心の免疫力~書とことばから

もっと暮らしに書やARTを~
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求めて~ by 沙於里

1枚の写真

2016-03-11 | 母・父

24年前の、父と母。
父が幼少の頃から続けていた能の舞台の日。

投稿した時は国立能楽堂と思ったけど、これは杉並能楽堂でした。


母のいない家で、父が写真の整理をしていて出てきて。
母はたぶん56才。さすがに、二人とも若いなぁ。

昨日、老健にいる母に写真を数枚持って行った。
覚えているかなぁと思いつつ。

 私:お母さん、女優さんみたいに綺麗ね~。
 母:そうでもないけどねぇ。
 私:二人とも若いし!
 母:それはそうねぇ。
 私:お母さん、ほんときれいねぇ。
 母:お父さん、気取り方がきまってるわね。
 
奔放で亭主関白だった父との暮らしは、私が知らない苦労もたくさんあっただろうに
つい最近まで愚痴らしきものも文句も言わず、父を信じて、
母なりに支えてきたんだろうなぁと、この写真を見ながら、ふと。

人生長いようで短い。

華やかなで輝いている時を持てたことは、
父にとっても母にとっても、そして私にとっても、いとおしく、大事な宝物。

失ったものを探したり、今を悲しんでばかりだと
その大事な時間がくすんでしまうような気がする。

たった1枚の写真が、そこに生きていたという証を刻んでいる。

母は、何度も何度も写真を見ていた。
どんなことを思い出し、何を感じたのか、その時は聞けなかったけど
今度会ったら聞いてみようと思う。

3月11日に、しみじみと家族を思う。


父の能舞台については⇒ここクリックで
コメント (2)
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