おやじのつぶやき

おやじの日々の暮らしぶりや世の中の見聞きしたことへの思い

「五つの銅貨」(古きよき映画シリーズその3)

2012-11-09 22:29:10 | 素晴らしき映画
 劇場では観たことがありませんでした。今回初めて。
 1920年代。田舎町からニューヨークへ出てきたコルネットの得意な青年レッド・ニコルズ。歌手のボビーと結婚して独立し、若き日のトミー・ドーシーやグレン・ミラーも加わった、デキシーランド・ジャズ・バンド「ファイブ・ペニーズ」楽団を結成、旅から旅への巡業。娘のドロシーも産まれ、仕事、家庭も順調に。
 だが、そんな矢先、ドロシーが小児マヒにかかってしまった。ニコルズは娘の治療に専念するため楽団の解散を決意し、愛用のコルネットもゴールデンゲートブリッジから投げ捨てて、ロサンゼルスで造船所の職工になる(第二次世界大戦前夜で造船業も活気が出始めた頃)。
 懸命な介護の結果、不自由な身体ながらも成長していくドロシー。ニコルズの家にドロシーの友達が遊びにくる。造船所でかつての仲間が晴れやかに演奏するのを、横目で見ながら帰宅する労働者姿のニコルズ。ボビーがコルネットを持ってきてニコルズに手渡すが、彼は満足に吹くことができなかった。
 しかし、ボビーやドロシーの励ましの中、ニコルズは必死に練習を重ね、やっと場末のクラブで復帰することに。しかし、彼の名は世間からすっかり忘れられ、客はさっぱり集まらなかった。がっかりするレッドの前に、突然、ルイ・アームストロングがドーシーやミラーなど、かつてのメンバーを引き連れて現れ、セッションが始まった。そして、娘ドロシーから最高のプレゼントが・・・。
 実在のコルネット奏者レッド・ニコルズ (Red Nichols) の奇跡のカムバックを軸としながら、彼と妻ボビー、娘ドロシーとの家族愛を描いた映画。
 ルイ・アームストロングが本人役で登場してトランペットを演奏します。レッド・ニコルズ本人も、画面には登場しないが、コルネット演奏の吹き替えを行っています。ニコルズ役のダニー・ケイ、さすが最高のエンターテイナー、出色の出来(「谷啓」さんはこの人の名をもじってつけた。ただし、谷啓は、トロンボーン奏者)。
 映画の中で、“五つの銅貨”、“ラグタイムの子守唄”、“リパブリック賛歌”、“聖者の行進”・・・。すてきな曲が次々と豊かに奏でられます。
 ニコルズとサッチモの「聖者の行進」。掛け合い、サッチモの真似、言葉遊び・・・。またニコルズとその愛娘とサッチモが酒場で同時に別の歌を唄うシーン、など音楽的にも楽しい。

 CM用のラジオ録音の失態シーン(ハワイアン、コザック、カーボーイ。今もあるメーカー名が出てきます。)。ダニー・ケイは実に愉快で小気味よい才能を発揮していました。そのシーンを含めて、何度観ても楽しく心温かくなるシーンがたくさんありました。
 当時の時代背景も感じさせ、人物描写と生の音楽を組み合わせ、そして、ラストシーン。年を取ってずいぶんと涙腺がゆるくなったことを実感しました。
 ダニー・ケイが「ニューヨークフィル」を指揮した音楽映画(YouTube)がありますが、これもまた楽しく、すばらしい出来。楽譜も読めない彼が見事に機転の利いた指揮をする。合間での会話のおもしろさ。何度観ても飽きません。
 そういえば、昔(20年以上も前)、浅草にお酒を飲みながら、デキシーランドジャズ(「園田憲一とデキシー・キングス」?というバンドなども出演していた記憶が・・・)を中心に生演奏を聴かせてくれるお店がありました。今もあるのでしょうか?
 かつて(30年以上も前)、近所の公立の図書館からLP(ジャズのアルバム)をたくさん借りてきては、テープに保存していたこともついでに思い出しました。

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