扇子と手拭い

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ゲストが大当たり! はじけた初の独演会!!

2016-09-19 00:37:59 | 落語

 初の独演会を17日、東京・浅草で開いた。旅先のホテルや宿で高座に上がったものを含め開いたボランティア落語会は300回を超えた。これを節目に、ご贔屓さまの応援もあって、独演会開催を決断した。

 落語芸術協会(桂歌丸会長)傘下の落語塾「花伝舎」で初めて落語を習ったのが2009年5月。落語の面白さに取りつかれた。落語と出会ってあたしの人生が変わった。勤め人時代には絶対に得られない充実感がある。

 それを感じたのは東日本大震災の被災地慰問だった。あたしの拙い落語を大変喜んでくださった。中には、終焉後に涙を流して手を握り、何度も礼を言ってくださる被災者の方がいた。

 これほどボランティア落語をやってよかった、と思ったことはない。人さまが喜んでくださる。こんなにやりがいのあることは、それまでなかった。仕事では味わえない喜び、満足、充実感があった。

 落語を通じて人と出会い、人の輪が広がった。若い人とも友達になった。感性豊かな彼らから学ぶことが多い。あたしが知らないことは若者たちに遠慮せず、どんどん聞く。そうした中で交流が深まる。歳は関係ない。

 初の独演会に果たして何人のお客様が来てくれるか、正直不安だった。落語仲間は「たとえ3人でも、4人でも客に変わりはない」と、励ましてくれた。勿論だが、出来ることはやろうと、可能な限り呼び掛けた。

 常連客のほか、昔の仕事仲間や先輩、フェイスブックの友達も駆け付けてくれた。そのかいあってか独演会は盛況だった。予想を超え、大好評を得たわけはゲストが飛び切りに良かったことである。

 独演会のゲストは「この人を置いてほかにいない」と確信していた。見事、ズバリ的中。早々に「今回のゲストさんとの組み合わせが大変良かった」とのうれしいメールが客から届いた。

 続きは「泥田でダイアモンドを見つけた気分!!」へ

落語をなめてかかると、とんだ目に遭う

2016-09-16 20:24:41 | 落語
 平日の15日、東京・神田の寄席「連雀亭」に行った。前座から昇格した二ツ目だけが出演する落語会だ。年金暮らしの貧乏人にとって何よりうれしいのは木戸銭の安さ。「ワンコイン寄席」と言うから500円玉一つでOKだ。

 これで1時間、たっぷり落語が楽しめる。開演は11時30分から12時30分の1回のみ。日替わりで毎日3人ずつ出演する。「連雀亭」は寄席で出番が少ない二ツ目の活躍の場に、と真打の古今亭志ん輔が奔走し実現した。

 この日は桂三木男が「悋気の独楽」、古今亭始が「片棒」、三遊亭日るねが「孝行糖」をそれぞれ高座にかけた。三木男は三代目桂三木助の孫だが、落語は世辞にもうまいとは言い難い。

 稽古不足がありありだ。本宅から妾んところに行く旦那が、「真夜中時分に寄席に行った」と三木男。設定がおかしい。「真夜中時分」に寄席などやっているわけがない。

 もうひとつ。定吉が着物の袂にしまったコマ3つ。そのうちの一つがこぼれ落ちた。にも拘らず、三木男は袂からコマ3個を取り出した。

 三木男は基本がなっていない。あたしたちは素人だが、こんな間抜けな落語はやらない。落語をなめてかかると、こんなシクジリをやらかす。落語以前の姿勢の問題だ。

「開演はまだなのかい?」 ご贔屓さまから熱い声!!

2016-09-15 21:24:51 | 落語
 あたしたちの落語の定席は浅草。ところが今年4月以来、ここで公演していない。「どうなってんだい?」と、ご贔屓さまから再三の問い合わせをいただいた。実はほかでやる場所が増えたので、ついつい後回しになってしまった。

 そんなことは言い訳にはならない。「開演はまだなのかい? みんな待ってんだよ」と言われ、番外編と銘打って初の独演会を開くことにした。7年前に落語芸術協会(桂歌丸会長)傘下の花伝舎で初めて落語を習った。

 春風亭遊雀、桂小文治、三遊亭圓馬ら本職の師匠の稽古は厳しかった。そのおかげで高座に上がることが出来た。地方公演も含めざっと数えて300回。ちょうど切りのいいところだ、と考え、独演会に踏み切った。

 披露する演目は夏限定の噺「千両みかん」と堅物の若旦那が騙されて連れていかれた吉原で“男”になる艶笑噺の名作「明烏」。残る一席を何にしようかと考え、いったんは滑稽噺の「粗忽長屋」にした。

 番組表もこの三席で印刷した。だが、稽古していても、どうも乗らない。落語は演者が楽しんでやれないと、聞く側は絶対に楽しくない。空気が伝染するのだ。

 思案の末に、「粗忽長屋」に替え、祭り好きの若い衆が登場する江戸っ子の「百川」をかけることにした。これはポンポンと、切れのあるタンカを切る粋な噺だ。これから秋祭りの本番だ。設定を夏から秋に移してやることにした。

 ところで河岸と言えば築地だが、江戸時代は日本橋だったと知る者は多くない。かく言うあたしも、落語を習うまでは知らなかった。最初は「なんで河岸が日本橋なんだ」と不思議に思った。

 調べた結果、日本橋と分かった。落語をやると波及効果でいろんなことを知るから面白い。「チョイト、中、冷やかしてくる」??? これが分からなかった。「中」というのは江戸の郭、吉原の中通りのことを指した。

 通りの両側には全国に名を知られた遊郭が軒を連ねた。吉原は遊女3000人御免の場所と呼ばれた幕府公認の“男性天国”。ここの大夫となると、銀座の売れっ子など足元にも及ばないほど教養が高かったという。彼女たちは江戸でも指折りの文化人だったという。

 いけねえ、いけねえ。話が堅苦しくなっちまった。「明烏」に戻そう。堅物のせがれの将来を案じた大店(おおたな)の旦那が、町内の札付きに頼んで「お稲荷さんにお参りに行く」と偽って吉原に連れていく。噺はしり上がりに面白くなっている落語の名作だ。

 ゲストには当代一の人気女子大生噺家を呼んでいる。楽しい落語という点では本職の落語家も足袋はだしだ。落語は子供が親を手玉に取る「真田小僧」。残る一席はこれまた愉快な「初天神」だ。

もちろん木戸銭無料だ。9月17日18時30分開演。

古典落語はやはり雲助が当代一だ

2016-09-14 23:18:00 | 落語
 久しぶりに落語を聴きに行った。「今日は一日 古今亭+金原亭」と銘打ち、東京・水天宮の日本橋劇場で11日、催した五街道雲助と弟子たちの会である。3カ月も前から前売り券を買って、楽しみにしていた落語会だ。

 一番のお目当ては当然、雲助落語。それに加えて、弟子の「桃月庵白酒がいい」と聞いていたので一度、ナマで聞いてみたいと思っていた。

 昼夜二回の公演で夜の部を聴いた。一、二階合わせて440の客席は入れ替え制だがすべて満席。昼夜続けて聴いたという人が3割ほどいたのにはびっくりだ。何しろ午後4時から始まった夜の部が終わったのは7時30分。実に3時間半の長丁場。

 さて、肝心の落語だが、「雲助はさすがだ」と、居並ぶ客をうならせた。古典落語をやらせたら多分、当代一だろう。売れっ子噺家はほかにもいるが、玄人好みの雲助には「ガチのファン」がついている。

 あたしはガチではないが、雲助が演じる遊び人の町人はなんとも粋だ。聴いていて歌舞伎の舞台の絵が頭に浮かぶ。あたしも、あんな風に演じてみたいと思うが、そうは問屋が卸さないところが悔しい。

 雲助は、馬石「粗忽の使者」のあと、「家見舞」をかけた。この噺は兄貴分の新築祝いに、ゼニがないので、便所として使った肥甕を持って行くという滑稽噺だ。あたしは噺の中身がチョイト、えげつないのでこの噺はやらない。

 下手にやると匂ってくるような感じになるが、そこは雲助。肥甕にはった水で炊いためしを食べるところなんぞもサラッときれいに演じて見せた。噺の随所で客席は大笑い。

 馬石がもう一席、「夢金」を披露。雲助も「ずっこけ」を公演。ところで、白酒だが、中入りを挟んで「青菜」と「疝気の虫」を高座にかけた。期待したほどではなかった。ある落語仲間がいいというので期待していたが、期待外れだった。

 この程度の噺家ならどこにでもいる。特別扱いをするほどではない。気になったのは、やたら「くすぐり」を挿入。最近の噺家はがよくやる手だ。受けを狙って「笑いを取ろう」とするのである。

 あたしは、こういうのが好きではない。自然の中で笑いが起きる。これが話芸の本質ではないかと思う。雲助は、「若い人は、若い人なりにやればいい」と放任主義だ。ま、落語は好き好き。あたしは雲助のような、粋な「本寸法」を目指したい。

ボーイフレンドと間違われた女子大生!

2016-09-13 05:05:20 | 落語
 彼女の髪型が変わった。「どうしたんだろう」と考えた。やっと分かった。彼女は今、人気ナンバーワンの女子大生落語家。もちろんアマチュアだが、愉快な落語を語らせたら、プロの噺家も足袋はだしの腕前だ。

 そんな彼女が、あたしが主催する落語会に出演した。場所は伝統芸能のメッカ・浅草。彼女はオチケン(大学の落語会)の後輩の女子大生と2人でやって来た。あたしのご贔屓さまもたくさん来てくださった。

 やがて出番が回ってきて彼女が高座に向かった。ご贔屓様の1人が、後輩に「ボーイフレンドですか」と尋ねた。キョトンとした後輩は「先輩は女性です」。高座に上がった女子大生をてっきり男性と思い込んでいた。

 無理もない。彼女は黒っぽい着物に頭はモンチッチのような髪型。声もハリがあってよく通る。これでは男性と間違うのも無理はない。

 後輩からこの話を聞いたのだろう。次回はすっかり女の子らしい髪型でやって来た。悪気はなかったが、「ボーイフレンド」には、乙女心がすっかり傷ついたようだ。

 でもあたしは前の髪型が好きだ。よく似合っている。それより何より、とっても可愛い。彼女によく似合っていた。今度言ってみようかな。「前の髪型似合ってたよ」。やっぱり、やめとこうか。