我が家で購読している新聞では、
小説の一説とその舞台やまつわる物(主に食べ物)を紹介するコーナーがあります。
単なる本の紹介よりおもしろいと思って読んでいます。
先日、そこに取り上げられたのが、
堀晃・作『梅田地下オデッセイ』
読んでみたいと思って探すと、初版で絶版、再版希望者募集中。
作者自身のサイトで、作品自体は読むことができました。
感想を一言で言うなら、
小説を読んでいるというより、地図を見ている感じ。
大阪梅田地下街に作為的に閉じ込められた人々の行動を追うというもので、
書かれたのがおよそ30年前だから、現在のその場所とは違いがあるけれど、
私は、頭の中にありの巣のごとく広がる梅田地下街をたどっていました。
『オデッセイ』なのは、
自らの意思ではなく、そこに閉じ込められた人々が、
出口を求め、または、安住の区画を求める冒険だからなのだけど、
通学通勤に、遊びに、まず梅田に出ないと始まらない生活を長くしている私には、
今も成長を続けるありの巣は、『ラビリンス』とも言えるのです。
新聞記事を見て、この作品を読んでみたいと思ったいちばんの理由は、
20年以上前、毎日毎日梅田の地下で、人の波を縫って移動していた頃、
ふと感じたことを思い出したからです。
『私はここで生きていけると思う』
そこにないのは地上の陽光だけで、
人間が生きていく為に必要な物は全てそろった場所だと感じたのです。
作者も私と同じように感じたことがあるのだと、勝手に思い込んでいました。
小説の一説とその舞台やまつわる物(主に食べ物)を紹介するコーナーがあります。
単なる本の紹介よりおもしろいと思って読んでいます。
先日、そこに取り上げられたのが、
堀晃・作『梅田地下オデッセイ』
読んでみたいと思って探すと、初版で絶版、再版希望者募集中。
作者自身のサイトで、作品自体は読むことができました。
感想を一言で言うなら、
小説を読んでいるというより、地図を見ている感じ。
大阪梅田地下街に作為的に閉じ込められた人々の行動を追うというもので、
書かれたのがおよそ30年前だから、現在のその場所とは違いがあるけれど、
私は、頭の中にありの巣のごとく広がる梅田地下街をたどっていました。
『オデッセイ』なのは、
自らの意思ではなく、そこに閉じ込められた人々が、
出口を求め、または、安住の区画を求める冒険だからなのだけど、
通学通勤に、遊びに、まず梅田に出ないと始まらない生活を長くしている私には、
今も成長を続けるありの巣は、『ラビリンス』とも言えるのです。
新聞記事を見て、この作品を読んでみたいと思ったいちばんの理由は、
20年以上前、毎日毎日梅田の地下で、人の波を縫って移動していた頃、
ふと感じたことを思い出したからです。
『私はここで生きていけると思う』
そこにないのは地上の陽光だけで、
人間が生きていく為に必要な物は全てそろった場所だと感じたのです。
作者も私と同じように感じたことがあるのだと、勝手に思い込んでいました。