書は始めてかれこれ19年。
前衛集団といわれる会に、細々と所属しています。
「前衛って?」ですよね。
いわゆる古典的な、行書でつらつらさらさらと漢文とかを書くのではなく、
わかりやすく言うと、文字を題材に分解したりくっつけたりして
抽象的な表現をしたり、墨だけではなく用具用材を駆使し、
線とにじみ、かすれ等を生かした現代美術的な書を追及しています。
初めは何を書いたらいいのか途方にくれていましたが、見よう見まねで
書いた最初の作品は、墨ではなく油絵の具で布に版画のローラーを
使って書いたもの。'90年、某書展で、毎日新聞社賞を頂きました。
サイズは90×180cm。タイトルは「Dream」
通っていた教室で、師には「弱い、メルヘンチックすぎる」と酷評され、
諸先輩のいる中、悔し涙を流した記憶が・・
でもその帰り道、私が今、表現したいのは爆発する強さじゃないって、
逆に自分の中で確認して。。
表現するって、自分を知ることなんだなあって体感しました。
本来の自分と、その対局にいてこうありたいと思う自分、
それを探す旅の始まりでした。
そしてそのことに気付かせてくれた、書の師との出会いは、
私の人生にとって一番の宝物であり、財産となりました。
その師との出会いについては、またの機会にゆっくりと。