心の免疫力~書とことばから

もっと暮らしに書やARTを~
雲のように水のように あっけらかんと自在に生きるヒントを
求めて~ by 沙於里

一番いいところを探すってこと

2008-10-16 | 木簡

                         (半紙1/3×3)


先日のMさんの千字文全臨に興奮し刺激を受け、ここんとこ木簡の臨書に励んでおり。
木簡は2つとして同じものがなく、どれも個性的で全然飽きないのであ~る 

 ←原本「書従事下當用」

原本は縦に1行に書かれているけど、3行にして臨書。

どこか威厳を感じる「書」の文字に、私知らな~いってそっぽを向いているような「用」は、ご愛嬌。

「事」という字を、ドラマチックにしたかったので、真ん中に一文字に。
「事」の終筆の縦の線は、紙の外の空間から引っ張ってきて思い切りよく吐き出すように。

3行目も2文字にすると、字づらが左右対称になって、「事」が両脇に固められて
動きが止まるような気がするので、一字一字を小ぶりにして3文字に。


文字にはそれぞれ、私のここを見て~!っていうのが、必ずある。
臨書の楽しみは、ひとつひとつの文字が、声無き声でアピールする個性を見つけること。

あらっ、このバレリーナの脚のように伸びる線を見て欲しいのね、とか
胸を張った凛々しい姿を感じて欲しいのね・・とか。

はいはい・・って思いながら、臨書する。

臨書って、まさに対話。
相手のどこが一番いいところなのかを探す作業。

人は、つい相手の悪いところ、弱いところばかりが気になることもあったり。
そこにはお互いの理解や信頼、友情も芽生えにくい。

なるべくなら、相手のいいところに目を向けて、自分も密かにいいとこをアピールして
よき関係を得たいものです 

臨書の魅力は、そんなことに気づかせてくれるところにもあるのです。

コメント
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