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小文治師匠の高座は仕草がきれいと評判!

2018-05-30 01:38:17 | 落語
 桂小文治師匠の独演会に行った。寄席では聴けない「独演会ならでは」の濃い口の落語をたっぷりと堪能した。

 小文治師匠の落語は高座の仕草がきれいと評判。口コミで客も回を重ねるごとに増え、29日夜の東京・新橋の内幸町ホールは大入りだった。

 かけた演目は「汲みたて」と「船徳」。ほかに前座のこう治が「手紙無筆」、二つ目の鯉丸が「あわびのし」をかけた。そして江戸家まねき猫が、父親・猫八譲りの動物物まねを披露した。

 さて、「汲みたて」は若くてきれいな女師匠をめぐって恋のさや当てをする噺。「清元」「常磐津」「長唄」・・・昔はこんな遊芸を教える師匠が各町内にいた。

 町内の若い衆は粋な師匠に一目惚れ。ところが、師匠の“いい人”が建具屋の半次と知ったほかの連中は、羨ましいやら、憎たらしいやらで、大変な騒ぎ。


 師匠と半公が「柳橋から船で夕涼み」としゃれこんでいるさ中に、皆で押しかけて逢瀬「邪魔してやれ」と鉦や太鼓を用意し、船に乗り込んで待ち構えた。

 そこに師匠と半公の屋根船が通りかり、半公が得意ののどを披露すると、待ってましたとばかりにピーヒャラドンドンと鉦や太鼓をかき鳴らした。

 船べりへ躍り出た半公が「やい、この野郎!糞でもくらいやがれ!」

 「おもしれえ。くってやるから持ってこい」とやり返す若い衆たち。

 そこへ肥船がスーッと通りかかり、「汲み立てだが、一杯あがるけえ?」

 もう一席の「船徳」はご存知、古典落語の名作である。放蕩を重ねたおおたなの若旦那が勘当され、贔屓にしていた船宿に居候。止めるのも聞かず、客を乗せて舟を出し、大騒ぎを巻き起こす噺だ。

 居候のことを十階の身というと小文治師匠。どうしてかというと、二階に厄介になるから、十階だ。これは「聴き言葉」の洒落である。これを「書き言葉」にすると野暮になる。耳で聞いて楽しむ。これが落語の良さである。

 「船徳」を披露した後は「本日の打ち止め」となるが、ここでハプニングが起きた。

 5月29日が桂小文治師匠の誕生日。

 出演者を代表してまねき猫がお祝いのケーキをプレゼントすると会場から大きな拍手が起きた。

 そして全員でハピバースデー、ディア、小文治師匠の大合唱!

 師匠が言った。 「人生最高の感激」!

 楽しい会だった。