心の免疫力~書とことばから

もっと暮らしに書やARTを~
雲のように水のように あっけらかんと自在に生きるヒントを
求めて~ by 沙於里

生き様

2016-04-23 | 禅語・般若心経
                       (2×6尺:60cm×180cm)


以前、教室で参考に書いた「色即是空 空即是色」

何を信じたらいいのかわからない時。
先行きが不安な時。

途方に暮れて力が出ない時。
生きてくのがしんどいなぁって思う時。

生きていれば、そんな時々もあったり。
私だって、それなりに。

そんな時、声に出してみることば。
そんな時、力をくれることば。
そんな時、楽になれることば。

 ─生き様 



昨夜、ある方から電話が。
「あなたの今の気持ちを書いた作品が欲しい」
「それを毎日見て、私も頑張れる気がするから」

ドキっとした。

忘れていた自分に「お~い」って言えた。

生き様をさらけ出せる作品が書けたら。

ありがとうございます。


今日の1曲は Tom Waits - Take It With Me
沁みるううう・・




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観自在あそび

2016-02-25 | 禅語・般若心経
                         (半紙)

師のもとで勉強させて頂いていた頃、毎年4月に写経会がありました。

午前から午後3時頃まで、参加者はゆっくり時間をかけて仕上げますが
思い返すと私は1度しか写経はやっていないような。

社中の数名が参考作品と称して「写経」ではなく「作品」を制作し
会場別室に陳列、それを参加された方々にご覧頂いたりしていました。

私もまだまだ拙いながらも、そのメンバーとして毎回色々な形で「作品」をば。
そんなわけで当日は、陳列作業のお手伝いでゆっくり写経を書く時間もなく。

あの頃は、師や社中の諸先輩方に刺激を頂きながら、
「知らない」を武器に、仏像の絵を入れたり、木彫りをしたりと
般若心経をモチーフに作品を作ることが、楽しくて楽しくて。

初めての毎日展出品作も、2×8尺縦に般若心経をびっしり書いたりして。

あの写経会があったお蔭で、今も般若心経はとても身近で
色々なインスピレーションを運んでくれるのでして。

お若い世代は、お経というと辛気臭く感じることもあるようですが
般若心経は、亡くなった人に唱えるだけのものではなく。

「自分と違う」や「一般的じゃない」を理由に否定したりしないで
表現も、人も、なんでもござれ的にご覧頂けましたら幸いです。

観自在あそび

    

    

    

    



観自在とは、すべての事物を自由自在に見ることができること、の意。

あそび、なんて不謹慎?
般若心経は、私の中では「観自在」です  


さて、今日も1曲。ロッド・スチュワート版が好きだけど、歌詞付なのでこちらをば。
実はこの曲は反戦歌。 「rain」とはベトナムに投下された「ナパーム弾」

(現実の衝撃的な画像もあります)




同じ日本語訳でも、印象が違いますね→ 日本語歌詞

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逃げて逃さず

2016-02-10 | 禅語・般若心経
                           「無心」 半切



1月の書初め会で書いたもの。
(この「無心」も)

無心ってどういう意味ですか?と聞かれて。

以前読んだ本の中に、こんな一節が。
「悩む」とは闇から逃げているだけ。灯りをともして前に進もう。

いやはや、ごもっともなお言葉ではあるのだけど
どうにもならない現実に身を置く人には、ちと酷な気もするわけで 

人生、逃げられるものなら逃げたい時だってあるさね。

闇から逃げて逃げて、行き場が無くなった時に
灯りをともすきっかけを逃さずにいられたらって思うある 

そんな願いを持って、書いてみた「無心」です。


ところで、その時「無心の意味は、自分で探すべし~。」
とお返事しましたが、目が点になられておられました、とさ 

さて、今日の1曲は~。
ここでは何回目かの登場、K.D. Lang の  Leonard Cohen's Hallelujah

何度聴いてもいい~ 

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無心の中に流れる時間

2016-02-04 | 禅語・般若心経
                      「無心」   (半紙)


仏教での「無心」は、妄想や邪心を離れた心そのものを意味するそうな。
イメージとしては、心静かに集中するというか、そんな感じもして。

一方、「無心に遊ぶ」という場合には,無邪気なことを意味するそうな。
あるいは、「お金を無心する」という場合には,遠慮せず物品,金銭をねだる、と。

書では仏教の「無心」を思って書くことが多いような。
はて、私の無心は如何に 


今日は、腰を骨折中の父も一緒に、母のいる施設を訪ね、
久々に近くのお寿司屋さんへ。

ここ数年、色々なことで全身全霊、本気の真剣勝負で喧嘩したり
お互い激しい感情をぶつけあってきた父と私。

何度も母に「美味しい?」と聞く父を見ていたら、
母は身を挺して、父と私にこんな穏やかな時間を与えてくれたのかなと思えてきて。

そんな中、書くことが楽しくて仕方なかった頃、
自分の周りの「気」を集め、集中に呼ばれた緊張感と高揚感を思い起こしていた。

そこにもここにも、「無心」があったような。


さて、今日の1曲は、Hindi Zahra の♪Stand Up




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日々是

2016-02-04 | 禅語・般若心経
                         「日々是好日」 


2007年から何年も、毎日欠かさず更新してきたこのブログ。

あの頃は、毎日作品を書いたり、その拙い作品と向き合いながら
夢中になって探していたような。

それは、母や父に届けたいものだったんだと、
今更ながらしみじみ思う。

諦めかけていたけれど、
希望を捨てずに、また探すことを始めなきゃ。

高次脳機能障害となった母。
認知症とは違うのは、根っこなる感性が残っているということ。

ただ、思いや言葉を構築、構成することができなくて
本人も歯がゆいことだろうと思う。

母と20数年続けてきた書道教室、母不在で心細いよ~と言うと、
「大丈夫よ」と言ってくれる。

「楷書や行草も、ちゃんと勉強しとけばよかったな」と言うと
「そうね、でももう遅いけどね」なんて、言っちゃってくれたり。

この「日々是好日」を見せたら、「相変わらず読みにくいわね」。

そう言われた私の表情を見て、
「でも、あなたにはあなたしかない感性があるから」と
励ましてくれたり。

また、母に褒めてもらいたいから
作品を書こうと思う。

書いて描いて、書きまくりたいと思う。

そう思えるようになってよかった。


今日の1曲は、星野源の ♪日常




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塵と時間

2015-05-20 | 禅語・般若心経
                       「洗心」  (半紙)


禅語の洗心(せんしん)。心の塵を洗い落とすこと。

先日母に付き添った病院の待合室で、私と同じ年頃の女性が母親らしき方に
延々と小言を言っていらして。

どうやら息子さん一家と同居していらして、それなのにお嫁さんが
今の状態になるまで気づいてくれなかったことに対して、
もっと自分の主張をしないとだめでしょ、と。

ご高齢のお母さまは、うんうんと頷くだけでことばはなく。

他人事だと、どちらの気持ちもわかるなぁ・・と思いつつ、
小言を言うその光景は他人事とは思えなかったりして 

おそらく親にはいつまでも元気でいて欲しいと思う甘えから、
年を重ねてひとつふたつ、できなくなってきたことを
認めたくないというか、それでつい、小言をひとつふたつみっつ・・。

そんな日は、禅語の本を開くのでして 

というところでの、洗心。
はて、どうやって塵を洗い落とすのかいな、とも思うけど。

なんとはなしに、学生時代からその時の思いを書き留めてきたノートを開くと
そこには懐かしい自分がいて。

家族として共に過ごして来た時間の中には、
いいことも悪いことも、嬉しいことも悔しいこともあれこれ思い出にあり
その「時間」は、人生の一番の財産なのかも、とふと 

そう思うと、なんだか反対な気もするけれど、
心の塵は塵のままにして、歩いて行ってもいいような気がしてきます

あ、「時間」は塵じゃないけどね。
塵も積もれば・・ってことばもあるわけだし 

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無とは

2014-04-29 | 禅語・般若心経
                          

先日の蘭秀会書展にも出品した「無」。


悩みなんかないでしょって時々言われる私でも、
人並みにあれこれある(あった)のでして。

数年前までは、今日を生きるヒントを探して禅語の本を読んだり、
ただひたすら木簡臨書に励んだり、それでも小さな答も見つけられずに、
苦しい毎日を過ごしていた時期もありましたわさ。

そんな中、猫さまたちの暮らしを見聞きしていると
ああ、そうなのか、と思うこともあったりして 

毎日起きてご飯食べて寝て、時々走り、時々花の香を嗅ぎ、
またご飯を食べて眠りにつく、の繰り返しだけど、
見ている限りは、焦りも後悔も迷いもないようで。

呑気でいいなぁと思いきや、もしかしたら呑気も損気もないのかも、と。
ただもうそれが当たり前で、それも「無」なのだとしたら、
「生きていること」をもう少し楽に受け止められるかな、とか。

禅語を楽しもう♪を読んでいたら。

無とは、「自分が選んでいる自分の人生に気付く」こと、ってことかしらんって。

人生が自分を作るんじゃなくて、自分が人生を作るんだとしたら。
そう思えるようになってから、たぶん私は少しだけ強くなれたかな 


ってことで、久々に今日の1曲は、Tom Waits のThat Feel.
健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも・・私にはTom Waits.

歌詞&日本語歌詞





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美しいものは

2013-06-19 | 禅語・般若心経
                             「観自在菩薩」 (半紙)


またまた般若心経ですが。
画像がぼやけているのではなくて、墨を紙で拭ってから、
ぼんやりとした感じに書いてみたのでして。

こんな風に書くと、信仰の篤い叔父からはバチが当たる・・みたいなことを

ちゃんと供養をしていないと、ご先祖様の祟りが・・なんて話も聞いたりするけれど
仏さまになったら「無」の世界、ほんとにそんなことがあるのかいなと
うがった見方をしたりして 

もちろん畏敬の念や、感謝の気持ちもあって、
私なりの表現を探すことで、ご恩返しができたら・・と思っています。

答はひとつじゃないし、正しいこともひとつじゃない、
けれど、美しいものはひとつなんじゃないかなって思ふというか 


見えないところに、泥まみれの感情や痛みを知るもの、
きれいなものより美しいものに寄り添いたいなぁって思ふなり 

久々の今日の1曲は、さっきまで別の曲だったけど、やっぱりTom Waitsが聴きたくなって。

If i have to go

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それぞれに思いを込めた写経に

2013-06-17 | 禅語・般若心経
                       般若心経一節 顔彩・爪楊枝で (はがき)


先週、東京新聞ショッパー社主催の春秋恒例の写経会のお手伝いに。

もう顔なじみの方や初めての方、午前午後で52名。
60代以降の方が多い中、この日は珍しく20代の今風の青年が一人で参加されていて。

写経が終わると、一服のお茶と和菓子でお疲れさまでした、とご住職とひと時を。
私はその時に、美味しいお茶を入れて差し上げるのがお役目で、
その時さりげなく聞いてみたのでして 

「初めてのお写経はいかがでしたか?」
「気持ちよかったです。」
「そうでしたか  」

「あの、僕、去年の7月にバイクで事故って、一時植物人間だったんです。
 医者からはもうこのまま回復の見込みはないと言われていたんですが、
 奇跡的に回復をして、今ここにいるんです。
 
 それで、僕は何かに守られているんだ、生かされたんだと思って、
 高野山や恐山に行ったり、今回は記事を見て、お写経は
 高野山に納められると知り参加しました。」


坊主頭に口髭、美しい目が印象的で、既にお坊さんの様にも見えますねと申し上げたら、
よく言われます、って 

すると、物腰のやわらかい女性が、静かにお話を始められて。

お孫さんを抱いたままご主人が転んでしまい、小さなお孫さんは脳血栓で
回復の見込みがなく絶望の淵におられたと。
その後ご縁があって別の病院で、無事手術をして回復された、と。

それぞれに事情や思いを持って、お写経をされているんだということを知り、
改めて、お手伝いをさせて頂いていることに感謝の気持ちで一杯になりました

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休し去る

2013-05-29 | 禅語・般若心経


昨日久々に歩いたせりがや公園の新緑。
見上げると、そのやわらかく抱くような空間に吸い込まれそう。

ふと、禅語の「休去」きゅうしさる のことばを思い出して。

すべての喜怒哀楽は変わらず永遠に続くものじゃないんだから、
目の前の現象に振り回されて生きるのではなく、
喜怒哀楽さえも「無」と断ち切り、休め去るべしし~とな 
 
       参考:「こころの深呼吸 すっと気持ちが楽になる禅語」 松原哲明監修



わたし、ほとんどテレビは見ないのですが、珍しく見ているドラマの中で、
「人生、いいことも悪いことも、ずっと変わらないものなんてないんだよ。」
みたいなセリフがあって。


このドラマ、今の自分にどこか響くものがあって
それぞれのセリフがどれもぐっとくるのでして。


昨日抱かれたあの新緑、「休去」、そしてドラマのセリフがつながって、
ほんの一瞬だけど、緑の隙間を突き破り、大空に向かえる気がしましたとさ 


「無」の境地など、凡人なので無理だけどね


おまけ~。 カーブして見えない道も、迷わずてくてく歩いて生きたいなぁ。

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