(半紙1/3×3)
先日のMさんの千字文全臨に興奮し刺激を受け、ここんとこ木簡の臨書に励んでおり。
木簡は2つとして同じものがなく、どれも個性的で全然飽きないのであ~る
←原本「書従事下當用」
原本は縦に1行に書かれているけど、3行にして臨書。
どこか威厳を感じる「書」の文字に、私知らな~いってそっぽを向いているような「用」は、ご愛嬌。
「事」という字を、ドラマチックにしたかったので、真ん中に一文字に。
「事」の終筆の縦の線は、紙の外の空間から引っ張ってきて思い切りよく吐き出すように。
3行目も2文字にすると、字づらが左右対称になって、「事」が両脇に固められて
動きが止まるような気がするので、一字一字を小ぶりにして3文字に。
文字にはそれぞれ、私のここを見て~!っていうのが、必ずある。
臨書の楽しみは、ひとつひとつの文字が、声無き声でアピールする個性を見つけること。
あらっ、このバレリーナの脚のように伸びる線を見て欲しいのね、とか
胸を張った凛々しい姿を感じて欲しいのね・・とか。
はいはい・・って思いながら、臨書する。
臨書って、まさに対話。
相手のどこが一番いいところなのかを探す作業。
人は、つい相手の悪いところ、弱いところばかりが気になることもあったり。
そこにはお互いの理解や信頼、友情も芽生えにくい。
なるべくなら、相手のいいところに目を向けて、自分も密かにいいとこをアピールして
よき関係を得たいものです
臨書の魅力は、そんなことに気づかせてくれるところにもあるのです。