575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

東京タワー

2006年09月07日 | Weblog
去年、東京に行ったとき、初めて東京タワーに上りました。
東京はビルも多いけど緑も多いな~という印象でした。

さてリリー・フランキーさん著の「東京タワー」は読まれましたか?
今年、私が号泣した一冊です。イラストレーターのボクとオカンの関係を繊細につづった自伝。
オカンをガンで亡くしたボクは、生前一緒に行くという約束を果たせず、
位牌を持って東京タワーに上ります。そこでボクは気づきます。

「地上にいるときはわからなかったけど、東京にはお墓がいっぱいあると」
東京の風景全てが巨大な霊園に見えたと言うくだり。
東京に憧れ、ふるさとを捨ててやってきた人々の夢、希望、悔しさ、悲しみを眠らせる大きな墓場に見えると。

大好きなオカンを亡くして途方に暮れるボク。
人が母親から生まれ、全ての人が母親との別れを経験する。
交差点で行き交う人々を眺めながら、
「みんなその恐怖と戦い頑張っている。みんな、すごい、、、。」と思うボク。

母親の存在は偉大。紀子様のご出産にわく日本ですが天皇も一人の母から生まれるのですものね。どんな人生が待ち受けるかわからないのになぜか嬉しい生命の誕生。さて、40年後の日本はどんなことになっているのでしょう。  麗
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2 コメント

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なるほど! (遅足)
2006-09-07 09:04:54


東京にお墓が一杯あるという視点は

母を亡くしたボクならではの発見ですね。



闇のなくなった都市からは死のイメージが

消えてしまいましたものね。

良いのかどうか?分かりませんね。
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そうなんだ ()
2006-09-07 21:54:52
 不思議な物で人は高所から街を見下ろすと不思議な感情や想いに囚われるようですね。



 お墓という連想もユニークですね。



 私はずーと以前に花村満月の本だったかで主人公と恋人が眼下に広がる東京の夜景を眺めながら感想をもらすシーンにビックリした事があります。



 主人公が感慨深げに言うのです。

「この宝石箱をぶちまけたような光りの海の中でこの瞬間瞬間に流れ去っていく幾兆もの

精子達。 何と壮大なドラマじゃないか。そう思わないか?」 

 すると女の子は吸っていたタバコをポイと闇に投げ捨てて「わたし 帰る。」

 主人公はしばらく一人で夜景を眺め続けていました。



 やっぱり死のイメージでした。

 
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