あしあとーⅡ

日々のあれこれ、綴ったものが自分の足跡に

『レベッカ』 シアタークリエ

2008年06月22日 | 観劇日記
脚本・歌詞=ミヒャエル・クンツェ
音楽=シルベスター・リーバイ
演出=山田和也
Cast
山口祐一郎=マキシム・ド・ウインター
大塚ちひろ=「わたし」
シルビア・グラブ=ダンヴァース夫人
石川 禅=フランク・クロウリー
吉野圭吾=ジャック・ファヴェル
治田 敦=ベン
阿部 裕=ジュリアン大佐

『メタルマクベス』青山公演以来2年ぶり、久々の東京遠征でした。
今回の劇場「シアタークリエ」は昨年の11月にオープンした新しい劇場、そして泊まったホテルも同じく11月劇場オープンに合わせて造られた良い眠りがコンセプトだという「レム日比谷」、上京する前からネットで部屋が狭いと言われていたので覚悟はしていたのだが・・・(笑)確かに広くはなかったが、部屋に入ると目を奪われたのがガラス張りになっていて煌々と灯りのついたシャワー室とトイレと洗面台・・・(-_-;) でもこのおかげで部屋が広く見えていたのだろうと思った。調度品や配置のセンスも素晴らしかったし、今まで寝られれば良いと無味乾燥な部屋でも我慢してきた事を思うと、とてもゆったりと良い気分で泊まる事が出来た。お値段は朝食つきで¥15,000と今までの観劇遠征用のホテルから考えると少しお高いかもしれないが、場所は帝国ホテルの筋向いだからこの場所なら決して高くは無いと思うよ(^-^)又泊まりたいと思った! そして劇場では、膝が痛くて階段を一段ずつ上がり降りをする私の姿を見て、係員の方がご親切にも身障者用のトイレへ案内して下さった!
今回の遠征は劇場でもホテルでも気持ち良く過ごせたし、友人と昼食に食べた日比谷シャンテ地下のインド人が経営する本格カレーもとても美味しくて、どれをとっても素晴らしく満足のいく2日間でした~

さて久々の東京遠征で観たのはミュージカル『レベッカ』、何でこれを観に東京へ行ったか・・・?  それは内緒(笑)
題名の『レベッカ』はマキシムの亡き妻に当たる人だが名前は出てくるが舞台には登場しない。物語はサスペンス風に進んでいく。
物語は「わたし」と言う一人称で語られていくので「わたし」は名前で呼ばれる事は無い。
舞台はモンテカルロのホテルのロビー、わたしはヴァン・ホッパー夫人の付き添いでホテルを訪れるが物事に不慣れな私は夫人からお小言ばかり頂戴している。そんな所へ大富豪のマキシム・ド・ウインターが現れ、わたしは彼に一目ぼれしてしまう。ヴァン・ホッパー夫人が風邪を引いて部屋で引きこもっている間にマキシムと私はお互いに惹かれあい、夫人がニューヨークへ戻ると宣言したのをきっかけに二人は結婚してマキシムの館、イギリスの大邸宅マンダレーへ帰ってくる。だがそこにはマキシムの亡き妻「レベッカ」の存在が館の隅々にまで色濃く残っていた。
そして家政婦頭のダンバース夫人のレベッカに対する異常なまでの思い入れに驚かされる事になる。このダンバース婦人を演じるのがシルビア・グラブさん、上下真っ黒のドレスにキュッと引きつめた髪、にこりともせず、慇懃に受け答えはするが、「レベッカ様」の領域へは一歩も入れさせないぞ!という気持ちがありありとわかる。シルビアさん歌もどすの利いたスゴイ迫力で歌う「レベッカ~」の言葉には怖いくらいの気迫がこもっていた!(^^) 以降様々な形でダンバース夫人の嫌がらせが続くのだが、しかしそれが返って私を強くさせる事になる。私の大塚ちひろさんがこの辺りの成長振りを見事に演じ分けていたように思う。山口さん演じるマキシム、さすがに恰幅がよく堂々と大富豪を演じているが、このマキシム、色んなことに苛立って度々切れる(笑)
一幕の終わり頃ダンバース婦人の助言に従ってパーティで私が着た純白のドレスはレベッカの物だった。階段からドレスを纏って下りてくる私の姿を見てマキシムは烈火のごとく怒る何でそんな物を着ているのだっ、すぐに脱ぐのだぁっ! この切れる時に時山口さんの声がひっくり返るんだなぁ~!それも度々(笑) こんな声はいままで余り聞いた事がないので意外な感じがした。この場面で1幕が終わる。

2幕はダンバース夫人がわたしに「あなたはミセス・ド・ウインターにはなれない!出て行きなさい!」と追いたて崖の上まで追い詰めた時、難破船が見つかった合図がなる。
その沖の船からレベッカの遺体が見つかりれマキシムが疑われる。殺人か、事故死か、自殺か・・・? この辺りから俄然サスペンス様相が強くなり始める。
レベッカには敵わないと言う私にマキシムはレベッカを憎んでいたと打ち明ける。美貌に惹かれて結婚したが結婚した夜にレベッカは宣言した。妻としては完璧に演じるけどそれ以外は自由にさせてもらうと。レベッカは何人もの愛人がいて堕落しきっていたと。マンダレーを受け継ぐ子供が出来て嬉しいでしょう、と凍りつ様な微笑を浮かべたと。そんなレベッカを突き飛ばし船へ乗せて沖に出しそこに穴を開けたのだとマキシムは打ち明ける。そんなマキシムを私は抱きしめる。知っているのは私達だけなのよと・・・。ここで完全にマキシムと私の立場は逆転してしまったようだ。2幕になるとわたしの意識の変化を表すように衣装が赤に変わり、次第に強くなっていくわたしの表現を大塚さんはとても上手く演じていたと思う。
マキシムと私、年齢差はかなりあるはずなのに、ダンバース夫人の嫌がらせに立ち向かいながら自分がマンダレーの女主と自覚し始めた私は、次第に大人びて強くなっていく。
屋敷内にあるレベッカの物を全て運び出しレベッカの面影を消し去ってしまい、そしてダンバース夫人にミセス・ド・ウインターはこの私だと宣言する。
レベッカの死因を巡って従兄弟でありレベッカの不倫相手でもあったジャック・ファベルは自分に待っていてくれと手紙を残しているのに自殺するはずが無いという。そして海岸にいつもいる浮浪者のベンが全てを知っているとその場に引き出すがベンは何も知らないと否定する。
ジャックファベルを演じる吉野圭吾さん、細~~い! 今回は憎たらしいほどの悪役です(笑)だからミュージカルであってもダンスは無いだろうと思っていたのに、あったよ~!それもかなり長く・・・(^^)/^ やっぱり踊る吉野さんはカッコいいなぁ!
この最後のくだりはもう公演が終わっているので完全にネタバレです(^-^)/
この物語の結末は最終的に産婦人科医の証言でレベッカは末期癌で余命6週間と言われたことが判明し、マキシムはレベッカが自分を道ずれにしたかったのだという。レベッカは自殺だったと断定される。
舞台の最後はあの広大な館マンダーレが炎に包まれその中にダンバース夫人の姿が・・・、もう館の中にレベッカの面影を見出す事が出来なくなって絶望した彼女の放火だったのか?
こんなシーンで終わった「レベッカ」
石川禅さんとか阿部裕さんとか歌の上手な人を贅沢に揃え、劇中の挿入歌も多くて確かにミュージカルではあるけど、なぜかストレートプレイの舞台を観ているような感覚だった。
主役であるはずの山口雄一郎さんが霞んでしまうほど大塚さんは存在感を示したし、シルビアさんをはじめ回りの人達もみな上手かったなぁ~! 中々面白かった!

『夢があるから』 テアトルシェルネ

2008年06月14日 | 観劇日記
6/14 『夢があるから』
尾道市民劇場6月例会作品
市民劇場の会員継続を止めようかなぁ~?と思いつつもう1年が経過している。
最近の例会に登場する作品に感動が沸かないのでこの辺が限界かなと思いながら、以前に私が一人会員だったので座席が割り当てられないと言われ、「それでは止めます」と言った所、三原からお母さんと息子さんの親子で会員になられているグループへ入るよう指示された。そういう手段があるなら早く言ってくれればいいのに、会の役員さんは意地が悪いねぇ~!
そのお二人と次第に懇意になっていったのが会員を止められない気分にさせている。都合が悪くて他会場で観劇した次の会では、お加減でも悪かったのかと心配でした、と仰る。私が止めたらこのお二人は席が割り当てられるのだろうか? 今はチョット複雑な気分・・・!

で今月の例会は
スイセイミュージカル『夢があるから』
演出・原案・脚色=西田直木
キャスト
中川久美=福島桂子
進藤健=吉田要士
桜井まゆみ=中村香織
星野晃=吉田潔
大海原朱里江=相原奈保子

演奏―スイセイ・ミュージカル・オーケストラ

出演者は知った人は誰もいない。こんな事はめずらしくて最初はあまり気乗りはしなかったがミュージカルということで出かけていった。
物語の主人公中川久美は実在の人物で彼女のサクセスストーリーと言うべき作品、ニューヨーク生まれの久美は父から貰ったミュージカルの舞台のチケット、それに魅せられて父の反対を押し切ってダンサーとなりブロードウェイの舞台に立つまでになるが、そこで色んな嫌がらせに遭いニューヨークに居られなくなり日本へ活躍の場を求める。日本でも振付師としての名声が上がるようになったとき、大女優の大海原朱里江の執拗なまでの嫌がらせを受け折角の仕事まで失いそうになるが、ニューヨークに居た頃散々嫌がらせを受けたにもかかわらず、汚名の身代わりになった事を今では感謝するブロードウエィの女優スザンヌに助けられ、新たな道へ進んでいく。
夢があるから・・・、諦めなければきっと夢は叶う、そんなお話でした。
主演の中川久美さんを演じたのは福島桂子さん、最初舞台に登場した時は年齢が十代の設定だが、全然見えなかった(笑)ソバージュの髪を両脇に括っているのもとても老けて見えさせた。ダンスはお上手ではあったが大いに違和感あり!メーキャップをもう少し工夫すべきだろう。他に若くてダンスの上手な人も居たのになぁ~舞台を日本へ移してからは年齢にふさわしく見えてきたが・・・。
そんな中で今日一番の収穫は日本でも成功した久美に嫌がらせをする女優大海原朱里江絵を演じる相原奈保子さんの存在だった!大柄でド派手なメイク、 そしてペットの小型のダックスフントのお散歩! 真っ赤なドレスを纏い針金の綱で小刻みに手を震わせながら犬を操るのが操る仕草がとってもお上手で、「オオウナバラジュリエ」が舞台に登場すると、客席がワット湧く(笑)腰をかがめメガネを掛けた小柄なマネージャー役の方と共にこの作品の中で一番光っていたように思う(^^)終焉後会員さんたちの評判も大変良かったようだ。
終演後お見送りと称して役者さんが入り口に並びご挨拶、パンフレットを買った人だけにサインと握手のオマケ付き(^^ゞ パンフは買う予定は無かったのに、ジュリエさんが居たので、パンフを買ってサインをしてもらい握手をして帰ったよ、ハハハ・・・。登場人物も多いし・・・、高かったのかなぁ~? ついいらぬ事を考えてしまった(笑)
楽しい舞台だったと思う。

過激なダイエット実行中!

2008年06月08日 | 日記
超過激なダイエットを始めて今日で5日目です

朝コーヒー一杯(カロリーゼロの甘味料入り)だけ。
お昼10枚切りのパン(サンドイッチ用です)を半分にクリームチーズ添えと、野菜たっぷり、市販のルーを使わない油分ゼロ辛味たっぷりのカレーをマグカップ一杯
夜も似た様な食事で多分一日の摂取カロリーは500キロカロリーに満たないくらいだと思う。

こんな食事を5日間続けたおかげで体重は昨日の時点で3キロ減・・・やったぞう~
 
このダイエットに取り組むきっかけになったのは、先月26日に本家筋に当たる主人の従兄弟が亡くなった。その葬儀の為取り出した喪服が入らなくなっていた・・・愕然とした
いや、入るのは入ったがウエストがきつくてこれでは座っている事も食事も出来ない有様。
で、仕方なく夏の喪服を着て寒かったので上に半コートを羽織ってその場を凌いだ。
土日は大阪観劇、月曜日一日置いて火曜日はプールだったがその後の予定を何にも入れず、一念発起、水曜日からダイエットを始めた。
決心の度合いが異常に高かった為か、幸いな事にこの5日の間、空腹感に襲われることが無かった。今までダイエットの挫折はこの空腹感に耐えられなかった事なので、今回は決心が固かったお陰かも

問題はこれからだ!
食事を増やし始めると、つい食べ過ぎてしまう恐れあり
リバウンドに気をつけなければ。

しかし不思議な事に目方が3キロ減ったのに体脂肪が4(単位は何じゃろ?)
増えてんだよ 不思議な事もあるもんだ。

膝が痛いので椅子に座って筋トレするくらいで、たいした運動は出来ないでいる。そんな中で唯一思いっきり動けるのがプールの中だ。
明日はプールだから少し食事を増やしてみよと思う。
でないと力いっぱい泳げないしプールの中でぶっ倒れてしまいそうだから・・・

もうひと踏ん張り頑張るぞ~

しかしテレビで美味しそうなお寿司だとか、ケーキだとか見ると、もうあれは食べられないのかなぁ~と思うと決心が鈍りそう

食べても食べても肥らない人が羨ましい

『王様とおばさん』 ドラマシティ

2008年06月01日 | 観劇日記
5/31・6/1『王様とおばさん』ドラマシティ
脚本・演出=福島三郎
キャスト
竹本真奈=宮本信子
ピリカアイエア=布施明
リリウオカラニ=羽野晶紀
水口花子=宮地雅子
福山平治=東山義久
小野雅代=土居裕子
ポポカイナ・二瓶=山地和弘
プイプイ=本間剛
ヌイヌイ=大内恵

あらすじ
竹本真菜、62歳。
最愛の夫に先立たれた後、孤独感と焦燥感に苛まれた真菜は義妹・雅代、友人の花子と共に亡き夫との思い出の地・ハワイに旅立つ。
イケメン添乗員・福山平治に案内され、三人が到着したのはハワイ・モロカイ島。
そこに建つ豪華なお屋敷で熟年女三人の楽しい生活が待っているはずなのだ。
お屋敷の管理人である陽気な日系人ポポカイナ・二瓶が不思議な忠告をする。
「知らない声で名前を呼ばれても絶対に返事はしないように。」

最初はそんな迷信など意に介しなかった三人だが・・・・・。ある夜、思い出の洞窟に一人出かけていった真菜は、
懐かしい声で名前を呼ばれる。
思わず答えてしまう真菜・・・・・その声の先には・・・・・?

その日以来、真菜の身体がどんどん弱っていく。 「知らない声に答えてはならぬ」それは迷信などではなく、
現実に真菜たちの身におこっている現実なのだ。
果たして、真菜は・・・・・。
(ここまでがぴあに紹介されていたストーリー)

南の島ハワイ・モロカイ島では、ハワイの王・ピリカアイエラと王女・リリウオカラニの二人の魂が成仏できずに彷徨っていた。
そのモロイカ島へ旅行者たちが到着した。管理人であるポポカイナ・二瓶が忠告する。
「見知らぬ人の呼びかけに返事をしないよう」だが真奈は自分を呼ぶ声に思わず返事をしてしまう。それはまさに霊界からの呼び声のだ。
声の主はピリカアイエラ王、その声は亡くなった主人にそっくりでピリカ王もまたこの世に心を残していた。それは海にさらわれ行方知れずの妻マナマナの事。
そして羽野晶紀さん演じるリリウオカラニ王女「ほんまなんじゃろか?」などと、やや大阪弁のアクセントの混じった台詞を羽野さんの何時もの舌足らずの言い方で個性豊かに演じたのがとても可愛らしく好感が持てた。ただ羽野さんの衣装がハワイなのに、まるでエリザベートが着るようなゴテゴテ衣装・・・、チョット暑苦しい(笑)この二人に仕えているのがプイプイとヌイヌイ、それと管理人のポポカイナ・二瓶の三人は霊界とこの世を行き来できる。こんな風にこの世と霊界を行ったり来たりのお話しなんだが、イケメン添乗員を演じるのが東山義久君、もう正統派の大阪弁をバンバン喋る(笑)もっとも大阪出身だから喋れて当たり前なんだけど、この大阪弁が平治の可笑しさにぴったり来るんだわぁ~!東山君がこんなにお笑いキャラが出来るなんて知らなかったなぁ~!。だけど舞台を観ている間じゅう、笑といい大阪弁といいそのまま堤慎一さんのイメージになってしまって・・・(笑)
その平治と花子はサトウキビのジュースを飲んだ所これに媚薬が仕掛けてあり二人はほんわかとした雰囲気になってしまう。そこで平治は告白する。「ほんまはダイナマイト・ソックスというダンスグループのリーダーなんです」(爆)これは実際に所属している「ダイヤモンド・ソックス」に引っ掛けたしゃれなんだけど会場は大受けだった!かなりの東山フアンが来ているらしい(^^)
ポポカイナ・二瓶の山路和弘さん、「私にはもう一つミドルネームがありまして、ホンマカイナ・二瓶といいますが・・・」(爆)お笑いキャラを結構楽しそうに演じていらっしゃいました(笑)
真奈が王の呼びかけに返事をした事から王と出会い語らいのうちに二人の迷いが消えてゆき、リリウオカラニはアメリカに征服されハワイ王国が滅亡し最後の女王になってしまった事への罪の意識が消えなかったが、そんな王女に対して花子は「ハワイはハワイよ!」と言う。こんな風に訳隔てなく語りあえた事にリリウオカも次第に迷いがなくなっていく。
そこで神に捧げる踊りフラダンスを全員で踊ることになる。宮本信子さん、年齢は幾つになられるのだろう? ゆるやかに、優雅にフラを踊る姿がとても美しかった。ダイナマイトソックスに属するイケメン平治のフラダンスはさすがに特別メニューで素晴らしい体の切れを見せてくれた。
ピリカアイエラ王とリリウオカラニ王女は迷いが無くなり成仏する。プイプイもヌイヌイも二人に従った。
幽霊が出てくるようなファンタジーとも言うべきお話だったが始めから終わりまで楽しい笑に包まれてとても暖かい気持ちになれた舞台だった。