年の関東大震災の直後、広がったデマをもとに朝鮮人虐殺が相次ぐ中、香川県の被差別部落出身の行商団9人が千葉県福田村(...
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午前8:32  2022年4月18日
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 《瞬く間にデマを善人が鵜呑みにし…上原正三さん「琉球人の俺も、いたらやられていた。人ごとではない》。
 望月衣塑子記者による、東京新聞の記事【デマと誤解で9人殺害…「福田村事件」を映画にしたい 森達也監督がクラウドファンディング】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/172370)によると、《1923(大正12)年の関東大震災の直後、広がったデマをもとに朝鮮人虐殺が相次ぐ中、香川県の被差別部落出身の行商団9人が千葉県福田村(現野田市)で自警団に殺害された。ドキュメンタリー作品で知られる映画監督の森達也さん(64)は、この「福田村事件」を題材に初めての映画づくりに挑む。震災から100年となる2023年の公開を目指し、映画製作の資金をクラウドファンディングで募っている。(望月衣塑子)》。

   『●加害者性と被害者性…「私たち一人一人が被害者となり、
              加害者となり得る戦争。戦争はどこかで今も…」
   『●沖縄出身脚本家上原正三さん、「民意を顧みず、
     基地を押し付け…沖縄を植民地としてしか見ていない証拠」
    《■「怪獣使いと少年」で問うた人間の心の闇
    《登場人物の少年は北海道江差出身のアイヌで、メイツ星人が化けた
     地球人は在日コリアンに多い姓『金山』を名乗らせた。1923年の
     関東大震災で、『朝鮮人が井戸に毒を投げ込んだ』『暴動を起こした』
     などデマが瞬く間に広がった市井の善人がうのみにし、軍や警察と
     一緒になって多くの朝鮮人を虐殺したんだ。『発音がおかしい』
     『言葉遣いが変』との理由で殺された人もいる。
     琉球人の俺も、いたらやられていた。人ごとではない
    《あの回の監督は東條昭平が務めたんだけど、彼が僕の意をくんで、
     演出をどんどん強めていくんだ。例えば、『日本人は美しい花を作る手を
     持ちながら、いったんその手に刃を握ると、どんな残虐極まりない行為を
     することか…』という隊長のセリフは僕の脚本にはなく、東條が付け加えた
     そういう意味では、30歳前後の若者が血気盛んに作ったんだね》
    《でも当初、メイツ星人は群衆に竹槍で突き殺されていた。これも僕の
     シナリオではなく、東條が演出で変えた部分。さすがにこのシーンは
     生々しすぎて子ども番組の範疇を超えると…。それでこの場面は撮り直して
     拳銃に変わり、オンエアされた》

   『●瞬く間にデマを善人が鵜呑みにし…上原正三さん「琉球人の俺も、
                        いたらやられていた。人ごとではない」
    《「そうだ、やられる前にやってしまった方がいい」
     「やっちまえ」-。ト書きはこう続く。(集団の暴徒になっている
     …「帰ってきたウルトラマン」…「怪獣使いと少年」…ただ自分の
     星へ帰ることだけを願う宇宙人と、それを手助けする少年にデマに
     扇動された一般市民が襲いかかる▼脚本は上原正三さん。一つの
     事件を題材にしている…▼その追悼文は日本人にとっての「お守り」
     だったかもしれぬ。それが失われ、かつての過ちを忘れたとき
     「やっちまえあの怪物がこの世に再び現れまいか。それを恐れる》

   『●この《レイシスト・歴史修正主義体質》な小池百合子東京「ト」知事に
        「2,912,628票」「3,661,371票」も投じてしまった都民の皆さん

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https://news.ksb.co.jp/article/14027855

【特集】語り継がれなかった悲劇…森達也監督が「福田村事件」を映画化へ 香川
2020/12/17 19:38

 いま、97年前に起きたある事件が映画化に向けて動き始めています。関東大震災の直後、香川県から千葉県に行商で訪れていた一行が村の自警団に襲われて9人が殺害されました。福田村事件です。

 この事件を、発生から100年の節目となる2023年に映画化しようと、映画監督らが香川県を訪れました。

(森達也 監督)
歴史って何のためにあるか、僕たちは何のために歴史を学ぶのか、やっぱり同じ失敗をしないために学ぶんだと思うんですよね。でも今、特にこの国では、自分たちの失敗みたいなことに対して目を背けたがる傾向がとても強くなってて。このテーマで一本映画を撮れれば、とは思ったことは確かですね」

 そう語るのはオウム真理教の信者たちを撮影した「A」など、多くのドキュメンタリー映画を世に送り出してきた森達也監督。

 福田村事件の映画化に向けて森監督や脚本家プロデューサーらが丸亀市にある香川人権研究所を訪れました。


大震災後に起こった“悲劇”…香川県からの薬売りの一行15人を自警団が襲撃

 1923年9月1日、関東大震災が起こり、被災地では大きな混乱が広がりました。

 朝鮮人による略奪や放火を伝えるデマが広がり、警戒を強めていた自警団などによる虐殺事件が相次いだのです。

     (【資料画像】埼玉県の自警団)

 9月6日、千葉県北部にある福田村でも香川県からの薬売りの一行15人が朝鮮人と疑われ、地元の自警団に襲われました。そして、妊婦や幼児を含む9人が殺され、遺体は利根川に流されたのです。

     (妊婦や幼児を含む9人が殺され、遺体は利根川に流された)

(森達也 監督)
「福田村の彼らは、残虐で冷酷な人たちなのか、絶対違うんですよ。家族思いの、あるいは村思いの、でもそんな人たちがなんかのきっかけで豹変する

     (香川人権研究所/喜岡淳 理事長)

(香川人権研究所/喜岡淳 理事長)
「被差別部落の場合は、地元で差別を受けやすいからよそへ行ったり、仕事に就きづらいので、自営業になる…」

     (朝鮮人による略奪や放火への警戒啓発を伝えるポスター)

 犠牲者は香川県内の被差別部落出身者でした。部落問題に詳しい人権研究所理事長の喜岡淳さんは、行商の形態や当時の香川県の状況について説明しました。

 事件には、部落差別から行商に出た一行が朝鮮人差別によって被害に遭うという、複合的な差別の問題がありました。


「被害者が“被差別部落出身”だから…」語り継がれることがなかった事件

 翌日、監督らは事件の被害者の出身地の被差別部落を訪れました。

 この地区出身で、千葉福田村事件真相調査会・元会長の中嶋忠勇さん(82)の案内で、被害者が住んでいた家などを見て回ったり、墓に手を合わせたりしました。

 福田村事件が世に知られるようになったのは、1980年代に香川県内で真相解明の動きが起こってから。事件から半世紀以上も経ってからです。

(千葉福田村事件真相調査会 元会長/中嶋忠勇さん[82])
「親父も何も言わなかったですね。誰も福田村に関しては、私たちの部落で発言した人はおりませんね」

 中嶋さんは18歳頃に兄から話を聞くまでは、この事件について全く知らなかったと言います。

(千葉福田村事件真相調査会 元会長/中嶋忠勇さん[82])
Q.被差別部落であったこと。それが(語り継がれなかった)原因の一つとしてあったとお考えでしょうか?
「あったと思います。僕の考えではね、あると思いますね」


加害の記憶をしっかり持たなきゃいけない

(森達也 監督)
「極論すれば、被害の側って偶然なんですよ、たまたまその場にいた人たち。でも、加害の側は、実は僕たちと一番つながっている部分で、100年前に僕が、関東にいて震災があって、村に住んでて、『朝鮮人が井戸に毒投げ入れてるよ』っていうふうな声を聞いたら、僕もくわかすき持って立ち上がってるかもしれないし、本当は加害の記憶をしっかり持たなきゃいけないと思う。そういう映画にしたいです」

 福田村事件を題材にした長編劇映画は、関東大震災からちょうど100年後の2023年9月1日公開を予定しています。
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/172370

デマと誤解で9人殺害…「福田村事件」を映画にしたい 森達也監督がクラウドファンディング
2022年4月18日 06時00分

 1923(大正12)年の関東大震災の直後、広がったデマをもとに朝鮮人虐殺が相次ぐ中、香川県の被差別部落出身の行商団9人が千葉県福田村(現野田市)で自警団に殺害された。ドキュメンタリー作品で知られる映画監督の森達也さん(64)は、この「福田村事件」を題材に初めての映画づくりに挑む。震災から100年となる2023年の公開を目指し、映画製作の資金をクラウドファンディングで募っている。(望月衣塑子)

     (映画製作の資金を募るクラウドファンディングは15日から
      始まった(『福田村事件』(仮)製作運動体提供))


◆赤ん坊を抱き命乞いする母親まで

 1923年9月1日に関東大震災が起き、火災などが相次ぐと「朝鮮人が井戸に毒薬を投げた」といったデマが広がった。同4日、千葉県に戒厳令が敷かれ、朝鮮人らを取り締まる自警団が結成された。

 生存者の証言などによると、香川県の行商団15人は福田村にある利根川の渡し船の料金所で「言葉が変。朝鮮人ではないか」と疑われ、隣村含む数百人の村人が集まった。行商団は「いろはにほへと」と繰り返し言わされたり、「君が代」を歌わされたりしたが、疑いは晴れなかった

 その場にいた警察官が上司の指示をあおぐために現場を離れると、村人たちは一斉にすきや鎌で襲いかかり、赤ん坊を抱き命乞いする母親を竹やりで刺し、川を泳いで逃げる人を小舟で追いかけて日本刀やとび口で襲ったという。2、4、6歳の3人の子供と妊婦を含む9人が殺害された

 しかし、事件を巡る逮捕者は8人のみで、昭和天皇即位の恩赦ですぐに釈放された。生き残った被害者の6人は数十年間、沈黙を貫いたという。


◆「ナイーブ過ぎる」テレビでは断られ

 森さんは二十数年前、新聞で福田村事件の慰霊祭の記事を読んだ。村人が口を閉ざし、世間に知られていなかったことに衝撃を受け、テレビ番組で取り上げようとさまざまなプロデューサーに持ち込んだが、朝鮮人虐殺と部落差別の問題が重なり、「ナイーブ過ぎる」断られた

     (クラファン開始前夜祭「中川五郎ライブ+シンポジウム
      『なぜ日本映画は負の歴史を描いてこなかったか』で、
      映画製作への思いを語る森達也監督=3月31日、渋谷区の
      ロフトヘヴンで(樹よう子さん撮影・提供)」

 森さんは2年前、映画監督の荒井晴彦さんと井上淳一さんらが福田村事件を題材に映画製作に取り組んでいることを知る。その後、井上さんから提案があり、森さんが監督を務めることになった。

 東京都の小池百合子知事は2017年から、関東大震災での朝鮮人犠牲者を追悼する式典への追悼文の送付を取りやめた。政府は昨年4月、「従軍慰安婦」という表現は誤解を招く恐れがあるとして「慰安婦」とするのが適切とする答弁書を閣議決定。朝鮮半島から日本本土への労働者の動員を「強制連行」と表現するのも不適切とした。これを受ける形で、複数の教科書会社が教科書での表現を「従軍慰安婦」を「慰安婦」に、「強制連行」を「動員」などに変えた

 交流サイト(SNS)上では南京大虐殺はなかった」「従軍慰安婦はいなかったなどデマも拡散している。森さんは「歴史修正主義は進み、かつて考えられなかったような発想が、現在の日本社会の主流になりつつある」と話す。


◆「熱狂する集団心理の危うさと、個を貫く大切さ」

 それでも「映画はあくまでエンタメ。教条主義的なものや啓発的なものにする気はない。韓国映画『タクシー運転手 約束は海を越えて』のようにエンタメとして楽しませながらも社会派の映画を作りたい」と意気込む。

 描きたいのは「被害者よりも加害者の側の視点。彼らは、恐らく普通のよき父であり、よき母であったかもしれない。リーダーやその場の空気に流されこうなってしまったのかもしれない。オウム真理教を描いたドキュメント映画『A』 『A2』でも描こうとしたのは、熱狂する集団心理の危うさと、個を貫く大切さだ」と強調する。

 ウクライナ侵攻についても「プーチン大統領に理は全くない。しかし、なぜ、冷静な政治家プーチンがこんな暴挙を犯したか、検証しようと言うだけで『プーチン支持か』と批判が来るかつて『オウムを応援するのか』と批判された時の声と重なる。ロシア軍機がウクライナの砲弾で撃ち落とされると歓喜に酔う群衆の声にぞっとする一色にものごとをみるな、と言い続けたい」 

 クラウドファンディングの詳細は、「A―port」内のプロジェクトページで確認できる。

【関連記事】森達也監督のテレビドキュメンタリー4作品、異例のDVD化 業界の自主規制に一石
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●(東京新聞社説)《死刑制度には普遍的な人権問題が潜み、その廃止・停止は、もはや世界の潮流となっている》…死刑存置でいいのか?

2022年01月03日 00時00分32秒 | Weblog

[※ 安田好弘さん 《「死刑反対。死刑をおかしい」と言うこと自体が、異端者になってくる》 (2018年7月28日 報道特集)↑]


/ (2021年12月26日[日])
東京新聞の【<社説>死刑廃止論 世界の潮流を見据えて】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/126201?rct=editorial)。

 《米国が連邦による死刑執行を一時停止すると表明した。死刑制度には普遍的な人権問題が潜み、その廃止・停止は、もはや世界の潮流となっている。日本でも廃止に向けた議論を進めるべきだ》。

 なんでも《米国》に従うのにね。《バージニア州は今年三月に「死刑は不公平で効果がなく非人道的だ」として、南部の州として初の廃止州となった》。消費税制が無いことや死刑停止・廃止には従わないのね。ニッポンは、死刑存置でいいのですか? 《アムネスティ・インターナショナル…はこうした現状を「世界は死刑という残虐かつ非人道的で、品位をおとしめる究極の刑罰を過去の遺物に葬り去ろうとしている」と説明している》。
 《普遍的な人権問題》としては、冤罪者を死刑にしてしまうこと。「飯塚事件」で死刑が執行された久間三千年さんが思い出される。罪なき人に対しての《国家による殺人》。政権が罪を認めるはずも無いし、最早責任の取りようもない、国家が無辜の人を殺したのですから。

   『●冤罪で死刑執行、あってはならない!!
   『●贖罪:足利事件再鑑定から12日後の2008年10月28日朝、
                飯塚事件久間三千年元死刑囚の死刑が執行

    「2008年10月16日 足利事件 再鑑定へ
     2008年10月28日 飯塚事件 死刑執行
     2009年 4月20日 足利事件 再鑑定で一致せず
     ……そう、足利事件で誤鑑定であることが分かった時には、既に、
     久間さんの死刑が執行されていた。2008年10月16日
     DNA型鑑定に疑問が生じた時点で、死刑執行は停止されておくべき
     だったのに…。なぜ、急いで死刑執行したのか?、大変に大きな疑問である」

   『●NNNドキュメント’13: 
      『死刑執行は正しかったのか 飯塚事件 “切りとられた証拠”』
   『●①飯塚事件冤罪者を死刑執行:「死刑存置か? 
         廃止か?」…話題にも上らない、死刑賛成派8割なニッポン
   『●②飯塚事件冤罪者を死刑執行:「死刑存置か? 
         廃止か?」…話題にも上らない、死刑賛成派8割なニッポン
   『●飯塚事件冤罪者を国家が死刑執行、「この重すぎる現実」:
                    無惨…「死刑執行で冤罪を隠蔽」
    「リテラの伊勢崎馨さんによる記事【飯塚事件、なぜ再審を行わない?
     DNA鑑定の捏造、警察による見込み捜査の疑いも浮上…やっぱり冤罪だ!】」
    《冤罪が強く疑われながら死刑が執行されてしまったのが、1992年に
     福岡県で起こった「飯塚事件」である。そして、この飯塚事件にスポットをあて、
     冤罪疑惑に切り込んだドキュメンタリー番組が放送され、ネット上で話題を
     呼んだ。3日深夜に日本テレビで放送された
     『死刑執行は正しかったのかⅡ 飯塚事件 冤罪を訴える妻』だ》

   『●飯塚事件の闇…2008年10月16日足利事件の再鑑定で
           死刑停止されるべきが、10月28日に死刑執行
    「西日本新聞の二つの記事【死刑下した裁判官が関与 飯塚事件の
     再審請求審 識者「公正さ疑問」】…と、【飯塚事件再審認めず 
     福岡高裁 「目撃証言信用できる」】…」

   『●飯塚事件…《しかしもっと恐ろしいのは、そんな誤りを認めず、
     国家による殺人を無かった事にする国家の強引さだろう》(清水潔さん)

 別件ですが、…アクセスジャーナル山岡俊介さんの記事【<主張>“生涯弁護人”は正義の味方か!?】(https://access-journal.jp/63465)によると、《弘中惇一郎弁護士(76)がつい最近出した書籍が話題を呼んでいる…。同じく著名な弁護士なら、弱者保護を主張し、死刑が求刑された事件の刑事弁護を数多く担当する安田好弘弁護士(74)の方がはるかに正義の味方と感じる。安田弁護士には、武富士に訴えられた記事で弁護してもらい、反訴して武富士側は認諾し本紙・山岡側は完全勝訴した》。

   『●ドキュメンタリー『死刑弁護人』: 
      バッシングされ続ける「死刑弁護人」安田好弘さん
   『●『死刑弁護人~生きるという権利~』読了(1/4)
   『●『死刑弁護人~生きるという権利~』読了(2/4)
   『●『死刑弁護人~生きるという権利~』読了(3/4)
   『●『死刑弁護人~生きるという権利~』読了(4/4)
   『●『特捜検察の闇』読了(1/3)
   『●『だまされることの責任』読了(1/3)
   『●木下昌明さん、『死刑弁護人』映画評

 小嶋麻友美・小澤慧一両記者による、東京新聞の記事【「探しましたが、いませんでした」再審請求中の死刑執行…世界では約7割が廃止か停止】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/150291)によると、《2年ぶりの死刑執行に、日弁連や人権団体などからは批判や落胆の声が上がった。日本政府はあくまで死刑制度存続の方針だが、世界では約7割の国が死刑を廃止か停止している国際的な潮流に逆行する日本さらに厳しい視線が集まるのは必至だ》。

   『●『死刑』読了
   『●死刑廃止集会
   『●「死刑制度 国民的な議論を活発に」…
      「死刑制度存置派驚異の8割の我国」では全くそんな気配なし

   『●「彼を赦したわけではない。
      しかし死刑にして問題が解決するわけではない」

   『●NNNドキュメント「死刑囚の子 殺された母と、殺した父へ」
   『●和歌山毒カレー冤罪事件: 安田好弘弁護士と林眞須美被告
   『●「新宿西口バス放火事件」: ある被害者の心の軌跡
   『●「殺すなかれ…」…「彼らを処刑することが「社会正義」なのだろうか」?

 《赤坂自民亭》の酔いちくれぶりや、一部マスコミの異常なハシャギぶり、思い出すだけでも気分が悪い。《死刑を忠実に実行しているのは日本だけ》、本当に何もかも嫌になるニッポン。さらには、飯塚事件久間三千年さんにどう責任をとるつもりなのか?

   『●袴田冤罪事件を機に死刑制度の再考ができない我国
   『●善良な市民には関係ない?? 
      死刑制度存置派驚異の8割の我国では全く揺るがず!?
   『●《死刑を忠実に実行している》のはニッポンだけ…
      飯塚事件でも、《十三人の死刑執行》でも揺るがず…
    《今年七月、オウム真理教の死刑囚十三人全員の刑が執行された。
     世界で死刑廃止の流れが進む中、大量執行は国内外に大きな衝撃を
     与えた。だが、国内ではその後、死刑制度の存廃を巡る大きな議論
     にはつながっていないこのままでいいのか。関係者を訪ね歩き、
     考えた》

   『●「死刑のスイッチ」を強制する裁判員制度:
      「やった人でないと、この苦しみは分からない」
   『●「7人に死刑を執行する前日に乾杯する総理大臣と法務大臣
            …これがこの国のグロテスクな現状なのだ」

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/126201?rct=editorial

<社説>死刑廃止論 世界の潮流を見据えて
2021年8月23日 07時47分

 米国が連邦による死刑執行を一時停止すると表明した。死刑制度には普遍的な人権問題が潜み、その廃止・停止は、もはや世界の潮流となっている。日本でも廃止に向けた議論を進めるべきだ。

 米国のガーランド司法長官が先月、連邦による死刑執行を停止し、死刑政策や執行方法を検証することを明らかにした。

 バイデン大統領はもともと大統領選の公約に、連邦レベルでの死刑廃止を掲げていた。州をまたぐ犯罪など連邦法に違反する事件について、である。

 連邦法以外に各州法による死刑もあるが、全米五十州のうち現在二十三州が廃止三州が執行を停止している。バージニア州は今年三月に「死刑は不公平で効果がなく非人道的だ」として、南部の州として初の廃止州となった。

 国際人権団体アムネスティ・インターナショナルによると今年四月現在、十年以上死刑執行のない国も含めると、世界百四十四カ国・地域が事実上、死刑を廃止している。死刑のない国は既に世界の三分の二以上を占めている

 先進国に限れば死刑制度を存続・執行しているのは日本米国だけだが、米国内で存続しているのは二十四州で半数に満たない。アムネスティはこうした現状を「世界は死刑という残虐かつ非人道的で、品位をおとしめる究極の刑罰を過去の遺物に葬り去ろうとしている」と説明している。

 日本は、国連の国際人権(自由権)規約委員会から死刑制度の廃止を考慮するよう何度も勧告を受けている。確かに世論調査では死刑に肯定的な意見は多いが、情報開示の不十分さゆえに国民の議論が熟さないのではないか。

 生命を奪う究極の刑罰でありながら、誤判や冤罪(えんざい)の恐れが排除できない執行されれば取り返しがつかず、他の刑罰と本質的・決定的に異なる。二〇一八年の国連総会でも死刑の廃止・停止を求める決議が圧倒的多数の賛成を得た

 日本と外国との捜査協力・司法協力の壁ともなっている。日本が犯罪人引渡条約を締結している国は韓国と米国のみで、拡大しない理由は日本に死刑制度があるためとも考えられている。

 死刑の存廃を巡り、日本では活発な議論が交わされてこなかったが、各国が人権尊重の観点から次々と死刑の廃止・停止に踏み切ってきた潮流を見据えたい。
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/150291

「探しましたが、いませんでした」再審請求中の死刑執行…世界では約7割が廃止か停止
2021年12月22日 06時00分

 2年ぶりの死刑執行に、日弁連や人権団体などからは批判や落胆の声が上がった。日本政府はあくまで死刑制度存続の方針だが、世界では約7割の国が死刑を廃止か停止している国際的な潮流に逆行する日本さらに厳しい視線が集まるのは必至だ

 「小野川さんを探しましたが、いませんでした」。21日午前、東京拘置所で小野川元死刑囚への接見を申し込んだ弁護人の岩井信弁護士に、職員は淡々と告げたという。再審請求中の死刑執行に裁判を受ける権利の侵害裁判は『ない』ということだ」と怒りをあらわにした。

 国際人権団体アムネスティ・インターナショナル日本は「外交では人権を守り抜くとしながら人権をないがしろにする岸田政権の姿勢の表れ」と批判。アムネスティによると、死刑を実質廃止した国は昨年までに約140に上り存置する55カ国でも実際に執行しているのは中東、東アジアなど毎年20カ国程度にとどまる

 米バイデン政権は今年、連邦レベルの死刑執行の停止を発表。州レベルでも、2009年から今年までに計7州が死刑を廃止した。

 国連人権理事会からも再三、死刑の廃止や停止を求める勧告を受ける中、古川法相はこの日の記者会見で、国内世論の支持をふまえ死刑を廃止することは適当ではないと明言した。日弁連の土井裕明副会長は「世論を言い訳に居直るべきではない死刑もやむを得ないという質問文に賛否を尋ねる世論調査の手法にも問題がある」と指摘する。

 8歳の次男をひき逃げ事件で亡くした「被害者と司法を考える会」代表の片山徒有さんは「人は反省し、立ち直ることができる生身の人間の命を国が奪うことはあってはいけない」と主張。「遺族にとっては動機を知ることが永遠にできなくなる対話の機会をつくらないまま改善の余地なしと執行するのはあまりに乱暴だ」と訴えた。(小嶋麻友美、小澤慧一)

【関連記事】米、連邦の死刑執行停止 執行方法などを検証 有色人種への偏り懸念
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コメント
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●山添拓議員の《送検》、八代英輝弁護士の《野党共闘に対する意図的な攻撃》とそれに群がるお維議員たち、中村格氏の警察庁長官へ昇格…

2021年09月21日 00時00分07秒 | Weblog

[※ 野党共闘 市民連合と政策合意 (週刊金曜日、2021年9月17日1345号)↑]


―――――― 《山本太郎代表…「まともな仕事をされている共産党に対して、ジャマな存在だということをああいう形で嫌がらせするっていうのは、ちょっと確信犯に近いだろうなと思います」「だって今、政治の世界のなかで反社って言ったら、自民党と維新でしょ」と喝破》、《適菜収…一方、「社会をリセット」だの「新しい国をつくる」だのと騒ぎ、国を破壊してきたのは、新自由主義と政商、カルトに乗っ取られた自民党であり、その補完勢力としての維新の会である》。


(2021年09月19日[日])
一体何事かと思えば…。山添拓さんのつぶやきから:

―――――――――――――――――――――――――――――――――
https://twitter.com/pioneertaku84/status/1439151513037803523
https://twitter.com/pioneertaku84/status/1439151540221087749
https://twitter.com/pioneertaku84/status/1439151591991365634

山添拓@pioneertaku84

2020年11月3日、休日を利用して趣味の鉄道写真を撮りに行った際に、長瀞町の秩父鉄道の線路を横断したことが、埼玉県警秩父警察署から軽犯罪法違反であるとの指摘を受け、本年9月16日付で送検した旨の連絡を受けました。軽率な行為だったと反省しています。

午後5:57 2021年9月18日
―――――――――――――――――――――――――――――――――

私は、地域住民によって道がつけられ、水路に渡し板がかけられていた箇所を、列車が接近していない時間帯に、通行可能な道であるという認識のもとに、約1秒程度で渡りました。

午後5:57 2021年9月18日
―――――――――――――――――――――――――――――――――
これが渡ることが禁止された箇所であったという指摘については、素直に従い、すべての事情を説明し、反省する旨を記した上申書も提出しています。
今後、二度とこのようなことのないようにいたします。

午後5:57 2021年9月18日
―――――――――――――――――――――――――――――――――

 誰が共産党議員らを監視しているのやら…。10カ月も経った、なぜに今? 暗澹とした気分になる。
 ニーメラー牧師の警句を地で行く。

   『●ニーメラー牧師「ナチスが最初共産主義者を攻撃した時」
      …高江や辺野古が破壊された時、「関生」が狙われた時…

 《共通政策に合意》した他の野党3党にもあまりに失礼だ。
 【ラサール石井 東憤西笑/八代英輝弁護士の「虚偽コメント問題」は公平であるべきTV局とスタッフの知性の劣化にも一因】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/294778)によると、《TBS系「ひるおび!」で八代英輝弁護士が「…」と発言した問題。「綱領」を「要綱」と間違い、全く書かれていないことをあるかのように述べたのは、ワイドショーでのたわ言と看過するには酷すぎる暴言だった。共産党は即刻抗議した。…問題は、田崎史郎氏がいたにもかかわらず間違いを指摘せず、番組自体も発言をスルーしてしまったことにある。そもそも出演者はバランスよく配置されるべきだ。その中で自由に討論すればよい。どうも室井佑月さんが降板したあたりからキャスティングがかなり偏っているように思える。発言が野党共闘に対する意図的な攻撃であり、あえて確信犯的に発言したものであるとしたら、客観的であるはずのコメンテーターとしては逸脱した行為であり、それを容認したのなら、結果的に番組自体が、政府広報、いやそれ以上の一政党を支援する装置になってしまったということになる。これはスタッフの矜持のなさと知性の劣化が招いたものか。》

   『●《立憲民主、共産、社民、れいわ新選組…安全保障関連法廃止を
     求めるグループ「市民連合」と国会内で会合を開き…共通政策に合意》

  デマに群がる、蝟集するお維のあまりの醜悪さ…《共通政策に合意》した他の野党3党にもあまりに失礼だ。
 日刊ゲンダイのコラム【適菜収 それでもバカとは戦え/八代英輝がタレ流したデマに嬉々として便乗した自民と維新 国を破壊してきたのはどっちだ?】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/294904)によると、《野党共闘を潰すために選挙直前を狙って確信犯的にデマを流した可能性を疑われても仕方がない。…デマゴーグを放置すれば社会はどんどんおかしくなっていく。実際、維新の会の議員らがこのデマに便乗足立康史は〈逆にTBSが謝罪とか訂正とかしたら、大変な問題になる〉、音喜多駿は〈共産党は公安も認定する通り暴力革命の路線を捨てておらず、TBS番組でコメンテーターの方が言いたかったことは正しいです〉とツイート》。

   『●松尾貴史さん×室井佑月さん対談、「安倍首相は、
      嘘も権力の私物化も恥ずかしいとすら思っていない」
    《松尾 確かに。それで、室井さんの出演している『ひるおび!』
     (TBS)はどう? 個人的には八代英輝弁護士が面白いな
     と思っていて。安倍さんのお友だちなの?》

   『●中曽根康弘元首相や「産経のドン」故・鹿内信隆氏らは、
      あの時、何をしていたのか? …《検閲国家》へと一歩一歩
    《5日放送の『ひるおび!』(TBS)でも、慰安婦問題など含む作品を
     展示した「表現の不自由展・その後」が中止に追い込まれた件を
     とりあげるなか、八代英輝弁護士がこんな発言をしていた。
     「…この慰安婦問題っていうものが史実に基づかないものである
     こと。…」 八代弁護士は「表現自体をさせないという風潮は危険だな
     と思う」などとエクスキューズをいれつつも、「私自身はこれ
     (少女像)を置いて、こんなものあってはならないと議論する
     ということはアリだと思いますけどね」と続けるなど、
     嫌韓煽りを剥き出しにしていた》

 リテラの記事【八代弁護士らの共産党攻撃の根拠「公安調査庁」が“失笑”の報告書! 暴力活動の記載なく「コロナ政策提言で存在感」とまるで共産党】(https://lite-ra.com/2021/09/post-6021.html)によると、《八代弁護士は…「共産党は…党の要綱として廃止してませんから」「よくそういうところと組もうという話になるな、というのは個人的には感じますね」などと発言したが、そもそも日本共産党の「綱領」には「暴力的な革命」などという文言は一切なく、八代弁護士の発言は完全なデマだった》。
 このリテラの記事の結び、《れいわ新選組の山本太郎代表が今回の八代発言の共産党デマ攻撃の背景について、「まともな仕事をされている共産党に対して、ジャマな存在だということをああいう形で嫌がらせするっていうのは、ちょっと確信犯に近いだろうなと思います」「だって今、政治の世界のなかで反社って言ったら、自民党と維新でしょ」と喝破していたが、この連中にそのまま権力を握らせていたら、それこそ、秘密警察による謀略支配はさらにエスカレートしていくだろう》。さすが、山本太郎さん。

 一方…こんなことが許されていいのか! ―――――《官邸の忠犬政権の爪牙山口敬之氏の逮捕を潰した最重要キーマン》中村格氏が警察庁長官に…。前川喜平さん《中村の警察庁長官就任は、安倍・菅政権の腐敗を象徴する人事だ》。金子勝さん《権力に近ければ、罪を犯しても逮捕されない…公安警察・検察が安倍政権を支配していることに事の本質がある》。青木理さんは《…本来は一定の距離を保つべき政権と警察・検察が近づき過ぎるのは非常に危うい民主主義国家として極めて不健全な状態と言わざるを得ません》。

   『●アベ様が《新政権も警察権力も私物化する暗黒時代が始まる》、《官邸の
       忠犬…政権の爪牙…山口敬之氏の逮捕を潰した最重要キーマン》が…

 最後に、青木理さんの『日本の公安警察』。

   『●『日本の公安警察』読了(1/2)
    「1章 厚いベールの内側」、「2章 特高から公安へ」、
     「3章 監視・尾行から工作まで」、「4章 公安秘密部隊」、
     「5章 戦後の公安事件簿」、「6章 オウム・革マル派との〝戦い〟」、
     「7章 警察の外にある公安」、「8章 監視社会と公安警察」
    「奇々怪々な「菅生事件(すごう)という謀略とその後の無茶苦茶な経緯、
     〝爆弾犯〟の異常な出世」

   『●『日本の公安警察』読了(2/2)
    《情報は、大物政治家や警察OBの代議士に流れているというのが、
     仲間内での公然の秘密であった。元来、秘密のベールに
     包まれているはずの『第四係』の懇親会終了後に自民党選出の
     国会議員が顔を見せるというのも、警察と自民党との癒着
     物語るものであろう》

 再度、引用する:

――――――――――――――――――――――――――――――――――
https://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/44ec4cf2d3eae47aa55c93e8c0a996e7
https://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/5e6abd0d5b21ef7d6d1f894069c32f8b

青木理さん『日本の公安警察』:

 奇々怪々な「菅生(すごう)事件」という謀略とその後の無茶苦茶な経緯、〝爆弾犯の異常な出世。《…当時国家地方警察大分県本部に所属する公安警察官だった。…事件は一転して、公安警察による謀略事件だった疑いが浮上した。…〝オトリ捜査〟…。…共産党員らに有罪を言い渡した原判決を破棄し、全員無罪の判決を下した。寒村で突如として起きた「共産党員による駐在所爆破事件」は、地元の共産党周辺へと投入された公安警察官らによる謀略事件だったのである。…大分地裁は戸高を爆発物取締罰則違反で起訴し、その後福岡高裁も戸高の有罪を認定したが、結局は「爆発物に関する情報を警察の上司に報告したことが自首にあたる」として刑を免除される。驚くべきはこの後の戸高に対する処遇だった。警察庁は有罪判決からわずか三カ月後、警部補として復職を認めたのである。…復職後の戸高は警察大学校教授、警察庁装備・人事課長補佐などを歴任して警視の地位まで昇任。八五年、警察大学校術科教養部長を最後に退官したノンキャリアの公安警察官としては異例の出世った。…「パチンコ疑惑」…参院予算委員会で、再び「戸高…」の名前が物議を醸す。…警察OBが占める「たいよう共済」の常務に問題人物が就任…。戸高…のことだった。…こんなところにも顔を出している。…菅生事件の〝亡霊〟は事件から四〇年以上を経ても警察組織の中枢でひっそりと息づいていた。そしてプリベイドカードは、今も巨大な警察利権の一つとして指摘されている》。

 盗聴。《中野の警察大学校に本拠を置く「サクラ」部隊は、そんな秘密工作活動を発足以来三〇年以上にわたって延々と、そして水面下で続けてきた。だが一九八六年、組織に大きな転機が訪れる。共産党の緒方国際部長宅盗聴事件の発覚である。…緒方側の申し出を受け、NTT職員は現場を所轄する警視庁町田署に事実関係を通報した。しかし、到着した町田署員は緒方側から事情を聴くと近所で長時間の電話をし、緒方らに対して「警察は静観する」と言ったきり捜査に乗り出すことを拒否。NTT側が一一月二八日、同署に告発したにもかかわらず、これを受け取らず、翌二九日になってようやく受理した。/ところが一二月一日になると突如として実況見分を実施し、大量の〝証拠品〟を持ち帰ってしまう。極めて不透明な形で行われた見分は証拠隠滅すらうかがわせるものだった》。当時の検察総長伊藤榮樹氏のたとえ話・おとぎ話。損害賠償請求訴訟では賠償が命じられ、高裁でも勝訴、国側の上告断念で判決は確定。
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https://lite-ra.com/2021/09/post-6021.html

八代弁護士らの共産党攻撃の根拠「公安調査庁」が“失笑”の報告書! 暴力活動の記載なく「コロナ政策提言で存在感」とまるで共産党PR
2021.09.17 12:08

     (公安調査庁「内外情勢の回顧と展望」2021年1月版)

 『ひるおび!』(TBS)レギュラーコメンテーターの八代英輝弁護士による日本共産党デマ発言だが、当の八代弁護士にも、同じ見解を持つ自民党政権や応援団にもまったく反省はないらしい

 八代弁護士は10日放送回のなかで「共産党はまだ『暴力的な革命』というものを、党の要綱として廃止してませんから」「よくそういうところと組もうという話になるな、というのは個人的には感じますね」などと発言したが、そもそも日本共産党の「綱領」には「暴力的な革命」などという文言は一切なく、八代弁護士の発言は完全なデマだった。

 ところが、13日に局アナがこの点について訂正・謝罪した一方、八代弁護士は「私の認識は閣議決定された政府見解に基づいたものでした」などと開き直った。

 しかも、ネット上ではネトウヨや自民党応援団がこぞって「八代弁護士は何も間違ったことを言っていない」「共産党は破防法に基づく監視対象団体」「公安調査庁から暴力主義的な破壊活動をおこなう恐れがあると認定されている」などと叫び、加藤勝信官房長官までが「政府の認識は何ら変更するものではない」などと八代弁護士をアシストしている。

 まったく、連中の悪質さには呆れ果てるしかない。安倍・菅政権の閣議決定の根拠となり、いまもネトウヨや政権応援団が「共産党は暴力革命を捨てていない」ことの根拠としてがなり立てているのは、共産党が破壊活動防止法にもとづく公安調査庁の監視対象団体になっているということだが、この監視対象指定じたい、先日の記事で指摘したように、公安調査庁のでっちあげにすぎないのだ。

 破防法は既報のとおり東西冷戦下の1952年に共産党を排除する政治的な目的でつくられた法律で、その破防法に基づき、監視機関として、公安調査庁が設けられた。

 しかし、この70年近く、公安調査庁は破壊活動を裏付けるような証拠を一切上げられておらず、自民党や警察関係者にすら「無用の長物」「予算の無駄遣い」と冷笑されてきた。

 しかし、何も証拠を上げられていないのは当然で、公安調査庁は自分たちの組織と予算を維持するため、破壊活動の実態など何もないのに、70年近くも共産党に無理やり破壊活動の疑いをかけつづけてきただけなのだ。

 それを証明する公的資料がある。それは、公安調査庁が年に1度発表している、国内外の治安情勢や監視対象団体の動きをまとめた報告書「内外情勢の回顧と展望」だ。


■公安調査庁「内外情勢の回顧と展望」2021年1月版の失笑ものの内容

 たとえば、最新版にあたる2021年1月の「内外情勢の回顧と展望」を見てみよう。共産党は、「国内情勢」を取り上げた章に登場する。ちなみに、国内情勢のトップバッターとして取り上げられている団体はオウム真理教で、つづいて過激派。共産党はその次の3番目に登場し、最後の4番目は「右翼団体など」となっている。

 一体どんなおどろおどろしい破壊活動が書かれているのか、と共産党のページを開くと、まず、タイトルにはこうあった。

「コロナ禍での政策提言などを通じて存在感のアピールに努めた共産党」

 え? 「暴力革命」とか「破壊活動」じゃなくて「コロナ政策の提言で存在感をアピール」? これって、むしろ政党として褒めてないか

 いや、でも、本文にはさすがに何か破壊活動を示唆するようなことを書いているはず、と思って目を移すと、レポートはこう始まる。

〈共産党は,1月,平成29年(2017年)以来3年ぶりとなる「日本共産党第28回大会」を開催した。大会では,安倍政権の一連の施策について,「憲法と平和,暮らしと経済,民主主義と人権などあらゆる分野で,戦後どの内閣もやってこなかった史上最悪の暴政の連続だった」と批判した。そして,この状況を打開するには,野党が政治的立場の違いを乗り越えて結束し,政権交代を目指すことが重要であると強調した上で,次期総選挙に向け,「野党間で相互敬意をもって一致点で団結し,連合政権をつくるために力を尽くす」などと野党共闘の発展を訴えた。大会には,「日本共産党第27回大会」(平成29年〈2017年〉)に続き,他野党・会派から来賓を迎え,挨拶の場を設けるなどして,共闘の印象付けを図った。〉

 本文が始まっても「暴力革命」や「破壊活動」に関係する記述はなかなか出てこず。その代わりに書かれていたのが、安倍政権は史上最悪の暴政の連続と批判し、その打開のために野党が一致団結しようと呼びかけた、という話だった。公安調査庁の解釈では、もしかしたらこれが「破壊活動の前触れ」ということになるのだろうか。さらに、レポートはこうつづく。

〈また,大会では,「日本共産党第23回大会」(平成16年〈2004年〉)以来となる綱領改定を行い,従来から取り組んできたジェンダー平等社会の実現を目指す旨新たに規定し,女性層に寄り添う姿勢を明確にした。なお,中国については,尖閣諸島周辺海域における中国公船の領海侵入など覇権主義的行動が深刻化していると指摘した上で,「日本共産党第23回大会」で同国を評価した部分を削除した。大会後,共産党は,大会決定や改定綱領の下,令和4年(2022年)の党設立100周年に向けて,党員数及び「しんぶん赤旗」読者数を,大会開催時と比べて3割増とすることなどを目標に党勢拡大活動に力を注いだ。〉


■公安調査庁が共産党の「各地で生活物資の配布活動」「中国批判」を明記 まるで共産党の宣伝パンフ

 相変わらず、「暴力革命」「破壊活動」の記述はなく、今度はその代わりに「ジェンダー平等社会の実現を目指す旨新たに規定」「女性層に寄り添う姿勢を明確にした」……。その上、この「回顧と展望」では、共産党が中国共産党批判をおこなっていると記述。ネトウヨ連中がわめいている「共産党は中国の手先」説を否定する形になっていた。

 もはや共産党の広報紙か「しんぶん赤旗」でも読まされている気になってくる。いくらなんでもこのままでは終わらないだろう、とさらに読み進めたのだが、後半部分にあったのはこんな解説だった。

〈共産党は,新型コロナウイルス感染症の感染拡大を捉え,「新型コロナ危機を体験して, これまでになく多くの人々が政治に目を向けている」と指摘した上で,無党派層を中心に 入党の働き掛けに努めた。この取組では,政府が打ち出した各種政策を捉え,全世帯へのマスク配布や「GoToトラベル」をめぐる対応を批判するとともに,党独自あるいは他野党と共同で提言や政府に対する申入れを行った。〉
〈また,共産党は,党の援助を受け,党幹部も輩出している青年組織・日本民主青年同盟とともに,各地で生活物資の配布活動を実施し,「党・民青と学生の結びつきが生まれていることから,民青を支え,援助を強めることが重要である」などと同活動を評価した。〉
〈9月に発足した菅政権に対しては,安倍政権の政治姿勢を全面的に継承する体制であると 批判し,対決姿勢を鮮明にした。また,次期総選挙については,「しんぶん赤旗」などで,次の総選挙で政権交代を実現するという本気度を国民に示すことが大事であると繰り返し訴えるとともに,いつ解散・総選挙になっても市民・野党共闘の勝利と党躍進を必ず勝ち取る構えで戦い抜くと強調して,選挙準備を進めた。〉

 公安調査庁が列挙しているのは、アベノマスク批判に「GoTo」批判、コロナ対策の提言や政府へ申し入れをおこなったこと……挙げ句、生活物資の配布活動を各地で実施したとも書いているが、これ、コロナ禍で市民に寄り添ういい政党だなあ、という感想しかない。むしろ、共産党の善行を喧伝する公安調査庁は共産党の手先なのではないか?と疑ってしまいそうになるほどだ。

 しかも、レポートはここで終わり。まさかと思うかもしれないが、これが公安調査庁による「共産党」にかんする2021年版の調査結果の全部なのだ。

 安倍・菅政権の閣議決定および八代弁護士の主張、氏を擁護する人びとは、「共産党は暴力革命路線を捨てていない」とする根拠として公安調査庁による調査対象団体に指定されていることを挙げていたが、その公安調査庁は、たんに共産党を調査対象団体にしているというだけで、共産党のPR原稿としか思えない調査結果しか残せていないのである。まったく、これほどの税金の無駄遣いがあるだろうか


■日本ペンクラブや生協、日本ジャーナリスト会議、アムネスティまで監視対象にしていた公安調査庁

 しかも、公安調査庁が自らの組織維持と予算獲得のために危険性をでっち上げている相手は、共産党だけではない。なんと、生活協同組合(生協)や日本ペンクラブなどの報道関係の任意団体まで監視対象に広げようとしていた前歴がある

 1996年に公安調査庁が下部組織である公安調査局に指示を出し、広範な団体について実態把握に乗り出していたことが、1999年に判明したのである。当時の新聞によると、公安調査庁は全国8カ所の公安調査局に対してそれぞれの「重点解明目標」を設定。たとえば、近畿公安調査局の指示項目には、こんなことが書かれていたという。

〈「大衆・市民運動関係」として、原発建設の賛否を問う住民投票運動のほか、市民オンブズマンの行政に対する告発や大気汚染・リゾート開発・ごみ問題等への取り組みなどを行う団体を列挙。女性の地位向上や消費税率引き上げ反対運動も含まれている。〉
〈「法曹・救援、文化、教育関係」の分野では(1)いじめ・不登校問題、日の丸・君が代反対などに対する諸団体の動向(2)諸団体による死刑廃止や人権擁護の取り組みなどに加え「言論・出版の自由を求める活動の実態」としてマスコミ関係団体も指定した。〉(中日新聞1999年11月25日付)

 そして、公安調査庁が名指ししたとされる団体には、日本ペンクラブや日本ジャーナリスト会議、生協、アムネスティ日本支部、情報公開法を求める市民運動、原水協原水禁などがあったというのである。

 消費税やリゾート開発に反対する団体、いじめや不登校問題に取り組んだり女性の地位向上をめざす団体、さらに日本ペンクラブが、一体どうして破壊活動をおこなう恐れのある団体になるのか、さっぱり意味がわからない

 当時、中日新聞では、奥平康弘・東大名誉教授が「『気に入らない団体はすべて調査しよう』という政府側の意向を反映した動きなのだろう」とコメントしていたが、この調査対象を見るとそれ以下。とにかく、自分たちが予算獲得できるためなら、なんでもいいから手当たり次第、危険性があることにして調査しようとしていたとしか思えない


■山本太郎が八代らの共産党攻撃に「確信犯」「政治の世界で反社って言ったら、自民党と維新」

 いずれにしても、これらの事実を見れば、公安調査庁がいかにデタラメで、連中の言う「破壊活動のおそれ」とやらが何の実態もないでっち上げであることがよくわかってもらえたはずだ。

 しかし、問題は安倍・菅政権になって、リストラ対象になっていたはずのこの役所が復活、その妄想と陰謀論丸出しのやり口をそのまま政権が利用するようになったことだ。

 まず、安倍政権時代の2016年3月にも〈日本共産党は、現在においても、破壊活動防止法に基づく調査対象団体である〉などとする答弁書を閣議決定した。

 2016年というのは、2015年に安保法案が可決・成立して以降、初の国政選挙である参院選がおこなわれたが、この参院選では、立憲主義に反する安保法制強行成立への抵抗から野党共闘が始動していた。この閣議決定は明らかに、参院選をにらんで、野党共闘潰しのために仕掛けられたものだった。

 そして、今年6月には、維新の鈴木宗男・参院議員の質問主意書に答えるかたちで、〈日本共産党は、現在においても、破壊活動防止法に基づく調査対象団体である〉などという答弁を閣議決定したのだが、これもやはり、今回の衆院選対策で、野党共闘に揺さぶりをかけようとしたものだ。

 前述したように、かつての自民党にはまだ、このインチキな公安調査庁のあり方を批判し、整理しようという良識的な姿勢があった。しかし、安倍・菅政権になって良識も倫理もなくなった自民党政権は、フェイク公安機関を平気で政敵叩きに利用し始めたのである。

 それは支持層も同じだ。当の八代弁護士はもちろん、ネトウヨも公安調査庁のインチキ丸出しの「共産党=暴力革命」という決めつけに乗っかって、総選挙を前に、自民党擁護と野党叩きを繰り広げているのだ。

 れいわ新選組の山本太郎代表が今回の八代発言の共産党デマ攻撃の背景について、「まともな仕事をされている共産党に対して、ジャマな存在だということをああいう形で嫌がらせするっていうのは、ちょっと確信犯に近いだろうなと思います」「だって今、政治の世界のなかで反社って言ったら、自民党と維新でしょ」と喝破していたが、この連中にそのまま権力を握らせていたら、それこそ、秘密警察による謀略支配はさらにエスカレートしていくだろう

(編集部)
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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/294904

適菜収 作家
近著に「日本人は豚になる」「ナショナリズムを理解できないバカ」など。著書40冊以上。購読者参加型メルマガ「適菜収のメールマガジン」も始動。詳細は適菜収のメールマガジンへ。

それでもバカとは戦え
八代英輝がタレ流したデマに嬉々として便乗した自民と維新 国を破壊してきたのはどっちだ?
公開日:2021/09/18 06:00 更新日:2021/09/18 06:00

     (「八代英輝弁護士の事務所は暴力団」とデマを流しても
      謝れば納得するのか(C)日刊ゲンダイ)

 弁護士の八代英輝が、日本共産党に関するデマをテレビ番組で垂れ流した。八代はTBS系「ひるおび!」(10日放送)にコメンテーターとして出演。野党4党(立憲民主、共産、社民、れいわ)の次期衆院選での共闘について「共産党はまだ暴力的な革命ってのを党の要綱として廃止していませんから、よくそういうところと組もうって話になるなと個人的には感じますね」と発言した。

 要綱は綱領の言い間違いなのだろうが、これはシンプルなデマである。

 弁護士なのだから、共産党が暴力革命路線を放棄していることを知らないわけがない。仮に知らなかったとしたら、それに反発した新左翼の動きも、日本の現代史もまったく知らないということになる。さすがにそれはありえない。よって、野党共闘を潰すために選挙直前を狙って確信犯的にデマを流した可能性を疑われても仕方がない。

 番組は「日本共産党の綱領にそのようなことは書かれていませんでした。訂正しておわびします」と謝罪(13日)。八代は「私の認識は閣議決定された政府見解に基づいたものでした。一方、日本共産党はそれをたびたび否定していることもあわせて申し上げるべきでした」などと言っていたが、話をゴマカすな。問題になったのは「私の認識」ではなく、デマを流したことである。

 また、謝れば済む話でもない。デマを流すのは簡単だが、デマを修復するのは難しい。テレビ番組で「八代の弁護士事務所は暴力団」とデマを流しても謝れば納得するのか

 デマゴーグを放置すれば社会はどんどんおかしくなっていく。実際、維新の会の議員らがこのデマに便乗。足立康史は〈逆にTBSが謝罪とか訂正とかしたら、大変な問題になる〉、音喜多駿は〈共産党は公安も認定する通り暴力革命の路線を捨てておらず、TBS番組でコメンテーターの方が言いたかったことは正しいです〉とツイート。

 これも論点のゴマカシだが、そもそも今の日本共産党は暴力革命路線どころか、かなり保守色が強い。一方、「社会をリセット」だの「新しい国をつくる」だのと騒ぎ、国を破壊してきたのは、新自由主義と政商、カルトに乗っ取られた自民党であり、その補完勢力としての維新の会である。公安が監視対象とすべきはこうした連中ではないか。
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コメント (1)
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●《自助》大好きオジサン・元最低の官房長官と学商は〝ベーシックインカム7万円〟を「トリクルダウン」だとでも思っているのでは?

2020年10月08日 00時00分30秒 | Weblog

[※《自助》大好きオジサン・最低の官房長官と学商 (日刊ゲンダイ 2020年9月7日 )↑]



酒井まど氏による、リテラの記事【菅首相の叫ぶ「規制緩和」は30年も前の流行語だった! 竹中平蔵がバック、時代遅れの新自由主義が国民生活をさらに圧迫する】(https://lite-ra.com/2020/09/post-5644.html)。

 《ついに動き出した菅政権。菅義偉新首相は16日の就任会見では、「行政の縦割り、既得権益、そして悪しき前例主義、こうしたものを打ち破って、規制改革を全力で進めます」「この内閣は、既得権益を打破し、規制を改革する、国民のために働く内閣」「規制改革というのをこの政権のど真ん中に置いています」などと「規制改革」「既得権益打破」を連発。18日朝にはあの竹中平蔵パソナグループ会長とさっそく約1時間会食懇談するなど、総裁選中の「自助・共助・公助」に続き、新自由主義路線を全開にしている》。

   『●【金子勝の「天下の逆襲」/野党は「消費減税で戦う」ではなく
      ニューディール議論を】…最悪な税制なんかを導入したが故に…
   『●さようならアベ総理、そして、こんにちはアベ様…数々のアベ様案件
       について真相を解明し、真の「責任」を果たしていただきましょう
    「2020年8月28日(金)午後、漸くこの日を迎えました
     アベ様が首相辞任を表明しました

   『●《派閥の談合が露骨で、仲間内で甘い汁を吸うアベ政治…何より問題
     なのは、菅がやってきたことを検証せず、ヨイショ報道を流すメディア》
   『●《出来ないことを出来ると言い、やれると言ったことをやらなかったのが
       安倍―菅という最悪のタッグ…安倍と周辺一味による暗黒の時代…》
   『●斎藤貴男さん《この国の社会と人心は、主に小泉純一郎政権と安倍政権に
        よって破滅…。菅氏も安倍路線の継承を誇らしげにうたっている》
   『●無《責任政党》内人事、大惨事アベ様政権・「官邸官僚」人事…
     見るに堪えないメンバーで数々の腐臭漂うアベ様案件に蓋をする気満々
   『●違憲な壊憲、縁故主義・政権の私物化までも《継承》…《主権者である
         国民の一人一人が幸せを追求できる政治を実現》する気も無し
   『●沖縄イジメも《継承》… 大惨事アベ様《政権も沖縄の民意を無視する
      体制…それどころか、「アメとムチ」の政策が一層多用される懸念》
   『●同感…《「安倍政権7年8カ月の功罪」…考えてみると、ぼくに
     とっては「罪」ばっかりで「功」はちっとも浮かばない》(鈴木耕さん)
   『●《支配欲の亡者ばかり…。今はため込むしかないらしい屈辱を、
     いずれ真の自由を獲得するための原動力に転化して、爆発させたい》
   『●ジャパンライフ元会長が詐欺容疑で逮捕…一体何年放置? そして、

     大惨事アベ様政権は「桜を見る会」の中止を表明して疑惑・腐臭に蓋
   『●《官房機密費…3つからなり、このうち「調査情報対策費」
     「活動関係費」は領収書が必要となる。問題は「政策推進費」》…〝ヤミ金〟

 《自助》大好きオジサン・元最低の官房長官と学商…弱者を守るための規制が破壊され、都合よく政治を私物化して私腹を肥やす。竹中平蔵センセ・学商さんは、〝ベーシックインカム7万円〟をお上からの「トリクルダウン」だとでも思っているのでは? 社会保障を破壊し、格差を拡大して、弱者は、滴り落ちてくる僅かばかりの〝雫〟だけで、どう生活しろと? お得意の《自助》=自己責任ですか? 《国民のために働く内閣》の「国民」の前には「全ての」という言葉がなく、学商や政商、与党や癒着党政治家などの「(一部の強者の)国民のために働く内閣」に過ぎない。騙されている方や眠り猫な方は、目を覚ませ!

   『●竹中平蔵氏のパソナによる「自分が関わったところで 
       自分が利益を得るという構図」に乗っかって大丈夫か?
   『●必然的に「私腹を肥やしてきた」学商・竹中平蔵氏…
          大学は、利益相反の調査はしなかったのかな?

   『●「会社の奴隷」をどんどん育てよう…与党自公や
       学商竹中平蔵センセを応援するマゾな支持者・信者の皆さん
   『●一人PDCAサイクル「なんでも金、金、金」の竹中平蔵氏…
                「自分でルールを作り、自分が儲けたわけな」
   『●五輪ボランティアを派遣するのは…偶然にも? 
        パソナや竹中平蔵氏へのウラアリなオ・モ・テ・ナ・シ
    《知らんかった! ボランティアを派遣するのは竹中平蔵さんとこの
     パソナだって。怪しい。なんで金額がいえないの? まさか、ただで
     国民使うのに、中抜きで大儲けを企んでいるんじゃあるまいな

   『●移民法、水道民営化までも…カネの臭いに集る学商、
       またしても竹中平蔵センセが意地汚い政治家と共に蝟集
   『●「会社の奴隷」をどんどん育てよう…与党自公や学商
      竹中平蔵センセを応援するマゾな支持者・信者の皆さん
   『●学生に退学処分をちらつかせ、〝就職〟で恫喝…
     学商・Mr.トリクルダウン氏の利益相反こそ問題にすべき
   『●学商・Mr.トリクルダウン竹中平蔵氏《平均寿命も超える長寿者に
              対し「棺桶に片足を突っ込んでも働け」と…》
   『●《不安定な労働を拡大させた張本人》学商・竹中平蔵氏…「世界は
     これから数年、痛い目を見たあと、社会の分断解消に向けた議論が…」
   『●いつも通り《パソナもしっかり利権にありついている》…学商・
     竹中平蔵氏は「政府対応を批判する世論と、それを煽るマスコミが悪い」と…

 《自分が関わったところで自分が利益を得るという構図》で私腹を肥やしてきた政商と学商。デカい顔をして、未だに表舞台に居る不思議。
 日刊ゲンダイのコラム【佐高信「この国の会社」/宮内義彦オリックスは「実は何か」が問われている】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/278984)によると、《「シニア・チェアマン」という肩書の宮内義彦竹中平蔵と組んで規制緩和の旗を振ってきた。ヤマト運輸の小倉昌男と違って、政治の力を借りて、いろいろと商売の手を広げてきたのである。現都知事の小池百合子の後援会長をしていたこともある》。

 もう一度、ここで、《サラ金の手先》でもあった竹中平蔵氏について、一言。佐高信さんの言う《学商》。もう10年も経っている。

==  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  ==
 佐高信さんの「筆頭両断!「百の説法屁一つ」 竹中平蔵」(…)。「…ベラベラしゃべっている人間の下品さがわかるということだが、小泉純一郎と竹中平蔵にこそ、この格言がぴったりと当てはまる」。「…そんなセリフは「年棒1億円」とかいわれる〝新規権益〟のパソナ会長の椅子を放棄してから言え、と怒鳴りつけたい」。「竹中の強欲ぶり…『東京新聞』も…「究極の天下り」と批判…」。「郵政民営化に影響力を行使した後、かんぽの宿の一括譲渡を実施させようとしたオリックス宮内義彦会長と同じ。自分が関わったところで自分が利益を得るという構図は、まるで政商ならぬ学商だ」。「…消費者金融、つまりサラ金の経営者の集まりでも講演し、彼らの喜びそうなことを言っている。…郵便局のカネをそちらにまわせというのである。どこまでサラ金の手先となればいいのか」。「「新自由主義の時代は終わった」とか、「新自由主義は誤った」などという評論家は一切信用しないことにしている、とミエを切っている。内橋克人や私は信用しないということだろうが、作家の城山三郎明確に竹中を批判していたし、高杉良厳しく断罪しているのだから、城山や高杉も竹中は「信用しない」ということになる。/サラ金業者からカネをもらって講演したり、日本マクドナルドの未公開株を買ったり、さらにはパソナの会長になって一億円もフトコロに入れる竹中と、「渇しても盗泉の水は飲まず」といった感じの清冽な生き方を貫いた城山三郎のどちらに信用があると、この卑しい軽薄才子は思っているのか」。
==  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  ==



[※ パソナの学商・竹中平蔵氏による一人PDCAサイクルhttps://twitter.com/yohei_tsushima/status/1009649260697038848)↑]

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https://lite-ra.com/2020/09/post-5644.html

菅首相の叫ぶ「規制緩和」は30年も前の流行語だった! 竹中平蔵がバック、時代遅れの新自由主義が国民生活をさらに圧迫する
2020.09.22 03:50

     (首相官邸HPより)

 ついに動き出した菅政権。菅義偉新首相は16日の就任会見では、「行政の縦割り、既得権益、そして悪しき前例主義、こうしたものを打ち破って、規制改革を全力で進めます」「この内閣は、既得権益を打破し、規制を改革する、国民のために働く内閣」「規制改革というのをこの政権のど真ん中に置いています」などと「規制改革」「既得権益打破」を連発。18日朝にはあの竹中平蔵パソナグループ会長とさっそく約1時間会食懇談するなど、総裁選中の「自助・共助・公助」に続き、新自由主義路線を全開にしている。
 実質“自民党菅派”であり同じ新自由主義信者である維新の吉村洋文・大阪府知事や橋下徹・元大阪市長らも「規制改革に期待」とさっそく同調し、メディアも「規制緩和」「構造改革」ともてはやしている。
 でも、ちょっと待ってほしい。この人たち、正気で言っているんだろうか。菅首相が掲げる新自由主義路線って、この30年の間ですでに限界が露呈しているんじゃなかったのか。
 というか、そもそも「規制緩和」とか「構造改革」とか、ワードとして古すぎるだろう。
 これらの言葉がいかに手垢のついた古臭いものであるかは、過去の「流行語」を調べてみればよくわかる。
 新自由主義的改革路線が直接的には小泉政権からの流れであることは周知のとおりだが、案の定、小泉政権の誕生した2001年の流行語大賞は「米百俵」「聖域なき改革」「恐れず怯まず捉われず」「骨太の方針」「改革の『痛み』」など、小泉改革語録がずらり並んでいた。ちなみに、これらはノミネートではなくて、すべてが大賞。しかもトップテンに「抵抗勢力」や「塩爺」も入っている。いかに世の中が小泉純一郎の叫ぶ「改革」に浮かれていたかが、よくわかる。この辺りは多くの人の記憶にもあることだろう。
 つまり、日本という国は20年も前から「改革」「改革」と叫び続けていることになるわけだが、「規制緩和」にいたってはそれどころではなかった。なんと27年も前、1993年の流行語大賞で、金賞を受賞していたのだ。
 1993年といえば、宮沢りえと貴乃花が婚約を解消し、現在の天皇が雅子妃と結婚した年で、阪神大震災もオウム真理教による地下鉄テロ事件もまだ起きていない。政治では、非自民の細川政権が生まれ、安倍前首相は初当選、菅首相はまだ国会議員にもなっていない。
 その年のヒット曲は、1位がCHAGE&ASKAの「YAH YAH YAH」、2位がB'zの「愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない」、3位はTHE虎舞竜の「ロード」で、小室ブームもまだ起きていないし、SMAPも安室奈美恵もデビューはしているがまだ本格的ブレイクにはいたっていない。アイドル冬の時代と呼ばれ、当然ながらAKB48もモーニング娘。も存在しない。平成というより、まだ昭和の残り香のなかにある。
 流行語大賞を見ても、「規制緩和」と並んで、流行語大賞銀賞や銅賞を受賞したのは、ダチョウ倶楽部の「聞いてないよォ」に「お立ち台」に「ウゴウゴ・ルーガ」。さらには「新・○○」なる流行語も受賞していて、紹介文には〈1993年は“新党”ブームとなり、「“新”生党」「“新”党さきがけ」「日本“新”党」などが続々と誕生〉とあり、受賞者は“新・加勢大周”こと坂本一生。
 「お立ち台」「ウゴウゴ・ルーガ」「新・加勢大周」と同じ年の流行語となると、ひと昔前どころの騒ぎではない。「規制緩和」をいま持ち出すというのは、「いま話題のスイーツです」と言ってナタデココを出してくるようなもの。もはや最近話題の「平成レトロ」なのだ。
 菅首相は、「パンケーキ」のことを「ホットケーキ」とは言わない程度に時流に乗っているくせに、肝心の経済政策は30年前でストップしているらしい。


■「規制緩和」がブームになったのは細川政権時代の1993年

 いや、これはワードの古さをからかって済む話ではない。問題はこの国で30年以上もの間、「規制緩和」「構造改革」と叫ばれ続けながら、経済はまったく回復していないどころか、その結果、悪化の一途をたどり、国民の生活はどんどん窮乏していったということだ
 言っておくがこの間、「規制緩和が進んでない」わけではなかった。むしろ、数々の規制が撤廃・緩和されてきた。
 日本における新自由主義路線の萌芽は、国鉄(JR)・電電公社(NTT)・専売公社(JT)の民営化に象徴されるように、イギリスのサッチャリズムやアメリカのレーガノミクスに同調した1980年代の中曽根政権にあるが、バブル崩壊後の1990年代からさらに加速していった。
 1993年に「規制緩和」が流行語大賞金賞を受賞した際は、運輸省(当時)の行政指導に立ち向かい「タクシー値下げ」を果たした京都・MKタクシーの会長が受賞者となっているが、「規制緩和」はタクシーに限った話ではなく、当時、不景気打開・経済成長の鍵としてあらゆる分野で叫ばれたのが「規制緩和」だった。
 そして、この年に誕生した細川政権が「規制緩和94項目」を掲げる。その路線は自民党政権に戻っても引き継がれ、橋本政権、小渕政権、森政権でさらに強化。そして、小泉政権で、「規制緩和」「新自由主義政策」が決定的なものとなる
 「郵政民営化」に代表される行政サービスの民営化が進み、大企業のビジネスがやりやすくなるようにさまざまな規制が緩和され、社会保障がカットされる一方、法人税や高額所得者の所得税減税が行われた
 さらに、国民にとって大きな影響があったのは、その小泉政権下で一気に進んだ雇用・労働をめぐる規制緩和だろう。
 違法だった労働者派遣が可能になったのは、労働者派遣法が制定された1985年からだが、この時点ではまだ派遣が許されているのは13業種に限定されていた。ところが、90年代以降、規制緩和の名のもとに段階を踏みながら徐々に拡大。そして、小泉政権下の2004年に労働者派遣が製造業にまで拡大、これで非正規雇用が一気に増えたのだ


■小泉政権時代、竹中平蔵がリードした新自由主義政策と規制緩和がもたらしたもの

 周知のように、小泉政権のこうした規制緩和の最大の推進力になったのが、民間閣僚として経済財政政策担当相に就任した竹中平蔵氏だった。竹中氏は規制緩和によって経済が活性化し、会社や富裕層が儲かれば、庶民も恩恵が受けられるという、いわゆるトリクルダウン理論を力説してきた。
 しかし、その結果、どうなったか。日本の経済は規制緩和が一気に進んだはずの小泉政権でもまったく成長しなかった。日本の名目GDPは1997年には約534億円あったが、小泉政権下の2001年〜2006年、一度もその数値に届かず、510〜520億円台に留まり続けた。
 トリクルダウンもまったく起きなかった。それどころか、小泉政権が法人税や富裕層減税の一方で、社会保障を削減、派遣労働法改正で大企業が自由に労働者を切り捨てることができるようになったため、貧富の格差が一気に増大。日本の相対的貧困率は1985年には10.9%だったのが、2016年には15.7%と一気に1.5倍増になった。
 実際、小泉政権後、国民から格差社会への反発が強まり、2008年には小林多喜二のプロレタリア小説『蟹工船』が再ブームとなり、2009年には「派遣切り」や「年越し派遣村」が流行語大賞にノミネートされている。
 いずれにしても、「規制緩和」も「改革」も「新自由主義」も、効果がないどころか、国民生活を悪化させるものでしかないことがとっくに証明されているのだ。
 ところが、こうした規制緩和・構造改革汚染は第一次安倍政権や民主党政権、そして第2次安倍政権でも続いた。第2次安倍政権では安倍首相がリフレ的なアベノミクスを掲げ、一時的に景気が回復したように見えたが、実際は相変わらず竹中氏がブレーンを務め、大企業に有利な規制緩和、法人税、富裕層の減税路線はむしろ強化された。その結果、貧富の差はさらに拡大もちろんトリクルダウンは起きず、庶民の生活はさらに困窮した。ちなみに、トリクルダウンについては、安倍首相は途中からトリクルダウンなんてことは言ったことがない」と言い出し、竹中氏も2016年の『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日)で「(トリクルダウンについて)滴り落ちてくるなんてないですよあり得ないですよ自らの過去の主張を一転させている
 そして、新自由主義、規制緩和路線の終焉は今回のコロナ禍で決定的になった。たとえば、コロナ下で検査件数がなかなか増えないなかで、保健所のキャパシティ不足問題が浮き彫りになった。1992年には全国で852カ所あった保健所が、2020年には469カ所まで削減されてしまったのだが、これは数十年に渡る新自由主義政策によって医療や福祉が軽視され削減され続けてきたためだ
 ネオリベ政党・維新の生みの親である橋下徹氏も、4月3日に〈僕が今更言うのもおかしいところですが、大阪府知事時代、大阪市長時代に徹底的な改革を断行し、有事の今、現場を疲弊させているところがあると思います。保健所、府立市立病院など。そこは、お手数をおかけしますが見直しをよろしくお願いします。〉と反省めいたことをツイートした(もっとも橋下氏は完全に予防線として言っただけで、舌の根も乾かぬうちに「無駄は要りません」などと言っていたし、菅政権の「規制改革」路線も絶賛している)。
 その結果、日本に限らず、世界各国で社会的ケアの重要性が再認識され、新自由主義的経済政策からの転換が求められている。
 「新自由主義の申し子」といわれるあのイギリスのボリス・ジョンソン首相すら、今回のコロナ禍に際し「社会というものは存在する」と、サッチャー以来の社会福祉を切り捨てる緊縮財政・新自由主義路線を否定するような発言を国民へのビデオメッセージで語った


■コロナで新自由主義の限界が露呈しても竹中平蔵は反省せず

 いずれにしても、「規制緩和」も「改革」も「新自由主義」も、完全に限界が露呈し、世界的には時代遅れなのだ。
 ところが、この国の新自由主義者たちはこの期に及んでも反省するどころか、まったく変わっていない。
 とくに竹中平蔵氏は、コロナ禍による経済苦に多くの人々が直面するなか、医療崩壊は医師会が医学部新設に反対したせいだなどとさらなる規制緩和を叫んだり、〈日本の失業率は2.6%と低い。しかし失業者178万人に対し「休業者」が652万人。潜在失業率は11%になる。政府が雇用調整助成金を出し、雇用を繋ぎ止めるからだ。不況が短期間でかつ産業構造が変わらないなら、それもいい。しかしそうではないだろう。こうした点が国会などで一切議論されないのは問題だ〉(6月4日のツイート)と雇用を守るための雇用調整助成金を非難したり、都知事選でコロナをめぐり医療体制や経済支援など社会的ケアが問われているさなかに〈都知事選が終盤を迎えているが、重要政策が議論されていない。東京都の巨額の資産を市場で売却することだ。イギリスでは、サッチャーによって国有企業が資産市場に売りに出された。結果的にそれが、資産市場を活性化させ、シティが世界一の金融センターになった。東京都には、売れる資産が山ほどある〉(7月2日のツイート)などと都の資産を売っぱらえと叫んだり、1ミリも反省しないどころか、ますます尖鋭化している
 取締役会長を務めるパソナグループをはじめとし、自身に関係する企業のなんらかの利益につながるというのもあるのかもしれないが、それ以上に、理屈を超えた狂信的なものすら感じる
 「キセイカイカク」「キセイカンワ」「コウゾウカイカク」「ムダサクゲン」とまるで呪文かお題目のように唱え続けるこの新自由主義盲信、新自由主義カルトっぷりは、菅首相にも当てはまる。
 「規制改革」を連発した16日の就任会見では、記者から「規制改革の具体的な対象分野は」と問われ、「探せばいくらでもある」と言って、「縦割りと既得権益と悪しき前例、こうしたものを打破して、規制改革を進めていく」と決まり文句を言うだけで、具体例をひとつも出せない。あげく例の「縦割り110番」で募集すると言い出した。ようするに、ただ「規制緩和」ありきなだけなのだ
 しかも、前述したように18日朝には竹中氏とさっそく1時間会食懇談。小泉政権時に竹中氏が総務相、菅氏が総務副大臣を務めた関係にあり、いまでも毎週のように会っているともいわれ、「規制改革」とともに看板政策として掲げる「デジタル庁」も竹中氏の入れ知恵ではないかと指摘されているが、菅首相自身、竹中氏との蜜月ぶりを隠す気などまったくないらしい。連休中もネオリベ系経済評論家やエコノミストたちと次々懇談を繰り返している。


■この期に及んで弱肉強食の新自由主義を進める菅首相に突きつけたい30年前の批判

 これから先、菅政権が、安倍政権以上に新自由主義路線をむきだしにしてくることは間違いない。
 しかも日本では「規制緩和」「改革」「既得権益打破」などという掛け声は30年前と変わっていないが、その欠陥をさらなる欠陥で糊塗し続け、中身はよりグロテスクなものへと進化を遂げている。諸外国では極右は反自由主義を掲げている例が多いが、日本の安倍政権や維新では、極右国家主義と新自由主義が共存してきた。
 自己責任を謳う新自由主義のなかで疎外された人々の不安感を、国家主義的統制で抑制するというような形で、相矛盾する原理を内包しているはずの新自由主義と極右的国家主義が互いに補完・助長し合うというグロテスクな合体を遂げているのだ。それが、菅首相が掲げる「自助・共助・公助、そして絆」の正体だ。
 ちなみに、「規制緩和」が流行語大賞金賞を受賞した1993年10月の衆院・規制緩和に関する特別委員会では、細川内閣の規制緩和政策について、参考人の角瀬保雄・法政大学教授(当時)がすでにこんな指摘をしていた。
〈自由放任的な競争論を基礎とした、経済の効率性のみを一面的に強調する政府規制緩和論では、公正な取引と公正な社会の実現は不可能
〈八〇年代には先進国経済の低迷、財政赤字などから政府の失敗が問題とされ、アメリカのレーガン政権、イギリスのサッチャー政権は経済再生の切り札として規制緩和政策を進めてきましたが、いずれも失敗し、経済の再生は絵にかいたもちに終わったことは周知のところであります。規制緩和は決して景気回復、経済活性化の切り札となるものでないことは既に証明済みであります。そればかりではなく、アメリカ、イギリスでは、その結果、貧富の差が増大し、ホームレスが社会問題となっております
〈規制があったから不況になったのでないことは余りにも明白(中略)むしろ、適切な規制が欠けていたことが問題とされなければならない〉
〈規制緩和をすれば不況克服に役立つというのは、短絡的な考え方
大企業の自由の拡大を図るという、そうした規制緩和になっているように思います。それは、国民の景気回復の要求を規制緩和にすりかえ、国民の消費購買力を高めるというのではなく、逆の方向を示すものになっていると言わざるを得ません〉

 菅首相の掲げる時代遅れの「規制改革」などという平成レトロなスローガンを復活させないためにも、この30年近く前の批判をもう一度、突きつけなければならない。

酒井まど
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●死刑で何か解決しますか? なぜ〝素人〟裁判官に「死刑のスイッチ」を押させる必要が? 「鏡」に映る姿を見なくていいの?

2020年04月05日 00時00分11秒 | Weblog


日刊ゲンダイのコラム【中村敦夫 怒りん坊の閻魔堂会議/生産性が殺人の動機?こうした考えの終着駅は戦争しかない】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/newsx/270827)。

 《これはヒトラー優生学の思想であり、ユダヤ人ばかりでなく、障害者の大量虐殺へとエスカレートした根拠になった。おぞましい考えじゃが、これが実際に思想として力を持ち、民を、軍を、政治家を動かし、世界を悲惨な状況に追い込んだ》。

   『●「容疑者の“弱者を排除すべし”という主張は現在の
           日本社会において決して特殊なものではない」
   『●阿部岳さん《私にも誰にも、きっと大小の刃が潜んでいる。
      植松被告という鏡に映っているのは今の日本社会の姿ではないか》
    《人ごとでない記者の省察は、自らの内面にも及ぶ。長男に障がいが
     なければ、と願ったのは差別の表れだったと告白する ▼事件自体も
     特殊な例ではないと言う。植松被告自身、役に立つかどうかで人の
     価値を判断する社会の病弊に縛られていた》
    「…こういった「世界観」や「個人・民族間の平等,民主主義,議会主義,
     人道主義,国際平和を否認」する深層心理はアベ様ら多くの自公議員や
     癒着党の議員に共通するもの。沖縄イジメが典型で、
     「本土」マスコミもそれに悪乗りする始末」

 《…鏡に映っているのは今の日本社会の姿》。

 横浜地裁で、死刑判決が出ました。被告は控訴せず、死刑判決が確定しました。[1]~[3]の三つの感想を持ちました。

 [1] 死刑で何か解決しますか? 死刑にしてしまえば「お終い」でいいのでしょうか?
 東京新聞の記事【相模原殺傷、植松被告に死刑判決 責任能力認定、横浜地裁】(https://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2020031601001352.html)によると、《相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で2016年7月、入所者19人が殺害され、職員を含む26人が重軽傷を負った事件の裁判員裁判で、横浜地裁(青沼潔裁判長)は16日、「19人もの人命が奪われ、ほかの事件と比較できないほど結果は甚大」として、殺人罪などに問われた元職員植松聖被告(30)に求刑通り死刑判決を言い渡した》。

   『●なぜ〝素人〟裁判官に「死刑のスイッチ」を押させる
      必要があるのか、さっぱり理解不能…国は一体何を意図?

 [2] コラムで述べられていない点ですが、なぜ〝素人〟裁判官に「死刑のスイッチを押させる必要があるのでしょうか?
 《相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」…事件の裁判員裁判で、横浜地裁(青沼潔裁判長)は…求刑通り死刑判決を言い渡した》。

 [3] 《容疑者の“弱者を排除すべし”という主張は現在の日本社会において決して特殊なものではない》…「鏡」に映る姿を見なくていいのでしょうか?
 リテラの記事【相模原障害者殺傷事件で死刑判決──植松被告の思想と、安倍自民党の障害者切り捨て・差別排外主義との関係を改めて問う】(https://lite-ra.com/2020/03/post-5314.html)によると、《本日横浜地裁で、死刑判決が言い渡された。本サイトでは事件当時から度々指摘してきたように、この事件は障害者差別に基づいたヘイトクライムだ。裁判では、この事件の本質である植松被告の差別思想がいかにして生まれたかなど、十分解明されたとは言えない》

   『●麻生太郎氏「ナチス発言」、やはり有耶無耶に
   『●「恥」の三重塗り: 高市早苗氏・稲田朋美氏の
        「ネオナチ」写真問題・「在特会」機関紙執筆問題

   『●日本社会は歪んでる: ネオナチやヘイトスピーチ集団に
                 「信奉」される議員が取り巻くアベ様

   『●アベ様に白紙委任を勘違いさせてはいけない:
      「A君が毎日、一人で掃除当番をする」という案が過半数に…
   『●差別主義者を東京「ト」知事にできる、
       そんなニッポンの社会そのものが歪んでいる
   『●「あとの祭り」: 「自民党きっての極右議員」「極右思想」大臣
                     …こんな防衛相が誕生しちゃいました
   『●朝鮮人虐殺…黒澤明監督「何をかくそう、その変な記号
        というのは、私が書いた落書きだったからである」
   『●3人がそろいもそろって「外交音痴も甚だしい」、
       「3人の発言で日本外交の程度の低さが際立った」
   『●《極右のタニマチ》達の悍ましさ…アノ「安晋会」副会長・
          アパホテル元谷外志雄代表とアベ様の深~い関係
   『●《安倍政権がやりたいのはただひとつ「差別」ではないのか》
          …《政府が仕掛けた日韓問題は日本の文化に影響》…
   『●《トランプ大統領の移民への差別的な発言が白人至上主義者の
                 憎悪感情を助長させてはいないか》?

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/newsx/270827

中村敦夫 怒りん坊の閻魔堂会議
生産性が殺人の動機?こうした考えの終着駅は戦争しかない
2020/03/24 06:00

     (津久井やまゆり園(C)日刊ゲンダイ)

 障害という字は使いたくないのだが、代わりとなる簡潔な用語が見つからないので、失礼つかまつる。

 重度障害者19人を殺した犯人に、死刑が宣告された。罪の報いと言って済めば簡単だが、問題は根深いこれで一件落着と思う人は少ないのではないか。何か割り切れないモヤモヤが残る。閻魔堂会議では、この殺人に関するさまざまなテーマが議論された。

 その中のひとつは、殺人の動機である。

 犯人の主張では、「生産性のない命には価値がない」そうじゃ。

 これはヒトラー優生学の思想であり、ユダヤ人ばかりでなく、障害者の大量虐殺へとエスカレートした根拠になった。おぞましい考えじゃが、これが実際に思想として力を持ち、民を、軍を、政治家を動かし、世界を悲惨な状況に追い込んだ

 こんな見方もある。経済成長を神と仰ぎ、経常利益だけに一喜一憂してる経営者たちの中には、腹の中じゃこう思ってる人も少なくないのじゃなかろうか

「障害者なんか死んじまえ。会社が傾いたら、社員も労働者も切っちまえ!」

 かつて都知事時代の石原慎太郎は、「この人たちに人格はあるのかと言って物議をかもした。とすれば、これは必ずしも少数派の意見ではなく、この犯人やヒトラーの主張とどこかでつながっているのではなかろうか? こうした考え方の終着駅は、「戦争に辿り着く短期間で最大の生産性を生み出すからである

 チャプリンは、「殺人狂時代」という映画の中で、「1人殺せば殺人者だが、100万人殺せば英雄だ」と戦争を皮肉った。この表現は、戦争ビジネスで太り続けていたアメリカを怒らせ、国外追放となった。本当のことを言う表現者が弾圧されるのは、いつの世にも共通するようだの。

 それはともかく、今回の機械的な死刑判決司法の判断能力の貧しさを露呈しただけじゃった。その点では、結局わけが分からぬまま終局したオウム真理教裁判同じである。

 何としても、「生産性のない命には価値がない」という根拠を引き出し、その非人道性を裁くべきだった。そうではないと、この言葉が思想として生き続け、犯人を英雄化するバカが、続々と登場する危険性がある

(筆者は2016年に出家得度)
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●『i -新聞記者ドキュメント-』…《「i」…一人ががんばればみんなもがんばる――映画はそのことを教えてくれる》(木下昌明さん)

2019年11月26日 00時00分30秒 | Weblog

[※ 《望月衣塑子のジャーナリスト精神に迫る》…森達也監督『i -新聞記者ドキュメント-』(https://i-shimbunkisha.jp/)↑]



石川智也記者による、アサヒコムのインタビュー記事【インタビュー/望月衣塑子はタブーなのか? 森達也、新作『i』でメディアの忖度に迫る】(https://www.asahi.com/and_M/20191112/7262093/?iref=comtop_fbox_u04)。
レイバーネットのコラム【●木下昌明の映画の部屋 第259回 : 森達也監督『i―新聞記者ドキュメント』/望月衣塑子のジャーナリスト精神に迫る】(http://www.labornetjp.org/news/2019/1113eiga)。

 《でも、繰り返すように、善悪の図式の中で彼女を正義のヒロインにするつもりはまったくなかった。撮っている途中から、これは被写体に迫る映画ではない、と気付きました。望月さん自身ではなく、テーマはたぶん、背後にある別のもっと大きなものなんです》。
 《森達也監督の『i―新聞記者ドキュメント』が刺激的だ。安倍政権が巻き起こした数々の政治的事件と、その真相に迫る一人の女性記者の取材の日々をドキュメントしている。…その彼女の「i」(一人称)としての活動が、ついにジャーナリストたちを突き動かし、官邸前でのデモにまで発展していくのだ。 映画は、前川喜平、籠池夫妻、伊藤詩織など、安倍政権の強権的なふるまいに屈しない生き方にも迫っている。一人ががんばればみんなもがんばる――映画はそのことを教えてくれる》。

 森達也監督『i -新聞記者ドキュメント-』が、先日、公開されました。

   『●《『新聞記者』原作者の視点で報道現場を描く
     森達也監督作『i -新聞記者ドキュメント-』》が11月に公開



https://youtu.be/Y_UTOTWFVVI



https://youtu.be/_HafYKE2PvY?t=3



https://youtu.be/LAfwlVQH_jg

 《「納得できる答えをいただいていないので繰り返しています」と彼女は即答した》。かつて森達也さんは…ジャーナリズムは、《社会や大衆が望まなくとも…火中の栗を拾って報じなければならないときがある》、と…でも、いま、大マスコミの壊れっぷりは凄まじい。
 木下昌明さん、《一人ががんばればみんなもがんばる――映画はそのことを教えてくれる》。

   『●2016年報道の自由度ランキング72位:
      「メディアは二流ならば社会も二流」、アベ政治も…粗悪
    《政治が一流だけど、メディアは三流なんて国はありません
     メディアは二流ならば社会も二流なんです。相互作用ですから。
     「国境なき記者団」が発表する「報道の自由度ランキング」でも、
     上位に位置するノルウェーデンマークスウェーデンは、
     僕から見れば確かに政治も一流だし、社会も成熟していると感じます。
     2010年に自由度11位だった日本のメディアが、2016年には72位
     まで下落しました。ならばメディアだけではなくて政治も国民も、
     同じように下落
したということです。今のこの国のレベルは途上国以下
    「ジャーナリズムは、《社会や大衆が望まなくとも…火中の栗を拾って
     報じなければならないときがある》。この国の報道機関は「闘って
     いるでしょうか? 権力と「闘う」どころか、『読売』や『産経』、
     『アベ様のNHK』などはアベ様と同調し、社会を破壊していないか?」

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http://www.labornetjp.org/news/2019/1113eiga

木下昌明の映画批評 : 森達也監督『i―新聞記者ドキュメント』

●木下昌明の映画の部屋 第259回 : 森達也監督『i―新聞記者ドキュメント』
望月衣塑子のジャーナリスト精神に迫る

 森達也監督の『i―新聞記者ドキュメント』が刺激的だ。安倍政権が巻き起こした数々の政治的事件と、その真相に迫る一人の女性記者の取材の日々をドキュメントしている。

 森監督は、オウム真理教の中に入りこみ、教団内外のもろもろをとらえた『A』(98年)や『A2』(01年)で知られた映画作家である。そのかれが『東京新聞』の望月衣塑子記者の取材活動に密着して、緊迫したドキュメタリーをつくった。彼女が官邸の記者会見で、菅官房長官のいいかげんな返答食い下がり、同じ質問をなんどもくり返したことは有名だ。森の映画も、この二人の対立を軸に展開している。

 望月と映画のプロデューサーである河村光庸案による『新聞記者』は、先ごろ大ヒットしたが、それは内閣情報調査室の実態を暴露したものだった。フィクション仕立てのこの映画は、大学の獣医学部新設は毒ガス製造などの軍事目的のためと訴えていた。

 今度の森の映画は、「新聞記者」の頭に「i」と付しているように、一人でも立ち向かうという望月衣塑子の気概(きがい)に光をあてている。

 彼女はトップシーンから沖縄に飛び、船で辺野古の土砂投入の現場にのりこんで、禁じられている赤土が山盛りになっている光景を撮り、翌日には、記者会見で菅官房長官にその不正を問いただす。それに菅はニベもない返答をして逃げる。

 この赤土問題をめぐる沖縄説明会で、沖縄防衛局調達部長はまともに対応できない。望月は部長に「あなたは現場の責任者でしょう?」と迫り、車で逃げるかれに「答えられないような恥ずかしいことをしないで下さい」と大声で怒鳴る。

 別の日、望月は宮古島に飛ぶ。そこで、弾薬庫と給油所が並置している自衛隊新基地の危険な状況を地元の人々から教えられ、早速、それを新聞の一面トップで暴いて、防衛大臣を謝罪に追い込む。

 権力に物怖じしない彼女のジャーナリスト精神に喝采を送りたくなる。また、ところかまわず社内外の人々と携帯を手にわたり合っている姿にもひかれた。

 その彼女の「i」(一人称)としての活動が、ついにジャーナリストたちを突き動かし、官邸前でのデモにまで発展していくのだ。 映画は、前川喜平、籠池夫妻、伊藤詩織など、安倍政権の強権的なふるまいに屈しない生き方にも迫っている。一人ががんばればみんなもがんばる――映画はそのことを教えてくれる

※11月15日より新宿ピカデリー他で公開
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https://www.asahi.com/and_M/20191112/7262093/?iref=comtop_fbox_u04

インタビュー
望月衣塑子はタブーなのか? 森達也、新作『i』でメディアの忖度に迫る
2019.11.12

オウム問題、死刑制度、「3・11」に、ゴーストライター騒動……。時代時代の主題に迫りつつ、背後で進行する社会の「空気」の変化を見つめ、描いてきた映画監督・森達也さん。

この国のトップが歴代最長在任期間を更新しようとするなか、森監督が新たに被写体に選んだのは、東京新聞社会部の望月衣塑子記者。2017年夏から菅義偉・官房長官の会見に出席し始めて以来、妨害を受けながらも波状攻撃のように直球の質問を繰り出し、一躍時の人になったジャーナリストだ。

喝采を浴びる一方で激しい批判にもさらされてきたその望月記者に密着した『i -新聞記者ドキュメント-』が11月15日から全国で順次公開される。

森監督が、いま、メディアに携わる人間をあえて題材にした理由は何か。そこにはどんな問題意識があったのかを聞いた。


周囲の人間が普通ではなくなっている、という疑問

インタビューに現れた森監督は、自作のPR中というのに、ぼさぼさの髪に登山シャツ、すすけたジーンズという、いつもの出で立ちだった。そういえば、11月5日に六本木で開かれた東京国際映画祭のクロージングセレモニーに登壇した際も、パーカーにカーゴパンツ姿だった。

「僕は世の『空気』を描いてきたと言われますが、空気を読まない奴ともよく言われます。周りをあまり気にしない。胸を張ることでもないし、直したいんだけど。そういうところは、実は望月衣塑子さんとよく似ているんです。周囲から浮き、首相官邸の他の記者から色眼鏡で見られても、あの人は気にしない。もちろん、まっすぐでコケティッシュな部分もある彼女とは、性格はまったく似ていないですけどね」

確かに仏頂面で愛想がない。サービス精神もない。だが決して偏屈ではない。質問には一呼吸置き、じっくり悩んで答える。

「オウム内部から『A』を撮ったとき、色んな同業者から『なんでお前だけ撮影が許されたんだ?』と言われましたが、僕は普通の手順通り、広報に手紙を書いて取材申請をして、信者に『なぜオウムに入ったんですか』『なぜ脱会しないんですか』と疑問をぶつけただけ。当たり前のことを当たり前にやっただけです。でも周りはそういう手順を踏んでいなかった。普通のことをやっているだけだと思っていたけど、僕だけが浮いてしまった」

「望月さんの場合も、同じことが起きている。彼女も記者として当たり前のことをやっているだけだと僕は思う。それなのに彼女だけが目立って浮き上がってしまっている。それはなぜなのか、逆に周囲にいる人たちの方が普通ではなくなっているのではないか……。そんな疑問からこの映画は出発しています」

『i』は、望月記者の著書を原案にして今年ヒットした映画『新聞記者』河村光庸プロデューサーが企画・製作した。映画『新聞記者』は序章に過ぎなかった――とのキャッチコピーどおり、前作同様、昨今のメディア状況への危機感が強い動機となったという。

作中、辺野古問題森友・加計問題の関係者たちを「どうして答えられないんですかっ!」と追いかけ、官房長官に「回答をいただけていると思わないので、繰り返し聞いています」と食い下がる望月記者の姿は、強い印象を残す。一方、望月記者の質問中に官邸報道室長が執拗に繰り返す「質問は簡潔に」という横やりに反応せず、ひたすらPCのキーボードをたたく内閣記者会の記者たちの姿も映し出される。

官邸は昨年末、望月記者の「度重なる問題行為」についての「問題意識の共有」を内閣記者会に求めたが、この極めて異例の文書が記者室の掲示板に貼られたまま放置されているシーンは、象徴的だ。

「でも、官邸の記者を糾弾する意図はありません。善悪の図式に押し込めるつもりもない。望月さんも別に記者として100点満点ではないし、質問も長い。他の記者からしたら『迷惑だ』『あんなのパフォーマンスだ』という理屈も分からなくはない。僕が撮りたかったのは、記者としてのスキルというより、記者としての内実や姿勢と言えばいいのかな……。集団に埋没し同調圧力に負けるのではなく、『個』として声を発するのがジャーナリストの大事な部分なんじゃないか、ということです」


自粛の連鎖と二項対立のワナにはまっていないか

過去の作品『A』 『A2』 『FAKE』では、オウムや佐村河内守の深部に入り込んだ森監督のカメラは、教団や「ニセ天才作曲家」の異様さよりも、むしろ取り囲むメディアや住民の暴力性を映し出してきた。結果として世の多数派とは異なる視点を提示するその表現スタイルは、強い批判も受けてきた。

「オウム事件を機に日本社会は変質した、というのが僕の意見です。事件後に続いた信者に対する別件逮捕や微罪逮捕の後遺症はいまだに社会をむしばんでいる体感治安の悪化防犯カメラが増殖し、危機意識からか人々の『群れ化』が進み、結果として異物を排除する空気が醸成されました。正義と悪、敵と味方、右と左、被害と加害。単純な二元思考で物事を切る傾向や風潮も、この20年でどんどん広がっています」

「そういう集団化の流れへの違和感が、作品を撮るにあたっての動機というか手がかりになってきたのは事実です。それが多くの人にとって不愉快だというのも、よく分かります」

『i』の編集作業中も、「あいちトリエンナーレ」の問題や「KAWASAKIしんゆり映画祭」での上映中止問題が起きた。どちらも、特定の立場から激しく批判された作品をめぐってのことだった。

「抗議や脅迫など直接の攻撃もありましたが、いま文化やメディアの世界で起きているのは、露骨な圧力というより、むしろ自粛や萎縮の連鎖だと思います。論争があるのが当たり前なのに、それを極度に恐れ、攻撃されることにおびえている

「『新聞記者』にしても『i』にしても、内容よりも、この題材を作品化したこと自体が『挑戦』と評価される。これはきわめて不健全な状況です。政権に厳しい問いを投げている彼女を取り上げること自体が、メディアのなかで一種のタブー化している証拠です」


同調圧力から解放されること

森監督がこれまで撮ってきたのは、オウム真理教(当時)の広報担当・荒木浩や佐村河内守など、悩みや葛藤、揺れを抱えた人物ばかりだった。今回の望月記者の裏表のない、迷いの見えない姿勢は、従来の作品の主人公たちとはかなり異なる。それだけいまの時代への危機感と切迫感があったということか。

「確かに、僕のこれまでの流儀には、望月さんは合致しない。彼女はしっかり目標を持って突き進む人ですが、僕は葛藤とか煩悶(はんもん)、懊悩(おうのう)を撮るのが好きだからね。そこは結構苦しみましたし、悩みました」

「でも、繰り返すように、善悪の図式の中で彼女を正義のヒロインにするつもりはまったくなかった。撮っている途中から、これは被写体に迫る映画ではない、と気付きました。望月さん自身ではなく、テーマはたぶん、背後にある別のもっと大きなものなんです」

森監督はそれを自ら詳しく解説することはしないが、先述のとおり、今作のテーマが社会に広がる同調圧力や忖度のあり様であり、メディアがそれに抵抗できていないどころか埋没しているのではないかという問題提起にあることは明らかだ。

メディアの力が弱くなっているチェック機能が働かなくなっている、と言われて久しい。一昔前だったら森友問題も加計問題も、それだけで『アウト』ですよね。政権も、ここまで露骨なウソやはぐらかしはしなかった。追及力が弱くなっているのは確かだと思います」

「でも、メディアは社会と政治の合わせ鏡です。社会と政治が素晴らしいのにメディアだけがどうしようもないということはない。メディアが地盤沈下しているとしたら、社会全体がそれを許していると考えるしかない

「まさにニワトリと卵ですが、社会が何かに気付いて動くためには、メディアも覚醒しなければならない。そのためには、個々の記者が自主規制や思考停止、同調圧力から解放されなければならないはずです」

東京国際映画祭での作品上映後、記者からの質問タイムで際立ったのは、「あなたはどう思いますか?」という森監督の逆質問。答えに詰まる記者の言葉をゆっくり待ったうえで、「それが正解です。映画は見た瞬間に皆さんのもの。色んなことを考えてもらえばいい。僕も皆さんの意見を受けて発見していきたい」と返した。

タイトルには、衣塑子(i)のように主語(i)を出そう、というメッセージが込められているようだが、むろん森監督は絶対に自ら解題しない。

「虎の尾を踏むかのような題材を扱うのは、ある意味で僕の抵抗です。スタイリッシュな世界観やオトナの趣味を紹介する『&M』の世界にはそぐわないかもしれない。でも、メディア=媒体は、文字どおり社会や政治と人をつなげるものです。政治のことや社会問題なんて自分には関係ない、と思っている人がいま見ているスマホやPCも、キャンプや車といった趣味の世界も、ぜんぶ政治や社会が反映されている。無関係と思っているうちに巻き込まれている。メディアはそれを人々に気付かせる役割があるはずです

「言っている意味がよく分からない、と思ったら、ぜひこの映画を見て下さい」

最後に少しだけニヤリと笑った。

(文・石川智也 写真・林 紗記)


プロフィール

〈もり・たつや〉1956年、広島県生まれ。テレビ番組制作会社を独立後の98年、オウム真理教を取り上げたドキュメンタリー映画『A』を発表。2001年には続編『A2』も公開し、賛否両論を巻き起こした。16年には作曲家・佐村河内守に密着した『FAKE』を発表。著書に『下山事件(シモヤマ・ケース)』 『死刑』 『A3』など。


作品情報
『i -新聞記者ドキュメント-』

企画・製作・エグゼクティヴ・プロデューサー:河村光庸
監督:森達也 出演:望月衣塑子
2019年/日本映画 制作・配給:スターサンズ
11月15日(金)より新宿ピカデリーほか全国ロードショー
(c)2019『i -新聞記者ドキュメント-』
http://i-shimbunkisha.jp/
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●《消費税が抱える根源的な問題》はなにか? 《常に弱い立場の側がより重い負担を強いられる》最悪な消費税制…

2019年10月23日 00時00分43秒 | Weblog

[※ 斎藤貴男著『決定版 消費税のカラクリ』(ちくま文庫) 筑摩書房(http://www.chikumashobo.co.jp/photo/book/large/9784480436023.jpg)↑]



斎藤貴男さんによる、webronzaの記事【政府やメディアが刷り込んだ“消費税の目的”の嘘/“社会保障の充実と安定化”のための増税という謳い文句とは正反対の現実 斎藤貴男】(https://webronza.asahi.com/politics/articles/2019091900001.html)。

 《10月から消費税が8%から10%に上がります。メディアでは軽減税率やポイント還元策などが話題になっていますが、ことの本質はそこなのでしょうか。長年、消費税のあり方を追及してきたジャーナリストの斎藤貴男さんが、消費税が抱える根源的な問題についてシリーズで考えます。(論座編集部)》

   『●「この27年間の変化は法人税が9兆円…
      所得税が4兆円減り、消費税が14兆円増えたことだけなのだ」
   『●年金自助努力問題…《単なる金ヅルとして、
      社会保障の“充実”だの“安定化”だのをエサ》に消費税を増税
   『●同様に、「この28年間の変化は法人税が6兆円…
      所得税が6兆円減り、消費税が13兆円増えたことだけなのだ」

 《消費税で社会保障が充実するなんて妄言を、実は誰も信じてなどいない。お上に何を言ってみても無駄であり、自分たちは政治権力や巨大資本の金ヅル兼労働力、ないし兵力以上でも以下でもないと、大方の日本国民は初めから諦め切っている》…それで本当にいいのですか?
 〝消費税のカラクリ〟…消費税制の廃止を! 

 《いったい何のための消費税だったのか》? 《それはただ、大企業や富裕層の減税の財源になった。すなわち、この間に政府やマスメディアが国民に刷り込んできた“消費税の目的”なるものは、何もかも嘘(うそ)だったと断じて差し支えない》。
 斎藤貴男さんは、最後に、《打開策があるとすれば、ただひとつ多くの人々が消費税というものの本質を学び、理解して、怒らなければならない時は本気で怒ることである》と。

   『●『消費税のカラクリ』読了
   『●あとの《増税》祭り…《家計に痛みを強いる施策が続々と動きだす》
                   …自民党議員全員が第Ⅳ象限なのでは?
   『●薔薇マークキャンペーン《消費税増税凍結
     (むしろ…5%に減税することを掲げる…)》…むしろ消費税制廃止を
   『●《むしろ「自民、単独過半数割れ 安倍一強に赤信号」
        でしょーよ。》と報じられない…ズルズル消費増税か?
   『●あとの《増税》祭り…《家計に痛みを強いる施策が続々と動きだす》
               …自民党議員全員が第Ⅳ象限なのでは?
   『●《巻き上げられた消費税は…土建屋政治や大企業の減税や、
      近年では軍事費などなど、権力の金儲けや戦争ごっこに乱費》
   『●《常に弱い立場の側がより重い負担を強いられる》最悪な
     消費税制…《これほど不公平かつ不公正なイカサマ税制もない》
   『●悍ましき《大増税か安楽死の推進か…「尊厳死」の議論の
     本質が、社会保障費の削減に他ならない》(斎藤貴男さん)
   『●斎藤貴男著『決定版 消費税のカラクリ』…消費税制は
     《いかに不公正で…「魔法の杖」》かを指弾した《警世の書》

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https://webronza.asahi.com/politics/articles/2019091900001.html

政府やメディアが刷り込んだ“消費税の目的”の嘘
“社会保障の充実と安定化”のための増税という謳い文句とは正反対の現実

斎藤貴男 ジャーナリスト
2019年09月20日
年金|消費税増税|社会保障|自己責任論|財政健全化

10月から消費税が8%から10%に上がります。メディアでは軽減税率やポイント還元策などが話題になっていますが、ことの本質はそこなのでしょうか。長年、消費税のあり方を追及してきたジャーナリストの斎藤貴男さんが、消費税が抱える根源的な問題についてシリーズで考えます。(論座編集部)


■全世代型社会保障改革を掲げた新内閣

 「新しい社会保障制度のあり方を大胆に構想してまいります」と安倍晋三首相は胸を張った。

     (内閣改造について記者会見する安倍晋三首相=
      2019年9月11日、首相官邸)

 9月12日、第4次再改造内閣発足に臨む記者会見。「全世代型社会保障改革」を新内閣の“旗”に掲げ、その担当を兼務する西村康稔経済再生相(56)を中心に、「70歳までの就労機会の確保や年金受給年齢の選択肢の拡大」などの“改革”を進めるという。

 いわゆる年金カット法年金制度改革法)に基づくマクロ経済スライド方式の強化をはじめ、医療費や介護費用の自己負担比率増大、介護保険制度の利用者制限、生活保護の生活扶助費や住宅扶助費の減額等々、過去数年にわたって重ねられてきた社会保障の縮小あるいは削減に、よりいっそうの大ナタが振るわれていく。側近の衛藤晟一氏が担当相に起用された「1億総活躍」の国策と合わせれば、権力に近くない人間は死ぬまで働くしかない時代が見えてくる。

 ちなみに西村氏は内閣官房副長官だった2018年7月5日夜、安倍首相とその取り巻きたちによるどんちゃん騒ぎの大宴会「赤坂自民亭」の模様を、「いいなあ自民党」のコメントとともにツイートし、問題になった人物だ。翌日にオウム真理教事件の死刑囚7人の死刑執行が予定され、また中国・四国・九州地方で200人以上の死者を出すことになる西日本大豪雨がすでにその予兆を示していたそのタイミングが、今も記憶に生々しい。


■社会保障の充実と安定化のための増税だったが……

 “大胆”な社会保障“改革”の実相も、それを担う人々の資質も、しかし、マスメディアは特に報じも、論じもしなかった。新閣僚の首相との距離感や、派閥の内幕については過剰なほど詳しい新聞は、国民生活を左右する政策の意図や意味には関心がないらしく、政権側の言い分をおおむねそのまま垂れ流す。「全天候型社会保障改革」に批判的な報道が皆無だったとまでは言わないが、その場合でも、なぜか、この“改革”と、ある要素との関係だけは、とことん避けて通られているようだ。

 「ある要素」とは何か。消費税増税の問題だ

 来たる10月1日に、消費税率は8%から10%に引き上げられることになっている。そして、政府とマスメディアはこの間ずっと、“社会保障の充実と安定化”のための増税なのだと謳(うた)い続けてきた。

 それが、どうだ。現実は、まるで正反対の姿にしかなっていないではないか。


■尻すぼみに終わった「老後2000万円問題」

 例の「2000万円問題」を、改めて考えてみよう。さる6月、政府の審議会が公表した報告書に、“今後の日本社会で高齢夫婦が老後を暮らすには、支給される公的年金の他に約2000万円が必要になる”旨が書かれていて、日本中が大騒ぎになった、あの問題だ。

 だからどうするべきなのか、という問題提起ではない。金融庁長官の諮問を受ける「金融審議会」の「市場ワーキンググループ」が、あくまでも金融サービス事業者向けに、だからこういう金融商品を作って売ったら儲かりまっせ、と“啓蒙”するのが狙いの文書であり、2000万円うんぬんは、その前提となるデータとして提示されていたのにすぎない。

 目的はどうあれ、それでも多くの国民は反発しかけた。官邸前の抗議集会や、デモがあった。野党も結束して追及した……かに見えた。だが、やがて尻すぼみになり、7月の参院選でも、さしたる争点にはならなかった。

 原因は明確でない。野党のだらしなさ、権力になびく一方のマスメディアといろいろあるが、それだけでは説明できない。しかし、そうなった決定的な背景が、私にはわかるような気がする。


■消費税率は上がれど悪化する社会保障

 1988年のことである。ある不動産会社が、自社商品の宣伝本を出版した。題して『パートナーシップ』。一言に要約すると、こんな内容だった。

--- --- --- --- --- ---
 日本銀行の試算によれば、現役を退いた高齢夫妻の老後は公的年金だけでは賄えず、平均でざっと1500万円の貯蓄が必要です。だから皆さん、当社のワンルームマンションに投資して、安心な老後に備えましょう。
--- --- --- --- --- ---

 時はまさに金ピカ・バブル経済の真っ盛り。週刊誌の記者だった私は、その本を地上げ絡みのネタ元にさせてもらっていた同社幹部にプレゼントされ、思うところあって、大切に保管してきた。

 消費税が導入されたのは翌89年。“高齢化社会への対応”が前面に打ち出され、紆余曲折を経てのスタートだったが、その後も同じ理由が繰り返し掲げられ、税率が3から5、8%へと引き上げられて、ついには2桁の大台に乗ろうとしている。

 考えてももらいたい。いくらなんでも、おかしすぎはしないか

 消費税の導入前は1500万円の不足。税率10%を目前にした現在は2000万円の不足。何も変わっていない、どころか、事態はかえって悪化している。いったい何のための消費税だったのか。


■消費税は大企業や富裕層の減税の財

 ……などと吠えてみせるのもカマトトではある。財務省の資料「法人税率の推移」によれば、88年度に42%だった法人税の基本税率は、翌年に消費税が導入されてからは減税に次ぐ減税で、現在は半減に近い23・2%だ

 また、これも財務省のデータ「一般会計税収の推移」は、税収全体に占める税目別の割合が、消費税と法人税がほぼ反比例している様子を示している。この間には所得税の累進性もかなり緩んだ。99年からの8年間は累進の上限が年間所得1800万円超の37%。少し大きな会社の部長さんも、大財閥のオーナーも、同じ税率だった。

 財政健全化の財源にすると強調された局面もしばしばだった。けれども、この点にしたところで、消費税が導入されて以降も、財政赤字は膨らむ一方であり続けてきた。税収が増えると、増えた分だけ土建屋政治”や“軍拡に勤(いそ)しんできたからに他ならない。

 要するに、消費税は社会保障の充実や安定化、財政健全化のために導入されたわけでも、増税されてきたわけでもない。敢えて単純化してしまえば、それはただ、大企業や富裕層の減税の財源になった。すなわち、この間に政府やマスメディアが国民に刷り込んできた“消費税の目的”なるものは、何もかも嘘(うそ)だったと断じて差し支えないのである。


■自己責任論が強調される社会保障

     (消費増税関連法案の成立で合意(3党合意)した
      野田佳彦首相、自民党の谷垣禎一総裁、公明党の
      山口那津男代表(右から)=2012年8月8日、国会)

 もっとも、ことの善悪の一切をさて置く限り、とりわけ近年における状況は、いわば必然的な結果でもあった。民主党政権と自民、公明両党との「3党合意」で、国策「社会保障と税の一体改革」の目玉としての消費税増税が決められた2012年の冬、「社会保障制度改革推進法」が可決・成立している。その第2条の1が、社会保障を、こう定義していた。

 ――自助、共助及び公助が最も適切に組み合わされるよう留意しつつ、国民が自立した生活を営むことができるよう、家族相互及び国民相互の助け合いの仕組みを通じてその実現を支援していくこと。

 一般の認識とは、天と地ほどもかけ離れてはいないだろうか

 社会保障と言えば、普通は社会保険や公的扶助、公衆衛生、医療、社会福祉などの概念をまとめたものと理解されている。1950年に当時の「社会保障審議会」が打ち出した「狭義の社会保障」の定義が、多くの人々には、なお生き続けているのだ。いずれにせよ、今風の表現では「公助」のイメージだ。「社会保障制度改革推進法」の定義と対比されたい。

 そして、消費税率が8%に引き上げられる4カ月前の2013年12月、今度は「推進法」を具体化していくための「社会保障制度改革プログラム法」が可決・成立。同法では社会保障における政府の役割が規定されているのだが、こちらはもっと凄まじい。

 ――政府は、住民相互の助け合いの重要性を認識し、自助・自立のための環境整備等の推進を図るものとする。

 徹底的な自己責任論であり、政府は努力義務しか持たないと定めている。書籍や雑誌の記事、講演会などの場で、私が幾度も幾度も書き、語り、批判してきたことである。

 こう書くと確実に返ってくるのは、“消費税がなければ、社会保障そのものが解体していた”などといった反論だろう。制度の“持続可能性”を錦の御旗とする政府やマスメディアが近年多用したがるロジックだが、これほどの本末転倒もない。制度だけが持続しても、国民生活を支えることができない制度なら無意味だ。

 「社会保障は国民生活に必優なものであるから、財源が足りなければ、どこからか財源を工面して、社会保障の充実に充てるのが、政治家の仕事ではないか」と、鹿児島大学の伊藤周平教授(社会保障法)は喝破してのけている(『社会保障入門』ちくま新書、2018年)。生存権を規定した憲法25条を持ち出すまでもなく、消費税は上げるが社会保障の水準は下落の一途、などという“政策”は、本来、許されてよいはずがないのである。


■本気で怒らない国民にも責任

 2000万円問題がいつの間にか騒がれなくなった最大の理由は、おそらく、ここのところだ。

 消費税で社会保障が充実するなんて妄言を、実は誰も信じてなどいない。お上に何を言ってみても無駄であり、自分たちは政治権力や巨大資本の金ヅル兼労働力、ないし兵力以上でも以下でもないと、大方の日本国民は初めから諦め切っている。だから、どうせ野垂れ死にしかあり得ないとわかりきっている老後に、今さら2000万円がどうのこうのといわれても、本気で腹を立てることができない。あまり深く考えても。生きていたくなくなるだけではないか。

 そのような思考回路が、絶望が、現代のこの国には充満しているのだと、私は思う。

 安倍晋三第4次再改造内閣のもとで、私たちの社会保障はさらに“大胆”に、切り捨てられていくのだろう。国民の生活や生命を屁とも思っていない政権の非道もさることながら、いいように騙(だま)されて、にもかかわらず誰も本気で怒り狂おうとしない、物事を自分の頭で考えるくらいなら死んだほうがマシだと思っているフシさえ感じられてしまう国民の側にも、大きな責任があると言わざるを得ない

 近い将来にはまたぞろ、さらなる消費税増税不可避論がマスメディアに溢(あふ)れるに違いない。一時は政権批判の材料になった「2000万円問題」も、その時には消費税率の15%、20%への引き上げを正当化する“論拠”に使われることになるはずだ。

 放火魔が火事場泥棒を働く構図と言うべきか。

 そして、当然のことながら、目下の日本国民のままであれば、消費税率がたとえ30%、40%に引き上げられようと、「社会保障とは自己責任」のことなりとする政府の姿勢は、いささかも改まるまい。

 打開策があるとすれば、ただひとつ多くの人々が消費税というものの本質を学び、理解して、怒らなければならない時は本気で怒ることである。次回は、そのための一助となる記事を書く。
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●《『新聞記者』原作者の視点で報道現場を描く 森達也監督作『i -新聞記者ドキュメント-』》が11月に公開

2019年09月09日 00時00分59秒 | Weblog

「安倍晋三」大研究』…《「なぜ安倍さんは〈噓〉をつくのか」という…疑問…↑]



CINRA.NETの記事【森達也が望月衣塑子の姿を通して報道の問題に迫る記録映画『i』11月公開】(https://www.cinra.net/news/20190903-i)。

 《森達也監督の新作ドキュメンタリー映画『i -新聞記者ドキュメント-』…東京新聞社会部記者で、映画『新聞記者』の原案者でもある望月衣塑子の姿を通して日本の報道の問題点、日本社会が抱える同調圧力や忖度の正体に迫るもの。プロデュースは『新聞記者』の河村光庸が手掛けた》。

 Real Soundにも、同様な記事【『新聞記者』原作者の視点で報道現場を描く 森達也監督作『i -新聞記者ドキュメント-』11月公開】(https://realsound.jp/movie/2019/09/post-410782.html)。《本作は、オウム真理教を題材にした『A』やその続編『A2』、そしてゴーストライター騒動の渦中にあった佐村河内守を題材にした『FAKE』などで知られる、映画監督で作家の森監督の最新作。東京新聞社会部記者・望月衣塑子の姿を通して、日本の報道の問題点、ジャーナリズムの地盤沈下、ひいては日本社会が抱える同調圧力や忖度の正体に迫る社会派ドキュメンタリーだ。『新聞記者』のプロデューサーである河村光康が、企画・製作、そしてエクゼクティヴ・プロデューサーを務めた》。

   『●2016年報道の自由度ランキング72位:
      「メディアは二流ならば社会も二流」、アベ政治も…粗悪
    《政治が一流だけど、メディアは三流なんて国はありません
     メディアは二流ならば社会も二流なんです。相互作用ですから。
     「国境なき記者団」が発表する「報道の自由度ランキング」でも、
     上位に位置するノルウェーデンマークスウェーデンは、
     僕から見れば確かに政治も一流だし、社会も成熟していると感じます。
     2010年に自由度11位だった日本のメディアが、2016年には72位
     まで下落しました。ならばメディアだけではなくて政治も国民も、
     同じように下落
したということです。今のこの国のレベルは途上国以下
    「ジャーナリズムは、《社会や大衆が望まなくとも…火中の栗を拾って
     報じなければならないときがある》。この国の報道機関は「闘って
     いるでしょうか? 権力と「闘う」どころか、『読売』や『産経』、
     『アベ様のNHK』などはアベ様と同調し、社会を破壊していないか? 」

 《「納得できる答えをいただいていないので繰り返しています」と彼女は即答した》。かつて森達也さんは…ジャーナリズムは、《社会や大衆が望まなくとも…火中の栗を拾って報じなければならないときがある》、と…でも、いま、大マスコミの壊れっぷりは凄まじい。

   『●『追及力 権力の暴走を食い止める』
     (望月衣塑子×森ゆうこ著)読了…《今、ジャーナリズムと野党の…》
    「お二人の共通した問題意識は、森友問題加計問題準強姦事件の3つ。
     「いつまでやっているのか?」という声に対して、最低の官房長官
     (の会見を仕切る…)への望月さんの返答
     「まだ納得できる回答を得ていない」という〝追及力〟が重要。」

 そして、森達也さんの予想を上回るニッポンの「政」の壊れっぷり。アベ様の「政」で〝唯一うまく行っている〟メディアコントロール。《あるべきメディアとジャーナリズムの姿》とは程遠い。

   『●森達也さん、「僕はもうあきらめた」
     「これから4年間でこの国がどう変わるのか、とてもとても楽しみだ」
   『●青木理さん《ちょっと冷静になって、
     ちょっと中長期的に考えたら、日韓共に得なことがひとつもない》
   『●《テレビマンも新聞記者も…あなた方が近年、
     国民を政権の意向通りに操ることしかしていないことの罪深さを…》
   『●《「なぜこんな世の中になってしまったのか」とあって、
      その文字に重なるようにして「今だけ 自分だけ 金だけ」》

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https://www.cinra.net/news/20190903-i

森達也が望月衣塑子の姿を通して報道の問題に迫る記録映画『i』11月公開
i -新聞記者ドキュメント- 森達也 望月衣塑子 河村光庸
2019/09/03 09:00

     (『i -新聞記者ドキュメント-』 ©2019『i –新聞記者ドキュメント-』)

森達也監督の新作ドキュメンタリー映画『i -新聞記者ドキュメント-』が、11月15日から東京・新宿ピカデリーほか全国で順次公開される。

同作は、東京新聞社会部記者で、映画『新聞記者』の原案者でもある望月衣塑子の姿を通して日本の報道の問題点、日本社会が抱える同調圧力や忖度の正体に迫るもの。プロデュースは『新聞記者』の河村光庸が手掛けた。

森監督は「望月記者はなぜこれほどに目立つのか。周囲と違うのか。言葉が残るのか。特異点になってしまうのか。撮りながら悩む。考える。だから観ながらあなたにも考えてほしい。悩んでほしい。きっと最後には、あるべきメディアとジャーナリズムの姿が見えてくるはずだ」とコメント。


■森達也監督のコメント

望月衣塑子記者の名前を、あなたはいつ知っただろうか。官房長官の記者会見で質問を重ねる女性記者。同じ質問を何度もするなと官邸スタッフに咎められたとき、「納得できる答えをいただいていないので繰り返していますと彼女は即答した。とても当たり前のこと。でもその当り前の言葉が、ずっと僕の頭から離れない。

この国のメディアはおかしいジャーナリズムが機能していない。そんな言葉を日常的に見聞きするようになってから、もう何年が過ぎただろう。いや見聞きするだけではない。僕自身も頻繁に言ったり書いたりしている。

かつてテレビ・ディレクターだった。その後に映画監督が肩書に加わった。それから活字も仕事の領域になった。いわば僕のこれまでの人生は、常にメディアと共にあった。そのうえで断言する。確かに今のメディアはおかしいジャーナリズムが機能していない

あなたが右だろうが左だろうが関係ない。保守とリベラルも分けるつもりはない。メディアとジャーナリズムは、誰にとっても大切な存在であるはずだ。だから撮る。撮りながら考える。望月記者はなぜこれほどに目立つのか。周囲と違うのか。言葉が残るのか。特異点になってしまうのか。

撮りながら悩む。考える。だから観ながらあなたにも考えてほしい。悩んでほしい。きっと最後には、あるべきメディアとジャーナリズムの姿が見えてくるはずだ。


作品情報
『i -新聞記者ドキュメント-』
2019年11月15日(金)から新宿ピカデリーほか全国で順次公開
監督:森達也
出演:望月衣塑子
配給:スターサンズ
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●《死刑を忠実に実行している》のはニッポンだけ…飯塚事件でも、《十三人の死刑執行》でも揺るがず…

2019年05月01日 00時00分30秒 | Weblog


東京新聞の社説【週のはじめに考える 断頭台を捨てるまで】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018122402000149.html)。
東京新聞のシリーズ記事【<死刑を考える>(上) ~オウム事件より~】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201812/CK2018122702000137.html)と、
【<死刑を考える>(中) ~囚人とその家族~】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201812/CK2018122802000173.html)と、
【<死刑を考える>(下)~飯塚事件より~】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201812/CK2018122902000121.html)。

 《二〇一八年は、十三人の死刑執行でオウム真理教の一連の事件に幕が引かれた年と記憶されることになるでしょう。死刑を見つめ直す時が来たのでは。…果たして死刑は何を守るのか。》
 《今年七月、オウム真理教の死刑囚十三人全員の刑が執行された。世界で死刑廃止の流れが進む中、大量執行は国内外に大きな衝撃を与えた。だが、国内ではその後、死刑制度の存廃を巡る大きな議論にはつながっていないこのままでいいのか。関係者を訪ね歩き、考えた》。

   『●死刑存置賛成派と飯塚事件
    「死刑存置がこんなに多い国って他にあるのか? 
     「死刑容認85%って本当?」 フランスかどこかでは1件の無実者の死刑で、
     死刑廃止を決断した、と聞いた。我国は、飯塚事件の久間三千年さんに
     どう責任を?」

   『●青木理さん「供述が立証の柱…もっと物証が欲しい。
        「通信傍受を縦横無尽に使いたい。司法取引も」と…」
    《共謀罪を導入しても、テロが起きる可能性はある。そのときが怖い。
     社会がファナチック(狂信的)になり、メディアや社会も一緒になって
     「もっと捕まえろ」「もっと取り締まれ」と暴走するのではないか。
     オウム事件を取材していた時を思い出す。警察はあらゆる法令を
     駆使して信者を根こそぎ捕まえた。当時、幹部が「非常時だから、
     国民の皆様も納得してくれる」と話していた》

   『●「このまま死刑執行されてオウム事件は終わり、 
      ということにされていいの」? 真相・全貌は解明されたか?
   『●「7人に死刑を執行する前日に乾杯する総理大臣と法務大臣…
                     これがこの国のグロテスクな現状なのだ」
    《そもそも、「死刑があればそれを恐れて凶悪犯罪が減少する」という
     “抑止効果論”も、「根拠がない」というのが世界の共通認識だ。たとえば、
     1981年に死刑を廃止したフランスの統計でも廃止前後で殺人発生率に
     大きな変化はなく、1997年12月に1日で23人が処刑された韓国に
     おいてもやはりその前後で殺人発生率に違いはなかったという調査報告が
     なされている。他方、人口構成比などの点でよく似た社会といわれる
     アメリカとカナダを比較すると、死刑制度を廃止して40年が経つカナダの
     方が殺人率は低いというデータが現れている》

   『●オウム死刑囚十三人を処刑…《死刑を忠実に
       実行しているのは日本だけ》という野蛮さぶりを世界に喧伝
   『●オウム死刑囚大量執行…アベ様や上川陽子法相は
         「前夜祭」を催し、死刑さへも「サーカス」に使う悪辣さ

 《赤坂自民亭》の酔いちくれぶりや、一部マスコミの異常なハシャギぶり、思い出すだけでも気分が悪い。《死刑を忠実に実行しているのは日本だけ》、本当に何もかも嫌になるニッポン。さらには、飯塚事件久間三千年さんにどう責任をとるつもりなのか?

   『●飯塚事件の闇…2008年10月16日足利事件の
       再鑑定で死刑停止されるべきが、10月28日に死刑執行

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018122402000149.html

【社説】
週のはじめに考える 断頭台を捨てるまで
2018年12月24日

 二〇一八年は、十三人の死刑執行でオウム真理教の一連の事件に幕が引かれた年と記憶されることになるでしょう。死刑を見つめ直す時が来たのでは

 時計の針を戻してみます。

 人権宣言の国であることを思えば意外な気もしますが、フランスは一九七〇年代、西ヨーロッパでは唯一、昔ながらの死刑制度を残す国になっていました

 民主主義国家では例外的な死刑存置国となっている今の日本と似たような状況にあったといえるかもしれません。では、何がフランスを変えたのでしょう。


◆革命とともに生まれ

 人権宣言と同じように、その死刑制度は一七八九年に始まるフランス革命と深い関係があります。

 革命までは、フランスの死刑は平民には絞首刑、貴族階級に限って斬首刑が適用されていたようです。身分や貧富に関係なく、無用の苦痛を与えず名誉ある斬首刑を執行できるという断頭台、つまりギロチンが提案されたのは革命勃発後の議会でした。一七九二年以降、死刑はギロチンで執行されることになります。

 国王ルイ十六世も王妃マリー・アントワネットも、革命の指導者だったロベスピエールもダントンも、あるいは市井の犯罪者も、同じようにギロチンで首をはねられました。革命とともに生まれたギロチンは、結局、一九七七年まで使われ続けます。

 他方、死刑廃止を求める動きも革命勃発直後から現れています。議会に初めて死刑廃止の要求が出されたのは一七九一年のことでした。その後、数えきれぬほどの政治指導者や文化人が死刑廃止を求めて声を上げてきました。

 例えば「レ・ミゼラブル」のビクトル・ユゴー。あるいは「異邦人」のアルベール・カミュ。

 百九十年に及ぶ存廃論議に終止符を打って死刑が廃止されたのは一九八一年のことでした。


◆世論の過半は死刑賛成

 時の法相だったロベール・バダンテール弁護士の回想録「そして、死刑は廃止された」(藤田真利子訳、作品社)が、その経緯を教えてくれます。

 第二次大戦後、西欧諸国が相次いで死刑を廃止し、死刑廃止と犯罪発生率には関係がないことが明らかになってきました。それでもフランスでは、特に子どもが犠牲になる凶悪犯罪が起きるたびに死刑を求める世論が強まる、という状況が続いていました。

 つまり死刑廃止は、選挙に勝たねばならぬ政治家にとって、触れたくない課題だったわけです。

 八一年の大統領選は、最終的には中道右派の現職ジスカールデスタン氏に左派のミッテラン氏が挑む構図となりました。候補者は死刑への姿勢も問われることになります。直近の世論調査では、63%が死刑賛成でした。

 私的な場では死刑に嫌悪感を示していたジスカールデスタン氏でしたが、テレビ番組では「フランス国民を代表して統治するわけですから、国民の気持ちに逆らう権利はないものと考えます」。つまり、動くつもりはない、と。

 逆に、ミッテラン氏は「世論の過半は死刑に賛成ですが私は良心に基づいて死刑に反対します」と、姿勢を鮮明にしたのです。

 当選したのはミッテラン氏でした。新大統領は、死刑廃止の論客として知られたバダンテール氏を法相に起用し、死刑廃止法案をまとめさせました。法案は大統領与党の左派議員のみならず、野党となった右派からも相当数の議員が賛成に回って可決された。こうしてフランスはギロチンを引退させたのです。

 日本では、一九八九年からしばらく死刑執行が途絶えた時期がありました。死刑をめぐる議論が深まる兆しも見えたのですが、九三年に執行が再開され、さらに、オウム真理教の一連の事件が起きて死刑廃止の機運は吹き飛んでしまいました

 内閣府の世論調査で「死刑やむなし」は、九四年の74%からオウム事件後の九九年には79%に。直近の二〇一四年調査では80%でした。さて、今後はどう動くのか。

 国会に今月、死刑制度の是非を議論する超党派の議員連盟「日本の死刑制度の今後を考える議員の会」が誕生しました。休眠状態だった旧死刑廃止議連の再出発で、約五十人が参加するそうです。


◆政治的勇気が動かす

 かつてのフランスと事情は同じでしょう。世論調査の数字を見れば、決して選挙向きの課題ではありません。それでも、良心に基づいて死刑廃止を考えようというのであれば、その志を大いにたたえたいと思います。果たして死刑は何を守るのか。議論が深まることを期待します。

 「事態を動かしたものは政治的勇気だった」。バダンテール氏の言葉です。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201812/CK2018122702000137.html

<死刑を考える>(上) ~オウム事件より~
2018年12月27日 朝刊

     (オウム真理教の麻原彰晃元死刑囚と東京拘置所の刑場=コラージュ)

 今年七月、オウム真理教の死刑囚十三人全員の刑が執行された。世界で死刑廃止の流れが進む中、大量執行は国内外に大きな衝撃を与えた。だが、国内ではその後、死刑制度の存廃を巡る大きな議論にはつながっていない。このままでいいのか。関係者を訪ね歩き、考えた。

 数十年前の冬の朝、静まり返った東京拘置所の刑場。刑務官が、目隠しされた男の首に太いロープをかけた。幹部職員が手を上げたのを合図に、別室の刑務官三人が三つのレバーを同時に引く。「バーンッ」。男の体重を支えていた一メートル四方の踏み板がはじけるように開き、体が床下に消えた。

 落下の反動で、ロープが振り子のように大きく揺れる。執行に立ち会っていた元刑務官の野口善国弁護士は、両手でロープを固く握り、動きを止めた。床下をのぞくと、医務官が男の胸に聴診器を当てていた。

 野口弁護士は「心臓がドクン、ドクンと動いていた。今ならまだ助かると思った」と振り返る。人の命を奪った強盗殺人犯の最期。「正義の実現とはいえ、人が人を殺す現場だった」。その音と光景は、今も脳裏に焼き付いて離れない。

 「この日、この時が来ました。長い道のりだったけれど…」。オウム真理教元代表の麻原彰晃元死刑囚=執行時(63)、本名・松本智津夫=の刑が執行された今年七月六日、静岡県掛川市の小林房枝さん(76)が日記にこう記した。一九九四年六月の松本サリン事件で次男豊さん=当時(23)=を奪われた。

 一貫して求めてきた死刑。「何の罪もない息子が殺された。死刑で責任を取らせたいと願うのは、遺族として当然です。できることなら、刑場で執行のボタンを押したいくらいだった」と死刑存続を強く願う。

 同事件で長男の友視さん=当時(26)=を亡くした千葉県南房総市の伊藤洋子さん(78)も、早期の執行を望んできた。執行後は報道各社の取材に「一つの区切りがついた。ほっとした」と繰り返した。

 だが、月日が過ぎ、自分にそう言い聞かせたかっただけなのかもしれない、と思うようにもなった。「死刑で息子が生き返るわけではなく、悲しみや苦しみも全く消えなかった」と、別の思いも交錯する。

 八九年十一月の弁護士一家殺人事件で、同僚の坂本堤さん=当時(33)=を殺害された岡田尚弁護士はもともと、死刑反対の立場だった。しかし事件後、安易に反対と言うのが正しいのかと自問自答を繰り返すようになった

 当時、検事から被害者側の関係者として取り調べを受けたことがある。供述調書に押印する段階で、「当然、(求めるのは)極刑でよろしいか」と問われ、返答に詰まった。考えた末、「厳罰で」と逃げた。

 「自分が人権派弁護士のファッションとして、死刑反対を唱えていただけだと感じ、ショックだった」。その後、死刑についての議論を避けるようになった。

 死刑制度への態度が固まるきっかけは、皮肉にも、同僚をあやめたオウム元幹部たちの大量執行だった。岡田弁護士は「国家が十三人もの命を奪い去った。目が覚めた。執行後も心は晴れない。やはり死刑は野蛮な行為だ」と語り、こう続ける。

 「事件で被害者の命が奪われたが、死刑も命を取るという意味では全く同じ。違うのは、その主体が国家だということです」

 (この連載は、奥村圭吾、蜘手美鶴が担当します)



http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201812/CK2018122802000173.html

<死刑を考える>(中) ~囚人とその家族~
2018年12月28日 朝刊

     (高橋和利死刑囚との写真を手にする妻の京子さん=横浜市戸塚区で)

 十月二日発足の第四次安倍改造内閣の法相ポストに、オウム真理教元幹部十三人の死刑執行を命じた上川陽子氏の名前はなかった。後任の法相となったのが元検察官の山下貴司氏。就任後の記者会見で「死刑もやむを得ない」と述べていた。

 東京拘置所に収監中の伊藤玲雄(れお)死刑囚(44)は翌三日、こんな手紙をしたためている。<根っからの検事畑の人種で、どうにもならないのか。逆に、エリートとしての法や権力への節度が期待できるのか><死刑行政にどの程度影響があるのかも判断がつかない>-。

 あいさつもそこそこに、新法相の死刑へのスタンスを探る文言が並んでいた。手紙を受け取った大河内秀明弁護士(76)は「なんとか死刑を回避したい」という強い焦りを感じ取った。

 伊藤死刑囚は二〇〇四年に東京都内で起きた架空請求詐欺グループの仲間割れ事件で、四人を殺害したとして殺人罪などに問われ、一三年に死刑が確定した。

 度重なる手紙からは<一刻も早い再審請求を><危機感をもって捉えていかないと、取り返しがつかないことになる>と刑執行を何とか回避したい思いが透ける。一五年一月、請求していた恩赦も「不相当」に。今は、明日が最期かも、とおびえる生活を送る。

 大河内弁護士は「本人は『自分の意志が弱く及んでしまった犯行。筆舌に尽くせないような悔恨が残り、つぐなっても、つぐないきれない』と深く反省している。それでも生きたいという思いは消せないのだろう」と心情をおもんぱかる。

 だが、事件で息子を殺された東京都杉並区の無職山口斌郎(しげお)さん(75)は「命で罪を償うのは当然。生きているうちに執行してもらい、息子に報告したい」と切り捨てた

 東京拘置所には、大河内弁護士が弁護人を務める死刑囚がもう一人いる。一九八八年、横浜市鶴見区で金融業の夫婦を殺害し、現金を奪ったとされる高橋和利死刑囚(84)。「死ぬのは怖くない。でも汚名を着せられたまま死ぬのは無念」が、支援者の岩生美鈴さん(58)らへの口癖だ。

 捜査段階で「ここで仮に認めても、やってないのなら裁判で無罪になる」と迫られ自白。公判では否認に転じ、今は再審請求審で争う。

 <面会ありがとう。遠かったでしょう><足や緑内障の具合はどう>。妻の京子さん(84)に宛てた手紙には、相手の身を案じる言葉ばかりが並ぶ。

 三十代で結婚。訳があって、京子さんのおい二人を家族同然に育て上げた。捨て犬を動物病院に連れて行ったこともあった。京子さんは「生き物の命を大切にする人。人を殺すような人間ではない」と信じる。

 事件後、京子さんの周りからは人がいなくなった。同じ趣味の友だちも、お金を貸してあげた知人も。隣家から「のぞいたでしょ」と言いがかりをつけられたこともあった。

 長年連れ添った夫と離れ離れになって三十年余り。「いつ執行があってもおかしくない」と覚悟しつつ、ふいに不安が強まることもある。「もしかしたら明日かも」と。



http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201812/CK2018122902000121.html

<死刑を考える>(下)~飯塚事件より~
2018年12月29日 朝刊

     (久間三千年元死刑囚、関係者提供=が妻に宛てた無罪を訴える手紙)

 「私はまだ死刑確定の新参者。時間はあるから、慌てなくてもいいですよ」

 二〇〇八年九月、暑さが残る福岡拘置所。その日の死刑囚はいつもより明るかった。面会室のアクリル板越しに、弁護人らに見せたA4判の紙。確定順に死刑囚の名前が並ぶ中、自身の名前は後ろの方に記されていた。

 再審請求の準備を焦る弁護人をなだめるように、「私はやってないから、必ず罪は晴れます」。しかし、この面会から三十九日後、久間三千年(くまみちとし)死刑囚の刑は想定外の早さで執行された。七十歳だった。

 一九九二年二月、福岡県飯塚市で登校中の女児二人=いずれも当時(7つ)=が誘拐され、殺害された通称「飯塚事件」。直接的な証拠がない中、久間元死刑囚は事件から二年七カ月後に逮捕された。「一切やっていない」。ただの一度も自白しなかった

 だが、被害者の遺留品が見つかった山間部では、車で通りがかった男性が路肩に止まった車と男を目撃していた。タイヤのホイールキャップのラインや、窓ガラスの色つきフィルム、後輪のダブルタイヤ…。すれ違ったわずか数秒で十数個の特徴を言い当てた。証言はいずれも久間元死刑囚の車を指していた。

 一審福岡地裁は「犯人であることは合理的な疑いを超えて認定できる」と死刑を言い渡した。当時は画期的とされたものの、精度が低く、後に足利事件などの冤罪(えんざい)につながった旧式のDNA型鑑定も判決を支えた。〇六年十月、刑は最高裁で確定した。

 飯塚市から約二十キロ離れた現場の山間部は、狭い国道が山を縫うように走る。記者が車で現場を通ったが、カーブに次ぐカーブで前方から目が離せない。仮に不審な車が止まっていたとしても、細かく観察できる自信はなかった。

 「取り返しがつかんなと思った」。一審から弁護人を務める岩田務弁護士(73)が、執行の日を振り返る。

 当時、死刑は確定から執行まで五、六年かかるのが一般的で、約二年で執行されるのは予想外だった。DNA型鑑定に誤りがあることを示そうと、再審請求に必要な新証拠を探している最中だった。

 結局、再審請求は刑の執行から一年後の〇九年に申し立てた。福岡地裁、福岡高裁とも再審開始を認めず、弁護団は今年二月、最高裁に特別抗告している。

 久間元死刑囚の刑が執行されてから今年で十年。女児たちの通った小学校は今春、廃校になった。女児の捜索に加わった近所の男性(82)は「結局、何があったのかは誰にも分からん」。久間元死刑囚の妻は事件後も引っ越すことなく、今も当時の家で暮らす。

 <真実有れば、自信を持って闘えるのが強み><冤罪を雪そそ)ぐことができずに残りの生涯を屈辱に苦しんで生きることになったら、その方が辛(つら)いのです

 久間元死刑囚が妻に宛てた手紙からは、自身の疑いを晴らしたい思いがにじむ。久間元死刑囚がこの言葉を妻に直接伝える機会は、もう訪れない

 (この連載は、奥村圭吾、蜘手美鶴が担当しました)
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