あしあとーⅡ

日々のあれこれ、綴ったものが自分の足跡に

古民家のコンサート

2009年05月16日 | 日記
昨夜、わが家から2キロほど離れた古民家で行われた
(インドからの風)
ガンガーサンガ・コンサートtourを聴きに行ってきた。

シタール<弦楽器> 2
タブラ<打楽器>  2

これらの演奏と同時に踊られたカタックダンス(北インド古典舞踊:踊り手あみさん)に感動を覚えて、写真を撮らなかったのを後悔した。
携帯の電池が切れかけていたんだーー。

コンサートが始まる前にこの家の住人になられた人の手作りカレーで夕食が始まる。チャイと呼ばれるカリカリに焼かれたおせんべいのようなものを粉々に砕いて、ターメリックで色付けされた黄色いご飯にかけ、2種類の野菜カレーが添えられている。インドカレーと言えばナンが附くものと思っていたのだが・・・(^^)

今夜参加した者はお互いに知らないもの同士が多かったのだが、一つのテーブルを挟んで食事をするうちに色んな話題が生まれ会話も弾んだ。
その後コンサートが行われる部屋の中に移動、舞台に使われたのは畳敷きの和室の8畳間、その片隅に二人の男性が座り楽器を演奏する。
私たちは隣の部屋で鑑賞する。部屋の境にはもみじの葉で包まれた鉢が置かれローソクに灯がともり、とっても良い香りがするお香が焚かれている。
私の後ろには薪ストーブが焚かれていた。この辺りは夜になるとすごく冷えるんだから(ブルブル)薪ストーブの温かさが、気持ち良く身体に滲み渡る。

やがて楽器の演奏が始まると、夕闇迫る庭の向こうに白いドレスに身を包んだ踊り手が庭の前にある畑の土手から笹の葉を手に持って現れた

間に数分の休憩を挟んだだけで約1時間、踊り続ける。スゴイスタミナ
手や身体をくねらせ、くるくる回り印を結んだ指先で色んな意味を表しているらしいが私には全く判らない
だが打楽器に合わせてドンドンと足踏みをする度、胸に響く物があり、足首に何重にも巻かれた鈴が心地良い音を立てる。初めて見る踊りと音楽だったが、なるほどインドだな~、と思われる仕草が理解できて、とっても良かった!
だが観客は14人ほどしかいない・・・

このコンサートが行われた古民家は20軒余りあった住民の半数近くが亡くなられたり、家を離れられたりして棲む人がいなくなった空き家の一軒だ。
新しくこの家の住人になられるのは8年前に大阪からこの県北へ移住してきて、今回ここを紹介してもらい、此処で永住する事を決めたと言われる40代のご夫婦。
ここでピザのお店をやるんだそうだが・・・
この家にたどり着くのは勝手知ってる私がやっと行き着けるような山奥で、とてもここでピザを焼いてもお客が来る様な環境ではない。
当分はあちこちのイベントへの出店を中心に営業をやるとの事・・・、成功を祈る

今田舎の古民家に住むと言うのが流行みたいだけど、田舎に住むというムードに流されて来たのなら痛い目に逢うよ。毒蛇やスズメバチやムカデや蟻と共存する覚悟が必要なんだからね。充分に下調べをして来ないと、こんな筈では無かったと退散する羽目になりかねないよ。 
私が此処で苦口を言っても仕方が無いんだけど・・・(笑)

実はこの古民家の隣も空き家になっている。
そこで育った娘さん、といってももう立派な大人だけど、幼い頃養女に来られたのだが婿を取らずに嫁がれた。で、親が亡くなった後、この家が空き家になって荒れていくのが申し訳ないと、数年前からここで色んなイベントを行われている。
家柄がしのべる大きな家の周りには山菜や果物も植えられていて、家のお手入れにはご夫婦で通われ草刈やら植木の剪定などをされている。
子供の頃は我が家の前を通って学校へも通われたらしく、共通の話題等もあって、すぐに親しくなった。

彼女は嫁ぎ先の家も大きく改装されて、広々とした山を背景にした大きな庭に珍しい木や花を沢山に植え、家の一部を喫茶店にして週3日ほど営業をしている。季節のフルーツを使った手作りケーキも何種類か食べられるその喫茶店は、部屋の中心に4人かけテーブルが4組置かれ、その突き当りには大きなガラス戸の外にオープンテラスがあり、反対側には8人用の丸テーブルが置かれた部屋もある。その何処からも庭が見え、みどり一杯に包まれた三つの部屋に居ると、まるでそこは別世界のような感覚におちいる。
周りが珍しい植物一杯、花一杯の雰囲気に山野草が大好きな私はこの庭に惹かれて通い始め、実家の古民家を利用したイベントにも参加するようになったのだが、この実家の古民家も古い家具をとてもステキ飾られていて、イベントに参加するがとても楽しみなんだ

6月には『笹ゆりを鑑賞する会』を計画しているとの事、多分この時は隣の家で焼かれた石窯ピザが振舞われるのだろうと、今から楽しみにしている

今回隣の空き家を紹介されたのも彼女なのだ。
次第に空き家が多くなり荒れていく故郷を見るのは辛いと言われる。

このコンサートは広島、福山を回って来られたのだそうだが、今後はこの古民家を拠点に活動していきたいと意気込みを述べられた。今夜のコンサート開催は出発式の様なものだと・・・。
休憩時間にはインドのティー(紅茶ではなかった)も配られ、身内だけのこじんまりとしたコンサートだったけど、雰囲気はとても良かったよ

これからの成功をお祈りします。