575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

動詞の数を減らす  遅足

2018年11月12日 | Weblog
 
江戸時代の俳人・高井几董は、自分の句

  藤散るや猶さかのぼる淵の魚

を推敲して

  白藤や猶さかのぼる淵の鮎

と直したそうです。

淵の魚→淵の鮎に。たしかに鮎のほうが具体的でイメージもはっきりして良いですね。
もう一つが、藤散る→白藤、に。こちらは動詞を減らして名詞に。
散文から一歩抜け出した感じがしませんか?

子供のころ、毎日、日記を書く様にいわれて苦労しました。
そして、①起きて②顔を洗って③ご飯を食べました。
と、順々に起きたことを書いていたのを思い出しました。
つまり「叙述」していました。

この叙述に忠実であろうとすればするほど動詞が多くなります。
逆にいえば動詞を減らせば散文ではなくなるとも・・。

俳句も短歌も定型詩。つまり、藤散る、と叙述しなくても、
白藤と名詞によって提示するだけで十分なのです。

と、これは、歌人の高野公彦さんが「動詞の数を考える」のなかで
書いていることです。
参考になったらと思って引用してみました。





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