575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

「さよならテレビ」を見て・・・  遅足

2018年09月08日 | Weblog

先日、「さよならテレビ」というドキュメンタリーを見ました。
名古屋のテレビ局の報道部の一年を追った番組です。

突然の取材に驚き、戸惑い、怒るデスクや部員たち。
そんなシーンから始まり、やがて3人を軸に番組は進んでいきました。

残業の多いことが社会問題となり、新しく入社した契約社員のWさん。
視聴率4位の汚名をそそぐために活躍が期待されるキャスター。
そして地元経済紙から転職してきたベテラン記者。

Wさんは経験も浅いことから取材もうまくいきません。
インタビューをした取材相手とのトラブルからOA直前の放送中止も。

キャスターのFさん。個性を押し出すことが求められていますが、
なかなか決められたセリフを出ることが出来ません。

ジャーナリストを志すベテラン記者は、共謀罪で起訴された人を取材。
権力の暴走をチェックする内容のレポートをOAします。
見出しには「テロ等準備罪」とあり「共謀罪」の文字はありませんでした。

そして一年後、視聴率は低迷したまま、キャスターは交代。
Wさんも契約を打ち切られて退社していきます。
ベテラン記者は番組のディレクターに問いかけます。
「テレビの描く現実って何ですか?」

これまでテレビカメラが紹介したことのない自分たちの職場。
飾ることなく淡々と描かれており、興味深く見ました。
番組のタイトルは「さよならテレビ」です。どういう意味でしょう?

「会社員なんだ」番組の中での報道部長の言葉。
番組を支配しているのはこの言葉でした。
「テレビ」という言葉には夢のあった時代があります。
今は誰も夢を託すこともありません。
そこで働く人たちのこころはテレビを離れてしまっている。
それが「さよならテレビ」というタイトルの意味でしょうか?

キャスターが交代を告げられたあと、ふっと肩の力が抜けて
個性を表現できるようになるシーンはとても印象的でした。
いったい何が彼を縛っていたのでしょう。

会社員であり、放送人であるという矛盾をまるごと抱えて生きる。
そんなキャスターに育って欲しいと思います。

            

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