あしあとーⅡ

日々のあれこれ、綴ったものが自分の足跡に

NHKドラマスペシャル 『白洲次郎』

2009年09月24日 | TV・映画


          【写真は再建された武相荘の全景】

とっても楽しみにしていた『白洲次郎』の最終回が昨夜ようやく放映された。
このドラマは1月の末から2月にかけて2話放送された後最初3話は8月ごろと言われたが9月になってようやくOAされた。
延びた理由は吉田茂役の原田さんの病気の為だったらしい。

私は白洲次郎と言う人に憧れに近い感情を持っているのだ
ハンサムで背も高く武士の気骨を持った英国仕込みの紳士、「プリンシプル」(原則)という言葉をもっとも大事にした人だったらしい。

 日本で最初にジーンズをはいたといわれる抜群のファッションセンスを備えた異色の男、白洲次郎。白洲は、戦後GHQ占領下にあって日本の自立の道を探り、ひとり悪戦苦闘を続けた。英国留学を経て実業家として活躍した白洲は、戦争継続に反対していた外交官・吉田茂の知遇を得る。そして戦後、吉田が外相ついで首相に就任すると、並はずれた交渉力を吉田から見込まれてGHQとの折衝を任された。白洲は、日本の国情を無視して政治介入するGHQと、それを従順に受け入れる政府に反発。日本の尊厳を守った「自立」に自らを捧げる決意を固めた。しかし、憲法の改正では、GHQが提示した憲法案を飲まされることになる。

(注)この時の気持ちを次郎は「今に見ていろ!という気持ちを抑えきれず、ひそかに涙す」と述べている。

徹夜の翻訳作業にも立ち会った白洲は、政治とは別の道で日本の自立を模索しはじめた。それは、経済の自立だった。
当時、日本はGHQに指導された統制経済下にあり、貿易も国家管理におかれていた。日本の復興には、自由経済に立脚した輸出振興が必要であると考えた白洲は、昭和24年5月、貿易立国を牽引した通商産業省を立ち上げる。宮澤喜一元首相をはじめ占領期の白洲を知る人々の証言をもとに、貿易立国という戦後日本の自立の道筋をつけた白洲次郎の闘いを描く。

これは以前NHKで放送された『その時歴史が動いた』のHPから引用したもので
白洲次郎の略歴が判りやすく書いてあるので拝借した(笑)
勿論この番組も見ましたよ~

GHQから『従順ならざる唯一の日本人』と評されたくらい、芯の通った人だった。このドラマでは妻の白洲正子との出会いから結婚生活まで詳しく描かれていてとても興味深かった。

お互いが一目ぼれで結ばれた2人だが、もうかなりの年齢になってから夫婦円満の秘訣は?と聞かれて
『一緒にいないこと!』
と言ったという(笑)二人ともとても自我の強い人間だったからぶつかる事も多かったのだろうな。喧嘩は英語ですると言うのだからとてもユニークな2人だったらしい。

2人が暮らした武相荘は今も現存していて長女の桂子さんが館長を務めておられ、中を見る事も出来るのだが、HPの写真なども転写お断り!となっているので、NHKはこのドラマ用に実物大の建物を作り上げた。
ドラマのHPに建築途中の模様が詳しく載っているので画像も頂戴してきました。

戦争が始まると間もなく次郎はここへ疎開し百姓を始めているのだが、それがとっても似合っている。緑の中の長閑な風景の中で野菜や米を収穫し、それを手土産に東京の知人を訪問している。その中には「おやじ」と呼んでいた吉田茂も居た。
戦時下の食糧難の折だった筈だが先見の明が有った次郎らしいね。

先が読めて権力に媚びず、しかし日本国をとても愛して、その行く末を案じていた男。
今の日本に最も欲しい人間だよね
最近の草食系といわれている日本男児諸君よ
白洲次郎の爪の垢でも煎じて飲んで欲しいな


『狭き門より入れ』

2009年09月15日 | 観劇日記
9月12・13日 ドラマシティ

作・演出=前川知大

出演
佐々木蔵之介=天野(あまの)
市川亀治郎=葉刈(はかり)
中尾明慶=魚住(うおずみ)
有川マコト=雄二(ゆうじ)
手塚とおる=岸(きし)
浅野和之=時枝(ときえだ)

あらすじ(公式サイトより)
人間は、いつの時代にも何か大きな存在に取捨選択を繰り返されていたら――。
それを知ってしまった人間は、どのように行動するのか――。
舞台は、ある街にあるコンビニエンスストア。
取捨選択される事実を知ってしまった男と、その周辺の人々は、
先にある道を自身たちの意思で選ぼうとする。
それぞれが思う「希望」とは……?
選ばれることが正しいことなのか、
生きる意味を賭けて、自分も人生の行く末を選ぶ、
より良い世界を目指し希望を求めてそれぞれの覚悟を見出すまでを描くSF劇

この作品は佐々木蔵之介さんが主催する劇団ユニット『Team申』の3回目の公演だそうだ。
会場へ入ると舞台にはコンビニの店舗内がかなりリアルに再現されているのが見える。
だがオープニングは何もない幕の前、電車の音が響いている前で、葉刈が天野の自殺を止めたようにも思える場面から始まった。
だが天野は自殺しようとはしていないと言い張る。そして葉刈が持っていた自分のアタッシュケースを取り返すと上手に去って行った。そこへ岸が現れ意味深な事を言い合いながら下手に消える。

そして舞台はコンビニの店舗に変る。レジの前にいるのは天野の弟の雄二、そして万引きをしたらしい魚住を責めている。もう一人店にいたのは時枝。以上がこの作品の登場人物。
そこへ天野が『ただいま~!』と帰ってくる。天野は勤めていた会社が自分の要望を受け入れてくれないと不満を持ち退職して家を処分した金を鞄へ詰め、父親が病気だと聞いて実家であるコンビニへ帰って来たのだ。今世間では罹ると眠りから覚めないと言う奇妙な病が流行っていて人口の6割が感染の疑い有り、とかで不穏な情勢。雄二が天野に店番を頼んで出て行ったあと魚住が時枝にそそのかされて強盗に早代わり、店に有った小刀を振り回してレジのお金と天野の全財産の入ったアッタッシュケースを持って裏口から逃げていった。それを追いかけて天野も裏口から出たのだが・・・。天野はコンビニの表のガラス戸に張り付くようにして帰ってきた。そして外が変だと言う。真っ暗で土が無い・・・。

このお話はSF的で実際には有り得ない展開なのだが観る者はその世界に引き込まれていく。この世があと3年で更新されようとしていて、このコンビニがその入り口というかゲートになっている。レジの鍵を回すとこの世と更新された世界とが交互に出てくる。この時照明が揺らぎ、コンビに全体が揺れているような感じになる。そして最初に出てきた岸と葉刈は2つの世界を行き来している。この葉刈は天野の友人だったが海の事故で死んだが死体は上がっていないと天野言う。
最後までこの2人の正体は不明だった(^^)
 だが更新される世界へ行くには選ばれた者しか行けなくて資格が要るのだという。そして岸がその選定に重要な役割を持っているらしい。この後こぶとり爺さんのお話なんかも出てくるのだけれど、つまりは人がこの世の終わりを迎えた時どんな態度を取るのか?人が生きていく上で大切なものは何なのか?それを問いかけたお芝居なのだと思った。

それに答えているのが天野の弟・雄二、この世の終わりのときは家族と一世に居たい、自分と子供とどちらかしか助からない時は?当然子供でしょ!親なら当たり前でしょう!と明快に答える。有川マコトさん、初めての方なんだけれど、ホンワカと雰囲気で味わいのある演技でした。佐々木さん演じる兄である天野に対しても苛立ちを覚えながらも家族なんだからと優しい思いを寄せるとっても良い人!(笑)

天野は自分の意見が取り入れなければさっさと会社を辞めていく我儘で傲慢な男だったが、いろんな場面に遭遇していくうちに次第に心が変化して最後は自分が柱となってこの世界へ残る事を選択する。佐々木さん、スゴイ熱演!!!魚住を追っかけて狭いコンビニセットの中を走り回り、大声を上げて物を投げまくる。 こんな佐々木さんを始めて見た気がする。

亀次郎さんが演じている葉刈は不思議な存在、天野とは大学時代の友人なのだが、生きているのか死んでいるのか判らない。が、岸に対して天野のことを庇ってくれているような暖かい雰囲気を持った男、葉刈の上司とも取れる岸を演じている手塚とおるさんもはじめて見る方だった。黒いシャツに黒いコートで舞台に出てくると、イスの上のしゃがむ独特のポーズ(^^)でもこの世と更新された世界を結ぶ不気味な存在感を見事にあらわしていたと思う。

浅野和之さんは天野のせいで仕事を失いコンビニに入り浸っているような情けない男、役者さんはそれぞれに素晴らしい人が揃っている。
題名の『狭き門』とは選ばれし者しか入れない狭き門、という意味なのかな?

テーマは重いが、そこそこに笑の要素が入れられているので、それほど沈んだ気持ちにはならないのだが、2日目の公演では少し眠くなった(>へ<)
実は大阪へ行く前に観た人の観劇日記を色々と読んで予習をしていて、殆どの人が絶賛していたので、私も随分期待していったのだが(笑)残念ながら私は今ひとつ乗り切れなかったというか・・・ 、いえ決して面白くなかった訳じゃないんだけどね(^^)

13日昼公演のカーテンコールは意外にあっさり終わってしまった。へぇ~もう終わりかと思いながら帰り支度に取り掛かろうとしたところ突然佐々木さんが舞台に出てきてTシャツを選び始めた。レジには浅野さんがいる。すると亀次郎さんが上手からピンクのTシャツを着て現れ再び熱烈なカーテンコールが始まった(笑)刷けるとき亀次郎さんはピンクのTシャツを着たまま六法をふんで帰っていったよ~(*^o^*)

私はまだ先週観た『ブラックバード』を引きずっているみたいなんだ~(>へ<)

内野さんも好きだけど佐々木蔵之介さんも大好きな俳優さん。
スープに例えれば佐々木さんはコンソメスープ、内野さんは濃厚なポタージュスープかな?
どちらも甲乙付け難い存在(笑)

HP閉鎖のお知らせ

2009年09月11日 | 日記
2日ほどご報告が遅れましたが、
MY・HP『お芝居の話をしませんか』のトップペーとBBSを閉鎖いたしました。

観劇日記を書いていたデンパンブックス再開の見込みは無く、BBSでお知らせする事も無くなったし、スパムな書き込みの削除ばかりするのも面倒なので、観劇日記はこれからはblogの方にUPして行きます。

拙いHPでしたが訪れてくださった皆様に長年のご愛顧感謝いたします
本当に有難うございました

体力的なこともあり観劇回数も以前のようには多くは観に行く事が出来なくなりましたので、日記を書きつつその中に観劇日記が時々入るくらいが丁度いいかと・・・(^^♪

これからもよろしくお願いいたします m(_ _)m

膝のその後

2009年09月11日 | 日記
大坂からか帰ってくるのがとっても辛かった!
ローカル線の乗り換えに階段を登り降りしなくっちゃならない。
駅員さんの助けを借りてようやく乗り換え、這うようにしてやっとの思いでわが家へたどり着いた。
翌日主人に病院まで連れて行ってもらった。車へは乗れるんだけど、広い駐車場を歩く自信がなかったから・・・。
でも主人が車椅子を調達して来てくれたのがとっても有難かった
車椅子がこんなに楽チンだったなんて初めて実感した~
膝の水を少し抜いてもらって、ヒアルロンサンの注射をし痛み止めの座薬を貰って帰る。
食事も病院内で車椅子へ乗ったまま済ませて帰った。
当然の事だけど全部主人が車椅子を押して移動してくれたのだが、
こういう時夫婦って良いな!って思いましたねぇ~!
へへへ・・・。

だがこんな状態であるにも係わらず明日にはまた大坂へ観劇遠征すると聞いて家族を始め周りの皆が呆れ返っている
ごもっともですm(_ _)m

でも長男は嫁を掃除機をかけによこしてくれるし、近所の友人は草取りに来てくれる。主人は食事の後の洗い物をしたり、洗濯物をたたんだりと、不愉快な顔もせずとっても協力的で周りの皆さんに本当に感謝感謝

膝も座薬がかなり効くようになって杖を突けばあまり変な格好でもなく歩けるようになってきた。ホテルも劇場の隣に変更し、帰りはあの階段の乗り換えをしなくて済むようにその駅まで迎えに来て貰う事にした。
前回のように突発事故が起こりませんように・・・。

明日の舞台は佐々木蔵之介さんの『狭き門より入れ』
とっても楽しみなんです

それと『ブラックバード』をまだ引きずっています
思い出したことをまだ少しずつ書き足したりしている(笑)

再演があれば良いなぁ~!

 『ブラックバード』

2009年09月07日 | 観劇日記
この観劇日記を書く前に、blog更新のご無沙汰のお詫び・・・。
実は昨年年末に発症した腰痛の悪化に加え今は左足の膝の痛みに悩まされています。
私は健康!身体も精神も丈夫だと信じきっていたのに、実際は私の骨はボロボロになっていた訳で・・・、
なんで~~???状態ですごく落ち込んでいました。その状態を書くことさえ嫌になっていまして・・・。
この事に関してはまた後日書くことにして
でも、今回は久々の大阪遠征なんで、気持ちを徐々に持ち直して何とか行く気になりました。
旅支度は勿論薬とか痛み止めとか色んなものを準備もし、体調もかなり整えていたはずなんだけど
とんだハプニングが起こった! 
なんと行きの新幹線が事故のため遅れたの・・・。
岡山駅を出たところで、ゆっくりと走っていた新幹線がついに止まった!理由はすぐ先の線路の架線にビニール状の物が引っかかっているらしいと。
取り除くまで暫くお待ちください!とのアナウンス・・・、で、出出発したのが一時間遅れ。
実は名古屋の友人とランチしましょうと約束していたのに、ランチどころかこれでは開演に間に合うかどうかも怪しい。
新大阪駅からタクシーに飛び乗り到着したのが開演2分前・・・、チョット開演が遅れたので何とか間に合ったのだけれど、
アプローズタワーの中を荷物を持ったままヨタヨタと走りましたがな~(笑)
で、少し良くなりつつあった膝が最悪の状態になってしまい、今では左膝をまともについて歩くことが出来ないでいます(トホホ・・・)
まぁ~そんなこんながありました今回の大阪遠征でしたが、内野さんの久し振りの舞台を振り返ります。

2009年9月5・6日 大阪ドラマシティ
「ブラックバード」

作=デビッド・ハロワー
演出=栗山民也
CAST
レイ=内野聖陽
ウーナ=伊藤歩
少女=黒澤ともよ

幕が上がるとそこは粗末な事務所の一室、上手に細長いロッカーがずらり並び正面には中連の窓が見えその左端に部屋の入り口ドアがある、外は廊下らしく明かりが点いている。
部屋の中は中央に食べ物の空などゴミを散らかしたままの長テーブルがあり周りにパイプイスがずらり、壁際にはゴミ箱やら長椅子やらが乱雑に置かれかなり汚い部屋の中を下手から上手にゆっくり歩いているトレンチコートを着た女性ウーナ、髪はきっちりと引きつめたポニーテール。そして部屋の入り口にドアノブに手をかけ当惑顔のレイ。
こんな状態で2人芝居が始まった。

2人の関係は全く判らないままに会話が進んでいく。
ウーナはレイが載った雑誌の写真を見て訊ねてきたようだが、レイにはその目的がわからない。ここではなくて外に出て話そうとしきりに誘う。
だが2人が交わす会話から次第に2人の関係が明らかになっていく。

2人の最初の出会いはウーナの父親が焼肉パーテイに近所に住むレイを招待した時だ。この時の二人は初対面だったがお互いに意識したらしい。この時の2人の年齢はレイ40才、ウーナ12才! ここら辺りからウーナの独り語りで当時の2人の状態が事細かに語られていく。ウーナは上手側のイスに座りトーンを落した声で語り始め、レイは下手側のイスに客席に背を見せた状態で座り、身じろぎもせずじっとウーナの言葉に聞き入る。 惹かれあった2人はひそかに逢引を重ね、どういう理由だかわからないが駆け落ちする事になってしまった。自動車でフェリー乗り場まで来た2人はフェリー出航の時間までゲストハウスの部屋を取り、そこで始めて体の関係を持つ。
レイはタバコを買って来ると言い残し部屋を出て行ったきり中々帰ってこなかった。ウーナは不安に駆られ夜の街へレイを探しに出るが、とうとう逢えないままにゲストハウスまで戻るとレイの車はもうなかった。犬の散歩をする老夫婦に家まで連れて帰ってもらった。警察が来て色んなこと調べた。身体の関係も判ってしまった。その後のレイの消息は判らなかったが無罪放免だとと思っていたら父親が6年だそうだ、と言ったと言う。まるでその時の状態がまざまざと目の前に浮かんでくるような語り口、伊藤さんスゴイッ!

ここからレイの語りに変る。ゲストハウスを出た後酒場に行ってタバコを吸い酒を飲んだ。考える時間が必要だったと。そりゃそうだろう!40歳の自分とまだ生理も始まっていない少女ウーナとの逃避行だもの・・・。しばらくしてレイはゲストハウスに戻ったが、その時はもうウーナは居なかった。ウーナが行きそうな所をあちらこちら探したけど見つけることが出来なかった。あくる日のニュースでウーナは無事保護され自分に逮捕状が出ていると知り、全てが終わったのだと理解して警察へ電話をしたが、ウーナを失うことの辛さにずっと泣いていたと告白した。

ここまでが2人の過去の関係。レイは6年の刑を務めて出所し、今は名前をピーターと変えてこの会社に勤めている。年上の彼女も居ると言う。ウーナも幾人もの男の人と付き合ったと話した。まるで憑き物が落ちたような2人は突然に部屋のゴミ箱のゴミを部屋中に撒き散らしはしゃぎ合い笑いあい、そんな中でキスをし抱き合った。だがレイはその先へ進めない。突然にウーナの身体から離れ「出来ない!済まない!」という。ウーナはレイに問いかける 「私大きくなり過ぎた?・・・」それはとっても哀しい言葉だった。

その時廊下の外から「ピーター  ピーター」と呼ぶ声がしてドアから少女が現れ、「ピーター ここに居たの~」とレイに抱きついた(えぇーーーッ笑)
だがレイは少女に母親の所へ行っていなさい、後から行くからと諭す。少女はウーナに気ずき「彼女は誰?」「友達だ・・・」
少女を部屋から出したレイにウーナは訊ねる「あなたの子?」「いいや他の男の子供だ」   私はここで考えた(笑)レイは今55歳の筈だ。その一つ年上の今の彼女は56歳
その子供の少女がウーナと同じ年なら12才・・・、
44歳で子供が産めるか・・・? ギリギリかなぁ・・・?  まぁ~どちでもいいや(爆)

色々質問していたウーナが突然狂ったようにヒステリックな状態になる。少女とレイの関係を疑ったのだ。「私と同じ?」 だがレイは必死でそれを否定する「絶対そんな事はないっ!」「2人には俺が必要なんだ」と。
絶対に行かせないと引き止めるウーナを振り払ってレイは部屋を出て行った。 「レイーーー」と呼びながらウーナも後を追い廊下の明かりの中を去っていった。
ここで幕・・・。チョットあっけない幕切れだったなぁ~!

この物語の結末は観客の想像に任せる、といった意図らしい。
で、私は想像した(笑)
レイは言っていた通り現在一緒に居る彼女と少女の生活に戻り、ウーナもレイのトラウマから解放され立ち直って新しい恋に目覚めていくだろうと・・・(^_^)v
レイもウーナもあの時はお互いをとても愛していた。たまたま愛したウーナが12才と言う未成年であった事が悲劇の始まりだったのだ。逃避行の夜、レイがこのまま12才のウーナと駆け落ちしてその先に来るべき事を想像した時、どんな弁明をしたところで許される筈もない。それは犯罪である!と考え絶望的になったに違いない。 40歳のレイにはその事は良く判っていたと思う。だがレイはゲストハウスに戻った。しかしほんの僅かな時間のずれで2人は出会えなかった。そして離れ離れになり全く違った人生を送ってきた。
ウーナはレイに置き去りにされた!捨てられた!と思い込み、多分そのことがずっとトラウマになって残っていたのではないだろうか?
「なぜ・・・? どうして帰って来なかったの・・・?」 そのことを確かめる為に15年たって雑誌で見つけた、今はピーターと名前を変えているレイを尋ねてきたのだと思った。
そしてレイがゲストハウスに戻った事を知り捨てられたのではなかったと知った。ウーナはまだレイを愛しているのだと思った。
だがレイはウーナとよりを戻す事はないと思う。15年前に戻る事はもう不可能だから。
そして私の希望的結論はレイは決してロリコン親父では無かった(笑)
しかし内野さん演じる舞台上のレイは絶対に56歳には見えなかったよ!
若々しくてとても魅力的・・・(^^♪

この舞台観る人によって感想は様々のようだ。
眠くなった!と言う人が多かった(笑)
後味が悪いと言った人も居た。
だが私はこれは運命に翻弄された切ない愛の別離の物語だと思った。
全く眠くもならなかったし、後味も悪くない。
可哀想なレイとウーナ、今なら良い恋人同士になれたろうに・・・、と思いをめぐらしてみる(^^♪