扇子と手拭い

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仰天!超エリートが研究者を断念、落語家の道を選択!

2018-05-20 21:08:56 | 落語
 東大の頂点は法学部と思うだろうが、その上があった。教養学部である。将来、研究者を目指す学生たちの学部である。そんなエリート中のエリート、しかも大学院まで出た若者が噺家になった。

 昨年秋に研究者の道を断念したと聞き、仰天した私は何度も思い直すよう説得した。だが、彼の志は変わらず落語家への道を選択、既にプロの噺家に弟子入りしていた。

 「なぜ? どうして? そんなもったいない」と私は我がことのように悔やんだ。

 彼との出会いは学生落語会だった。私は定年退職後、道楽で落語を習い、社会人噺家集団を結成してボランティアで出前寄席をやっている。

 だが、出演者が年配者ばかりだとマンネリ化する。新風を吹き込もうと各大学の落語会に顔を出し、有望な人材のスカウトに努めた。

 そんな中の一人が彼だった。噺がすこぶる上手なうえに雰囲気が明るい。父親がロシア人というだけあって抜群のイケメン。聞くと東大教養学部の大学院生。仰天した。

 「ぜひ私が主催する落語会に出てほしい」と私。ボランティアでやっているので出演料は出せないと伝えた。「いいですよ」と彼。「年内は論文の仕上げで無理なので年が明けてならOK」と言ってくれた。私に異論などあるはずがない。

 その時を待ちに待った。今年初めに電話したところ、「出演できなくなった」と彼。わけを聞くと「本職の噺家に弟子入りしたので師匠から素人の会には出るな」とクギを刺されたと言う。ガッカリだ。

 それから出演交渉はそっちのけで私の説得が始まった。「学者の道に進め。落語は道楽でやればいい」と促したが、「もう、決めました」と彼。両親に話したのかと聞くと、父親は「自分が決めた道に進め。だが、後で泣き言は言うな」と言った。

 なぜ、研究者を断念したかについて彼は言った。「将来が見通せない」ー。

 安倍政権になって基礎研究費をドンドン削減。大学には独立採算を促し、すぐ成果が出る分野に力点を置いた予算配分をし始めた。その上に少子化で研究者を取り巻く環境はますます厳しくなる。そんなことが彼の頭で交差したのではないか。

 「最初は物珍しくて話題になるだろうが、噺家は水商売だ。いつまでも人気が続くはずがない。だったらほかの道があるだろう。キミならいくらでも道が開ける」と説得したが、「自分が決めた道を歩みたい」と彼は譲らなかった。

 朝日新聞にこんな記事が出ていた。大学のスリム化で非常勤が増え続け大学によっては教員の7割が非常勤。年収も掛け持ちでやっと300万円に届くかどうかだそうだ。

 水町勇一郎・東京大教授の話 少子化や予算削減が進む中で教員定数の管理が厳しくなり、大学は常勤教員を減らさなければならず、少人数教育などを進めようとすれば、非常勤に頼らざるを得ない。

 ずっと非常勤のままという人も増えており、雇い止めで非常勤や任期付き教員が職を失うこともある。研究・教育の安定のためにも、できる限り無期雇用への転換を図るべきだ。

 金子元久・筑波大特命教授の話 非常勤教員と任期付き教員という「流動型」の大学教員が増え、その多くは若手教員だ。大学教員のキャリアの不透明さが大学院進学者の減少につながっているという指摘もあり、教員のキャリアの安定化が急務だ。

 一方で、仕事の評価もなく、70歳まで年功序列で給料が上がる大規模私大の専任教員も多く、二極化が組織の硬直化を生んでいる。

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 日本はこんなことでいいのだろうか? 安倍政権の選択は間違っていないのか? 有為な人材を無駄にしていないか?
 

胸にさらしを巻いたお祭りギャルたち!

2018-05-20 00:18:00 | 落語
 祭りと聞くといくつになっても血が騒ぐ。東京の初夏の風物詩、浅草の三社祭は19日が町内神輿連合渡御と聞いて、行かないわけにはいかない。早々に朝めしを終えて、浅草に向かった。

 地下鉄銀座線の終点、浅草は混んでいると思って、一つ手前の「田原町」で降りた。地上に上がった途端、にぎやかなお囃子が耳に飛び込んだ。「駒形」「花川戸」「仲見世」などと、粋な地区名を染め抜いた半纏姿が浅草の街を“占拠”していた。

 連合渡御と言うのは、浅草44カ町の約100基の「町内神輿」が一基ずつ浅草神社でお祓いを受けた上で、各町会まで練り歩くことだ。正午から始まった連合渡御が最後の一基までお祓いを終えるには、「4時間はかかる」と警備の関係者。

 「町内神輿」の中でも、西浅草3丁目の「西浅三北」の神輿が最大級というので、それを追っかけることにした。担ぎ手も半端な数ではない。神輿の周りが人の渦になっていた。「ソラ、ソラ」の掛け声に合わせて神輿が大きく波を打った。

 鉦と太鼓、横笛によるお囃子が祭り気分を一段と盛り上げる。神輿一基につき一台のお囃子屋台が付いているからにぎやかなものだ。時々勢い余って観客のそばまで神輿が接近しそうになると警備の担当が「ピー、ピー」と呼子笛を吹きながら、力づくで押し返す。

 はたで見ているとケンカが始まったのか?と錯覚するほど動きが激しい。神輿を担ぎながら途中で担ぎ手が次々交代するのだ。若いお祭りギャルが多いのも最近の特徴である。彼女たちは胸にさらしを巻いている。

 日ごろは自慢の長い髪をたくし上げ、チョイと斜めにねじり鉢巻き。そのうえで、印半纏旅はだしで形を整える。どこから見たって立派なお祭りギャルだ。小さな子供までこの姿。中には散歩に連れた犬にまで立派なはっぴを着せていた。

 途中、何か所かで中入りが入る。10分ほどの休憩時間だ。五代目高橋組の半纏を脱ぎ出した。前身クリカラモンモンの勢ぞろい。男ばかりか、若い女性が前も後ろも体中に彫り物をしているのにはビックリした。

 もう一つ驚いたのは欧米人やアラブ系とみられる外国人の入れ墨軍団である。こちらにも女性がいた。彼らも全員、褌姿に高橋組のはっぴを羽織っていたので構成員なのだろうか。

 当然注目の的となった。神輿そっちのけでスマホやカメラの放列が「背中で泣いてる唐獅子牡丹」ならぬ、般若や弁天さま、緋鯉の彫り物を追っかけた。

 白足袋に褌一丁のおアニイさん、おアネエさんたちはちゃんと心得ていて、カメラの注文に応じて好みのポーズまで取ってくれる。

 海外からの観光客は「記念に」と一緒に撮ってもらっていた。それを見ていた日本人観光客も、「私も、私も」とカメラに収まった。こうなると彼らはタレントだ。

 いよいよ20日は、神社神輿の「宮出し」「宮入り」である。一ノ宮、二ノ宮、三ノ宮が一斉に午前6時に「宮出し」となる。